経済・財政一体改革 (社会保障改革)の取組状況

資料4
経済・財政一体改革
(社会保障改革)の取組状況
平成28年10月21日
塩崎臨時議員提出資料
都道府県別一人当たり医療費の地域差
医療費適正化の取組について
○ 医療費の地域差の主な要因は入院医療費。入院医療費は病床数と高い相関がある。
○ 病床機能の分化・連携(地域医療構想)や糖尿病重症化予防等により医療費の地域差半減に向けて、医療費適正化を推進。
○ インセンティブ改革や重症化予防の横展開等により、予防・健康づくりの取組も加速化。
医療費適正化計画
【医療費目標の算定式】
【医療費の地域差の分析】
【地域差の背景】
1人当たり入院医療費
(各種指標との
関連性)
40.8兆円
(年間、年齢調整後)
(最大)
高知県 32.1万円
入院
16.1
兆円
13.6万円の差
うち、
病床数
0.8
医師数
0.7
高齢者
就業率
▲0.5
脳卒中など(循環器系疾患) 3.3万円
アルツハイマー病など(神経系の疾患)2.1万円
総合失調症など(精神・行動の障害) 1.7万円
増加要因 減少要因
【地域差】
国民医療費
(平成26年度)
・入院医療費:地域医療構想と整合的に策定
✔ 病床機能の分化:高度急性期・急性期を減らし、回復期を拡充
✔ 療養病床の入院受療率の地域差の解消
⇒ 政策的手段を駆使して入院医療費の地域差半減に向け縮小
・外来医療費:
平成35年度の効果額(※機械的試算)
後発医薬品の使用割合の目標達成(70%→80%)
【▲約4000億円】
糖尿病重症化予防(全国的に取組推進+平均以上は差を半減) 【▲約800億円】
▲約6000億円
医薬品の投与の適正化(重複、多剤投与の是正)
【▲約600億円】
特定健診・保健指導実施率(全国目標:各70%、45%) 【▲約200億円】
※地域差半減に向け、レセプト分析を継続。更なる取組を検討
その他 6.6万円
○都道府県の疾患別医療費の地域差、後発品の使用促進の地域差等を見える化。
毎年度、都道府県の医療費適正化目標の達成状況を公表し、国で進捗を評価。
インセンティブ改革
○予防・健康づくりにしっかり取り組む保険者へのインセンティブ強化
・国保 30年度からのインセンティブ改革を今年度から前倒し実施
(最小)
静岡県 18.5万円
外来
21.3
兆円
1人当たり外来医療費
(最大)
(年間、年齢調整後)
広島県 29.3万円
6.2万円の差
うち、
歯科・その他
3.5兆円
受診日数 9.5万円
1日当たり単価 ▲3.3万円(※)
(最小)
新潟県 23.1万円
(※) 広島県は新潟県よりも1日当たり医療費は低いが、
受診日数はその影響を大きく上回るほど多い。
医師数
0.5
保健師数
▲0.3
高齢者
就業率
▲0.3
※数値(相関係数)は、
1に近いほど医療費との
関係性が高い。
※特定健診、重症化予防等に関する指標を踏まえた評価に基づき
今年度から交付金を分配
・被用者保険 特定健診受診率・保健指導実施率が著しく低い保険者への
ペナルティ(高齢者支援金の加算等)のメリハリ強化
重症化予防の横展開
○糖尿病重症化予防プログラム(H28.4)策定。
日本健康会議(H28.7)で全国の市町村・保険者の取組を公表
※自治体の取組状況を分析。民間のスキル・ノウハウの活用を働きかけ。
⇒ マッチングのためデータヘルス見本市【H27:1回、H28:3回】を開催
11
※重症化予防の取組を民間に委託する市町村:53(H27.9)→124(H28.3)
「地域医療構想」の策定状況と取組状況
都道府県の策定状況
「地域医療構想調整会議」における協議の進め方
・平成28年9月末で20都府県が策定済み
・年度内に全都道府県が、1年前倒しで策定完了予定
・今後、「地域医療構想調整会議」において構想の実現に向け、
個々の病院の病床再編に向けた協議を進める
 公的病院が中心的役割を担い、地域医療構想において個々の病院の
再編の記載がある場合は、記載内容に基づき協議を開始
(青森県、岐阜県など)
 地域医療構想において個々の病院の再編の記載が無い場合は、
今後、次のステップで、各都道府県での協議を促進
策定済の都道府県の数
27
30
策定後の取組
40
現在策定中で、
平成28年度中に
策定完了予定
20
10
0
12
20
H28.3
H28.9
20
H29.3(予定)
① 救急医療や小児、周産期医療等の政策医療を担う中心的な医療機
関の役割の明確化を図る
② その他の医療機関について、中心的な医療機関が担わない機能や、
中心的な医療機関との連携等を踏まえた役割の明確化を図る
<青森県「青森二次医療圏」の地域医療構想>
