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2016 年 10 月 19 日
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CBREが全国13都市のオフィスビル市場動向(2016年第3四半期)を発表
東京オールグレードの空室率は2012年Q4以来、15期ぶりに上昇
札幌、京都、福岡の空室率は過去最低値を更新
CBRE(日本本社:東京都千代田区丸の内)は本日、2016年第3四半期(Q3)の全国13都市オフィス
ビル市場動向を発表しました。
【注目動向】
 東京グレードA空室率は対前期比+0.8ポイントの2.7%と、6期ぶりに上昇

大阪グレードA空室率は対前期比横ばい、グレードBは同-0.3ポイントの3.7%

名古屋グレードA空室率は二次空室の発生により、対前期比+0.3ポイントの3.3%に

地方都市全てで賃料は上昇
■東京23区
2016年Q3の東京23区のオールグレード空室率は対前期比+0.2ポイントの2.6%となり、15期ぶり
に上昇に転じました。大型ビルが空室を残して竣工したことが主因です。今期は夏季休暇を挟むため、
テナントの動きがやや鈍くなることも影響しました。
労働市場の需給逼迫は続いており、企業のオフィス拡張ニーズも引き続き強い状況です。とはいえ、
円高を背景に業績の縮小が見込まれるなか、企業は移転の意思決定にやや慎重になりつつありま
す。特に、高額賃料のビルでは契約締結に至るケースが少なくなっています。しかし、賃料水準が割
安なエリアでは、社員数を増やした企業が拡張移転するという事例も複数みられています。賃料に値
ごろ感のあるビルでは、長期化していた空室が大きく消化されるというケースもみられました。
2016年Q3の東京のグレードA空室率は、対前期比+0.8ポイントの2.7%となり、6期ぶりに上昇しま
した。今期は、グレードAビルが1棟竣工しました。賃料水準を高く設定するリーシング戦略から空室
を抱えての竣工となっています。一方で、既存ビルでは新規開設や館内増床、もしくは集約移転に
よってまとまった空室が消化される事例が複数みられました。来期もまた、2棟のグレードAビルが竣
工する予定です。経済見通しが不透明で、移転ニーズのあるテナントもスペースの確保には慎重に
なっています。リーシングに時間がかかるようであれば、まとまった空室を抱えての竣工となるため、
来期もグレードAの空室率は上昇する可能性があります。
グレードAの想定成約賃料は対前期比+1.0%の35,750円/坪。「新宿」エリアのように比較的割安
感のあるエリアでは、空室が発生してもすぐ後継テナントが見つかる状況です。このようなエリアでは
オーナーも強気で、募集賃料を引き上げる動きがみられました。
CBRE 代表取締役 エグゼクティブマネージングディレクターの渡辺善弘は、「引き続き、フロアが広く、
設備水準の高いオフィス床を物色する企業の動きは衰えていない。ただし、賃料が高額のオフィスへ
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の移転については、意思決定に時間がかかる傾向がみられる。今後まとまった空室を消化するには、
長めのフリーレント期間など、オーナーが柔軟に対応する必要のあるビルもでてくるだろう」とコメント
しています。
■大阪
2016 年 Q3 の大阪のオールグレードの空室率はグレード B を中心に低下し、対前期比-0.3 ポイン
トの 4.6%となりました。全国展開企業から地場中堅企業にいたるまで、幅広い企業に旺盛な床需要
がみられます。しかしその需要はほぼグレード B に集中しています。増床ニーズはあるものの、賃料
負担を抑えたいと考える企業が多く、割安感のあるグレード B が選好されているようです。
2016 年 Q3 の大阪のグレード A の空室率は対前期比横ばいの 4.5%となりました。新規に空室が
発生するケースは少ないものの、グレード A の中でも賃料が特に高額のビルは、テナントが決まるま
でにやや時間がかかっているようです。想定成約賃料も対前期比+0.2%と、わずかな上昇にとどま
りました。今後もグレード A では、空室率の低下も、賃料の上昇も、いずれも緩やかなペースで推移し
そうです。
CBRE 関西支社長の上遠野孝は、「景気見通しの不透明感から、移転に慎重な企業が増えると年初
には予想していた。しかし実際にスローダウンしている印象はない。ただ、グレード A の動きが鈍くグ
レード B の動きが活発であることをみると、床は必要だがコストは抑えたいと考える企業が多いのだろ
う。需要サイドが慎重になっても大阪では新規供給が少ないので、空室率の低下トレンドは今後も続
くだろう」と述べています。
■名古屋
