FX Weekly 平成 28(2016)年 10 月 14 日 GLOBAL MARKETS RESEARCH チーフアナリスト 内田 稔 三菱東京 UFJ 銀行 A member of MUFG, a global financial group Table of contents 1 今週のトピックス 2 来週の相場見通し 3 来週の経済指標・イベント 4 マーケットカレンダー 1. 今週のトピックス (1) FOMC 議事要旨の発する警告の重さ シニアマーケットエコノミスト 鈴木 敏之 (2) ECB のテーパリング報道への整理と理解 チーフアナリスト 内田 稔 井上 雅文 (3) 国王崩御を受けてタイ政府は経済への影響に配慮 アナリスト 井野 鉄兵 2. 来週の相場見通し (1) ドル円:上昇の背景とその持続性 予想レンジ 102.25 ~ 105.25 (2) ユーロ:約 2 ヵ月半ぶりに心理的節目 1.10 を割れる 予想レンジ 対ドル: 1.0950 ~ 1.1300 対円: 112.00 ~ 118.00 (3) 人民元:元安容認観測が下値不安を高めよう 予想レンジ 対ドル: 6.7000 ~ 6.7500 対円: 1 FX Weekly | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 15.15 ~ 15.65 (1) FOMC 議事要旨の発する警告の重さ 9 月の FOMC での利 上げ見送りは、熾烈な 意見対立を経ての妥協 であった 10 月 12 日に、9 月 20-21 日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議 事要旨(Minutes)が公表された。その議事要旨の中に、委員会の 合意成立は危ういところだった(“Close Call”)という記述が登場し ている通り、FOMCメンバー間の意見対立は熾烈になっている。米 国経済は、失業率は過去の目安でみれば労働需給のひっ迫を示す状 態であり、食料品とエネルギー品目を除いた消費者物価のコア指数 のインフレ率は 2%を超えている。一部の金融関連の指標は、バブ ル膨張を警戒するところにきている。一刻も早く利上げしなければ ならないという正論がある。一方で、世界経済は不調で、米国もそ の経済見通しのリスクは下方サイドにあり、利上げを急いではなら ないという正論もある。先般、発表されたIMFの世界経済見通しは、 本年の米国の経済見通しを 2.2%から 1.6%に大きく下方改訂してい る。この両正論がFOMCで火花を散らし“Close Call”となり、利上げ 再開に近づいているという意識を共有しながら、「より強い証拠が 揃うのを待つ」というのが今回の妥協点である。 第 1 表:IMF の世界経済見通し ~ 米国の成長見通しが 7 月比大きめの下方修正 ~ 2014年 世界全体 先進国・地域 米国 ユーロ圏 ドイツ フランス イタリア 英国 日本 新興・途上国 ロシア 中国 インド ブラジル 南アフリカ 3.4 1.9 2.4 0.9 1.6 0.6 ▲0.3 3.1 0.0 4.6 0.7 7.3 7.2 0.1 1.6 2015年 3.2 2.1 2.6 2.0 1.5 1.3 0.8 2.2 0.5 4.0 ▲3.7 6.9 7.6 ▲3.8 1.3 2016年 3.1 1.6 1.6 1.7 1.7 1.3 0.8 1.8 0.5 4.2 ▲0.8 6.6 7.6 ▲3.3 0.1 (7月予測比) 0.0 ▲0.2 ▲0.6 0.1 0.1 ▲0.2 ▲0.1 0.1 0.2 0.1 0.4 0.0 0.2 0.0 0.0 2017年 3.4 1.8 2.2 1.5 1.4 1.3 0.9 1.1 0.6 4.6 1.1 6.2 7.6 0.5 0.8 (7月予測比) 0.0 ▲0.2 ▲0.3 0.1 0.2 0.1 ▲0.1 ▲0.2 0.5 0.0 0.1 0.0 0.2 0.0 ▲0.2 (資料)IMF の公表資料をもとに、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 目下、市場では 12 月 13-14 日のFOMCでの利上げ再開の見通しが 強まっている。その確率は 66%とみられていて(10/14 時点)、12 月 14 日に利上げをしないと市場が動揺してしまうところまできて いる。しかし、今回発表されたFOMC議事要旨の仔細を点検すると、 利上げ再開は容易ではないというメッセージも込められている。ま た、米国にとっても、世界経済全体にとっても、重大問題である米 国の労働生産性成長率の低位推移が続くという認識も言っている。 以下、FOMC議事要旨の発したこうしたメッセージの重さをみてお きたい。 