金融市場ウィークリー

金融市場ウィークリー
2016 年 10 月 14 日号
[経済・金融市場動向]
◆ 金融市場見通し・内外経済指標
注目材料は多いも、相場の動きは限定的。FRB議
長講演や米経済指標は年内利上げ期待を維持させる
内容。中国GDPは前期並みの成長率なら安心材料
[トピックス]
◆ 「総括的検証」で積み残された課題
円安に伴う物価上昇に賃金上昇が追い付けなかった
のが、2%インフレ未達成の最大の原因。金融政策だ
けでなく、財政政策や構造改革の総動員が必要
✣[目次]✣
今週の注目チャート ···················································· 1
Ⅰ.経済・金融市場動向 ················································ 3
金融市場見通し·································································· 3
金融市場レビュー ································································ 4
内外経済指標の解説と予測 ························································ 5
Ⅱ.トピックス ························································ 8
「総括的検証」で積み残された課題 ················································ 8
Ⅲ.参考資料 ························································· 10
今週・来週の主要経済指標 ······················································· 10
月次・四半期のスケジュール ····················································· 12
今週の金融市場の動き ··························································· 15
最新リポート一覧 ······························································· 16
〰〰 マーケット時流潮流 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰
中国の構造改革
調査本部本部長代理 長谷川克之
Ⅴ字型、U字型、L字型。景気回復の姿はしばしばアルファベットにたとえられる。一般的にはU
字型は緩やかな景気回復を、L字型は景気が底ばい浮揚感に乏しい展開を示すものである。
中国人民日報は昨年来、
「権威人士(権威筋)
」なるペンネームの匿名記事を何度か掲載し、中国経
済はⅤ字でも、U字でもなく、L字を辿るとの主張を紹介している。安易な景気回復期待を戒め、供
給サイドの構造改革を積極的に進めるべきとの考えに基づくものだ。巷では匿名記事の背景には構造
改革を主導する習主席と景気回復を優先させたい李首相の確執があるとの見方もある。
思い返せば、バブル崩壊後の日本でも同様の議論が繰り返されてきた。バブル崩壊の現実を直視で
きず、財政と金融政策によってミニバブルを起こし、急場をしのぐべきとの声もあった。結果として
「失われた何年」といわれた時間を費消したことは周知の通りである。
企業の淘汰・業界再編が本格的に始動したのは日本では 1990 年代後半以降のことだったが、中国
でも動きが見られる。過剰生産能力を抱え、調整圧力が最も強い業界の一つである鉄鋼業では、国際
的な圧力も受ける形で業界再編が進みつつある。先月下旬には国有鉄鋼大手の宝鋼集団と武漢鋼鉄集
団の経営統合が発表され、今週は特殊鋼大手の東北特殊鋼集団の経営破綻が伝えられた。実際に生産
能力の削減がどこまで進むかは未知数だが、政府主導の整理が進んでいることは注目に値する。
実は中国でいうL字とは必ずしも景気底ばいのことではない。成長率が目標下限である 6.5%近傍
で推移する、逆に言えば目標を下回ることはないという意味のようだ。来週発表のGDP統計も景気
の安定化を示すものとなろう。一部では不動産バブルの再燃など景気過熱への警戒感も浮上している。
来年秋の第 19 回共産党全国代表大会を控えて、既に政治の季節入りをしている中国。景気回復か、
構造改革か。二者択一の類のものでは必ずしもないが、政策運営路線の帰趨を見極めたい。
〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰
金融市場ウィークリー(2016 年 10 月 14 日号)
~今週の注目チャート~
【 ポルトガルの 10 年国債利回り 】
ポルトガルが格付けを維持するとの見方が広がり、10 年国債利回りの上昇が一服
3.6
(%)
3.4
DBRSが格下げ
可能性に言及
(8/16)
3.2
3.0
2.8
2.6
16/4
16/5
16/6
16/7
16/8
16/9
16/10
(年/月)
(資料)Bloomberg より、みずほ総合研究所作成
【解説】ポルトガルの 10 年国債利回りの上昇が一服している。ECBが参照する 4 社のうち DBRS のみ同国
に投資適格級の格付けを付与している。8 月中旬に同社が格下げの可能性について言及して以降、利回りが
上昇した。足元では財務健全性について同社から前向きな評価を得たとの報道を受けて、利回りの上昇が一
服している。格下げされればECBの資産買い入れ対象外となるため、格付け見直し(10/21)が注目される。
【 S&P500 採用企業のEPS(1 株当たり利益)前年比の予想と実績 】
実績は総じて決算発表前のアナリスト予想を上回る傾向
12
(%)
8
4
0
▲4
▲8
実績
決算発表シーズン直前のアナリスト予想平均
▲ 12
13/1Q 13/2Q 13/3Q 13/4Q 14/1Q 14/2Q 14/3Q 14/4Q 15/1Q 15/2Q 15/3Q 15/4Q 16/1Q 16/2Q 16/3Q
(年/期)
(資料)Thomson Reutersより、みずほ総合研究所作成
【解説】今週から米国企業の 7~9 月期の決算発表が徐々に始まっているが、予想を下回った一部企業の決算