2016年Q3の名古屋のオールグレードの空室率は対前期比横ばいの4.1%となりました。
コールセンターの新規開設や、自社ビル建替えに伴う一時移転、郊外からの移転などによってまと
まった空室が消化されました。一方、新築大型ビルへの集約移転の反動で、複数のビルで二次空室
が発生しています。しかし、賃料が1万円台前半の割安なビルへの移転需要は堅調であり、「名駅」
エリア以外でも二次空室は順調に消化される見込みです。
2016年Q3の名古屋グレードAの空室率は、対前期比+0.3ポイントの3.3%と、3期ぶりに上昇しまし
た。2017年に「名駅」エリアで2棟の大型ビルの竣工を控え、既存ビルへの大口テナントの動きは乏
しい状況です。グレードAビルの想定成約賃料は対前期比-0.4%の23,550円/坪。一部のビルで、
稼働率を上げるため募集賃料を引き下げています。
CBRE名古屋支店長の藤本隆博は、「新しいオフィスへの移転ニーズは、引き続き幅広いエリアでみ
られている。来年に大型ビルの竣工が控えているものの、引き続き需給はタイトに推移するだろう」と
述べています。
■全国の市況
2016年Q3の全国各都市の空室率は、調査対象13都市中、7都市で前期に比べて低下しました。新
規開設のほか、人員拡大に伴う館内増床や拡張移転など企業のオフィス需要は旺盛です。郊外から
の移転や、建替えに伴う立ち退き移転なども継続しています。まとまった空室がないため、分室に
よってスペースを確保する事例も散見されました。「札幌」、「京都」、「福岡」で空室率は過去最低値
を更新しています。「金沢」では対前期比-0.6ポイントの9.8%となり、2003年調査以来初の10%割
れとなりました。首都圏では、「さいたま」の空室率が対前期比-0.5ポイントの1.6%と過去最低を記
録。一方、横浜では、移転に伴う新たな空室が発生し、対前期比+0.1ポイントの4.5%となりました。
想定成約賃料は、前期に続き、地方10都市全てで上昇しました。「札幌」や「福岡」では、対前期比+
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1%以上の上昇率を記録しています。その他の都市では、需要に見合う受け皿が不足していることを
背景に空室率低下のペースが鈍化し、賃料の上昇率もやや緩やかになっています。
■全国の空室率・想定成約賃料
グレードA
空室率
想定成約賃料
Q2 2016
Q3 2016
前期比
Q2 2016
Q3 2016
東京
1.9%
2.7%
+0.8pts
35,400
35,750
+1.0%
大阪
4.5%
4.5%
±0.0pts
20,150
20,200
+0.2%
名古屋
3.0%
3.3%
+0.3pts
23,650
23,550
-0.4%
グレード A マイナ
ス
東京
グレードB
空室率
想定成約賃料
Q2 2016
Q3 2016
前期比
Q2 2016
Q3 2016
前期比
2.3%
2.5%
+0.2pts
24,350
24,400
+0.2%
空室率
Q2 2016
Q3 2016
東京
2.7%
大阪
4.0%
名古屋
3.8%
オールグレード
前期比
想定成約賃料
前期比
Q2 2016
Q3 2016
2.7%
±0.0pts
20,650
20,700
+0.2%
3.7%
-0.3pts
11,350
11,550
+1.8%
3.4%
-0.4pts
12,050
12,100
+0.4%
空室率
前期比
想定成約賃料
Q2 2016
Q3 2016
前期比
東京
2.4%
2.6%
+0.2pts
Q2 2016
Q3 2016
前期比
東京主要 5 区
2.0%
2.2%
+0.2pts
大阪
4.9%
4.6%
-0.3pts
名古屋
4.1%
4.1%
±0.0pts
横浜
4.3%
4.4%
+0.1pts
13,920
14,010
+0.6%
さいたま
2.1%
1.6%
-0.5pts
15,650
15,730
+0.5%
札幌
仙台
1.5%
1.1%
-0.4pts
11,340
11,520
+1.6%
6.7%
6.9%
+0.2pts
金沢
9,550
9,570
+0.2%
10.4%
9.8%
-0.6pts
9,620
9,680
+0.6%
京都
3.0%
2.3%
-0.7pts
11,590
11,660
+0.6%
神戸
5.9%
6.0%
+0.1pts
10,680
10,740
+0.6%
広島
2.8%
3.3%
+0.5pts
10,200
10,250
+0.5%
高松
10.5%
10.0%
-0.5pts
8,730
8,760
+0.3%
福岡
2.2%
2.1%
-0.1pts
11,500
11,640
+1.2%
出所: CBRE, Q3 2016
©2016 CBRE, Inc.
