越前和紙 福乃ここ千

[分野] ⼯芸・和紙
越前和紙
㈱⾓⽂
福乃ここ千
(福井市)
⼭⽥兄弟製紙㈱(越前市)
平成23年度~
技術指導、技術相談
問合せ担当者
越前和紙 福乃ここ千
オリジナル透かし写真
上野幹広
背景と経緯
現在の越前和紙産地では、壁紙や障子紙、ふすま紙の生産が主流ですが、2009 年までは株券
用紙の生産も行われており、高品質な和紙生産技術をもった製紙会社が多くあります。
文具店である㈱角文は、この技術を生かした越前和紙初の「両面筆記和紙」の開発を、山田兄
弟製紙㈱と福井県工業技術センターの協力のもと行いました。山田兄弟製紙㈱では書き心地が良
く、透かしや形状をオーダーメードできる高級筆記用紙を生み出すための数多くの試作を行い、
福井県工業技術センターでは繊維の分析や試作品の評価、生産方法の見直しなどを行いました。
成果と製品化の状況
■越前フールス和紙「福乃ここ千」商品化第一弾
今回の研究開発の結果、高品質の筆記用越前和紙が安定して生産できるようになりました。これを
受けて、角文では京都西陣の老舗・龍村美術織物とのコラボレーションによりポケットサイズ手帳を
商品化。表紙に正絹生地を用いながらも、手頃な価格帯を実現しました。
表装生地は 10 種類。(9柄のうち、1柄がカラーバリエーション2色)正倉院所蔵、天平勝宝四
年(752 年)の東大寺大仏開眼会における雅楽の装束「獅子狩紋錦」復元をはじめ、多彩なデザイ
ンをラインナップ。着物や洋服、ハンドバッグとのコーディネートができるように工夫し、店頭やイ
ンターネットショッピングにて販売しています。
- 53 -