2 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 ① FRB 中枢が利上げを見送らせた FOMC FOMC 議 事 要 旨 は 、 FRB 中枢が利上げ再 開に慎重であったこと を示唆 9 月 21 日、FOMC直後に発表された経済見通し(SEP: Summary of Economic Projections)で年内利上げ据え置きを言っているのは、 17 人中 3 人だけである。また、このFOMCでは、輪番で投票権を得 る地区連銀総裁 4 人の中で実に 3 人が利上げを求めて、利上げ見送 りに反対していた。今回は見送るが、条件が充足されるのを待つだ けという妥協点を示しながら、投票権を持つ地区連銀総裁 4 人中 3 人の反対というのは、極めて緊張を要する事態である。 この通り、FOMCの採決の仕組みが、FRB理事とニューヨーク連 銀総裁は恒久的に投票権が与えられ、ニューヨーク連銀以外の地区 連銀総裁は輪番で 11 人中 4 人にしか与えられないというものでは なく、単純多数決方式であったならば、9 月 21 日に利上げが決定 されていたかもしれない。注目を要するのは、それでもイエレン FRB議長以下の中枢が、この日の利上げを退けたことである。 それでは、利上げを見送った論拠は何だったのか。FOMCの議事 要旨にその示唆が見える。 イ) FRBスタッフの経済見通しの説明では、世界経済の低調か ら経済見通しに下降リスクをみているが、FOMCの総意で は当座のリスクはバランスとしている。スタッフの見方は、 FRB理事たちの意向を示すとされる。すなわち、イエレン FRB議長他の理事たちは、経済見通しについて下降サイド をみていることが示唆される。 ロ) 雇用情勢の討議において、FRB中枢は、失業率が一般の失 業率(U3)も広義の失業率(U6)も、変化が乏しいこと を言っている。 ハ) インフレ動向について、FRB中枢は、(消費者物価コア指 数が 2%を超えていても)消費者物価指数(PCE)のコア の上昇率は 2%に達していないことを指摘し、さらに今後 の物価上昇を抑える動きがあることを言っている。 第 2 表: インフレ率、失業率の動き (インフレ率は前年同月比) 16 年 4月 5月 6月 7月 8月 9月 U3 失業率 % 5.0 4.7 4.9 4.9 4.9 5.0 U6 失業率 % 9.7 9.7 9.6 9.7 9.7 9.7 労働参加率 % 62.8 62.6 62.7 62.8 62.8 62.9 CPI インフレ率 % 1.1 1.0 1.0 0.8 1.1 CPI コアインフレ率 % 2.1 2.2 2.3 2.2 2.3 PCE インフレ率 % 1.0 1.0 0.9 0.8 1.0 PCE コアインフレ率 % 1.6 1.6 1.6 1.6 1.7 (資料)米労働省、商務省の資料にもとづき、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 ニ) 3 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 経済見通しの検討では、雇用情勢の好転で労働参加率が高 まることが見込まれるし、長期の正常状態を示す失業率 ホ) (自然失業率)はもっと低い。(このため、インフレ面で は余裕があるといえる。) MMFの規制変更を見込んで、既に市場金利は上昇してい る。(市場金利でみれば、もう利上げをしたようなもので ある。) 第 3 図: 市場金利の上昇がもたらす懸念~市場金利上昇は景気拡大のブレーキ (前年同月比、%) 10 0.0 0.1 8 0.2 6 0.3 0.4 4 0.5 2 0.6 市場金利上昇↓ 0 10/01 10/07 11/01 11/07 12/01 12/07 13/01 13/07 景気先行指数(前年同月比) 〈左目盛〉 14/01 14/07 15/01 15/07 16/01 0.7 16/07 (年/月) TEDスプレッド 〈右目盛〉 (資料)コンファレンスボード、Bloomberg 収録のデータにもとづき、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 利上げ見送りには強い異論があった。このため、利上げに進むこ との認識を共有しながらも、中枢は上記を盾に、さらなる証拠が揃 うまで利上げを待つというのが、この 9 月 20-21 日のFOMCの着地 であったことになる。 FOMCメンバー17 人の中で地区連銀総裁は 12 人いるが、FRB理 事は 5 人(定数は 7 人、今は 2 人空席)しかいない。しかし、決定 ではイエレンFRB議長を含むFRB理事たちの判断に左右されたこと に注目が要る。 ② 中立の FF 金利低下を認知 FOMC が 自 然 利 子 率 の低位推移持続の覚悟 を示したことの意味も 重い 4 このFOMC議事要旨の大きなハイライトは、中立実質金利(自然 利子率)の論議である。自然利子率は低下してきている。これにつ いて議論が交わされたことが、議事要旨に記されている。その問題 については出された意見を示しているだけで、今回もFOMCとして の判断の提示は見送られた。しかし、自然利子率の動きを左右する 生産性の伸び率が、低位にとどまりそうなことについて認知してい る。これは、設備投資に停滞がみられることにも通じる。自然利子 率の低下を傍観できなくなっていることは伝わる。 なお、その議論で、2 人のメンバー(a couple of)が自然利子率 の低下で金融緩和の効果が小さくなっていることを言ったことも記 されている。 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 第 4 図: 設備投資の低迷と生産性の伸び悩み 110 2,400 105 2,200 100 2,000 95 1,800 90 1,600 85 1,400 80 75 99/03 01/03 03/03 05/03 07/03 09/03 労働生産性 〈左目盛〉 11/03 13/03 1,200 15/03 (年/月) 設備投資 〈右目盛〉 (資料)米労働省、商務省のデータにもとづき、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 ③ 12 月 13-14 日の利上げの行方 12 月 14 日の利上げ再 開のハードルは低くな い 市場では、12 月 14 日のFOMCでの利上げを強く見込むように なっている。しかし、次の通りハードルがある。低いハードルでは ない。 イ) 雇用統計でみると、雇用者増加の勢いは鈍っており、失業 率(一般のU3)は小数点第 2 位以下までみると、2 ヵ月連 続の上昇となっている。 ロ) ニューヨーク連銀のGDP推計(Nowcast)は、第 4 四半期 の成長率について 1.3%という低い数字をみており、9 月の SEPの経済見通しにも、IMFの 2016 年の米国の成長率見通 しに到達しないことを示唆している。 ハ) MMF規制変更の影響への不安もあって、市場金利が上昇 している。これは、意図せざる利上げ効果を経済に及ぼす。 ニ) 世界経済の動向をFRB中枢は意識している。世界経済の動 向を示すTIGER指数は、世界全体についても、米国につい ても、前回のFedの利上げ時比べて弱すぎる。 第 5 図:経済動向を示す TIGER Brookings 指数~世界も米国も利上げには低すぎる (%) 30.0 14 20.0 12 10.0 10 0.0 8 -10.0 6 前回の利上げ局面に比べ て、世界経済も米国経済も 非常に弱い -20.0 4 -30.0 2 -40.0 05/01 06/01 07/01 08/01 09/01 世界 Tiger Brookings指数〈左目盛) 10/01 11/01 12/01 13/01 14/01 米国 Tiger Brookings指数〈左目盛) 15/01 0 16/01 (年/月) FF金利 〈右目盛〉 (資料)Brookings 研究所のデータにより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 5 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 結び 市場では、12 月 13-14 日のFOMCでの利上げ再開を見込み、来年 も利上げがなされるとみている。イ)米国の景気拡大が成熟してき ていて、勢いの加速を見込めないこと、ロ)IMFの見通しやTiger Brookings指数が示すように世界経済が低調であること、ハ)上述 の通り、イエレンFRB議長他の中枢が、利上げに消極的であること をみると、利上げ再開も来年の利上げの継続の可能性も慎重にみて おく必要があろう。 また、利上げ再開の行方への関心が高いが、このFOMC議事要旨 は、自然利子率の回復について楽観的な見方をしていないことも重 視すべきである。Fedは、総じて、楽観をいうところである。それ が、自然利子率が低位で留まることを認知している。これは、長期 停滞論を受け入れる話に通じる。大統領選挙後、米国の新政権がい かなる政策をとるかが、関心に浮上してこよう。 