が全体の株価の下押し材料となった。しかし、決算発表前のアナリスト予想は保守的になる傾向があり、2015
年以降、EPSの前年比の実績は予想を平均 3%Pt 弱上回っている。7~9 月期は▲0.7%程度の減益が予想
されているが、来週以降決算発表が本格化する中で 5 期ぶりの前年比プラスが視野に入る可能性もあろう。
1
金融市場ウィークリー(2016 年 10 月 14 日号)
【 ドル円相場と年内米利上げ予想回数
】
米利上げ期待の高まりからややドル高地合い
(回)
(円/ドル)
125
2.4
年内利上げ回数
2.0
ドル円相場(右目盛)
120
1.6
115
1.2
110
0.8
105
0.4
100
0.0
95
▲ 0.4
16/1
16/2
16/3
16/4
16/5
16/6
16/7
16/8
16/9
90
16/10 (年/月)
(注)FF 金利先物相場に織り込まれた年内の利上げ予想。25bp の利上げ予想を 1 回として計算。
(資料)Bloomberg より、みずほ総合研究所作成
【解説】10 月に入って以降公表された米景気指標は概ね底堅い結果となり、また 9 月 FOMC 議事録(10/12)
でも複数の議員が早期の利上げを示唆したことから、米利上げ期待の高まりとともに、ドル円相場もややド
ル高地合いで推移している。ただ生産性の低迷やそれに伴う中立金利の低下などの課題を抱えるなか、年内
利上げへのハードルは相応にあり、このままドル高地合いが年内続くという見方は楽観的すぎるだろう。
【 中国の実質GDP成長率と輸出入の動向 】
注目される中国経済の減速ペース
(前年比、%)
(前年比、%)
16
実質GDP成長率
100
14
輸入金額(右目盛)
80
輸出金額( 〃 )
60
12
40
10
20
8
0
6
▲20
4
▲40
2
▲60
▲80
0
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年)
(資料)Bloomberg より、みずほ総合研究所作成
【解説】新興国市場では、米国の利上げ期待、脆弱なファンダメンタルズ、政情不安などのローカルリスク
を背景に、再び株安・通貨安地合いが強まっている。来週発表される 7~9 月期の中国の実質GDP成長率で
は、中国経済の減速基調を再度確認することになると見られるが、予想以上の弱含みを示せば新興国売りが
一段と加速しかねない。今週に入って人民元が下落するなど、中国リスクについては引き続き留意が必要だ。
2
金融市場ウィークリー(2016 年 10 月 14 日号)
Ⅰ.経済・金融市場動向
~金融市場見通し~
注目材料は多いものの、相
今晩から来週にかけての金融市場は、中国経済の動向、米大統領選の行
場の動きは限定的となる
方、各国金融政策に対する思惑などが材料となろう。全般的には米国の利
可能性が高い
上げが意識されやすい展開が続くと予想されるが、すでに先物市場から算
出される12月の利上げ確率が3分の2になるなど年内の利上げを予想する市
場参加者が多いこともあり、相場の動きは限定的となる可能性が高い。
FRB議長講演や米国経
米国の利上げを占う材料としては、イエレンFRB議長講演(10/14)、9
済指標は年内利上げ期待
月の小売売上高、10月のミシガン大消費者信頼感指数(共に10/14)
、9月の
を維持させる内容に
CPI(10/18)
、ベージュブック(10/19)などが挙げられる。いずれも、
現状の利上げ期待を維持させるか、やや強める内容になると予想される。
米国では、大統領候補者による第3回テレビ討論会(10/19)も予定され
ている。現状はクリントン候補が優勢であるが、トランプ候補が巻き返す
ような結果となれば、市場でリスク回避的な動きが強まる可能性がある。
中国GDPは前期並みの
成長率なら安心材料
中国では、7~9月期の中国GDP(10/19)が発表される。今週は中国の
輸出の落ち込みが、中国経済への懸念を強める材料と捉えられ、グローバ
ルな株式相場の重石となった。コンセンサス通り前年比の伸びが前期並み
となれば、市場で安心感が広がるであろう。
金融政策の限界が意識さ
欧州では、ECB理事会(10/20)が開催される。金融政策は据え置きが
れる中、ECB総裁の発言
予想されるが、日銀同様政策の限界が意識される中、足元でテーパリング
に注目
の観測なども出ており、理事会後のドラギ総裁の発言が注目される。
日米長期金利は横ばい圏、
各市場の動きについては、年内利上げを相応に織り込んでいるため、良
日米株価は方向感を欠く
好な経済指標を受けても米長期金利の上昇圧力は限定されよう。管理相場
展開、ドル円相場はややド
の様相が強い国内長期金利は横ばい圏、日米株価も経済指標や米企業決算
ル高地合いを予想
で振れはあるも方向感を欠く展開となろう。為替については、良好な米経
済指標などを受けてドル高地合いを予想するが、米国の半年次為替報告書
が出てくる時期になっており、ドル高牽制が強く打ち出されるようであれ
(武内浩二)
ば、ドルの上値を抑制する材料となろう。
【 来週の予想 】
内外金利
内外株式
為 替
項目
USD LIBOR 3カ月(%)
米10年国債(%)
円 TIBOR 3カ月(%)
10年国債(%)
ダウ平均(ドル)
NASDAQ総合指数(ポイント)
日経平均(円)
TOPIX(ポイント)
円/ドル
ドル/ユーロ
円/ユーロ
3
予想レンジ
0.860
1.60
0.03
-0.10
17,850
5,150
16,500
1,300
102.0
1.080
111.0
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
0.890
1.80
0.07
0.00
18,350
5,310
17,200
1,370
106.0
1.120
117.0
金融市場ウィークリー(2016 年 10 月 14 日号)
~金融市場レビュー~
<内外金利動向>
先週末以降の米 10 年国債利回りは 1.7%台の横ばい圏で推移した。9 月
米雇用統計の底堅い結果
の米雇用統計(10/7)が底堅い結果であったことや原油価格の持ち直しを
や原油価格の持ち直しを
受けて、利回りは 1.7%台を維持した。9 月の FOMC 議事録(10/12 公表)で
受け、米 10 年国債利回り
は利上げ観測を高めるような新たな材料はなく、市場参加者は 12 月の利上
は 1.7%台を維持
げを見込んでいるようだ。他方、9 月中国輸出額(10/13)の前年比マイナ
ス幅が 2 月以来の水準まで拡大したことを受けて、中国経済減速に対する
