N E W S R E L E A S E 〒100-0005 東京都千代田区丸の内 2-1-1 明治安田生命ビル 18F T 03 5288 9288 www.cbre.co.jp Twitter: @cbrejapan 2016 年 10 月 19 日 お問い合わせ先: CBRE コーポレートコミュニケーション 03-5288-9283 CBREが全国13都市のオフィスビル市場動向(2016年第3四半期)を発表 東京オールグレードの空室率は2012年Q4以来、15期ぶりに上昇 札幌、京都、福岡の空室率は過去最低値を更新 CBRE(日本本社:東京都千代田区丸の内)は本日、2016年第3四半期(Q3)の全国13都市オフィス ビル市場動向を発表しました。 【注目動向】 東京グレードA空室率は対前期比+0.8ポイントの2.7%と、6期ぶりに上昇 大阪グレードA空室率は対前期比横ばい、グレードBは同-0.3ポイントの3.7% 名古屋グレードA空室率は二次空室の発生により、対前期比+0.3ポイントの3.3%に 地方都市全てで賃料は上昇 ■東京23区 2016年Q3の東京23区のオールグレード空室率は対前期比+0.2ポイントの2.6%となり、15期ぶり に上昇に転じました。大型ビルが空室を残して竣工したことが主因です。今期は夏季休暇を挟むため、 テナントの動きがやや鈍くなることも影響しました。 労働市場の需給逼迫は続いており、企業のオフィス拡張ニーズも引き続き強い状況です。とはいえ、 円高を背景に業績の縮小が見込まれるなか、企業は移転の意思決定にやや慎重になりつつありま す。特に、高額賃料のビルでは契約締結に至るケースが少なくなっています。しかし、賃料水準が割 安なエリアでは、社員数を増やした企業が拡張移転するという事例も複数みられています。賃料に値 ごろ感のあるビルでは、長期化していた空室が大きく消化されるというケースもみられました。 2016年Q3の東京のグレードA空室率は、対前期比+0.8ポイントの2.7%となり、6期ぶりに上昇しま した。今期は、グレードAビルが1棟竣工しました。賃料水準を高く設定するリーシング戦略から空室 を抱えての竣工となっています。一方で、既存ビルでは新規開設や館内増床、もしくは集約移転に よってまとまった空室が消化される事例が複数みられました。来期もまた、2棟のグレードAビルが竣 工する予定です。経済見通しが不透明で、移転ニーズのあるテナントもスペースの確保には慎重に なっています。リーシングに時間がかかるようであれば、まとまった空室を抱えての竣工となるため、 来期もグレードAの空室率は上昇する可能性があります。 グレードAの想定成約賃料は対前期比+1.0%の35,750円/坪。「新宿」エリアのように比較的割安 感のあるエリアでは、空室が発生してもすぐ後継テナントが見つかる状況です。このようなエリアでは オーナーも強気で、募集賃料を引き上げる動きがみられました。 CBRE 代表取締役 エグゼクティブマネージングディレクターの渡辺善弘は、「引き続き、フロアが広く、 設備水準の高いオフィス床を物色する企業の動きは衰えていない。ただし、賃料が高額のオフィスへ ©2016 CBRE, Inc. CBRE News Release Page 2 の移転については、意思決定に時間がかかる傾向がみられる。今後まとまった空室を消化するには、 長めのフリーレント期間など、オーナーが柔軟に対応する必要のあるビルもでてくるだろう」とコメント しています。 ■大阪 2016 年 Q3 の大阪のオールグレードの空室率はグレード B を中心に低下し、対前期比-0.3 ポイン トの 4.6%となりました。全国展開企業から地場中堅企業にいたるまで、幅広い企業に旺盛な床需要 がみられます。しかしその需要はほぼグレード B に集中しています。増床ニーズはあるものの、賃料 負担を抑えたいと考える企業が多く、割安感のあるグレード B が選好されているようです。 2016 年 Q3 の大阪のグレード A の空室率は対前期比横ばいの 4.5%となりました。新規に空室が 発生するケースは少ないものの、グレード A の中でも賃料が特に高額のビルは、テナントが決まるま でにやや時間がかかっているようです。想定成約賃料も対前期比+0.2%と、わずかな上昇にとどま りました。今後もグレード A では、空室率の低下も、賃料の上昇も、いずれも緩やかなペースで推移し そうです。 CBRE 関西支社長の上遠野孝は、「景気見通しの不透明感から、移転に慎重な企業が増えると年初 には予想していた。しかし実際にスローダウンしている印象はない。ただ、グレード A の動きが鈍くグ レード B の動きが活発であることをみると、床は必要だがコストは抑えたいと考える企業が多いのだろ う。