枝葉草堆肥及び泥炭客土による粘質壌改善効果の検証(PDF

試験分類 環境保全型農業推進対策試験調査
課 題 名 枝葉草堆肥及び泥炭客土による粘質土壌改善効果の検証
実施期間 平成 27 年度~
担当 地域支援係
1 目的
粘質土壌における土壌改良が課題となっているが、札幌河川事務所が行っている豊平川河川整備
に伴う発生土(泥炭)について、今後、希望農家への配布が予定されている。また、本市環境事業部も
一般家庭廃棄物の枝葉草を堆肥化した製品の販売を計画しており、これらを活用した土壌改良効果
を検証する。
2 平成 27 年度の取り組み
(1)試験内容
ア 今年度サンプルで持ち込まれた枝葉草堆肥及び泥炭について、露地圃場 R7-3 の一部に投入し、
影響を調査した。(各 50 ㎡,10 ㎝厚に客土)
【参考:平成 26 年度環境事業部委託調査より】
表1 枝葉草堆肥の肥料一般成分分析結果(H26 製造:湿潤重量当たり)
分析項目
計量単位 H24 年度製造
H25 年度製造 H26 年度製造
窒素全量
%
0.46
0.50
0.37
りん酸全量
%
0.20
0.26
0.19
加里全量
%
0.51
0.37
0.46
有機炭素
%
6.42
5.78
6.83
炭素窒素比
14.0
11.6
18.5
水分含有量
%
59.5
42.5
56.0
図1 露地圃場 R7-3 客土前土壌硬度測定結果(H27.5.12 貫入式土壌硬度計3回測定)
地表面から 15~20cm までは固い耕盤層が形成されている。
表2 センター分析結果(H27.4.26)
試 料 名
泥 炭
(河川事務所)
枝葉草堆肥化物
(環境事業部)
単位:%
pH
5.18
T-P2O5
0.10
pH
7.76
T-P2O5
0.31
EC
0.15
T-N
0.49
EC
0.69
T-N
0.62
T-MgO
T-CaO
T-K2O
T-Na2O
0.76
T-C
14.02
T-MgO
0.24
T-C
7.15
0.28
C/N比
28.43
T-CaO
1.13
C/N比
11.49
0.63
水分
54.15
T-K2O
0.74
水分
35.54
0.14
塩分
4.00
T-Na2O
0.43
塩分
4.00
イ 投入・耕起後、スィートコーンを慣行栽培して経過を観察した。
写真1 左:枝葉草堆肥化物区,右:泥炭区
泥炭区に比べ枝葉草由来と思われる雑草が繁茂した。
3 平成28年度の予定
(1) 実施内容
センター内圃場での試験栽培で泥炭土を活用し、品質の検証を行う。
H28 春耕起前の土壌硬度を再度測定し、土壌物理性改善効果の有無を調査する。
同時に、泥炭土については近隣農家のタマネギ畑で客土による物理性改善効果の検証を先行して
行い、配布開始の際の技術的知見を得る。