懸念が高まり、足元で米国や欧州の 10 年国債利回りが総じてやや低下して
いる。日本の 10 年国債利回りは▲0.0%台の横ばい圏で推移した。30 年国
債入札(10/12)は応札倍率が上昇し、底堅い結果であった。 (坂中弥生)
<内外株式動向>
先週末以降の米株式相場は、下落した。9 月の雇用統計は雇用者増加数や
米株は年内の利上げの可
失業率が市場予想を下回ったものの良好な水準は維持し、年内の利上げの
能性が意識され軟調な推
可能性が意識され株価は弱含んだ。原油高を好感し上昇する場面もあった
移、日本株は円安が押し
が、予想を下回った一部企業の決算や中国の冴えない経済指標が投資家心
上げるも利益確定売りに
理を冷やし、株価は軟調な推移となった。日本株は概ね横ばいとなった。
押され横ばい圏に
週初は米雇用統計後の円安進展を好感し上昇したものの、日経平均株価が
17,000 円台を回復すると先週からの上昇ペースが早かったこともあり、利
益確定売りが優勢となった。中国景気への警戒感もリスク回避的な動きを
加速させたが、週末はやや落ち着き下げ幅を取り戻した。 (大塚理恵子)
<為替動向>
今週 のドル円相場はややドル高地合いで推移した。米雇用統計の市場予
原油価格の持ち直しなど
想を下回る結果を受けて先週末にドル安が進んだドル円相場は、週明けの
から、ドル高が進む
原油価格上昇を受けて、円安ドル高に戻した。さらに FOMC 議事録で複数の
参加者が早期利上げを示唆していたことなどが為替市場で意識され、ドル
高圧力が更に高まった。その後、週半ばに公表された 9 月中国輸出額が市
場予想を下回ったことから、市場のリスクオフ地合いが高まり円高圧力と
して働いたものの、週初よりは円安ドル高水準で落ち着いた。ユーロドル
相場は先週に一時高まりをみせたECBテーパリング観測がやや後退した
ことなどから、ドル高ユーロ安地合いで推移した。
(有田賢太郎)
<新興・資源国動向>
新興国市場では、米国の利上げに対する期待を背景にしたドル高圧力に
米利上げ期待や中国リス
よって通貨安地合いが続いている。上昇している通貨は、先月末の利上げ
クを背景に株安・通貨安
や米大統領選でのクリントン氏の勝利観測が押し上げ要因となっているメ
キシコペソなどに限られる。なかでも今週再び下落した人民元の動向には
注意が必要だ。新興国売りの背景には、ファンダメンタルズの弱さや政情
不安もある。アジアでは中国の輸出減少を受け株安・通貨安が進んだほか、
国王が死去したタイをはじめ、フィリピン、トルコ、南アフリカでは政治
要因も売り圧力を高めている。利下げ観測のあるブラジルでは株高基調を
維持しているが、中国株の反発は持続しない可能性がある。
4
(井上淳)
金融市場ウィークリー(2016 年 10 月 14 日号)
~内外経済指標の解説と予測~
<国 内>
設備投資やサービス活動
今週発表された指標をみると、天候不順による下押しもみられたが、設
は底堅さを維持
備投資やサービス活動は、底堅さを維持していることが確認された。8月の
機械受注(10/12)は、前月比▲2.2%(7月同+4.9%)と3カ月ぶりに減少
したものの、4~6月期の落ち込みからは持ち直していると評価される。非
製造業が、運輸・郵便業を中心に高水準を維持している。一方、製造業で
は、ものづくり補助金による下支え効果が発生しているとみられるものの、
円高傾向などから投資を先送りする企業が出ていると推察される。
8月の第3次産業活動指数(10/13)は、前月比0.0%(7月同+0.2%)と
横ばいだった。台風の影響により、遊園地・テーマパークや観戦型スポー
ツなどの生活娯楽関連サービスや小売業がマイナスに寄与した。一方、受
注ソフトやゲームソフトなどソフトウェア業の上昇により、情報通信業が
プラスに寄与した。四半期ベースでは、7・8月の4~6月期比が+0.3%とな
っており、第3次産業活動指数は、改善傾向にあるといえる。
企業物価は前年比マイナ
9月の国内企業物価指数(10/14)は、前年比▲3.2%(8月同▲3.6%)と
ス幅が縮小
4カ月連続でマイナス幅が縮小した。原油価格の持ち直しを受けた石油・石
炭価格のマイナス幅縮小が寄与した。先行きを展望すると、引き続き円高
が下押し圧力となるものの、原油価格の持ち直しが今後もエネルギー価格
に反映されていくと想定されることから、国内企業物価指数の前年比マイ
ナス幅は緩やかに縮小していく見通しである。
来週は全産業活動指数が発表される。
全産業活動指数は小幅の
8月の全産業活動指数(10/19)は、前月比+0.1%(7月同+0.3%)と予
プラス
測する。天候不順の影響で小売業などの第3次産業活動指数が横ばいとなっ
た一方で、建設業活動指数および鉱工業生産指数が上昇したことにより、
全体では前月比で小幅のプラスになったと予想する。
【 機械受注・民需(除く船舶・電力)の推移 】
(高瀬美帆)
【 全産業活動指数の推移 】
(2010年=100)
140
(2010年=100)
106
135
105
月次
130
予測値
104
125
103
120
102
115
101
110
100
105
3カ月後方
移動平均
99
100
98
95
97
12/09
90
13/01
14/01
15/01
16/01
(年/月)
13/03
13/09
14/03
14/09
15/03
15/09
16/03
(年/月)
(注)2016年8月の値はみずほ総合研究所による予測値。
(資料)経済産業省「全産業活動指数」より、みずほ総合研究所作成
(資料)内閣府「機械受注統計調査報告」より、みずほ総合研究所作成
5
金融市場ウィークリー(2016 年 10 月 14 日号)
<海 外(米国)>
9 月の雇用統計は、労働市
場の改善継続を示す内容
9 月の雇用統計(10/7)は市場予想を下回ったものの、労働市場の改善が
継続していることを示す内容であった。9 月の非農業部門雇用者数は前月差
+15.6 万人、3 カ月移動平均値は+19.2 万人となった。労働時間は持ち直
し、労働投入量は増加した。失業率は 5.0%と前月から 0.1%ポイント悪化
したが、労働参加率の上昇が主因であり、内容は悪くない。
金融政策の現状維持を決
9 月 FOMC の議事録(10/12)では、多くの参加者が①労働市場のスラック
定した 9 月 FOMC の議事録
が残っていること、②賃金・インフレ上昇圧力の強まりを示す兆候がほと
では、参加者の幾人かが
んどないことを主張し、9 月会合での利上げ見送りを決定していたことが明
