市原市総合計画基本構想(素案)

市原市総合計画 基本構想(素案)
前文
市原市は、古くから養老川が育んだ自然の恵みのもとで、先人たちの英知と
努力により、上総の中心として悠久の歴史と伝統を築きあげてきました。
近代に入ってからは、臨海部へのコンビナート群の立地を契機として、我が
国を代表する工業都市へと大きく発展を遂げてきました。
現在、市原市は、人口減少というこれまでに経験したことのない大きな課題
に直面しています。
今こそ、上総の歴史と文化を礎として、「ひと」と「地域」が主体となって、
新たな市原市の未来を切り拓くまちづくりに挑戦します。
基本理念
「変革と創造」で
新たな未来を切り拓くまちづくり
本市の人口は 2003(平成 15)年にピークを迎え、以後、人口減少が進んでい
ます。
本市の基幹産業である石油化学産業では、全国的な人口減少や国際競争の激
化などを捉えた産業構造の再編が進みつつあります。
市の財政面では、社会保障関連経費の増大や、高度経済成長期に数多く建築
された公共施設が一斉に更新時期を迎えるなど、今後の財政運営に大きな課題
を抱えています。
一方、本市には、悠久の歴史や豊かな自然、市民の強い行動力と団結力など、
多くの資源があります。
このような時代だからこそ、未来をしっかりと見据え、さまざまな資源を活
用しながら、市民や事業者、市議会、行政などあらゆる力を結集し、これまで
の延長線上ではない「変革と創造」による新たな未来を切り拓くまちづくりに、
果敢に挑戦します。
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1
都市像
夢つなぎ
ひときらめく
未来創造都市
いちはら
~ひとの活躍が新たな誇りを創るまちへ~
これからのまちづくりにおいて、最も大切な力は「ひとの力」です。
ひとの力こそが、困難な課題を乗り越え、未来を切り拓く大きな力となりま
す。
そして、ひとの力を引き出すものが「夢」です。
子どもたちをはじめ、あらゆる世代が将来に夢を抱くことができるよう、未
来への展望をしっかりと描きます。
それぞれの夢や思いをつなぎながら、ひとの多彩な活躍が満天の星のように
きらめき、その輝きを束ね誇り高く未来を創造する、魅力と活力にあふれるま
ちの実現を目指します。
- その思いを込めて、この都市像を掲げました。
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2026 年のいちはらの姿と実現への方向性
(1) 産業と交流の好循環が新たな価値を創るまちへ
臨海部企業や中小企業の発展、JR3駅周辺等の活性化とビジネス機会の創
出など、本市のポテンシャルを活かし、新たな価値を創出するまちを目指しま
す。
豊かな食文化、里山文化の発信、観光など、本市の魅力や特性を最大限に活
かしながら、国内外と交流を深め、新たな魅力を創出するまちを目指します。
① 臨海部企業の発展を支援し将来にわたってともに歩みます

我が国の製造業の最重要拠点として、臨海部一帯に立地する企業が持続的に
発展し、高い競争力を保ちながら市内で操業を続けています。
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② 地域経済を牽引する中小企業の連携・発展を支えビジネスチャンスを創出し
ます

中小企業が、農業・商業・工業・観光などさまざまな業種の連携により、新
たな価値を創りながら地域経済の循環と活性化を支えています。

五井・八幡宿・姉ケ崎の JR3 駅周辺などの拠点に、産業を支える機能が集積
し、ひとの賑わいと相まってビジネスチャンスが生まれ、起業・創業を呼び
起こしています。
③ 地域資源を磨き上げ、ひとを魅了する観光地をつくります

地域住民の活動や産業の連携、地域資源の掘り起こしや磨き上げにより、本
市が観光地としての地位を確かにし、多くのひとが本市を訪れています。

市南部地域を中心に広がる里山や悠久の歴史、伝統と文化、地域を縦断する
小湊鐵道などを大きな資源として、近隣自治体と連携した観光地づくりによ
り、市内外などさまざまな交流が進んでいます。
④ 豊かな地域資源で農林業の活力を高めます

稲作、畜産、いちじく、梨、大根など、本市の豊かな農産物を活かして、異
業種との連携や新たな担い手の参入が進み、営農・加工技術の発達や農地の
集約、耕作放棄地の活用などが促進され、競争力の高い農業生産や魅力的な
食の開発が展開されています。