・青森県立中央病院(695床)は、高度・専門医療を確保
・青森市民病院(538床)は、回復期機能の充実・強化、病床規模の検討
<青森県「津軽二次医療圏」の地域医療構想>
<参考>
全国推計
策定済の20都府県の集計結果
高度急性期
8.3万床 (16%)
5.8万床(11%)
▲5ポイント
17.5万床
(35%)
急性期
(2025年)
13.0万床
(11%)
▲9.9万床
:約30%縮減
40.1万床
(34%)
▲13ポイント
24.9万床 (48%)
回復期
4.8万床(9%)
慢性期
14.0万床(27%)
+23ポイント
▲5ポイント
16.1万床
(32%)
11.3万床
(22%)
合計 52.9万床
合計 50.6万床
病床機能報告(現在)
病床の必要量(2025年)
+11.3万床
:約235%増加
37.5万床
(32%)
27.5万床
(23%)
内閣官房「医療・介護情報の
活用による改革の推進に関
する専門調査会」資料
(パターンB)
・中小規模の病院の機能再編成を推進
「地域医療構想調整会議」で自治体病院等の再編案を提示・協議中
・国立病院機構弘前病院(342床)と弘前市立病院(250床) を統合し、新
たな中核病院を整備
・黒石病院(290床) 、大鰐病院(60床) 、板柳中央病院(87床)等その他の
中小病院は、病床規模の縮小や回復期・慢性期機能へ転換
<岐阜県「岐阜二次医療圏」の地域医療構想>
・岐阜大学医学部附属病院(614床)が県全体の急性期医療の中心
・岐阜赤十字病院(300床)、長良医療センター(416床)等は、災害医療、
周産期医療等の政策医療の役割分担を検討
・急性期を担う病院以外は、地域の医療体制に配慮しつつ、回復期
中心に移行
2
保険者機能の強化等による自立支援・介護予防に向けた取組の推進
○ 高齢化が進展する中、高齢者の自立した日常生活の支援、介護予防、要介護状態等の軽減に向けた保険者の取組を一層加速化する必要。
○ 市町村の保険者機能の抜本強化策について、次期制度改正に向けて検討。併せて、都道府県の保険者支援機能を強化。
先進事例
和光市
大分県
●行政のリーダーシップ
により体制を確立
●保険者として地域の高
齢者のニーズを把握
要介護認定率の推移
●自立支援を促進するケアプラ
ン作成や、地域課題の把握の
ため、多職種が参加する地域
ケア会議を市が実施
●認定率の低下
●保険料の上昇
抑制
●県が市町村長を訪問し、首 ●和光市の取組を県内に展開す
るため、市町村職員の育成、
長のリーダーシップを確立
●県が市町村から実態や課題 リハビリ職等の派遣等を実施。
市町村の進捗を把握
をヒアリング
H27年
H23年
17.3
全国平均の認定率は
上昇しているが、和
光市・大分県は低下
19.6
18.0
18.6
9.6
全国
9.3
和光市
大分県
全市町村が保険者機能を発揮して、自立支援・介護予防に向けて取り組むよう法律により制度化
※現在、社会保障審議会において以下の案を検討中
1 データに基づく課題分析と対応
都道府県が研修
等を通じて
市町村を支援
●保険者が自らの地域のデータを分析し課題やニーズを
把握
●分析結果を元に、保険者の介護保険事業計画に、高齢
者の自立支援、介護予防に係る目標・取組内容等を記載
●リハビリ職等と連携して効果的な介護予防を実施
●保険者が、多職種が参加する地域ケア会議を活用しケ
アマネジメントを支援
国による分析支援
7月から市町村・都道府県毎の認定率等を提供し、自治体間で比較可能に
要介護認定率(年齢調整済み)の地域差指数
■ 要支援1~要介護2
■ 要介護3~要介護5
0.2
2 適切な指標による実績評価
(例)・要介護状態の維持、改善度合い ・地域ケア会議の開催状況
自治体間比較が可能な形で、国が以下のデータを「見える化」し、自治
体による地域課題の分析を支援
・ 要介護認定率の状況
・ サービス類型ごとの一人当たり介護費用(施設・在宅の別など)等
0.1
等
0.0
-0.1
鹿児島
沖縄
宮崎
大分
熊本
長崎
佐賀
福岡
高知
愛媛
香川
徳島
山口
広島
岡山
島根
和歌山
鳥取
奈良
兵庫
大阪
京都
滋賀
三重
愛知
静岡
岐阜
長野
山梨
福井
石川
神奈川
富山
新潟
東京
千葉
埼玉
群馬
栃木
茨城
福島
山形
秋田
宮城
-0.3
岩手
-0.2
北海道
取組実績に応じた財政的インセンティブの付与
青森
3
3
参考資料
医療費適正化計画に関するデータ等について
糖尿病の重症化予防
後発医薬品の使用割合
(%)
H32年度までの
早期に80%
H29年央に70%