「際どい決定」をしてい
らかとなった。しかし、利上げ見送りを支持した参加者のなかでも、幾人
たことが明らかに
かは「際どい決定」をしたとのことである。
次の利上げのタイミングについて、何人かは「労働市場の改善と経済の
拡大が続けば、比較的早く利上げすることが適切になる」とした一方、別
の何人かは「インフレ率が目標に向かって進展している、より説得的な証
拠を待つことを望んでいる」と述べた。次の利上げに関する明確な条件を
伺うことは出来ないが、イエレン議長が記者会見(9/21)で述べていたよ
うに、多くの参加者は労働市場の改善が現在の状態のまま継続し、新たな
リスクが生じなければ、年内の利上げが適切であると考えていたのだろう。
今晩以降発表される指標
消費関連指標(10/14:9 月の小売売上高、10 月のミシガン大消費者信頼
は、個人消費と生産の回
感指数)は良好な内容で、8 月に勢いが鈍化した個人消費が回復しているこ
復、住宅市場の勢いの鈍
とを示すとみられる。9 月の鉱工業生産指数(10/17)は上昇し、10 月の地
さを示すと予想。コア
区連銀製造業業況指数(NY:10/17、 フィラデルフィア:10/20)は緩やか
CPI上昇率は緩やかに
な業況改善を示すプラス圏の水準になると予想する。9 月のコアCPI上昇
上昇する見通し
率(10/18)は前月比+0.2%となる見通しである。9 月の住宅関連指標(着
工・許可件数:10/19、中古販売件数:10/20)は前月から持ち直すとみら
れるが、供給制約等を背景に力強さを欠く結果となるだろう。(風間春香)
【 失業率の要因分解 】
【 小売売上高 】
(前月比、%)
(前月差、%Pt)
2.0
0.4
コア小売
自動車・部品
建材・造園
ガソリン
外食
小売売上高
労働参加率
0.3
1.5
0.2
1.0
0.1
0.0
0.5
▲0.1
0.0
▲0.2
▲0.5
就業率
▲0.3
▲0.4
15/9
15/12
16/3
16/6
▲1.0
16/9
15/9
(年/月)
15/12
16/3
16/6
16/9
(年/月)
(注)寄与度の合計は必ずしも失業率の変化に一致しない。
(資料)米国労働省より、みずほ総合研究所作成
(注)2016 年 9 月の値はみずほ総合研究所予測値。
(資料)米国商務省より、みずほ総合研究所作成
6
金融市場ウィークリー(2016 年 10 月 14 日号)
<海 外(欧州)>
8 月のユーロ圏生産は大
8 月のユーロ圏鉱工業生産(10/12)は前月比+1.5%と大幅に増加した。
幅に増加。輸出増が背景
国別にみると、ドイツ(同+3.1%)やフランス(同+2.1%)などが急反
発した。背景には輸出の拡大がある。8 月のドイツ輸出金額(10/10)は同
+5.4%、同月のフランス輸出金額(10/7)は同+2.1%と大幅に増加した。
ドイツとフランスの輸出増は、単月の増加幅としては大きく、一時的な
要因が影響した可能性がある。とは言え、輸出受注が改善していることな
どを踏まえると、輸出は復調に向かっているとみられる。それに伴い、生
産も緩やかな回復軌道にあると考えられる。9 月には反動減が生じるだろう
が、8 月と均せば、輸出・生産が持ち直し基調にあることが示されよう。
ユーロ圏の 2017 年度予算
今週、ユーロ圏の一部の国は 2017 年度予算案を発表した。財政のルール
案では拡張的な財政政策
上、ユーロ圏の国は欧州委員会から予算案の審査を受けることになってお
が志向される可能性も
り、週末には殆どの国の予算案が出揃う予定である。今年春の時点では、
ユーロ圏全体で 2017 年は緊縮財政が計画されていた。しかし、景気回復力
が弱い中、中立あるいは拡張的な財政政策が志向される可能性がある。
今晩以降はユーロ圏輸出
今晩以降は、8 月のユーロ圏輸出金額(10/14)、9 月のユーロ圏新車登
金額などに加え、ECB
録台数(10/14)などの経済指標の発表に加え、欧州中央銀行(ECB)の
政策理事会が注目点
政策理事会(10/20)が予定されている。また、ECBの銀行貸出態度調査
(10/18)も発表される。ユーロ圏輸出金額は、ドイツやフランスの結果を
踏まえると、増加したと予想される。新車登録台数は、最近の弱含みから
脱することが期待される。ECBは、金融政策の現状維持を決定するだろ
う。前回理事会以降に発表されたユーロ圏経済指標は、ECBの見通しと
概ね整合的な結果であり、今回理事会でのECBの行動の必要性は高くな
い。資産購入プログラムの円滑な実施に向けた対応策に関し、記者会見で
(松本惇)
の総裁発言が注目される。
【 ユーロ圏鉱工業生産 】
【 ドイツ・フランスの輸出金額 】
(2015/1=100)
109
(2015/1=100)
106
105
107
104
105
103
102
103
101
101
100
99
2015/2
15/5
ユーロ圏
フランス
15/8
15/11
ドイツ
イタリア
16/2
16/5
スペイン
99
16/8
(年/月)
2015/2 15/5
ドイツ
15/8
15/11
フランス
16/2
16/5
16/8
(年/月)
(資料)ドイツ連邦統計庁、INSEE より、みずほ総合研究所作成
(資料) Eurostat より、みずほ総合研究所作成
7
金融市場ウィークリー(2016 年 10 月 14 日号)
Ⅱ.トピックス
~「総括的検証」で積み残された課題~
総括的検証では、2%イン
9 月 21 日に発表された日本銀行の「総括的検証」では、「量的・質的金
フレ未達成の原因を 3 つ
融緩和」の開始から約 3 年が経過したにもかかわらず、2%インフレが未達
の「外的要因」で説明
成となっている要因について、①原油価格の下落、②消費増税後の需要低
迷、③新興国経済の減速とそれに伴う金融市場の混乱、という 3 つの「外
的要因」が挙げられた。日本銀行にとってコントロール不可能なこれらの 3
要因によって、実績のインフレ率が下振れし、さらに「適合的期待形成」
の下で、予想物価上昇率も下振れしたことが、2%インフレを達成できなか
った原因という整理だ。裏返せば、黒田総裁の定例記者会見でも言及され
たように、これらの「外的要因」が生じなければ、2%インフレは達成でき
ていたとの見解である。しかし、こうした見方は、日本における低インフ
レの根強さを過小評価していると言わざるを得ない。実際、2014 年にかけ
てみられた物価上昇は、食料品やエネルギーの寄与が大部分を占めており、
円安による輸入コスト増を通じた一時的影響が大きかったと考えられる
