2016/ FXウィークリー 10/24 投資情報部 FX ストラテジスト 五十嵐 聡 重要イベントを控え動きづらいが下値は底堅い動きに (先週のレビュー) リスクオンの流れに 新興国・資源国通貨 が上昇、ドル円は上 値の重い展開 先週の為替市場は、ハードブレグジットへの懸念後退や原油価格の一段高等を背 景にリスクオンの流れが強まり、全般に新興国・資源国通貨が上昇、先進国通貨は 下落した。ドル円は9月末からの米金利上昇に一服感が出て上値が重くなった。 10/17(月)、ドル円相場は104円台前半でもみ合い後に売りが先行、米10月NY連 銀製造業指数が予想外の悪化となり米金利が低下したことも売りを誘った。10/18 (火)は英国政府の関係者がEU離脱通告には議会承認が必要になる公算が大きい と述べたことで、単一市場へのアクセスを失う「ハードブレグジット」への懸念が後 退、リスクオンの株高が下値を支えた。しかし、10/19(水)には「日銀は次回会合で 追加緩和を見送る見通し」との報道に売りが加速、一時1週間ぶり安値となる103.17 円まで値を下げた。しかし、在庫減から原油価格が一段高となり株高につながると 下支えされ、10/20(木)には欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁発言によるユーロ売 りドル買いがドル円にも波及、10/21(金)にかけて104.20円まで値を戻した。 ユーロドルは全般に軟調な推移。ハードブレグジット懸念の後退から英ポンドが買い 戻されるなかでユーロ売り圧力が強まった。また、10/20(木)のECB理事会ではドラギ 総裁が「資産買入の延長は協議しなかった」と伝わると一時急伸する場面もあったが、 その後、「突然の債券買い入れ終了の公算は小さい」「正当化されればあらゆる手段 を活用」と述べると大きく売り込まれ、一時3月以来となる1.08ドル台半ばまで下振れし た。その他通貨では、トランプリスクの後退と原油高からメキシコペソが上昇。財政改革 への期待や中銀による4年ぶりの利下げを背景にブラジルレアルも上昇した。 主要通貨の対ドルレート騰落率 (2016/10/14→2016/10/21) 主要通貨の対円レート騰落率 (2016/10/14→2016/10/21) 南アランド 2.38 メキシコペソ 南アランド 2.22 ブラジルレアル 1.58 NZドル 英ポンド 英ポンド 0.35 トルコリラ トルコリラ 0.30 米ドル 豪ドル ユーロ (%) ▲2.0 ▲0.13 ユーロ 0.0 1.0 2.0 ▲0.01 ▲0.06 ▲0.36 ▲0.50 スイスフラン ▲0.80 ▲1.0 0.57 豪ドル ド ド ル ↓ ↑ル 高 安 ▲0.34 0.68 ロシアルーブル 0.37 スイスフラン 1.21 NZドル 0.94 円 1.85 ブラジルレアル 1.04 ロシアルーブル 2.01 メキシコペソ 3.0 (%) 円 円 ↓↑ 高 安 ▲0.71 ▲1.16 ▲2.0 ▲1.0 0.0 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 1.0 2.0 3.0 2016/10/24 FXウィークリー 2014/19/18 (今週の見通し) 重要イベントを控え 動きづらいが、下値 は底堅い動きに 今週のドル円相場は、翌週に日米の金融政策会合や米雇用統計、翌々週に米 大統領選投票日と重要イベントを控えており、動きづらい展開となろう。ただ、イベン トを無難に乗り越えれば12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げが一 段と現実味を帯びてくる可能性が高く、全般に下値も底堅い動きが続こう。 9月のFOMCで利上げが見送られた後、おおむね良好な米経済指標の結果や年 内利上げに前向きな米連邦準備理事会(FRB)高官の発言等を受けて、市場の利 上げ観測が徐々に高まるとともに、米金利上昇につれてドル円相場も上昇してき た。しかし、ここに来て米金利の上昇には一服感が出ており、ドル円相場の上昇 ペースも鈍っている。この背景には、仮に年内利上げが実現したとしても、潜在成長 率の低下や景気サイクルの成熟化等から、その後の利上げペースが加速するような 展望は描きにくく、米金利の上昇ペースも緩やかになるとの見方が根強いことがあり そうだ。実際、先週はフィッシャーFRB副議長が講演で、長期の潜在成長率が低下 しているとの見方がFRBの内部に広まっていることを示唆、これにより、長期のFF金 利見通しは最大1.2%ポイント押し下げられるとの見方を示した。米長期金利はブレ グジット前の水準を回復したところで上昇が一服しており、過度の低下分の巻き戻し が一巡してきた可能性がある。一段高には雇用とインフレ率の改善を示すさらなる 指標の確認が必要になると予想される。 今週の材料としては、10/24(月)に本邦9月貿易収支、独10月製造業PMI、10/25 (火)には独10月IFO景気期待指数、米10月消費者信頼感指数、10/26(水)には豪 7-9月期の消費者物価指数、米9月新築住宅販売件数、10/27(木)には英7-9月期 GDP、米9月耐久財受注、10/28(金)には本邦9月失業率・家計調査、9月全国・10 月都区部消費者物価指数、独10月消費者物価指数、米7-9月期GDP速報等の発 表が予定されている。注目は米7-9月期GDPだが、原油高による設備投資の持ち直 し等から前期比年率+2.5%程度の伸びが予想されており、米経済の強さを確認する ものとなれば、米金利上昇、ドル高に反応する可能性が高くなろう。 また、10/24(月)にはダドリーNY連銀総裁をはじめとするFRB高官の発言機会が あるが、これまでと同様の内容にとどまれば、市場の反応は限定的となろう。10/28 (金)には石油輸出国機構(OPEC)が非加盟国を招いて生産調整の具体策を議論 する予定であり、11/30の定時総会に向けて進展があるかどうかも注目される。 