YWCA 非暴力週間ツールキット(抜粋翻訳) 非暴力週間 2016 年 10 月 17 日(月) ~23 日(日) 1 非暴力週間について YWCA 非暴力週間は、女性や少女に対する暴力の撤廃を目指して毎年行われる、世界的なキャンペーンです。この 1 週 間では、コミュニティで起こる暴力を終わらせるために、個人・グループが意識を向上させ、考え方を変革し、そしてアクシ ョンを起こすことに焦点が置かれます。毎年 10 月の 3 週目に、世界中の YWCA が非暴力週間、つまり、暴力のない世界 をつくるために多様なアプローチをもって、コミュニティでさまざまなイベントを行う 1 週間を持ちます。YWCA 非暴力週間 は暴力のない世界に向けて、コミュニティに考え、行動するよう呼びかけます。 世界 YWCA ウェブサイト: www.worldywca.org ハッシュタグ: #WWV16 #RiseUp 世界 YWCA フェイスブック: https://www.facebook.com/worldywca 世界 YWCA ツイッター: https://twitter.com/worldywca?lang=en オンライン上ツール: http://www.worldywca.org/week-without-violence-2016/ 非暴力週間のメッセージ 短バージョン 必要に応じて、プレスリリースなどにお使いください。 「女性に対する暴力は世界中に広まっています。未だに 3 人に 1 人の女性が親密な関係にあるパートナーからの身 体的また性的暴力を経験し、世界中で少なくとも 1 億 2000 万人の少女が人生のある時期に性行為を強要されてい ます。」 長バージョン アドボカシーや声明文、メディアへの掲載など、女性に対する暴力の問題について明確に説明したい時にお使いく ださい。 2012 年に殺害された女性の 2 人の内 1 人は、パートナーや家族によって殺害されました。それとは対照的に、 同じように殺害された男性は 20 人に 1 人の割合にとどまっています。 26 億の女性と少女が、夫婦間のレイプが違法とされていない国で生活しています。 欧州における移民・難民危機が生じて以来、移住する女性と子どもの数は成人男性の数を上回っています。国 連難民高等弁務官(UNHCR)や国連人口基金(UNFPA)、女性難民委員会(Women’s Refugee Commission)は、 女性と少女が性暴力を含む、あらゆる形態の暴力に晒されるリスクを負っていると述べています。 EU では 45~55%の女性がセクシャル・ハラスメントを経験したことがあります。 世界中で 6000 万人を超える少女が 18 歳になる前に結婚し、主に南アジア(3130 万人)やサハラ以南のアフリ カ(1410 万人)で多く見られます。 低開発地域における半数の国々では、少なくとも 30%の人々が、生涯に渡って親密なパートナーから身体的、 性的暴力を受けています。その割合は特にアフリカで高くなっています。 強制労働に従事している 2100 万人の内、450 万人の人々は性的搾取の被害者でもあります。その内、98%が 女性と子どもです。 2 背景情報 児童婚 世界中に 12 億人いる少女の内、2200 万人は既に結婚しており、更に何億人もの少女がそのリスクに置かれてい ます。今日生存している 7 億人以上の女性が 18 歳の誕生日を迎える前に、そして、約 2 億 5000 万人が 15 歳に なる前に結婚しています。少年も児童婚の影響を受けますが、少女は比較にならないほど甚大な影響を受けま す。ナイジェリアとモーリタニアでは、15~19 歳までの若い女性の半数以上が 10 歳以上年の離れた男性と結婚し ています。幼くして結婚した少女の約半数が南アジア、特に 3 人に 1 人がインドで生活しています。彼女たちから は幼少期がはく奪され、教育と雇用への機会を大きく損失します。更に、ドメスティック・バイオレンスの被害を受 けやすく、セーファーセックス(望まない妊娠や性病の感染リスクを下げるように配慮した性行為)の交渉をし難い ことがしばしばあり、それにより性感染症に感染したり、幼くして妊娠することがあります。