(図表 1)。「異次元」の金融緩和により年率 20%超の円安という最大限
の追い風を起こしたにもかかわらず、インフレ率が 2%に届かなかったこと
を虚心坦懐に捉えれば、仮に「外的要因」がなかったとしても、持続的な 2%
インフレの達成は難しかったと評価される。
総括的検証で触れられな
2%インフレを達成できていない原因として、総括的検証で挙げられた
かった「金融緩和の波及メ
「外的要因」以外にも、
「金融緩和の実体経済への波及メカニズム」自体が
カニズム」を巡る 3 つの誤
想定通り機能せず、目詰まりを起こしてしまったという誤算があったと考
算
えられる。まず、①金融緩和に伴う円安でも輸出数量が伸びなかったこと
は、日本銀行にとっても誤算だったとみられる。2013 年 4 月の展望レポー
トをみると、
「為替相場の円安方向の動きにも支えられ、わが国の輸出は増
加していくと見込まれる」と記載されており、当時の日本銀行が円安によ
る輸出増に期待を寄せていたことがうかがわれる。仮に、円安による輸出
数量の押し上げ効果が十分に出ていれば、設備投資への波及を通じて、物
価の基調はさらに改善していた可能性が高い。
【 図表 1 インフレ率の寄与度分解 】
【 図表 2 体感物価と賃金上昇率のギャップ 】
(前年比、%)
1.5
(前年比、%)
家計の体感物価は
賃金を上回る伸び
6
5
1.0
家計の体感物価
4
3
0.5
2
0.0
1
0
▲ 0.5
▲1
米国基準コア
エネルギー
食料(生鮮食品・酒類を除く)
生鮮食品を除く総合
▲ 1.0
▲ 1.5
12
13
14
名目賃金
▲2
10
15
11
12
13
14
15
16
(年)
(注)家計の体感物価は、「1年前に比べ現在の物価は何%変化したと思
うか」との質問に対する回答の中央値。
(資料)日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」、厚生労働省「毎月
勤労統計」より、みずほ総合研究所作成
16
(資料)総務省「消費者物価指数」より、みずほ総合研究所作成
8
金融市場ウィークリー
(2016 年 10 月 14 日号)
次に、②「量的・質的金融緩和」によって実質金利の低下は生じたもの
の、設備投資が十分に増えなかったことも、金融緩和の波及メカニズムが
想定通り機能していないことを示すものといえるだろう。この背景には、
上述した輸出数量が伸びなかった影響のほかに、企業部門がもともとカネ
余りであり、実質金利低下が設備投資の拡大に直結しにくい状況にあった
ことことなどがある。
最大の誤算は、円安に伴う
波及メカニズムを巡る最大の誤算は、③円安に伴う物価上昇に対して、
物価上昇に対して、賃金上
賃金上昇が十分に追いつかなかったことだろう。先述のように、円安によ
昇が十分に追いつかなか
って輸入コストが増加したことから、食料品やエネルギーなどの価格は上
ったこと
昇した。これらは家計にとって身近な必需品であることから、こうした必
需品価格の上昇に伴って、家計の体感物価は実際の物価上昇率以上に高ま
った(図表 2)。一方、賃金は、体感物価に比べると緩やかな上昇にとどま
った。賃金上昇が物価上昇に追いつけなかったことは、個人消費が再び低
迷し、企業の値上げの動きが慎重化する大きな要因になったと考えられる。
「波及メカニズム」目詰ま
「実体経済への波及メカニズム」が想定通り機能しないという誤算が生
りの根本原因は、日本経済
じた原因には、日本経済の成長力低下があると考えられる。例えば、先述
の成長力低下
した企業部門のカネ余りの背景には、期待成長率の低下により魅力的な投
資機会が乏しいことがある。賃金上昇率が鈍いという点も、持続的な事業
拡大の見込みが立たなければ、企業経営者としては思い切った賃上げに踏
み切りづらいという事情があろう。
「実体経済への波及メカニズム」の目詰まりの根本的原因が潜在成長率
の低下にあるとすると、その対応は金融政策だけでは限界があり、財政や
構造改革の役割が重要になってくる。こうした金融政策の限界に対する認
識は徐々に広がっており、その中で継続的な財政拡大を求める声も高まっ
ている。実際、著名な経済学者の 1 人である Sims は、2016 年のジャクソン
ホール講演において、2%インフレの達成まで消費増税を延期することを提
言している。しかし、継続的な財政拡大へのコミットメントは、想定通り
にインフレが達成できなかった場合に、財政破たんを招いてしまうリスク
が大きく高まってしまうため、現段階ではベネフィットよりもコスト(財
政破たんリスク)の方が大きいと評価される。
成長期待を高めるために、
今後は、成長期待を高めるために、構造改革の推進が重要になるだろう。
構造改革の推進が重要。て
このうち、てこ入れの余地が大きい分野として残されているのは、労働市
こ入れの余地が大きい分
「金銭解決制度」を含む解雇規制の明確化やそれを補完するため
場改革だ。
野は労働市場改革
の教育(職業訓練の充実など)
・社会保障制度の改革を進めることで、成長
分野への雇用シフトや、さらには企業の設備投資・賃上げの後押しといっ
た効果が期待される。イノベーション創出力の観点からも、研究・開発を
担う部門で多様なバックグラウンドの人材を集めやすくなることで、知の
融合によるイノベーション活性化といった効果が見込まれる。(徳田秀信)
※詳細は 2016 年 10 月 3 日公表の「「総括的検証」で積み残された課題~波及メカニズ
ムの目詰まりに対し金融政策では限界~」『みずほインサイト』をご覧下さい。
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp161003.pdf
9
金融市場ウィークリー
(2016 年 10 月 14 日号)
Ⅲ.参考資料
今週の主要経済指標
経 済 指 標 等
日 付
10/7(金) 米
今回実績
雇用統計(9月)
失業率
非農業部門雇用者数
時間当たり賃金(全従業員ベース)
前月差
前月比
10/8(土) 中 財新サービスPMI(9月)
10/10(月) 日 体育の日(日本休場)
米 コロンブスデー(祝日)
10/11(火) 日 景気ウォッチャー調査(9月)
国際収支(8月速報)
10/12(水) 日
現状判断DI
経常収支
(前年比)
貿易収支
(前年比)
機械受注(8月)
[船舶・電力を除く民需]
前月比
前年比
5.0%
+156千人
+0.2%
前回実績
予想
4.9%
+172千人 R
+0.3%
4.9%
+167千人
+0.1%
52.0
N.A.