需要サイドが慎重になっても大阪では新規供給が少ないので、空室率の低下トレンドは今後も続 くだろう」と述べています。 ■名古屋 2016年Q3の名古屋のオールグレードの空室率は対前期比横ばいの4.1%となりました。 コールセンターの新規開設や、自社ビル建替えに伴う一時移転、郊外からの移転などによってまと まった空室が消化されました。一方、新築大型ビルへの集約移転の反動で、複数のビルで二次空室 が発生しています。しかし、賃料が1万円台前半の割安なビルへの移転需要は堅調であり、「名駅」 エリア以外でも二次空室は順調に消化される見込みです。 2016年Q3の名古屋グレードAの空室率は、対前期比+0.3ポイントの3.3%と、3期ぶりに上昇しまし た。2017年に「名駅」エリアで2棟の大型ビルの竣工を控え、既存ビルへの大口テナントの動きは乏 しい状況です。グレードAビルの想定成約賃料は対前期比-0.4%の23,550円/坪。一部のビルで、 稼働率を上げるため募集賃料を引き下げています。 CBRE名古屋支店長の藤本隆博は、「新しいオフィスへの移転ニーズは、引き続き幅広いエリアでみ られている。来年に大型ビルの竣工が控えているものの、引き続き需給はタイトに推移するだろう」と 述べています。 ■全国の市況 2016年Q3の全国各都市の空室率は、調査対象13都市中、7都市で前期に比べて低下しました。新 規開設のほか、人員拡大に伴う館内増床や拡張移転など企業のオフィス需要は旺盛です。郊外から の移転や、建替えに伴う立ち退き移転なども継続しています。まとまった空室がないため、分室に よってスペースを確保する事例も散見されました。「札幌」、「京都」、「福岡」で空室率は過去最低値 を更新しています。「金沢」では対前期比-0.6ポイントの9.8%となり、2003年調査以来初の10%割 れとなりました。首都圏では、「さいたま」の空室率が対前期比-0.5ポイントの1.6%と過去最低を記 録。一方、横浜では、移転に伴う新たな空室が発生し、対前期比+0.1ポイントの4.5%となりました。 想定成約賃料は、前期に続き、地方10都市全てで上昇しました。「札幌」や「福岡」では、対前期比+ ©2016 CBRE, Inc. CBRE News Release Page 3 1%以上の上昇率を記録しています。その他の都市では、需要に見合う受け皿が不足していることを 背景に空室率低下のペースが鈍化し、賃料の上昇率もやや緩やかになっています。 ■全国の空室率・想定成約賃料 グレードA 空室率 想定成約賃料 Q2 2016 Q3 2016 前期比 Q2 2016 Q3 2016 東京 1.9% 2.7% +0.8pts 35,400 35,750 +1.0% 大阪 4.5% 4.5% ±0.0pts 20,150 20,200 +0.2% 名古屋 3.0% 3.3% +0.3pts 23,650 23,550 -0.4% グレード A マイナ ス 東京 グレードB 空室率 想定成約賃料 Q2 2016 Q3 2016 前期比 Q2 2016 Q3 2016 前期比 2.3% 2.5% +0.2pts 24,350 24,400 +0.2% 空室率 Q2 2016 Q3 2016 東京 2.7% 大阪 4.0% 名古屋 3.8% オールグレード 前期比 想定成約賃料 前期比 Q2 2016 Q3 2016 2.7% ±0.0pts 20,650 20,700 +0.2% 3.7% -0.3pts 11,350 11,550 +1.8% 3.4% -0.4pts 12,050 12,100 +0.4% 空室率 前期比 想定成約賃料 Q2 2016 Q3 2016 前期比 東京 2.4% 2.6% +0.2pts Q2 2016 Q3 2016 前期比 東京主要 5 区 2.0% 2.2% +0.2pts 大阪 4.9% 4.6% -0.3pts 名古屋 4.1% 4.1% ±0.0pts 横浜 4.3% 4.4% +0.1pts 13,920 14,010 +0.6% さいたま 2.1% 1.6% -0.5pts 15,650 15,730 +0.5% 札幌 仙台 1.5% 1.1% -0.4pts 11,340 11,520 +1.6% 6.7% 6.9% +0.2pts 金沢 9,550 9,570 +0.2% 10.4% 9.8% -0.6pts 9,620 9,680 +0.6% 京都 3.0% 2.3% -0.7pts 11,590 11,660 +0.6% 神戸 5.9% 6.0% +0.1pts 10,680 10,740 +0.6% 広島 2.8% 3.3% +0.5pts 10,200 10,250 +0.5% 高松 10.5% 10.0% -0.5pts 