人口1人当たり糖尿病患者の医療費(40歳以上)
平均を上回る1人当たり
医療費を半減
円/年
35,000
30,000
25,000
20,000
15,000
全国的に
取組推進
10,000
全国平均を超えた分の2分の1
全国平均
5,000
沖縄県
鹿児島県
宮崎県
大分県
熊本県
長崎県
佐賀県
福岡県
高知県
愛媛県
香川県
徳島県
山口県
広島県
岡山県
島根県
鳥取県
和歌山県
奈良県
兵庫県
大阪府
京都府
滋賀県
三重県
愛知県
静岡県
岐阜県
長野県
山梨県
福井県
石川県
富山県
新潟県
神奈川県
東京都
千葉県
埼玉県
群馬県
栃木県
茨城県
福島県
山形県
秋田県
宮城県
岩手県
青森県
北海道
0
(注)保険薬局における後発医薬品使用割合。
(注)平成25年10月の入院外レセプト、調剤レセプトを医療機関所在地、薬局所在地ベースで分析。
【後発医薬品の使用促進】
○医療機関や薬局に対して診療報酬でインセンティブ付与、患者に
対して後発医薬品に置き換えるとどのくらい薬剤費が軽減される
かを「差額通知」で見える化
⇒使用割合は伸びている。【H25年4月:46.5%→H28年3月:63.1%】
引き続き目標達成に向けて取り組みを継続。
【特定健診・保健指導の実施率の向上】
健診受診者:約2000万人(H20年度)→約2600万人(H26年度)
【糖尿病の重症化予防、医薬品の適正使用】
○本年4月に策定した糖尿病性腎症重症化予防プログラムを用いて
①都道府県単位のプログラム策定を推進
②市町村に対し、都道府県、国保連、医師会等の関係団体から複
数のルートで積極的な働きかけを行うとともに、取り組みやすい
環境整備をすることにより、重症化予防の取組の促進を図る。
○かかりつけ医などによる服薬管理や、保険者がレセプトデータを
活用して該当者を抽出し、訪問指導等を行うことを通じて、医薬
品の適正使用を推進
⇒今後、国において各データを毎年度公表するなどして、
取り組みの進捗を評価し、PDCAを強化
⇒
(%)
100
80
毎年100万人増加。受診率約50%
国保・協会けんぽと健保・共済の被扶養者の受診率向上が課題
70%目標
60
40
20
0
72.5
35.3
43.4
市町村国保
協会けんぽ
健保組合
74.2
84.6
共済
健保本人
87.8
共済本人
45.0
39.0
健保被扶養
共済被扶養
<受診率向上の対応策>
・保険者へのインセンティブのメリハリ強化
 受診率の著しく低い健保組合等へのペナルティ(高齢者支援金の加算)
 実施率が高い国保へのインセンティブ
 保険者が未受診者を把握した上で、個別に受診を促す。受診率の低い保険者を公表
・個人へのインセンティブ(健康ポイント・施設利用券等)の推進
・被扶養者が身近な場所で健診を受診できる機会を拡充
 自治体のがん検診と連携した特定健診を実施
5
「認定率」と「1人当たり介護費」の地域差
「認定率」の地域差指数 (寄与度別)
全国平均より認定率が高い
0.2
■ 要支援1~要介護2
地域差指数-1
(認定率)
■ 要介護3~要介護5
0.1
低い
0.0
-0.1
沖縄
鹿児島
宮崎
大分
熊本
長崎
佐賀
福岡
高知
愛媛
香川
徳島
山口
広島
岡山
※地域差指数の全国平均からの乖離(地域差指数-1)を寄与度に分
解したもの(地域差指数は、年齢調整後の値を全国値で割って指数化し
たもの(全国値=1))
全国平均より一人当たり介護費が高い 低い
「 1人当たり介護費」の地域差指数(施設・居住系・在宅の寄与度別)
0.2
地域差指数-1
■ 施設
(1人当たり介護費)
■ 居住系
■ 在宅
0.1
島根
0 3
鳥取
和歌山
奈良
兵庫
大阪
京都
滋賀
三重
愛知
静岡
岐阜
長野
山梨
福井
石川
富山
神奈川
新潟
東京
千葉
埼玉
群馬
栃木
茨城
福島
山形
秋田
宮城
岩手
北海道
青森
-0.2
0.0
-0.1
沖縄
鹿児島
宮崎
大分
熊本
長崎
佐賀
福岡
高知
愛媛
香川
徳島
山口
広島
岡山
島根
鳥取
和歌山
奈良
兵庫
大阪
京都
滋賀
三重
愛知
静岡
岐阜
長野
山梨
福井
石川
富山
新潟
神奈川
東京
千葉
埼玉
群馬
栃木
茨城
福島
山形
秋田
宮城
岩手
北海道
青森
【出典等】「介護保険総合データベース」(厚生労働省)、「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(総務省)を基に集計・推計した。
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