地域ぐるみの取組により、有害鳥獣の被害が減少し、安全な農業活動が進ん
でいます。

市域の 4 割近くを占める森林の持つ多面的な機能が再認識され、再生可能エ
ネルギーなどさまざまな面での活用が進んでいます。
⑤ 経験豊かな人材を活かして新たな人材を育みます

産業界などで高度な技術やノウハウを培った人材が、若手の育成や異分野と
の交流・連携に取り組み、新たな人材を育成しています。
⑥ 首都圏や国内外との交流・連携を進めます

東京都心から 50 キロメートル圏内に位置し、成田・羽田の両国際空港の中
間点となる本市の地理的優位性を活かして、ひとや産業の活動が市域を越え
て活発に展開し、周辺自治体をはじめ、首都圏や国内外との交流・連携が盛
んに行われています。
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(2) つながりと支え合いがひとと地域を健康にするまちへ
町会や NPO・ボランティア団体など、地域活動に取り組む団体の連携による
新たなコミュニティの力が、地域での見守り活動や心のバリアフリーなどを推
進する、地域のつながりによってひとを支え合うまちを目指します。
地域の人々が生涯にわたって生きがいを持ち、地域社会の主役として、長く
健康に過ごせるまちを目指します。
ひとの健康、コミュニティのつながり、互いに支え合う心がひとつとなって、
地域全体が健康となるまちを目指します。
① 地域のひとや団体の活動を支援します

本市最大の地域団体である町会や自治会など、地域活動に取り組む団体に対
する理解が進み、多くのひとが活動に参加しています。

子育て・教育支援や地域福祉、環境美化、地域おこしなど、さまざまな分野
で多くのひとがボランティア活動などに参加するとともに、これらに取り組
む多くの団体によって、主体的な活動が幅広く展開されています。
② 地域の活動をつなぎます

地域活動の連携によって地域の絆や支え合いの意識が醸成され、地域での見
守り活動や福祉活動などが展開されています。
③ 地域でひとを支え合います

町会や自治会、NPO・ボランティア団体など、地域を支える団体が相互に連
携し、力を合わせて地域の課題解決に主体的に取り組んでいます。
④ あらゆる人が互いを尊重し理解し合います

心のバリアフリーが浸透し、誰もが互いに理解し合い、日常生活の中で気軽
に交流し、互いを助け合っています。
⑤ 生活へ支援の手を届けます

地域の医療や介護、生活支援などの機能的な連携によって、高齢者などの日
常生活が支えられています。

生活や就労に不安を抱えるひとに寄り添う体制が整い、必要な支援が提供さ
れています。
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誰もが地域社会の主役となるまちを創ります

誰もが地域社会の主役として、住み慣れたまちで尊厳ある自立した生活を送
っています。
⑥ 健康寿命の長いまちを創ります

日常生活や地域活動などを通じて生きがいを持ち、多くのひとが無理なく健
康づくりに取り組んでいます。

いちはらの食文化によって健やかな体と豊かな心が育まれています。
(3) ひとの活躍と豊かな生活を支える安心・安全なまちへ
JR3駅周辺などの拠点を中心に都市基盤が機能的に集積し、利便性が高く、
女性や若者に魅力的なライフスタイルを提供するまちを目指します。
拠点間が公共交通で結ばれ、ひとや産業が活発に交流・連携するまちを目指
します。
防災や防犯など地域の守る力が高まり、安心・安全な暮らしを送ることがで
きるまちを目指します。
① 地域の拠点を個性豊かな住みやすいまちにします

五井・八幡宿・姉ケ崎の JR3 駅周辺や、ちはら台・牛久などの拠点に、それ
ぞれの特性を活かした店舗や学校、医療、交通、公共施設などが機能的に集
積し、誰もが利便性の高い生活を営んでいます。

機能的で景観美をもったまちが若い世代に魅力的なライフスタイルを提供
し、市外から移り住む人が増えています。
② ひとと拠点を公共交通がつなぎます

拠点と拠点を中心に、公共交通のネットワークが結ばれ、ひとや産業が活発
に交流・連携して、豊かな生活を支えています。

公共交通ネットワークの土台となる、主要な道路が整備され、ひとや地域の
交流を支えています。
③

都市基盤を維持し生活や活動を支えます
道路や上下水道、公園などの都市基盤が適正に維持され、生活やさまざまな
活動を安全に支えています。
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④ 施設のバリアフリーを進めます
 交通機関や公共施設等で段差などの障壁が解消され、多くの人が不自由なく
移動しています。
⑤ 空き家を資源として活かします