第 6 図: 自然利子率、労働参加率の推移 (%) 3.5 (%) 68 3.0 67 2.5 66 2.0 1.5 65 1.0 64 0.5 0.0 63 ‐0.5 62 01/03 01/09 02/03 02/09 03/03 03/09 04/03 04/09 05/03 05/09 06/03 06/09 07/03 07/09 08/03 08/09 09/03 09/09 10/03 10/09 11/03 11/09 12/03 12/09 13/03 13/09 14/03 14/09 15/03 15/09 16/03 ‐1.0 自然利子率〈左目盛) 労働参加率〈右目盛) (資料)米労働省、サンフランシスコ連銀のデータにより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 シニアマーケットエコノミスト 6 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 鈴木 敏之 (2) ECB のテーパリング報道への整理と理解 注目は 12 月 8 日開催 の ECB 理事会 ECBによる資産買入プログラム開始から 2 年以上が経過し更なる 長期化が予想される中、現在、買入対象となるドイツ国債の枯渇が 懸念されている。この為、当方は 10 月 20 日開催予定のECB理事会 にて資産購入プログラムを円滑に進める上での方策を討議し、その 上で、12 月 8 日開催予定のECB理事会にて①2017 年 3 月までとす る資産買入期限の 6 ヶ月間延長と、②買入対象資産の条件変更を決 定すると予想する(第 1 表)。 第 1 表: 資産買入プログラムにおける買入ルールの変更候補 買入ルールの変更候補 ①資産買入プログラムの実施期限 6 ヶ月間延長 (2017/3 ⇒ 2017/ 9) ②買入対象資産に関するルールの緩和 イ)預金ファシリティ金利 ▲0.4%を下回る利回りの国債購入を許容する ロ)国別シェアを出資比率から公的債務発行残高比率に変更する ハ)発行体別に定めた買入制限を33%から50%に引き上げる ニ)残存30 年超の国債を購入対象にする ホ)資産買入対象を拡大させる(銀行債、ETF、貸出債権等) (資料)三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 ECB のテーパリング 報道は時期尚早か そのような中、ECBによる資産買入のテーパリングの可能性が一 部報道された。しかし、ECBが掲げる物価安定目標(2%をやや下 回る物価上昇)の早期達成は現状では難しいと考えられ、テーパリ ング観測は時期尚早といえる。OPECによる原油生産量の減産合意 への期待感から原油価格に上昇の兆しが見られ、ある程度は物価上 昇への寄与が考えられるも、世界経済の減速感が強まっており原油 価格上昇も限定的と予想される(第 2 図)。また、9 月ECBスタッ フ経済見通し(第 3 表)にて、英国によるEU 離脱決定を考慮した 上で、2017 年の成長率とインフレ率の見通しを共に若干下方修正 し、インフレ率は 2018 年を通してECBの目標を下回る状態が続く と予想している。この為、寧ろ目標を達成するまでは資産買入プロ グラムの期限を延長していくと考えるのが自然である。 第 2 図:北海ブレント価格と HICP の推移 第 3 表: ECB スタッフ経済見通し (%) (ドル) 3 130 2.5 2 110 1.5 90 16 年 17 年 18 年 2016 年 9 月 0.2 1.2 1.6 修正幅 0 ▲0.1 0 2016 年 6 月 0.2 1.3 1.6 2016 年 3 月 0.1 1.3 1.6 実質 GDP 16 年 17 年 18 年 2016 年 9 月 1.7 1.6 1.6 修正幅 +0.1 ▲0.1 ▲0.1 2016 年 6 月 1.6 1.7 1.7 2016 年 3 月 1.4 1.7 1.8 1 0.5 70 0 50 -0.5 30 -1 12 13 14 北海ブレント(左目盛) 15 16 (年) HICP(右目盛) (資料)Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 7 インフレ率(HICP) 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 (資料)ECB より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 実際、最近のECBメンバーによる発言をみても、バイトマン・ド イツ連銀総裁を除けば、追加緩和に対する前向きなものが目立って いる(第 4 表)。 