2015 年、国際社会は 2030 年までに児童婚や強制結婚、女性性器切除などの危険な慣習を撤廃することを含んだ開発目標を打ち立て ました。(Unicef, 2014) 詳細は: www.girlsnotbrides.org 女性性器切除 女性性器切除とは世界中の女性と少女に影響を及ぼす人権の侵害行為です。女性性器切除を受けた女性や少 女の正確な数は分かりませんが、少なくとも 2 億人の女性や少女が被害にあっていることが推定されます。その 2 億人の内、4400 万人が 15 歳以下の少女です。そのような慣習を撤廃することは、世界的に取り組むべき問題で す。2012 年の国連総会では、この慣習を根絶するため、努力の集結を呼びかけるよう決議し、2015 年、国際社会 は 2030 年までに児童婚や強制結婚、女性性器切除などの危険な慣習を撤廃することを含んだ開発目標を打ち 立てました。(Unicef, 2016) 詳細は:http://www.unfpa.org/female-genital-mutilation 女性と少女に対する暴力 女性と少女に対する暴力は人権の重大な侵害です。被害に遭った方の身体および精神的な状態は直ちに、また 長期に渡って影響を受けます。性暴力は被害に遭った女性や少女だけでなく、その家族やコミュニティにも甚大 な影響を及ぼします。DV や性暴力防止法を整備する国の数は増えているものの、法の実行という課題が残りま す。暴力を防止するために十分な対策が取られているわけでなく、ほとんどの場合で処罰されずにいるのです。 (UN Women、2016) 詳細は:https://www.wewillspeakout.org/ 難民と移民 欧州における移民・難民危機が生じて以来、移住する女性と子どもの数は成人男性の数を上回っています。国連 難民高等弁務官(UNHCR)や国連人口基金(UNFPA)、女性難民委員会(WRC)は、女性と少女が性的暴力を含 む、あらゆる形態の暴力に晒されるリスクを負っていると述べています。多くの女性が、例えばアフガニスタンや シリアなど、迫害やジェンダーに基づく暴力を被った国々から逃れてきます。しかし、それらの国を逃れてもなお、 人権侵害に直面し続けているのが実状です。アムネスティー・インターナショナルは、レバノンでのシリア人難民 女性に対する性的搾取を非難しました。また、成人男性の同伴なしに国を逃れた女性は、より高いリスクに晒さ れやすく、保護を受けたり司法へのアクセスが制限されるということも分かっています。受け入れ先や通過点での 警備官による性暴力も報告されています。 詳細は:https://www.amnesty.org/en/documents/mde18/3210/2016/en 3 アクション方法 例えば、以下のような方法でアクションを起こしましょう! ソーシャル・メディアでのアクション ツイッターやフェイスブックで投稿する際にハッシュタグを付けることで、同じタグが付いた投稿を一挙に観覧すること ができます。また、同じハッシュタグが付いた他の投稿との繋がりが生まれ、オンライン上で盛り上がりを見せることが できます。「#WWV16」「#Riseup」「#noXcuses」といった YWCA 非暴力週間 2016 の公式ハッシュタグや、女性に対する 暴力の問題を取り上げる際には、「#girlsandwomen」「#EndDVNow」「#childmarriage」のようなハッシュタグを使うのも 良いでしょう。 フェイスブックやツイッターのプロフィールやカバー写真、ニュースレターのバナー、ウェブサイトのロゴに以下の URL から取得できる画像データを用いて、女性に対する暴力を訴えましょう。(本冊子の最終ページも参照ください。) http://www.worldywca.org/week-without-violence-2016/ アプローチする対象 女性と少女に対する暴力撤廃という目的を、誰が支援してくれるかを理解することは大切です。以下は、世界 YWCA が認識する支援者となり得るグループです。 YWCA 運動 YWCA 運動はアドボカシーや活動を実施する際に、良き支援者になることでしょう。