空き家や空き施設が地域の資源として活用されています。
⑥ 一人でも多くの命を救います

市内医療機関と連携した高度な救命救急・救急医療体制が整備され、誰もが
安心して生活しています。
⑦ 万が一の災害に地域全体で備えます

東日本大震災や各地での災害を教訓に、全ての家庭や事業者が災害時への備
えを持ち、発災時には地域が協力して支え合う体制が整っています。

水害や土砂災害などの被害を受けにくい、安全な生活環境が整っています。
⑧ 地域の力が犯罪や危険からひとを守ります

犯罪や交通事故などに対する地域全体の意識が高まり、多くのひとが主体的
に防犯活動や交通安全活動に取り組み、火災や犯罪、交通事故の発生が少な
い、安全な生活を送っています。
(4) 子どもたちの輝き・若者の夢・いちはらの文化を育むまちへ
子どもたちが学校・家庭・地域の連携のもとでそれぞれの資質と能力を伸ば
し、愛着と誇りを持って自分らしく成長するまちを目指します。
若者が結婚・子育ての夢を持ち、女性が活躍するまちを目指します。
誰もがいちはらの文化やスポーツに親しみ、支え、交流するまちを目指しま
す。
① 全ての子どもたちの資質と能力を伸ばす教育を進めます

本市の豊かな自然や、世界に誇る臨海部工業、地域の伝統や文化などに触れ
ながら、全ての子どもたちがそれぞれの資質と能力を大いに伸ばす教育を受
け自分らしく成長しています。
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② 地域への愛着と誇りを育む子育てに優しい地域社会を形成します

学校、家庭、地域、事業者などの連携によって、子育てに優しい地域社会が
形成され、子どもたちが地域への愛着と誇りをもって成長しています。
③ 若者が結婚や子どもを持つ夢を抱ける社会をつくります

出会いから結婚・出産・子育て・教育まで切れ目のない支援が展開され、安
心して子どもを産み育てられる環境の中で、若者が生涯のパートナーと巡り
合い、結婚や子どもを持つ夢を抱けています。

全ての職場で女性の働きやすい環境が整い、保育施設などの充実と相まって、
仕事と家庭生活を両立できる環境が向上し、女性の多彩な力が活かされてい
ます。
④ 生涯にわたって学ぶ楽しさを地域の豊かさにつなげます

福祉や子育て、経済、環境、歴史文化など、多くの分野について生涯を通じ
て学ぶことができ、その成果が地域のまちづくりに活かされています。
⑤ 悠久の歴史と伝統の上に新たな文化を育みます

先人たちが太古の昔から上総の地で培ってきた悠久の歴史や、各地域に息づ
く伝統・文化が、次世代へしっかりと受け継がれています。

本市の豊かな里山や自然を背景に、伝統と現代感覚が融合する新たな文化や
芸術が育まれています。
⑥ 魅力と親しみにあふれるいちはらのスポーツ文化を育みます

市原緑地運動公園・市原スポレクパークなど本市の充実したスポーツ施設や、
日本一のゴルフ場数、自然に恵まれた里山など、豊かな地域資源を活かして、
多くのひとがさまざまなスポーツに親しみ、健康に過ごしています。

市原の誇るスポーツ施設では、世界レベルの大会やプロスポーツが開催され、
市内外の人々を魅了しています。

市原市体育協会や帝京平成大学などの優れた人材が、地域の健康づくりから
競技スポーツまで、幅広く支えています。
⑦ 文化・スポーツで世界と交流します

東京オリンピック・パラリンピックなどの国際大会の開催を契機に、文化や
スポーツなど幅広い分野において、多くの国々との交流が活発に行われてい
7
ます。
⑧ ひとを尊重する心を育みます

あらゆる差別がなくなり、全ての人々が互いを尊重し、大切に思い合う社会
が形成されています。
(5) ひとが環境を守り活かすまちへ
環境に対するひとの意識がさらに高まり、ごみの減量化や再資源化、再生可
能エネルギーの利用が進む、環境に優しい地域社会を目指します。
里山や養老川など本市の豊かな自然環境が、未来に引き継ぐべき貴重な資源
として保全・活用され、自然との共生が進むまちを目指します。
① ひとと地域の力で美しい環境を守ります

日常生活や事業活動などにおける身の回りの環境や本市の豊かな自然環境
に対し、多くの市民が高い関心を持って、さまざまな場面で環境に優しい行
動をしています。

不法投棄やポイ捨てに対する意識が高まり、地域の力によって安全な空間が
保たれ、魅力ある美しい環境が保全されています。
② 自然の力を利用しエネルギーを上手に使います