52.1
44.8
45.8
45.6
+2兆8億円 +1兆5,027億円
+23.1%
▲7.5%
+2,432億円
+1,165億円
-
+1兆9,382億円
+8.0%
+6,139億円
-
▲2.2%
+11.6%
▲4.7%
+7.9%
+4.9%
+5.2%
30年利付国債入札:最高利回り 0.519%、 平均利回り 0.514%、 入札倍率 3.64倍
米 FOMC議事録(9/20・21)
3年国債入札:最高利回り 1.045%、 平均利回り 1.000%、 入札倍率 2.92倍
10年国債入札:最高利回り 1.793%、 平均利回り 1.749%、 入札倍率 2.53倍
10/13(木) 日 第3次産業活動指数(8月)
中 貿易収支(9月)
前月比
0.0%
米ドル
+420億㌦
+530億㌦
+521億㌦
前年比
▲10.0%
▲3.3%
▲2.8%
輸入総額(9月)
前年比
▲1.9%
+0.6%
米 30年国債入札:最高利回り 2.470%、 平均利回り 2.425%、 入札倍率 2.44倍
+1.5%
輸出総額(9月)
失業保険新規申請件数(~10/8)
韓 金融政策決定会合
10/14(金) 日
▲0.2% R
+0.2%
246千人
253千人 R
246千人
M2
マネーストック(9月速報) M3
広義流動性
前年比
前年比
前年比
+3.6%
+3.1%
+1.8%
+3.4%
+2.9%
N.A. R
+3.3%
+2.8%
+1.6%
国内企業物価指数(9月)
前月比
前年比
0.0%
▲3.2%
▲0.1%
▲3.2%
▲0.3%
▲3.6%
5年利付国債入札:最高利回り ▲0.201%、 平均利回り ▲0.201%、 入札倍率 4.31倍
中 消費者物価指数(9月)
前年比
+1.9%
+1.6%
+1.3%
予想:情報ベンダー(Bloomberg、Reuters 等)の取りまとめた予想コンセンサス。米国の経済指標は特に断りのない限り季調値。R は改定値。
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、
泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア
10
金融市場ウィークリー(2016 年 10 月 14 日号)
来週の主要経済指標
経 済 指 標 等
日 付
10/14(金) 米 イエレンFRB議長講演(ボストン)
小売売上高(9月)
予 想
前月比
10/17(月) 日 設備稼働率(8月)
米
鉱工業生産指数(9月)
設備稼働率(9月)
▲0.3%
+0.1%
[92.5]
91.2
89.8
+0.2%
+0.1%
0.0%
+0.1%
▲0.4%
▲0.3%
N.A.
96.2
95.6
[+0.2%]
75.6%
▲0.4%
75.5%
+0.6%
75.9%
[+1.0]
▲2.0
▲4.2
前月比
前月比
[+0.3%]
[+0.2%]
+0.2%
+0.3%
0.0%
+0.1%
前月比
[+0.1%]
+0.3%
+1.0%
前年比
+6.4%
+6.3%
+6.0%
前年比
+6.7%
4~6月期
+6.7%
1~3月期
+6.8%
年率
年率
[116.0万件]
[116.0万件]
114.2万件
115.2万件
121.2万件
114.4万件
年率
[538万件]
533万件
538万件
[+5.0]
+12.8
+2.0
[250千人]
246千人
246千人
前月比
前月比
前月比
ニューヨーク連銀製造業業況指数(10月)
10/18(火) 米
消費者物価指数(9月)
[食品・エネルギーを除く]
10/19(水) 日 全産業活動指数(8月)
中 鉱工業生産(9月)
実質GDP(7~9月期)
米
前々回
[+0.6%]
ミシガン大消費者信頼感指数(10月速報)
生産者物価指数(9月)
[食品・エネルギーを除く]
前 回
住宅着工件数(9月)
住宅着工許可件数(9月)
ベージュブック(地区連銀経済報告)
伯 金融政策決定会合(18・19日)
10/20(木) 米 中古住宅販売件数(9月)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(10月)
失業保険新規申請件数(~10/15)
英 ECB政策理事会
尼 金融政策決定会合
10/21(金) 日 黒田日銀総裁挨拶(全国信用組合大会)
黒田日銀総裁講演(The Economist主催ジャパン・サミット2016における講演)
予想:[ ]はみずほ総合研究所予想、それ以外はコンセンサス(Bloomberg 等)。予定は変更になる可能性があります。
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、
泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア
11
金融市場ウィークリー(2016 年 10 月 14 日号)
10 月のスケジュール
国
内
1
米
1
2
2
3
日銀短観(9 月調査),新車販売台数(9 月)
3
4
消費動向調査(9 月),10 年利付国債入札
4
5
5
6
6
7
国 他
毎月勤労統計(8 月速報)
景気動向指数(8 月速報)
7
米 製造業ISM指数(9 月)
米 非製造業ISM指数(9 月)
貿易収支(8 月)
製造業新規受注(8 月)
G20(20 か国財務大臣・中央銀行総裁会議、ワシントン
D.C.)
米 雇用統計(9 月)
8
9
8
9
10 体育の日(日本休場)
10 米 コロンブスデー(祝日)
11 景気ウォッチャー調査(9 月)
国際収支(8 月速報)
12 機械受注統計(8 月)
30 年利付国債入札
13 第 3 次産業活動指数(8 月)
11
14 マネーストック(9 月速報)
企業物価指数(9 月)
5 年利付国債入札
15
14 米 イエレンFRB議長講演(ボストン)
小売売上高(9 月),PPI(9 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(10 月速報)
15
16
16
17 設備稼働率(8 月)
17 米 鉱工業生産・設備稼働率(9 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(10 月)
18 米 ネット対米証券投資(8 月),CPI(9 月)
18
19 全産業活動指数(8 月)
20
12 米 FOMC 議事録(9/20・21)
3 年国債入札,10 年国債入札
13 米 連邦財政収支(9 月),30 年国債入札
19 米 住宅着工・許可件数(9 月)
ベージュブック(地区連銀経済報告)
20 欧 ECB政策理事会
米 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(10 月)
中古住宅販売件数(9 月),景気先行指数(9 月)
21
21 黒田日銀総裁挨拶(全国信用組合大会)
黒田日銀総裁講演(The Economist 主催ジャパン・サ
ミット 2016 における講演 )
22
22
23
23
24 貿易統計(9 月)
24
25 20 年利付国債入札
26
25 独 ifo景況感指数(10 月)
米 S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20 都市・8 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(10 月)
2 年国債入札
26 米 新築住宅販売件数(9 月),5 年国債入札
27 2 年利付国債入札
27 米 耐久財受注(9 月),7 年国債入札
28 消費者物価(9 月全国・10 月都区部)
労働力調査(9 月)
家計調査(9 月)
29
28 米 GDP(7~9 月期速報)
雇用コスト指数(7~9 月期)
ミシガン大学消費者信頼感指数(10 月確報)
29
30
30
31 鉱工業生産(9 月速報)
商業動態統計(9 月速報)
住宅着工統計(9 月)
31 米 個人所得・消費支出(9 月)
シカゴPMI指数(10 月)
*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ
12
金融市場ウィークリー(2016 年 10 月 14 日号)
11 月のスケジュール
国
1
内
米
国 他
1
米 製造業ISM指数(10 月)
2
日銀金融政策決定会合(10/31・11/1)
日銀総裁定例記者会見
日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)
新車販売台数(10 月)
消費動向調査(10 月)
2
米 FOMC(1・2 日)
3
文化の日(日本休場)
3
英 英中銀金融政策委員会(2・3 日)
労働生産性(7~9 月期暫定)
米 非製造業ISM指数(10 月),
製造業新規受注(9 月)
米 雇用統計(10 月),貿易収支(9 月)
4
4
5
5
6
6
7
8
9
日銀金融政策決定会合議事要旨(9/20・21 分)
毎月勤労統計(9 月速報)
景気動向指数(9 月速報),10 年利付国債入札
