2016/10/18 一般地質学 (Physical Geology) 第 2 回 理学部地球科学科 おお とう 大 藤 茂 ジオイド:等重力ポテンシャル面 地下に高密度の物質 →上に凸 地球の形と大きさ *球体としての近似 ・エラトステネスの測定 *楕円体としての近似 ・重力測定 ・球体モデルからのズレ *ジオイド ・等重力ポテンシャル面 ジオイド:等重力ポテンシャル面 E = mgh E = mg’h’ g < g’ h > h’ ジオイド面 密 重 力 と 地 形 ジ オ イ ド 南極:氷の重さで地盤沈下 岩石→低密度の氷で置換 赤道断面 子午線断面 1 2016/10/18 地球の形に関する理解 ・平面 ・球体 ・楕円体 ・ジオイド データの増加と ともに,考え方 も変わる 観念の証明ではなく, データから新たな観念を! 参考文献 竹内 薫 「99.9 %は仮説—思いこみで 判断しないための考え方—」 光文社新書 241 税込 735円 地球の内部構造 ☆実物は手に入りにくい ボーリング,造山帯,隕石 ☆波を使う(地震波,電気) お医者さんのCTと同じ (X線,超音波…) Computed Tomography たて波と横波 鉄 カンラン石 石鉄隕石 (イミラク隕石) バネで作るたて波 2 2016/10/18 ロープで作る横波 震央近くでの 走時曲線と 地球内部の構造 200 km より遠い所 では,地震波速度の 速い下層を通ってき た波(屈折波)の方 が先に到達する. ス ネ ル の 法 則 波の屈折 全反射と臨界角 i 0(臨界角) i 1(入射角) V1 V1 V2 V2 i2 V 1 < V 2 (反射角) sin i 1 V = 1 sin i 2 V2 sin90°=1 モホロビチッチの推論 ☆走時曲線の折れ曲がり →地下約 50 km で地震波速度が急増 →モホロビチッチ不連続面 ☆ V1< V2 sin i 0 = 地 殻(地震波速度遅い) — モホロビチッチ不連続面 — マントル(地震波速度速い) V1 V2 地震波と地球内部構造 ☆S波(横波)の影:103゚–180゚ ☆P波(たて波)の影:103゚–143゚ 推 論 ☆S波の影→マントルの下に,液体部分 ☆P波の影→液体部分におけるP波の下 向きの屈折 ☆ マントル(地震波速度速い) — グーテンベルグ不連続面 — 核(地震波速度遅い液体) 3 2016/10/18 地震波と地球内部構造 影の部分に弱い P波(約 110°) 推 ☆弱いP波→液体部分の中からのP波の 反射 ☆ 地震波と地球内部構造 論 外 核(地震波速度遅い液体) — レーマン不連続面 — 内 核(地震波速度速い固体) 内部構造:地震波速度 内核から反射された P波(約 110°) レーマン不連続面 (約 5100 km) グーテンベルグ不連続面 (約 2900 km) 地球内部構造の捉え方 物理的特性に基づく区分 ☆鉱物学的・化学的特徴に 基づく区分 地殻,マントル,核 ☆物理的特性に基づく区分 リソスフェアー,アセノ スフェアー,メソスフェ アー,外核,内核 ☆リソスフェアー:剛体 ・一般には地殻+上部マントル ・別名=プレート ☆アセノスフェアー:固体流動 ☆メソスフェアー:より剛体的挙動 をする下部マントル ☆外 核:液体 ☆内 核:剛体 4 2016/10/18 大洋地殻と大陸地殻 地球内部構造の図 大陸移動説とプレートテクトニクス ・大陸移動説:固定された?大洋底の 上を,大陸が移動するという考え →大陸移動の原動力を説明できない 海の情報に乏しい どう動かす? 海底地形とプレート 海 拡大 溝 縮小 中 央 海 大 陸 大洋底 大洋底 大陸移動説とプレートテクトニクス ・プレートテクトニクス:大洋底の生 成・消滅に伴い,大陸も移動すると いう考え →地球内部の熱エネルギーによる? 嶺 プレートテクトニクス 地球上で起こる地質現象を,プレートの 水平相対運動に関連づけて説明する ☆火成活動の場,原因 ☆地震・断層運動の場,原因 ☆地史,過去の地質体の成因 ☆地下資源の分類,成因 5 2016/10/18 プレート境界 発散プレート境界 プレートの図 収束プレート 境 界 断 層 と 歪 逆断層: 水平短縮 鉛直伸長 正断層: 水平伸長 鉛直短縮 トランスフォーム断層境界 サンアンドレアス 断 層 6 2016/10/18 日本列島地質 概略図 活 動 的 大 陸 縁 付加体 古生代:秋吉帯 中生代,新生代 海溝 付加体 陸棚型地質体 飛騨外縁帯 舞鶴帯 南部北上帯 黒瀬川構造帯 地震・火山 海洋プレート 層 序 海洋底が経験する 環境変化 上方粗粒化する 陸源堆積物 + 遠洋性の 放散虫チャート + 海洋地殻をつくる 玄武岩類 陸から の土砂 層状チャート 放散虫 の殻 玄武岩 モンゴルの赤い丘 SSW NNE 7 2016/10/18 東アジアの構造区分 赤色層状放散虫チャート層 ① 内蒙古剪断帯 ② タン-ルー断層 ③ ハンカ西縁剪断帯 ④ 湖南剪断帯,韓国 構造線 NNW 珪 質 泥 岩 海 洋 プ レ ー ト ( 若 い ) 新 し い ・中央海嶺に近い ・高温,低密度,薄い ・低角に沈み込み易い ・沈み込むと熔融し易い 古 い ・中央海嶺から離れる ・低温,高密度,厚い ・高角に沈み込み易い ・沈み込んでも熔融しにくい SSE 砂 岩 泥 岩 互 層 岩 石 サ イ ク ル 8
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