海外安全対策情報(平成28年7月~9月) 1 社会情勢及び一般犯罪の

海外安全対策情報(平成28年7月~9月)
1 社会情勢及び一般犯罪の傾向
(1)9月3日,ベン・ゲルダン地区で,治安部隊が停止命令に従わなかった
密輸業者を射殺したことに起因して,抗議のデモ隊と治安機関との間で
衝突が発生し,一時,緊迫した状態になりました。
(2)9月17日,大統領府は,非常事態宣言を9月19日から10月18日
まで1ヶ月間延長することを決定しました(昨年11月24日にチュニ
ス市内で発生した大統領警護隊のバスを標的とした自爆テロを受けて発
出され,今回で6回目の延長)。
(3)9月28日,チュニス市クラムにおいて,バイクに乗っていた青年が警
察に追跡されて死亡した事件に対する抗議が発生し,住民と治安機関と
の間の衝突に発展しました。
2 殺人・強盗等凶悪犯罪の事例
邦人が被害に遭遇した凶悪犯罪事件は認知していません。
3 テロ・爆弾事件発生状況
上記期間中,大規模なテロ・爆弾事件は発生していませんが,治安当局によ
るテロ組織の摘発や掃討作戦に伴う銃撃戦が相次いでいます。主なものは以下
のとおりです。内務省によれば,これら以外にも,上記期間中に複数の地域で
多数のテロリストが摘発されており,拘束された者の供述によれば,これらの
組織は,国内の治安施設等に対する大規模なテロを計画していたもようです。
(1)7月28日,ベン・ゲルダン地区で,テロリストらの潜伏先から,ロケ
ット弾やカラシニコフ銃,弾薬など大量の武器が発見されました。
(2)8月29日,サマーマ山において国家警備隊員がテロリストグループに
襲撃され,3名が死亡,9名が負傷しました。車両に乗っていたところ
をロケット弾等で襲われた模様です。
(3)8月31日,サマーマ山においてテロリスト掃討作戦が展開され,テロ
リスト2名が死亡,テロリストの発砲により市民1名が死亡し,治安当
局関係者が1名負傷しました。この作戦で,テロリストらが潜伏してい
た場所からは,自爆ベルト,カラシニコフ銃,手榴弾などが押収されま
した。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
当該事件の発生は認知していません。
5 対日感情
基本的に良好であり,特段の変化は見られません。
6 日本企業の安全に関する諸問題
日本企業を標的とした事例はありませんが,2015年は,日本人観光客も
犠牲となった3月のバルドー国立博物館襲撃事件や6月のスース県スースにお
ける高級リゾートホテル襲撃事件と,外国人を直接のターゲットとした大規模
なテロ事件が発生しています。また,隣国のリビアでは,不安定な情勢が続い
ています。こうした状況に鑑みれば,今後も外国人・外国権益を標的としたテ
ロ・誘拐事件が発生する可能性は否定できませんので,常に警戒を怠ることな
く,自らの安全確保に十分注意することが必要となります。
また,外務省ホームページ等で「スポット情報」,「危険情報」等を掲載し
ておりますので,渡航前にはこれらの情報を参照されるとともに,テロ事件等
の不測の事態に遭遇した際には,大使館に速やかに連絡されるようお願いしま
す。