生活や交通を支える都市機能が充実し、自家用車に頼り過ぎずに、多くのひ
とが徒歩や自転車で移動するライフスタイルを楽しんでいます。

太陽光やバイオマスなど、本市の豊かな自然環境と共存する再生可能エネル
ギーや、水などの資源の利活用が進み、二酸化炭素の排出が抑制されていま
す。
③ ごみを資源に変え新たな価値を生み出します

ごみの減量化や分別、資源物の回収や再利用、再資源化というサイクルが家
庭や事業者、地域団体などのさまざまな主体によって支えられ、資源が新た
な価値を生む循環型の社会が形成されています。
④ 自然を保全・活用し自然と共生するまちを創ります

市域全体に広がる里山や、市を縦断する養老川など、その中で生息する多様
な生物など、本市の豊かな自然環境や生態系が、未来へ引き継ぐ貴重な財産
8
として保全されています。

水や緑が広がる空間の魅力が、本市の大きな資源として、文化や教育、産業
などの多様な分野で活かされ、新たな価値を生み出しながら、自然と共生す
るまちが形成されています。
3
2026 年のいちはらの人口
-目標人口-
ひとが住み続けひとが訪れるまちへ
地域社会の活力の根源は、そこに住む「ひと」であり人口です。
活力ある地域社会が将来にわたって持続できるよう、
2026 年に 27 万人の人口を維持することを目指します。
観光やレジャー、学びやスポーツなど幅広い分野での新たな価値の創出が、
周辺都市、さらには国内外などとの多彩な交流を生み出し、
2026 年に 500 万人が本市を訪れ交流することを目指します。
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目指す都市構造
-都市創生戦略-
個性輝く地域が集合体となって
大きな力を発揮する色彩豊かな都市を創生します
6町1村の合併により誕生した本市は、地理的特性や伝統文化、人口や産業
構造など、異なる特性を持つ地域から成り立っており、これこそが、本市の持
つ大きな特徴です。
それぞれの地域が持つ特性や資源をこれまで以上に活かしながら、地域が相
互に結びつき、市原市という集合体となってひとつの大きな力を発揮する、新
たな都市づくりを進めます。
① 資源や特性を活かし、地域をつなぐ新たなまちづくり

歴史や文化など、多様性に富んだ地域特性をこれまで以上に活かし、強みを
9
最大限に発揮する新たな土地利用を総合的に展開します。

個性豊かな地域を相互につなぎ、地域活動や産業など幅広い面で連携する
「多極ネットワーク型」の都市を創ります。

これらのまちづくりを一体的に進め、まちに新たな価値を創出します。
② コンパクトなまちで居住を誘導

JR3 駅を中心とした駅周辺では、民間活力を活用しながら、徒歩圏内に店舗
や学校、医療、交通、公共施設などの機能的な配置を促し、環境にもやさし
く住みやすいまちづくりを進め、新たな居住を誘導します。
③ 公共施設の複合化と適正配置

地域主体のまちづくりを支えるための公共施設のあり方を見直し、機能の複
合化や施設の適正配置を図り、公共施設の新たな価値を創出します。
④ 地域特性を踏まえた土地利用等の促進

駅周辺やインターチェンジ周辺等については、その立地条件等を活かし、拠
点形成や民間誘導等を含めた土地利用方針やガイドラインを策定し、地域特
性に応じた土地利用の促進を図ります。
⑤ 27 万市民に対応する都市基盤の維持・整備

