116号 - シュロの会

平成28年9月18日発行
発行責任者:シュロの会
NO116
相模原障害者殺傷事件に対するアピール行動
主催
相模原障害者殺傷事件に対する緊急行動実行委員会
■趣旨
相模原障害者殺傷事件の容疑者は「障害者はいなくなればいい」と語ったという。障害者の存在を真っ向か
ら否定するこの価値観に対し、障害当事者から社会に対してメッセージを発信したい。
私たちの住む日本の社会には、障害者はいない方が良いという価値観が依然として根強いのではないか。障
害者は地域から離され、施設や精神科病院に隔離されるという実態がいまだに続いているのは、その価値観の
現れではないだろうか。障害者権利条約が求めているように、どんなに重度な障害があっても、人としての尊
厳を認められ、地域社会で生活する権利を有し、どこで誰と暮らすかについて選択の機会が保障され、社会、
経済、文化、その他あらゆる分野の活動に参加する機会が保障されなければならない。まさにいまこそ、私た
ち障害当事者は、障害の有無によって分け隔てられることにない共生社会の実現を求め、社会にアピールした
い。
■アピールするテーマ
①19 人ひとり一人に思いを馳せ、追悼する。
②「障害者はいなくなればいい」存在ではない。
③措置入院の強化、施設や病院の閉鎖性を高めることに抗議する。
④障害の有無によって分け隔てられないインクルーシブな社会をつくる。地域生活支援の飛躍的拡充を求め
る。
■日時:2016 年 9 月 26 日(月)12:00-17:00
■内容/場所
第一部 追悼
12:00-14:30(参議院議員会館講堂(東京都千代田区永田町 2-1-1))
「相模原障害者殺傷事件の犠牲者を追悼し、想いを語る会」
追悼、参加者アピール、集会アピール採択等
第二部 アピール行進 16:00-17:00(日比谷公園⇒東京駅方面・鍛冶橋交差点)
参加者一人ひとりがメッセージを書いたプラカードを持って行進する。
※第一部は定員 300 名(先着順)
※第二部は定員ございません。多数のご参加をお待ちしています。
15:45 までには日比谷公園西幸門にお集まりください。
【連絡先】
DPI 日本会議 佐藤([email protected])崔([email protected])
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-11-8 武蔵野ビル5階
電話 03-5282-3730 Fax 03‐5282-0017
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緊急のお知らせ
平成 28 年7月 26 日神奈川県相模原市の障害者福祉施設において発生した殺傷事件について、公益社団法人
全国精神保健福祉会連合会
からのコメントを掲載します。
相模原市障害者施設殺傷事件に関連して
公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 2016.8.5.
平成28年7月26日未明、障害者支援施設「神奈川県立津久井やまゆり園」において、施設入所者 19 人
の命が奪われ、多くの負傷者がでた史上類のない残虐な事件が発生しました。この事件は障がい者福祉にかか
わるものとして、受け入れがたい衝撃を与えました。被害に遭われ亡くなられた方々に、衷心よりご冥福をお
祈りするとともに、ご家族の皆様にはお悔やみ申し上げます。また、傷害をうけられた方々の一日も早い回復
をお祈り申し上げます。
犯行に及んだ男の残忍な行動は、いかなることがあっても許すことはできません。当事者のみなさんはもち
ろんのことですが、私たち障害をもつ本人と家族に甚大な苦痛と不安の最たる傷を負わせることになりました。
私たちのかけがえのない一人ひとりの存在を脅かすことがあってはなりません。私たちは事件に臆すること
なく生活を送れるように誤った偏見と差別を取り除いていきます。
今回の事件は、特異な考えを持っている容疑者が自ら犯したものであり、それをもって精神障害者故犯した
ものと結論づけることは危険です。なぜ、このような事件が起きてしまったのか、慎重な事件背景と真相究明
を求めます。
容疑者に精神科病院の入院歴があることから措置入院の在り方検討について報道されています。入院で精神
症状は治療できるのかもしれませんが、今回の容疑者の特異な考え方は症状から派生するものではなく、治療
で治るものではありません。入院さえしていれば治療されるのではなく、入院は一時的な対応手段でしかあり
ません。
措置入院は、精神症状により自傷他害の恐れがある場合に限られています。また、退院後のフォローは、社
会防衛的に監視するものではなく、対象者に適切な治療が必要な場合に、きちんと保障され行き届くために行
われるべきです。退院後に地域で本人を孤立無縁にさせない、安心して生活していける仕組みをつくることが
なければ意味がありません。そのための地域住民と行政、福祉、医療などが包括的なケアを機能させることが
求められているのです。よって、精神医療の対象にならない犯罪ならば別途対策が必要です。
