2016 年 10 月 20 日 報道関係各位 三菱地所株式会社 社会福祉法人東京コロニー 障がいのある子どもたちの絵画コンクール 「第 15 回キラキラっとアートコンクール 優秀賞作品展」開催 ~10 月 28 日(金)より横浜会場からスタート~ 三菱地所株式会社は、10 月 28 日(金)から来年 2 月にかけて、全国 7 会場にて、 「第 15 回キラキ ラっとアートコンクール優秀賞作品展」を開催します。 「キラキラっとアートコンクール」 (後援:文部科学省・全国特別支援学校長会)は、障がいのあ る子どもたちの可能性を応援したいとの想いから、国内初の障がい者アートライブラリー「アートビ リティ」※の協力を得て、2002 年にスタート。 「アートビリティ」の登録作家として現在 20 名が活躍 するなど、子どもたちの才能を支援してまいりました。 ※アートビリティ・・・1986 年に社会福祉法人東京コロニーが設立した障がい者アートライブラリー。現在約 200 名の作家に よる約 4,500 点の作品がストックされ、印刷物等の媒体に貸し出されています。 本作品展は、15 回目を迎える同コンクールの全応募作品 1,541 作品(41 都道府県)の中から、審 査会(1 次審査・三菱地所グループ社員審査・本審査)を経て選ばれた優秀賞 51 作品を全国 7 会場 で展示するものです。来年 2 月 24 日には、東京・丸ビルホールにて、表彰式を予定しております。 各会場では、自由なテーマで子どもたちが思いのままに表現し描いた個性豊かな作品対し、来場者 からメッセージを受け付け、今後の励みにつながるよう、受賞者本人にお渡しします。 また、全応募作品は、コンクールホームページで公開するほか、応募作品はこれまで、様々な企業 の冊子の表紙やカレンダーなどに使用されており、子どもたちの作品は、審査会、作品展、作品使用 等と通じて、感動を与えています。 三菱地所では、本コンクールが子どもたちの優れた才能を評価・発掘・展示する機会となり、子ど もたちが絵を描く楽しみや喜びを増し、芸術活動の裾野が広がることを願い、応援してまいります。 優秀賞・全応募作品を下記ホームページにて公開しています。 キラキラっとアートコンクールホームページ http://www.kira-art.jp 1.開催概要(予定) ①名 称:第 15 回キラキラっとアートコンクール優秀賞作品展 ②日 程: 【横浜 ランドマークプラザ 3 階イベントスペース】 2016 年 10 月 28 日(金)~10 月 30 日(日) 11:00~18:00 横浜市西区みなとみらい 2-2-1 【名古屋 大名古屋ビルヂング 3 階レストスペース】 2016 年 11 月 4 日(金)~11 月 6 日(日) 11:00~21:00 名古屋市中村区名駅 3-28-12 【大阪 OAP タワー 1 階エントランス】 2016 年 11 月 17 日(木)~11 月 20 日(日)10:00~18:00 大阪市北区天満橋 1-8-30 【札幌 マルヤマクラス 2 階イベントスペース】 2016 年 12 月 2 日(金)~12 月 4 日(日)10:00~20:00 札幌市中央区南 1 条西 27 丁目 1-1 【福岡 イムズ 地下 2 階イムズプラザ】 2017 年 1 月 6 日(金)~1 月 9 日(月・祝)10:00~18:00 福岡市中央区天神 1-7-11 ※展示は 1 月 15 日(日)まで。上記期間中はメッセージを受付いたします。 【仙台 泉パークタウン タピオ 南館 1 階ノースコート】 2017 年 1 月 27 日(金)~1 月 29 日(日)10:00~20:00 仙台市泉区寺岡 6-5-1 【東京 丸ビル 1 階マルキューブ】 2017 年 2 月 21 日(火)~2 月 24 日(金)11:00~19:00 千代田区丸の内 2-4-1 各会場では、作者へのメッセージをお寄せいただき、メッセージを記入頂いた来場者には、 本コンクール第 14 回優秀賞作品を使用して、社会福祉法人東京コロニー在宅就労グループ 「es-team(エス・チーム) 」※がデザインした「シール」をプレゼントします。 ※es-team・・・ 「働くカタチは、ひとつじゃない」を合言葉に重い障がいのあるデザイナーや プログラマーなどが集う在宅就労(SOHO)グループ。 ③入 場 料:無料 ④応募作品:・応募資格:何らかの障がいのある応募年齢 18 歳までの幼児・児童・生徒 ・応募期間:2016 年 7 月 1 日(金)~9 月 13 日(火) ・作品規定:課題は自由。水彩、油絵、版画、パステル、鉛筆、貼り絵、切り絵など 平面表現のもの。 サイズは最大で 60cm×50cm 以内(最少は A4 サイズ程度) 2.審査員講評 ■O JUN 氏(画家・東京藝術大学教授) 今年は約 1500 点余の応募があった。昨年より点数自体は減ったそうだが、その分新たな学校 や施設からの応募は増えていると言う。惜しくも選に漏れたり、良い結果につながらないと指導さ れている先生方やスタッフの方々の意気も上がらないだろう。あるいは先生の異動なども影響する のかもしれない。個人の応募は依然少ないが、応募の手続きなどご家族の方も慣れないことがある のだろう。いろいろと現場のご苦労が想像されるが、集まった作品は今年もどれも素晴らしいもの だった。一次選考の段階から既に実力伯仲していてとても難しい。全作品を入選させたいといつも 思う。そろそろそのようなアンデパンダン形式の展覧会なども構想されていいのかもしれない。コ ンクールは入選、受賞と成果が報われる喜びがあるが、絵を描くという行為はそれ自体が喜びであ ろう。描いている最中はただ一生懸命で夢中になっているが、その時は描いている身体そのものが 喜んでいる。目、手、指先、感情、全身がフル稼働している。その静かな歓喜が全作品から伝わっ て来た。 「どう描かれたか」に表出しているその人の喜びを受けとめたい。 ■青柳 路子氏(茨城大学准教授、東京藝術大学非常勤講師、教育学研究者) コンクールに応募された作品は、今年も、ひとつひとつに個性と魅力があふれていました。 細かく丹念な描写、流れる筆づかい、画面いっぱいを描ききる力強さなどを目にすると、子どもた ち一人ひとりの描くリズムや息づかいが感じられるようでした。作品に付されたタイトル、コメン トからは、描いた子どもたちの思いも伝わってきました。中には作品を見ただけでは想像できない ような、作品に込めた子どもの思い、考えがあることがわかります。皆さまには作品を鑑賞してい ただいた後、それぞれのタイトル、コメントにも目を向けていただきたいです。 惜しくも優秀賞に選ばれなかった作品にも、力作がたくさんありました。コンクールに応募された 全作品を web 上で見ることができますので、ぜひそちらもご覧ください。 描くこと、作ることによってなされる子どもの表現は、言葉を獲得する以前から始まる、人間の生 きる根源的なものです。それは、周りにあたたかく安心できる環境があるからこそ、子どもの存在 の奥底から現れ出るものになると思います。応募作品を描いた子どもたちの周りには、特別支援学 校の先生、保護者の方々、絵画教室の先生方があたたかく見守り、寄り添っていて、子どもたちの 伸びやかな表現を支えています。子どもたちの、色やかたちを通してなされる表現の喜びが、これ からも子どもたちを満たし、周囲の人々と共有され、子どもたちの生を豊かにしていってくれるよ うに願っています。 ■西田 克也氏(西田克也デザインオフィス グラフィックデザイナー) アートコンクールと謳っている以上、全応募作品の中から限られた数の優秀作品を選ぶのは致し 方ないよね、と自分に言い聞かせつつ臨んだ第 15 回目のキラキラっとアートコンクールの審査会 も無事に済んで、僕の記憶の襞に住み着いたキラキラの絵たちのことを反芻しながら夢見心地でい たら、審査会の講評という悩ましい作業がいつものことですが待っていました。 僕にとってはキラキラの絵と向き合ったその刹那が全てです。心を開き、絵が語りかけてくる悦 びや哀しみ、時には怒りすらを受け入れ、僕なりに咀嚼し、驚きや共感、あるいは素直に感動とい うメッセージを送り返す。毎回同じ気持ちですが、僕に講評なんておこがましいので、キラキラの エバンジェリストを自認する僕にできることがあるとすれば、キラキラの絵の魅力を機会あるごと に語っていくことかなと、改めて思い至った次第です。