第 4 表:ECB メンバーによる発言 名前 発言内容 ユーロ圏経済が着実に回復するまで金利を低水準に抑える方針 ECB が金融引き締めを実施するとの憶測は誤り ドラギ ECB 総裁 プラート ECB 専務理事 ECB は超緩和的な金融政策を維持することにコミットしている ノボトニー・オーストリア中銀総裁 コンスタンシオ ECB 副総裁 ECB は年内に資産買入策の将来に関し決定する公算 資産買入を将来推進する上で、課題が出てくる可能性を認識している リーカネン・フィンランド中銀総裁 ECB による低金利と積極的な債券買入の超金融緩和策はユーロ圏の経済を下支えす る為に不可欠 ビルロワドガロー・フランス中銀総裁 マイナス金利という手段は、有用だが限界がある。金融政策はまだ限界に達していない ビスコ・イタリア中銀総裁 資産買入プログラムについて、いつ、どのように終了させるかは経済指標次第 バシリアウスカス・リトアニア中銀総裁 バイトマン・ドイツ連銀総裁 資産買入策の出口戦略はとても緩やかなテーパリングになるだろう 欧州経済への追加刺激策を求めるのは検討外れだ (資料)三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 テーパリングは早くて も 2018 年 4 月から? ドラギECB総裁もIMF年次総会にて、「ユーロ圏のインフレ率に 関し、2018 年遅くか 2019 年初めにECBの目標に到達する可能性が ある」と発言している。この為、ECBは、現行の資産買入プログラ ム(月間 800 億ユーロ)を 2017 年 9 月まで延長した後、さらに 2018 年 3 月まで延長すると考えられる。その場合、テーパリング (月間 100 億ユーロドルずつ)開始時期は、早くても 2018 年 4 月 前後になると予想するのが現時点では妥当だろう(第 5 図)。 第 5 図:想定される ECB によるテーパリングスケジュール 16/12 資産買入期限 6ヶ月間延長決定 17/6 資産買入期限 6ヶ月間延長決定 17年初旬 ドイツ国債買入対象枯渇 ? 2016/12 2017/3 17年度後半 テーパリング決定? 資産買入 2017/6 テーパリング 100億ユーロ/月 (8ヶ月間) 資産買入 2017/9 資産買入 終了 2018/12 2018/3 (資料)三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 テーパリング報道への 整理理解 もっとも、こうした非伝統的な金融緩和に対し、ドイツや北欧勢 の抵抗は強い。この為、現在、ECBでは資産買入条件変更や期限延 長に関する議論と平行して、テーパリングを含む将来的な出口戦略 のタイミングや手法も合わせて議論されている可能性がある。一連 のECBによるテーパリングとの観測報道は、そうした動きを示すも のと現時点ではみている。 チーフアナリスト 8 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 内田 稔 井上 雅文 (3) 国王崩御を受けてタイ政府は経済への影響に配慮 9 数日前から不安定と なっていた金融市場だ が タイ王室事務局は現地時間 13 日夕、プミポン・アドゥンヤデー ト国王崩御を発表した。かねて入院中であった国王の容体について、 王室は 9 日夜に「不安定」と発表、週明けのタイ国内金融市場は株 式、債券、通貨のいわゆる「トリプル安」となり動揺した状態が続 いていた。しかし、13 日の発表時点ではすでに現地取引時間は終 了していたこともあり、オフショアのタイバーツ相場でも強いタイ バーツ売りの反応はみられなかった。むしろ、14 日の朝方はバー ツ高、株高で取引が始まっており、週明けからの下落分を解消する ような動きとなっている。 金融取引は 14 日も通 常どおり こうした動きの背景には、政府が実体経済に強い配慮をみせたこ とがありそうだ。プラユット暫定首相は 13 日中に二度演説を実施 している。このうち大部分は国王への感謝の意を表するものであっ た。そのうえで、国王が築き上げてきた国体を護りつつ、国民が 揃って喪に服し、国民が手を携えて国の将来を担っていくことを呼 びかけた。実際、経済面では対外的な信頼を維持するため、政府は 14 日以降も通常どおりの活動を維持するよう求めている。報道に よれば、企業の対応はまちまちながら、日系企業も政府の方針に沿 い、通常営業とするところが多いようだ。総じてみてタイの基幹産 業たる製造業全体への影響はあまり大きくないものにとどまりそう だ。また金融面でも、同様の方針から、中銀、証券取引所など金融 関係の公的機関も 14 日は通常取引とすることを表明。実際に資金 決済や株式売買なども行われている。 ただし、消費、観光は 影響不可避だろう もっとも、実体経済への影響が全くないとは言えないだろう。特 に、このところタイ経済を下支えしていた個人消費や観光の見通し は保守的にみておく必要があろう。少なくとも目先 30 日間は娯楽 が自粛され、向こう一年は服喪期間となる。タイ国民あるいは滞在 する外国人も、この間は過度な消費を控えるものと推察される。