CBRE News Release
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■東京
(円/坪)
36,000
35,500
35,000
34,500
34,000
33,500
33,000
32,500
32,000
31,500
31,000
5.0%
35,750
4.5%
4.0%
3.5%
2.7%
2.7% 3.0%
2.6%
2.5% 2.5%
2.0%
1.5%
Q3 2015
Q4 2015
Q1 2016
グレードA 想定成約賃料
グレードAマイナス 空室率
オールグレード(23区) 空室率
Q2 2016
Q3 2016
グレードA 空室率
グレードB 空室率
出所: CBRE, Q3 2016
■大阪
(円/坪)
20,500
6.0%
5.5%
20,200
20,000
5.0%
4.6% 4.5%
4.5%
19,500
4.0%
19,000
3.7%
18,500
3.5%
3.0%
Q3 2015
Q4 2015
Q1 2016
Q2 2016
Q3 2016
グレードA 想定成約賃料
グレードA 空室率
グレードB 空室率
オールグレード 空室率
出所: CBRE, Q3 2016
©2016 CBRE, Inc.
CBRE News Release
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■名古屋
(円/坪)
24,000
5.0%
23,500
23,550 4.1%
23,000
4.5%
4.0%
22,000
3.4% 3.5%
3.3%
3.0%
21,500
2.5%
21,000
2.0%
20,500
1.5%
22,500
1.0%
20,000
Q3 2015
Q4 2015
Q1 2016
Q2 2016
Q3 2016
グレードA 想定成約賃料
グレードA 空室率
グレードB 空室率
オールグレード 空室率
出所: CBRE, Q3 2016
■全国10都市空室率
14.0%
12.0%
10.0%
9.8%
10.0%
8.0%
6.9%
6.0%
6.0%
4.4%
3.3%
2.3%
2.1%
1.6%
1.1%
4.0%
2.0%
0%
Q3 2015
Q4 2015
Q1 2016
Q2 2016
Q3 2016
横浜
さいたま
札幌
仙台
金沢
京都
神戸
広島
高松
福岡
出所: CBRE, Q3 2016
©2016 CBRE, Inc.
CBRE News Release
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■全国10都市想定成約賃料
(坪 /
16,000
円)
15,730
15,000
14,000
14,010
13,000
11,660
11,640
11,520
10,740
10,250
9,680
9,570
8,760
12,000
11,000
10,000
9,000
8,000
Q3 2015
Q4 2015
Q1 2016
Q2 2016
Q3 2016
横浜
さいたま
札幌
仙台
金沢
京都
神戸
広島
高松
福岡
出所: CBRE, Q3 2016
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各都市のマーケットデータおよび市況の解説詳細は、10月28日発刊の「ジャパンオフィスマーケット
ビューQ3 2016」または弊社ホームページ上でもご覧頂けます。 www.cbre.com.
CBRE について
CBRE グループ(NYSE:CBG)は、「フォーチュン 500」や「S&P 500」にランクされ、ロサンゼルスを本拠とする世界最大
の事業用不動産サービスおよび投資顧問会社です(2015 年の売上ベース)。全世界で 70,000 人を超える従業員、
400 カ所以上の拠点(系列会社および提携先は除く)を有し、投資家、オキュパイアーに対し、幅広いサービスを提
供しています。不動産売買・賃貸借の取引業務、プロパティマネジメント、ファシリティマネジメント、プロジェクトマネジ
メント、事業用不動産ローン、不動産鑑定評価、不動産開発サービス、不動産投資マネジメント、戦略的コンサルティ
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