27 万人の人口を維持するために必要な都市基盤を維持、整備します。

八幡椎津線(平成通り)など、地域をつなぐ主要な幹線道路の整備を推進し
ます。

道路や橋、公共施設等の長寿命化や強靭化で災害に強いまちを築きます。
⑥ 公共交通ネットワークの再構築

多極ネットワーク型都市を支える公共交通ネットワークの再構築を推進し
ます。

コミュニティバスやデマンド型交通の導入など、地域住民と連携した交通空
白地域の解消を推進します。
⑦ 自然環境と調和した土地利用

豊かな自然環境や田園風景に恵まれた地域では、自然の資源や地域特性を活
かしながら、周辺環境と調和した土地利用を図ります。
10
⑧ 里山の魅力向上と交流促進

市域に広がる里山や、歴史・文化などを大きな資源として、新たな魅力を創
出し市内外との交流を促進します。
11
⑨ 都市構造図
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中心都市拠点
市の玄関口としての強みを活かして、産業、交通、健康、教育などさまざま
な都市機能の充実・活用を推進する、市の中心的拠点。
五井駅周辺~市原インターチェンジ~市原市役所周辺
都市拠点
JR 線や平成通りを活かして、産業や居住、交通機能等の充実を推進し、良好
な都市生活を提供する拠点。
八幡宿駅周辺、姉ヶ崎駅周辺
地域拠点
医療や交通など、一定の都市機能を活かして、周辺地域の日常生活を支え、
さらなる発展を図る拠点。
ちはら台駅周辺、上総牛久駅周辺
インターチェンジ周辺
広域交通の要衝という利点を活かし、物流等の産業誘導を推進し、地域の活
力向上へとつなげる拠点。
市原インターチェンジ周辺、姉崎袖ケ浦インターチェンジ周辺、市原鶴舞イ
ンターチェンジ周辺
国道・県道
高規格幹線道路
都市の骨格を形成し、市内外の社会経済活動を支える主要な路線。
八幡椎津線(平成通り)
JR3駅周辺と千葉市・袖ケ浦市を結ぶ市の最重要路線として、早期開通を目
指す路線。
鉄道路線
通勤・通学など日常生活における活動や、観光など交流の軸として、活用を
推進する路線。
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5
目標実現に向けて
(1) 広域連携戦略
市域を越えた連携で190万人圏域の
大きなポテンシャルを活かします
多様化する市民ニーズや、市域を越えた人々の生活行動に対応するためには、
近隣自治体との連携による取組が欠かせません。
本市は、東京都心から 50 キロメートル圏内の距離に位置し、県都千葉市など、
5 市 3 町と隣接しています。
これらの自治体や、首都圏を見据えた多くの自治体との連携を強め、広域的
な協力体制を築き上げ、周辺自治体と一体となった地域全体の発展を目指しま
す。
① 周辺自治体との連携強化

主要な幹線道路の整備や、公共施設の相互利用に加え、子育て支援、産業、
観光、人材育成、スポーツなど、あらゆる分野において、周辺自治体との広
域的な連携体制を広げます。

特に、県都千葉市をはじめ、隣接する 5 市 3 町とは、密接な連携を推進しま
す。
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(2) 自治体経営戦略
目標実現に真っ向から取り組む
自治体経営を実行します
都市像は、市民や事業者、行政など市全体の取組によって実現されるもので
す。
そのためには、地域の実情や特性を熟知している市民や地域活動団体、事業
者などによる地域主体のまちづくりが必要です。
新たな未来を創造するまちを目指し、市民本位の自治体経営と地域主体のま
ちづくりに真っ向から取り組みます。
また、将来をしっかりと見据えながら、人口構造や社会経済情勢の変化、市
民意識に的確に対応する、柔軟性を持った持続可能な行財政運営の確立に取り
組みます。
「夢つなぎ
ひときらめく
未来創造都市
いちはら」の実現に向けて、職
員意識を変革し、市民のために行動する自治体経営を実行します。
① 市民本位の自治体経営

市民ニーズや多様な価値観を的確に捉える仕組みを構築し、市民参画を推進
するとともに、きめ細かい施策展開を実行します。
② 地域主体のまちづくり

地域活動団体や企業、大学、専門家などの民間活力を活用しながら、地域の
力と積極的に連携して課題解決に取り組む体制を整備し、地域主体によるま
ちづくりを推進します。
③ 戦略的な広報による情報発信

あらゆる場面で選ばれる自治体を目指して、様々なメディアや手段を活用し、
本市の魅力や市民の活躍を、分かりやすく効果的に伝える戦略的な広報活動
を展開します。

必要な情報が必要とする人にしっかりと伝わる広報に取り組みます。
④ 総合計画を中心とした行財政システムの実行

総合計画に掲げる施策の着実な推進、効果検証、改革・改善を行う PDCA
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サイクルを確実に実行します。

総合計画と各分野の個別計画を連動させ、分野を越えた施策のパッケージ化
によって効果的な施策展開を進めます。

行財政改革を徹底し、歳入確保と歳出抑制の両面から、強固な財政基盤の確
立に取り組みます。

公共資産マネジメントを推進し、公共施設の質と量の最適化や安心安全の確
保、トータルコストの縮減、新たな価値の創出に取り組みます。
⑤ 全職員の能力を最大限に発揮した総合行政の推進

職員の意欲を高め、全職員の能力を最大限に発揮するとともに、組織間の連
携を強化し、全庁的な視点に立った総合行政に取り組みます。
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