この事件が精神障害者全体の差別や偏見、誤った認識につながることを危惧します。この事件を口実として
世界に類をみない長期入院が問題となっている収容型の精神医療を続けることは許されません。その限界を是
正するための対策が求められます。そのためにも事件の事実について議論の経過を情報として開示し、今後の
再発防止につなげてください。なお、各報道機関、関係機関には適正な対応と啓発をお願いいたします。
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講演テーマ
精神疾患と認知行動療法について
●講師
国立精神・神経医療研究センター
認知行動療法センター 臨床心理士 加藤 典子先生
●日時
2016 年 8 月 14 日(日) 開催
先月8月14日、くにたち福祉会館4階大講堂におきまして、シュロの会主催により
ます講演会を開催いたしました。当日は、残暑が厳しい中にもかかわらず、約100人
の方がお越しいただき、熱心に加藤先生の講演を聴講いただきました。
講師の加藤 典子先生をご紹介します。
先生は、国立精神・神経医療研究センターの認知行動療法センターにおきまして臨床
心理士としてご活躍されています。
それでは、当日の講演テーマ「精神
疾患と認知行動療法について」講演会
の内容をご紹介いたします。
講義は、まず認知行動としての「考
え」「気持ち」「行動」の循環につい
てのお話しがあり、実際に「自分の考え方の癖」を知ること
から始めました。
次に、演習として、最近、気持ちが動揺した(落ち込んだ
り、不安やイライラした)時のことを思い出し、その時に自分に起きていたことを分析して、どのような状況
で、どんな気分でどんなことを考えていたのかを各自でまとめました。落ち込んだり、イライラしている時に
は、悲観的な考えが浮かびやすくなります。そこで次に、もう一度冷静に現実を見直してみて、しなやかでバ
ランスの取れた視点からの考えを探し、最初の時と気分がどのように変化したかを小グループになり発表し合
いました。
最後に、認知行動療法では、気持ちが動揺した時の状況を取り上げて、その時にどのような気分や考えが浮
かんでいたのかを整理し、違う視点からバランスのとれた見方ができないかを検討するものなので、「考え方」
もトレーニングが必要だそうです。是非参考にしてください。
【聴講感想】
〇
認知行動療法とは初めて聞く内容でした。息子が病気になり、この三年で随分私も変われ、ポジテュブに
考えられるようになりました。しかしまだまだ弱さを抱え、悩む事もあります。講演会ではグループで他者
の話を聞き参考になったこと、自分の感じ方を採点、評価することで、客観
的に見ることが出来て、自分にとって前向きに感じられると思える良い機会
になりました。
〇
自分の考え方の角度を少し変えるだけで、悲観的な考え方から解放される
ことを知り参考になりました。
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今後の活動予定
10 月以降のシュロの会家族交流会、及び他の地域で活動されています各家族会による勉強会、講演会等の開
催情報を掲載します。
もしお時間がありましたら、参加してはいかがでしょうか!
シュロの会
家族交流会勉強会 「家族SST・家族のコミュニケーション能力の向上」
日
時 平成 28 年 10 月9日(日) 午後1時 30 分から午後4時まで
場
所 くにたち福祉会館3階 中会議室
【その他の活動】
○
10 月8日(土)午後2時から4時
テーマ「地域で自分らしく生きるために」
場所:立川市幸学習館講堂
講師:岩谷 潤氏(精神科医)NPO 法人ゆるら理事長
主催:立川麦の会
○
※ 参加費:無料
10 月 13 日(木)・14 日(金)日本病院・地域精神医学総会
テーマ「今、考えて行く勇気」~病院を問い直し、地域を耕し
当事者と共に生きる社会を創ろう~
場所:練馬文化センターココネリホール(13日のみ)
主なプログラム:薬物療法の功罪・精神科病院を問い直す
※ 参加費:当事者・家族 2,000円(2日間)
会員の皆様からのコメントをお待ちしております。
自由広場
コメントは、家族会・ミニ交流会時やホームページのお問合せメールでお受け
しています。40文字以内でお願いします。(編集部)
毎週プールに行って体力をつけて
東京つくし会主催の家族研修会が
います!! (ま)
11月4日(金)午後にあります
参加しませんか。(う)
編集後記
皆さん、はじめまして、今年広報担当に加わりました中村です。どうぞよろしくお願いします。
ところで、先日、NPO法人世田谷さくら会主催による、千葉大学社会神経保健教育センタ―/学而会木村
病院
渡邉院長先生の「統合失調症はなぜ再発しやすいのでしょうか?」という講演を聴講する機会がありま
した。統合失調症は再発しやすい病気だからこそ再発させないために、今までにも言われている「①薬はしっ
かり飲む、②ストレスはできるだけ少なくする」を心がけることが大切で
あることを改めて確認した講演でした。
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