景気ウォッチャー調査(10 月),国際収支(9 月速報)
7
8
9
米 3 年国債入札
米 10 年国債入札
10 機械受注統計(9 月),マネーストック(10 月速報)
日銀金融政策決定会合における主な意見(10/31・11/1
分),30 年利付国債入札
11 企業物価指数(10 月)
第 3 次産業活動指数(9 月)
12
10 米 連邦財政収支(10 月)
30 年国債入札
13
13
14 GDP(7~9 月期 1 次速報),設備稼働率(9 月)
14
15 5 年利付国債入札
18
15 米 小売売上高(10 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(11 月)
16 米 鉱工業生産・設備稼働率(10 月)
ネット対米証券投資(9 月),PPI(10 月)
17 米 住宅着工・許可件数(10 月)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(11 月)
CPI(10 月)
18 米 景気先行指数(10 月)
19
19
20
20
21 貿易統計(10 月),全産業活動指数(9 月)
21 米 2 年国債入札
22
22 米 中古住宅販売件数(10 月),5 年国債入札
23 勤労感謝の日(日本休場)
23 米 FOMC 議事録(11/1・2) ,耐久財受注(10 月)
新築住宅販売件数(10 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(11 月確報)
7 年国債入札
24 独 ifo景況感指数(11 月)
米 感謝祭(米国休場)
25
16
17 20 年利付国債入札
24
25 消費者物価(10 月全国・11 月都区部)
40 年利付国債入札
26
11 米 ベテランズデー(祝日)
ミシガン大学消費者信頼感指数(11 月速報)
12
26
27
27
28
28
29 商業動態統計(10 月速報),労働力調査(10 月)
家計調査(10 月) ,2 年利付国債入札
29 米 GDP(7~9 月期暫定)
企業収益(7~9 月期暫定)
S&P/コアロジックCS住宅価格指数(20 都市・9 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(11 月)
30 米 個人所得・消費支出(10 月),シカゴPMI指数(11 月)
ベージュブック(地区連銀経済報告)
30 鉱工業生産(10 月速報)
住宅着工統計(10 月)
*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ
13
金融市場ウィークリー(2016 年 10 月 14 日号)
四半期スケジュール
12 月
日 本 1
5
6
7
8
9
12
13
14
15
19
20
21
27
28
米 国 1
2
5
6
9
12
13
14
15
16
21
22
23
27
28
29
30
欧 州 8
1月
2月
法人企業統計調査(7~9 月期)
新車販売台数(11 月)
10 年利付国債入札
消費動向調査(11 月)
毎月勤労統計(10 月速報)
景気動向指数(10 月速報)
GDP(7~9 月期 2 次速報)
景気ウォッチャー調査(11 月)
国際収支(10 月速報)
30 年利付国債入札
マネーストック(11 月速報)
法人企業景気予測調査(10~12 月期)
企業物価指数(11 月)
第 3 次産業活動指数(10 月)
機械受注統計(10 月)
5 年利付国債入札
日銀短観(12 月調査)
設備稼働率(10 月)
20 年利付国債入札
貿易統計(11 月)
資金循環統計(7~9 月期速報)
日銀総裁定例記者会見
日銀金融政策決定会合(19・20 日)
全産業活動指数(10 月)
消費者物価(11 月全国・12 月都区部)
労働力調査(11 月)
家計調査(11 月)
2 年利付国債入札
商業動態統計(11 月速報)
鉱工業生産(11 月速報)
5 新車販売台数(12 月)
6 毎月勤労統計(11 月速報)
12 国際収支(11 月速報)
景気ウォッチャー調査(12 月)
13 マネーストック(12 月速報)
16 第 3 次産業活動指数(11 月)
企業物価指数(12 月)
17 設備稼働率(11 月)
23 全産業活動指数(11 月)
25 貿易統計(12 月)
27 消費者物価(12 月全国・1 月都区部)
30 商業動態統計(12 月速報)
31 鉱工業生産(12 月速報)
日銀総裁定例記者会見
日銀金融政策決定会合(30・31 日)
日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)
労働力調査(12 月)
家計調査(12 月)
2
6
8
製造業ISM指数(11 月)
雇用統計(11 月)
非製造業ISM指数(11 月)
貿易収支(10 月)
労働生産性(7~9 月期改訂)
ミシガン大学消費者信頼感指数(12 月速報)
連邦財政収支(11 月)
3 年国債入札
10 年国債入札
30 年国債入札
FOMC(13・14 日)
小売売上高(11 月)
PPI(11 月)
鉱工業生産・設備稼働率(11 月)
経常収支(7~9 月期)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(12 月)
CPI(11 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(12 月)
住宅着工・許可件数(11 月)
中古住宅販売件数(11 月)
個人所得・消費支出(11 月)
企業収益(7~9 月期改訂)
GDP(7~9 月期確定)
耐久財受注(11 月)
景気先行指数(11 月)
新築住宅販売件数(11 月)
S&P/コアロジック CS 住宅価格指数(20 都市・10 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(12 月)
2 年国債入札
5 年国債入札
7 年国債入札
シカゴPMI指数(12 月)
3
4
5
6
10
11
12
1
ECB政策理事会
15 英中銀金融政策委員会(14・15 日)
13
18
19
24
25
26
27
30
製造業ISM指数(12 月)
FOMC 議事録(12/13・14)
非製造業ISM指数(12 月)
貿易収支(11 月)
3 年国債入札
10 年国債入札
30 年国債入札
連邦財政収支(12 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(1 月速報)
鉱工業生産・設備稼働率(12 月)
住宅着工・許可件数(12 月)
2 年国債入札
5 年国債入札
7 年国債入札
新築住宅販売件数(12 月)
GDP(10~12 月期速報)
個人所得・消費支出(12 月)
19 ECB政策理事会
9
10
13
14
20
21
28
消費動向調査(1 月)
毎月勤労統計(12 月速報)
国際収支(12 月速報)
景気ウォッチャー調査(1 月)
マネーストック(1 月速報)
第 3 次産業活動指数(12 月)
企業物価指数(1 月)
GDP(10~12 月期 1 次速報)
設備稼働率(12 月)
貿易統計(1 月)
全産業活動指数(12 月)
商業動態統計(1 月速報)
鉱工業生産(1 月速報)
15
16
22
24
28
FOMC(31・1 日)
製造業ISM指数(1 月)
非製造業ISM指数(1 月)
貿易収支(12 月)
連邦財政収支(1 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(2 月速報)
鉱工業生産・設備稼働率(1 月)
住宅着工・許可件数(1 月)
FOMC 議事録(1/31・2/1)
新築住宅販売件数(1 月)
GDP(10~12 月期暫定)
2
英中銀金融政策委員会(1・2 日)
3
7
10
*印は期日未定を示す〔予定は変更の可能性があります〕
14
金融市場ウィークリー(2016 年 10 月 14 日号)
今週の金融市場の動き
[海外金利]
10/6
ドルLIBOR 3M(%)
ユーロドル金先(Dec16)
10/7
10/10
10/11
10/12
10/13
10/14
前週末比
0.87156
0.87606
0.87389
0.87750
0.88111
0.88000
0.00394
99.050
99.050
99.040
99.040
99.045
99.060
0.010
米国債(10年、%)
1.737
1.718
1.718
1.764
1.769
1.741
0.023
スワップ金利(10年、%)
1.583
1.556
1.623
1.604
1.606
1.577
0.021
独国債(10年、%)
▲ 0.018
0.020
0.056
0.025
0.067
0.038
0.018
英国債(10年、%)
0.871
0.969
1.022
0.979
1.043
1.024
0.055
[内外株式]
10/6
ダウ平均(㌦)
S&P500指数
NASDAQ総合指数
日経平均(円)
TOPIX(Pt.)
