アルジェリア民主人民共和国 アルジェ 1.位置付け ■ アルジェリアは,中東アラブ・地中海地域・アフリカ(サハラ) にまたがり,地域の安定に貢献。 ■ 「アラブの春」の影響を受けて周辺諸国の政権が崩壊する中,軍を中心とした権力体制で政治的安定 を維持。ブーテフリカ大統領の健康問題・後継者問題が課題。 ■ 天然ガス世界9位,原油世界17位の生産量を誇り,欧州へのエネルギー供給拠点。 ■ 治安面ではリビア・マリ情勢等周辺諸国の不安定化もあり,特にイスラム過激勢力の脅威が残る。 2.内政 基礎データ 1.人口: 3780万人(2013年,アルジェリア国家統計局) 2.GDP: 約2110億ドル(2014年,IMF) 3.一人当たりGNI: 5583ドル(2014年,IMF) 4.政体・議会: 共和制。国民議会(下院)と国民評議会 (上院)の二院制。 5.失業率: 10.7%(2014年,IMF) 6.日本との貿易額: 輸出877億円(LNG、石油製品) 輸入578億円(自動車、建設機械) (2013年,財務省貿易統計) 7.在留邦人数: 270人(2013年10月現在) 8.渡航情報: 南部国境地域で「退避勧告」、国境から 100km以内を除く南部及び北部一部地域で「渡航 延期」、これらを除き「渡航是非検討」。 ■ 1962年,仏から独立。以降,戦争を指揮したFLN(アルジェリア民族解放戦線)や軍・治安機関を中心 とした権力構造が確立。 ■ 1992年の国政選挙におけるイスラム原理主義政党の躍進と政府による同政党の非合法化を契機に, イスラム過激派によるテロ活動が深刻化。約10年間で犠牲者10万人超。1999年のブーテフリカ大統領 就任以来,国民和解政策とテロリストの掃討作戦により,治安情勢は大きく改善。 ただし,「イスラム・ マグレブ諸国のアル・カーイダ(AQIM)」の活動,マリ・リビア等の周辺諸国の治安悪化等により,テロの 脅威は存続。ISILの勢力拡大については限定的。 ■ 2011年1月以降,「アラブの春」の影響を受け,社会経済改革を求める抗議活動が展開。政府は, 原油価格高騰により増大した国家収入を元にした補助金交付等の施策を実施。2月には1992年に発出 された非常事態宣言を解除。 ■ 2014年4月,ブーテフリカ大統領が四選。本年3月6日に憲法改正が発布。①首相の権限強化,②大 統領の任期制限,③首相任命時の与党の関与,等が柱。 3.外政 ■ 独立以降,非同盟,反植民地・反帝国主義,アラブの連帯を標榜し,非同盟諸国会議,アラブ連盟, アフリカ連合等において指導的地位を占めた。冷戦が終結した1990年代以降,イスラム過激主義勢力の 脅威,及び,国内経済の不振等から,西側諸国との友好関係強化を推進。 ■ ブーテフリカ大統領の就任後,90年代の10年間にわたる国内テロのイメージを改善することに尽力。 ■ アフリカでは「NEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)」推進の中心的な国として活躍。 4.二国間関係 ■ 日本企業は1960年代より,石油・天然ガス分野を中心に,インフラや建機・輸送機械の分野に進出。 COJAALが東西高速道路事業を5300億円で受注。(代金未払い問題が懸案。) ■ 2013年1月,日揮が参画するイナメナス・ガスプラントに対するテロ事件が発生し,邦人10名が死亡。 ■ 2010年,前原外務大臣が外相として初めてアルジェリアを訪問。直近では,2015年5月,薗浦政務官 が訪問。ブーテフリカ大統領は過去に3度訪日。
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