やっぱりキラキラは素晴らしい! ■髙橋 宏和氏(社会福祉法人東京コロニー アートビリティ代表) 今年も審査が楽しくなる個性が強い応募作品に溢れていました。審査中に技術の高さに思わず唸 った作品もある中で、全体としての印象は丁寧に隅々まで描かれ、見ている人の心が温かくなる作 品が多くある印象を受けました。中には、どのように描いたのか見てみたいような作品もありまし た。作品を通して審査員の気持ちを動かした皆さんの応募作品は、アートという自己表現方法で自 分を表現する事がしっかり出来ていると感じます。 作品をどう描くか考えて完成させる事は集中力が必要で、描いている最中は夢中で創作に取り組ん だと思います。一つの事に夢中になる事はとても大切な事です。これからの普段の生活の中でも自 分の時間を作り、コンクール応募をきっかけに、絵を描く楽しさに目覚め、少しでも多くの応募者 が絵を描き続けてくれる事を望みます。 ■杉山 博孝 (三菱地所株式会社 執行役社長) 15 回目となる今回のコンクールには、全国から 1,541 作品のご応募を頂きました。今回新たに 申込まれた学校が 82 校、個人応募も 9 作品増えるなど、少しずつではありますが、確実に本コン クールが浸透してきていることを大変嬉しく思います。 本審査では、審査員の先生方と作品を楽しみながら、特に印象に残る作品を選びました。 毎回、子どもたちの独特な感性で自由に描かれた作品には心を打たれますが、今回も最後の 1 作品 が絞り切れず 51 作品を優秀賞として選定致しました。 今年度より三菱地所グループでは、優れた作品をより多くの方に見てもらいたいという思いからグ ループ各社の受付に、前年度優秀作品の一部を展示させて頂き、来訪される方に楽しんで頂いてお ります。また、展示する作品は各職場で選びましたので、グループ社員の関心や愛着も以前より高 まっているように感じています。 今後も、応募者の皆様、審査員の方々、作品展をご覧になる各会場のお客様と三菱地所グループが 一体となって、価値を高めていくコンクールでありたいと願っております。 ■高橋 明也 (三菱一号館美術館 館長) あらゆる分野で近年、いわゆる「健常」であること、「障がい」があることの意味が問われてい るような気がする。一様に日々会社に通い、仕事をし、家庭でくつろぐ普通に暮らしているつもり の人々も、仔細に見れば、抱えている問題はさまざまあって、それも千差万別だ。 世界中の価値観が今、揺らいでいるということなのだろう。つい昨年 2015 年のヴェネツィア・ビ エンナーレでもアール・ブリュットやアウトサイダー・アートと呼ばれる障がい者の作品に大きく 光が当てられていたし、色々な展覧会の文脈の中にも、多くの障がい者の作品が並べられるように なった。それは、オリンピックと並んで、パラリンピックに皆が惹きつけられるようになったこと と平行している。自らの中の障がい、障がいの中の健常というパラドックスに誰もが気づき始めた からだ。 今回のコンクールの作品を見ながら、いつになくそうしたことが頭をよぎった。電車の中で泥酔す る人々、さまざまな主張を掲げて戦いに明け暮れる人々、、朝から晩までパソコンの画面をみつめ て数字の上下に一喜一憂する人々・・・。世界を覆いつくす、そうした殺伐とした光景に較べると、 画用紙の上に色彩と線で描き出された世界のなんと輝かしく、人間的で、暖かいことか。 できる限りたくさんの人々が、このコンクールの応募作品の前に足を止めて、絵と、作者と、そし て自らの心と対話することを願います。 3.その他 本コンクールは、企業メセナ協議会による芸術・文化振興による社会創造=メセナの認定制度「This is MECENAT2016」取得 以上 ≪審査会の様子≫ ■1 次審査(2016 年 10 月 3 日) ■三菱地所グループ社員審査(2016 年 10 月 4 日~6 日/2 会場) ■本審査(2016 年 10 月 7 日/三菱地所本社にて) 〆
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