10/7
10/10
10/11
10/12
10/13
10/14
前週末比
18,268.50
18,240.49
18,329.04
18,128.66
18,144.20
18,098.94
▲ 141.55
2,160.77
2,153.74
2,163.66
2,136.73
2,139.18
2,132.55
▲ 21.19
5,328.67
5,306.85
5,292.41
5,246.79
5,239.02
5,213.33
16,899.10
16,860.09
17,024.76
16,840.00
16,774.24
16,856.37
▲ 3.72
1,353.93
1,350.61
1,356.35
1,342.35
1,342.31
1,346.66
▲ 3.95
出来高(百万株)
1,702.45
1,512.29
1,665.17
1,715.62
1,659.52
1,626.16
113.87
売買代金(億円)
18,673.74
16,559.86
18,711.05
18,761.26
18,906.11
19,660.27
3,100.41
2,537.97
2,537.77
2,547.91
2,541.88
2,545.09
2,545.30
7.53
10/6
10/7
日経JASDAQ平均(円)
休場
▲ 79.07
[円金利]
TIBOR 3カ月(%)
10/10
10/11
10/12
10/13
10/14
前週末比
0.05600
0.05600
0.05600
0.05600
0.05600
0.05600
0.00000
ユーロ円金先(Dec16)
99.955
99.955
99.955
99.955
99.955
99.955
0.000
新発国債(10年、%)
▲ 0.060
▲ 0.065
▲ 0.050
▲ 0.060
▲ 0.060
▲ 0.060
0.005
長国先物(Dec16)
スワップ金利(5年、%)
休場
152.00
151.99
151.81
151.86
151.87
151.85
▲ 0.140
▲ 0.075
▲ 0.076
▲ 0.066
▲ 0.065
▲ 0.063
▲ 0.091
▲ 0.014
10/6
10/7
10/11
10/12
10/13
10/14
[為替]
円/$
103.95
102.98
10/10
103.61
103.51
104.21
103.71
前週末比
104.01
1.03
$/EUR
1.1151
1.1201
1.1139
1.1054
1.1007
1.1056
1.1025
▲ 0.0176
円/EUR
115.91
115.39
115.41
114.41
114.70
114.66
114.67
▲ 0.72
(注)前週末比は、海外などについては現時点での直近値と前週末値との比較。
東京市場の発行日表示値は終値もしくは 15:00 時点値。
米国 10 年債、米金利スワップ 10 年物は Bloomberg の終値。
日本株出来高・売買代金はそれぞれ東京証券取引所第一部出来高・売買代金。
TIBOR は全銀協発表のユーロ円 TIBOR 平均値。
新発 10 年国債は日本相互証券発表の気配値。
金利先物は東京金融取引所(TFX)のユーロ円 3 ヵ月金利先物。
独・英 10 年国債は Bloomberg の提示する終値。
為替は NY 時間終値(発行日のみ東京時間 15:00 時点、出所:Bloomberg)
。
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金融市場ウィークリー(2016 年 10 月 14 日号)
最新リポート一覧
<みずほインサイト>
2016 年 10 月 12 日 男性で目立つ非労働力人口増加~就労をあまり優先しない者向けの対策が重要~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/pl161012.pdf
2016 年 10 月 3 日 減産合意の評価と今後の展望~原油相場は今後もシェールオイルが主導する展開~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/mk161003.pdf
2016 年 10 月 3 日 「総括的検証」で積み残された課題~波及メカニズムの目詰まりに対し金融政策では限界~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp161003.pdf
2016 年 9 月 30 日 国際競争力後退の要因は何か~主因は企業経営者の自信欠如という日本病~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp160930.pdf
<内外経済見通し>
2016 年 9 月 8 日
2016・17 年度 内外経済見通し(2016 年 4~6 月期 GDP2 次速報後改訂)
~日本経済は当面公需依存の回復に(8 月予測から大きな変更なし)~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_160908.pdf
2016 年 8 月 16 日
2016・17 年度 内外経済見通し
~3L(低成長・低インフレ・低金利)長期化の「新常態」、世界にうずまく不確実性~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_160816.pdf
2016 年 5 月 10 日
MIZUHO Research & Analysis no.1
特集 グローバル経済の中長期展望と日本産業の将来像~パラダイムシフトと日本の針路~
http://www.mizuho-fg.co.jp/company/activity/onethinktank/vol001/pdf/all.pdf
執筆担当者
・市場調査部
武内浩二
野口雄裕
井上 淳
大塚理恵子
坂中弥生
03-3591-1244
03-3591-1249
03-3591-1197
03-3591-1420
03-3591-1242
[email protected]
[email protected]
[email protected]
[email protected]
[email protected]
・欧米調査部
小野 亮
吉田健一郎
松本 惇
風間春香
03-3591-1219
03-3591-1265
03-3591-1199
03-3591-1418
[email protected]
[email protected]
[email protected]
[email protected]
・経済調査部
有田賢太郎
上里 啓
高瀬美帆
03-3591-1419
03-3591-1284
03-3591-1416
[email protected]
[email protected]
[email protected]
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金融市場ウィークリー(2016 年 10 月 14 日号)