主要通貨の対ドルレート推移 (日次:2014/12/31~2016/10/21) (2014/12/31=100) 125 円 NZドル ブラジルレアル メキシコペソ トルコリラ 120 115 110 105 豪ドル ユーロ 南アランド 英ポンド 100 95 90 85 80 75 70 65 60 14/12/31 ドル安 ↑ ↓ ドル高 15/4/2 15/7/3 15/10/5 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 16/1/5 16/4/6 16/7/7 16/10/7 (年/月/日) この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 2 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 2016/10/24 FXウィークリー 2014/19/18 IMM通貨先物ポジション動向(2016年10月18日時点) ≪主なポジション動向≫ ○円のネットロングは3週連続で縮小し、7/26以来、約3ヵ月ぶりの低水準に ○ユーロのネットショートは3週連続で拡大し、7/26以来、約3ヵ月ぶりの高水準に ○豪ドルのネットロングは4週連続で拡大 IMM通貨先物 非商業(投機筋)のポジション(週次:2014/1/7~2016/10/18) 円(JPY) (兆円) 1.5 95 1.0 100 0.5 105 0.0 110 ▲ 0.5 115 ▲ 1.0 ▲ 1.5 ▲ 2.0 14/1 USD LONG 15/1 15/7 16/1 100 400 95 200 90 120 0 85 125 ▲ 200 ▲ 400 14/1 75 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 (年/月) ユーロ(EUR) 豪ドル(AUD) (億豪ドル) (1ユーロ=ドル) 1.40 ネットポジション(金額、左目盛) ユーロドル為替レート(右目盛) 80 130 16/7 (年/月) (億ユーロ) 100 ドル指数(右目盛) 600 USD SHORT ドル円為替レート(右逆目盛) 14/7 (1973/3=100) 105 ドル合成ポジション(億ドル、左目盛) 800 ネットポジション(金額、左目盛) JPY SHORT 米ドル(USD) (億ドル) (1ドル=円) JPY LONG (1豪ドル=ドル) 80 1.00 ネットポジション(金額、左目盛) EUR LONG 豪ドルドル為替レート(右目盛) 1.35 60 0 1.30 40 ▲ 50 1.25 20 0.85 ▲ 100 1.20 0 0.80 ▲ 150 1.15 ▲ 20 0.75 ▲ 200 1.10 ▲ 40 0.70 1.05 ▲ 60 1.00 ▲ 80 14/1 50 ▲ 250 EUR SHORT ▲ 300 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 0.95 AUD LONG 0.90 0.65 AUD SHORT 0.60 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 (年/月) (年/月) (注)枚数を契約金額により、当該通貨に換算。ドル指数は主要通貨に対するドルの価値を示し、米インターコンチネンタル取引所(ICE)にてリアルタイムで算出される。 米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出 出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 2016/10/18現在のポジション(ドルベース) 対前週比 (億ドル) (億ドル) 30 250 LONG LONG 200 20 150 10 100 50 0 0 ▲ 10 ▲ 50 ▲ 100 ▲ 20 ▲ 150 SHORT SHORT ▲ 200 ▲ 30 ユーロ 英ポンド 豪ドル NZドル スイスフラン カナダドル メキシコペソ 円 米ドル ユーロ 英ポンド 豪ドル NZドル スイスフラン カナダドル メキシコペソ 円 米ドル (注)米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出 出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 3 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 2016/10/24 FXウィークリー 2014/19/18 ドル円 一目均衡表 (1ドル=円) 125 (1ドル=円) (日次:2016/1/18~2016/10/21) 125 120 120 115 115 110 110 105 105 100 100 95 16/2/19 16/4/15 出所:各種資料よりみずほ証券作成 (1ユーロ=ドル) 1.17 16/6/10 16/8/5 16/9/30 ユーロドル 一目均衡表 95 16/11/25 (年/月/日) (1ユーロ=ドル) (日次:2016/1/18~2016/10/21) 1.17 1.16 1.16 1.15 1.15 1.14 1.14 1.13 1.13 1.12 1.12 1.11 1.11 1.10 1.10 1.09 1.09 1.08 1.08 1.07 16/2/19 16/4/15 出所:各種資料よりみずほ証券作成 16/6/10 16/8/5 16/9/30 1.07 16/11/25 (年/月/日) この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 4 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 2016/10/24 FXウィークリー 2014/19/18 金融商品取引法に係る重要事項 当社取り扱いの商品等(外貨建商品等も含む)にご投資いただく際には、各商品等に所定 の手数料(投資信託の場合は銘柄ごとに設定された販売手数料および信託報酬等の諸費 用等)をご負担いただきます。債券を当社との相対取引によりご購入いただく場合は、購入 対価のみをお支払いいただきます。 各商品等には価格の変動や発行者の信用状況等の悪化等により損失を生じるおそれがあ ります。 なお、債券の利金・償還金の支払いについて、発行者の信用状況等によっては、支払いの 遅滞・不履行が生じるおそれがあります。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向を ふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。また、売却時等の為替相場の状況 によっては為替差損が生じ、損失を被るおそれがあります。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や 目論見書またはお客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-161024-12 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 5 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
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