キャンペーンやイベントを企 画する際に、あなたがいる地域の YWCA 会員にお気軽にお声掛けください。 【あなたに出来ること】 女性団体やパートナー団体と連携を取り、非暴力週間に参加するように呼びかける。 世界 YWCA ウェブサイトの Members Forum に、ナショナルまたは地域 YWCA における活動を投稿し、協力 を呼びかける。 宗教指導者 社会のあり方に信仰が深く根付いているコミュニティで活動を展開する場合、宗教指導者を巻き込むことはとて も大切です。宗教指導者の声が人々の心と意識を変革する力を持っているからです。更に、その権威は意思 決定者にまで影響を及ぼすことができます。信仰を持つコミュニティには、そこに所属するメンバーを性暴力や あらゆる暴力的な振る舞いから保護する義務と責任があります。 【あなたに出来ること】 総理大臣や法務大臣、厚生労働大臣へ手紙を送るよう宗教指導者に働きかける。 女性と少女に対する暴力に関する説教をするよう提案する。 祈祷会を持つ。 医学団体 ナショナルレベルの医学団体と協働することは、厚生労働省や、より広く言えば政府に圧力をかける点から重 要です。2010 年、世界医師会は(WWA)はナショナルレベルの医学団体が「効果的な普遍的人権の保護を訴え る」べきであることを宣言した決議を採択しました。これは政府に対して圧力をかけるために、医学団体が草の 根の市民社会から学び、根拠に基づく情報を得ることを意味し、YWCA にとっては、様々なコミュニティで女性 が直面している問題を知らせるために、医学団体と連携する良い機会となりました。 4 【あなたに出来ること】 非暴力週間についてお知らせし、意識向上のために参加してもらう。 患者に対して、暴力を受けた時に取るべき正しい知識と、「セーフ・スペース」の存在について教授するよう 働きかける。 「セーフ・スペース」での講演をお願いする。 議員 議員との協働は、女性に対する暴力が政治のアジェンダに乗っていることを確実にするために大切です。女性 を保護する法律を整備することは、議員にとって評判を確立すると同時に、政府に同様の立場を取るよう圧力 を与えることができます。法律を通すことができなくても、その問題に対する注目を集め、また、その議員は女 性に対する暴力反対の立場を表明することにもなります。更に、議員が政府に質問提起することで、特定の問 題に対する議論を推進し、人々の意識向上のためにメディアを巻き込む良い機会にもなるでしょう。 【あなたに出来ること】 女性に対する暴力に対して先進的な立場を取る議員を調べる。同様のアジェンダを推進したい他の団体 と協力関係を結ぶ。議員と会合を開く。 コミュニティで女性が直面する問題を議員に伝える。 法律および法の執行を強化するよう求める。差異を有する他国の法律を紹介する。 議員との会合が開けなかった場合、「議員に対する手紙」のテンプレートを利用し、女性に対する暴力の 問題に関心を示した議員にメッセージを送る。その際、同様の問題意識を有する他団体の署名を忘れず に。 弁護士連合 弁護士は通常被害者に対してサポートを提供し、最善の方法を見つけられるような働きをします。 【あなたに出来ること】 あなたのコミュニティにある弁護士連合に、非暴力週間について伝える。 イベントに招待し、既存の法律を執行したり、新たに法律が採択される際に課題となっている課題につい て講演をしてもらう。 他のキャンペーン 女性と少女に対する暴力撤廃を目指す他のキャンペーンには、以下のものがあります #NoXcuse Thursdays in Black http://www.thursdaysinblack.com One Billion Rising http://www.onebillionrising.org 5 非暴力週間の画像データ 以下の画像は世界 YWCA のウェブサイトからダウンロードして、お使いいただけます。 http://www.worldywca.org/week-without-violence-2016/ 6 7
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