8,730 8,760 +0.3% 福岡 2.2% 2.1% -0.1pts 11,500 11,640 +1.2% 出所: CBRE, Q3 2016 ©2016 CBRE, Inc. CBRE News Release Page 4 ■東京 (円/坪) 36,000 35,500 35,000 34,500 34,000 33,500 33,000 32,500 32,000 31,500 31,000 5.0% 35,750 4.5% 4.0% 3.5% 2.7% 2.7% 3.0% 2.6% 2.5% 2.5% 2.0% 1.5% Q3 2015 Q4 2015 Q1 2016 グレードA 想定成約賃料 グレードAマイナス 空室率 オールグレード(23区) 空室率 Q2 2016 Q3 2016 グレードA 空室率 グレードB 空室率 出所: CBRE, Q3 2016 ■大阪 (円/坪) 20,500 6.0% 5.5% 20,200 20,000 5.0% 4.6% 4.5% 4.5% 19,500 4.0% 19,000 3.7% 18,500 3.5% 3.0% Q3 2015 Q4 2015 Q1 2016 Q2 2016 Q3 2016 グレードA 想定成約賃料 グレードA 空室率 グレードB 空室率 オールグレード 空室率 出所: CBRE, Q3 2016 ©2016 CBRE, Inc. CBRE News Release Page 5 ■名古屋 (円/坪) 24,000 5.0% 23,500 23,550 4.1% 23,000 4.5% 4.0% 22,000 3.4% 3.5% 3.3% 3.0% 21,500 2.5% 21,000 2.0% 20,500 1.5% 22,500 1.0% 20,000 Q3 2015 Q4 2015 Q1 2016 Q2 2016 Q3 2016 グレードA 想定成約賃料 グレードA 空室率 グレードB 空室率 オールグレード 空室率 出所: CBRE, Q3 2016 ■全国10都市空室率 14.0% 12.0% 10.0% 9.8% 10.0% 8.0% 6.9% 6.0% 6.0% 4.4% 3.3% 2.3% 2.1% 1.6% 1.1% 4.0% 2.0% 0% Q3 2015 Q4 2015 Q1 2016 Q2 2016 Q3 2016 横浜 さいたま 札幌 仙台 金沢 京都 神戸 広島 高松 福岡 出所: CBRE, Q3 2016 ©2016 CBRE, Inc. CBRE News Release Page 6 ■全国10都市想定成約賃料 (坪 / 16,000 円) 15,730 15,000 14,000 14,010 13,000 11,660 11,640 11,520 10,740 10,250 9,680 9,570 8,760 12,000 11,000 10,000 9,000 8,000 Q3 2015 Q4 2015 Q1 2016 Q2 2016 Q3 2016 横浜 さいたま 札幌 仙台 金沢 京都 神戸 広島 高松 福岡 出所: CBRE, Q3 2016 ©2016 CBRE, Inc. CBRE News Release Page 7 各都市のマーケットデータおよび市況の解説詳細は、10月28日発刊の「ジャパンオフィスマーケット ビューQ3 2016」または弊社ホームページ上でもご覧頂けます。 www.cbre.com. CBRE について CBRE グループ(NYSE:CBG)は、「フォーチュン 500」や「S&P 500」にランクされ、ロサンゼルスを本拠とする世界最大 の事業用不動産サービスおよび投資顧問会社です(2015 年の売上ベース)。全世界で 70,000 人を超える従業員、 400 カ所以上の拠点(系列会社および提携先は除く)を有し、投資家、オキュパイアーに対し、幅広いサービスを提 供しています。不動産売買・賃貸借の取引業務、プロパティマネジメント、ファシリティマネジメント、プロジェクトマネジ メント、事業用不動産ローン、不動産鑑定評価、不動産開発サービス、不動産投資マネジメント、戦略的コンサルティ ングを主要業務としています。詳細につきましては日本国内ホームページ www.cbre.co.jp をご覧ください。 @cbrejapan ※免責事項: 本文書は貴社の責任と判断で利用いただくものであり、弊社は、貴社又は第三者が本文書に基づい て行われた検討、判断、意思決定及びその結果について法律構成・請求原因の如何を問わず一切の責任を負わ ないものとします。 ©2016 CBRE, Inc.
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