加 えて、観光面でも国内の自粛ムードに影響された渡航見合わせがあ るかも知れない。さらに、11 日にはバンコク都内ほか国内でのテ ロ警戒情報が発信されていることも先行き見通しを不透明にしてい る。「今月 25 日~30 日」と具体的な日程まで示された、これまで になく強い警報であり、すでに国内の空港では警備が強化されてい るようだ。いずれにせよ、タイはこれから年末年始にかけてが観光 シーズンとなる。昨年 8 月のバンコク都心部での爆発事件や、2014 年の政治的混乱やクーデターなどがあるたびに一時的にせよ、観光 客の減少がみられており、今回も目先の影響は不可避だろう。この ため、政府による「通常どおり」の呼びかけには当然ながら一定以 上の消費減退、観光客の急減を防ぐためにも、社会情勢混乱を抑止 したいといった意向も含まれていると考えるのが妥当だ。いずれに せよ、消費、観光面での影響は、短期的に景気全体を下押しする圧 力になるとみておかざるを得ない。もし、そうなった場合、中銀が 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 これまで温存してきた「利下げ余地」を活用することになる可能性 もあるだろう。 王位継承も社会情勢安 定に寄与 次期国王にはワチラロンコン皇太子が国王から 1972 年 12 月 28 日に与えられた王位継承権に基づき、即位する見込みとなっている。 13 日夜の国会(国民立法議会)が承知し、プラユット暫定首相が 皇太子に即位を要請している。皇太子は一定の服喪期間を経て即位 する意向とのことだ。こうした、さまざまな対応により、今朝方に かけても国内で大きな社会情勢の混乱は起きておらず、金融市場も 平静を保っていると言える。 短期的にはやや景気が弱めとなり、中長期的な経済情勢にも不透 明な面がある一方、政府は、経済・ビジネスに配慮する姿勢を明確 に打ち出している。こうしたなか、日系企業を中心とした外資系企 業が当地の経営計画や業務戦略を大きく変える可能性は、現時点で 低いとみられる。つまり、バーツの基礎的な条件である貿易黒字が 主導する経常黒字という安定した国際収支構造の変化は見込まれな いということである。加えて、今年に入り、バーツ高圧力が強まる 局面にて外貨準備高が急拡大したことも、バーツ急落への耐性を強 めている。よって短期的には金融市場に不安定さが残るとの警戒は 必要とみられるが、中期的かつ相対的にみてバーツ高が進むとの当 方見立てを、現時点では変える必要はないと考えている。 アナリスト 10 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 井野 鉄兵 (1) ドル円:上昇の背景とその持続性 今週のレビュー ~底堅く推移し、一時 104 円台半ばへ~ 今週のドル円相場は、予想を下回った前週末の米雇用統計を受け、 週初早々の本邦祝日(10 日)に週間安値 102.81 を記録した。但し、 その米雇用統計では、平均時給の伸びがやや加速するなど、市場の コンセンサスとなりつつある 12 月利上げ予想を後退させるほど弱 かったわけではない。この為、今週も総じてドルが底堅く推移し、 ドル円もじり高に推移。13 日には約 2 ヶ月ぶりの高値 104.63 まで 上昇した。しかし、105 円台を手前に上値が重くなった上、中国の 冴えない貿易統計を受け、世界経済や中国経済の先行き不透明感が 意識されると、ドル円は急反落。同日の海外時間に 103.34 まで下 落した。また、政策金利の引き上げを見送った 9 月開催分の米連邦 公開市場委員会(FOMC)の議事要旨も、改めてドル高を後押しす る材料とはならなかった。もっとも、その後、ドル円は反発するな ど底堅さをみせており、週末 14 日の日本時間には改めて 104 円台 を回復している。 第 1 図: 今週の為替相場推移 (円) 105.0 ↑円安 104.5 104.0 103.5 103.0 102.5 ↓円高 102.0 10/10 10/11 10/12 10/13 10/14 (月/日) (資料)Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 ~ドル高の背景は?~ 底堅く推移するドルに対し、米国の年内利上げ観測を指摘する向 きが多い。但し、過去 1 週間の米国債利回りをみると、10 年債が わずかに上昇したに過ぎず、2 年債に至ってはむしろ低下。この間、 日本やドイツ国債の利回りが上昇しており、ドル高を米国の利上げ 観測と説明するには、やや無理がある(第 2 表)。 第 2 表 : 3 ヶ国の国債利回り変化(10/6 VS 10/13、%) 2 年債 10 年債 10/6 10/13 10/6 10/13 米国 0.850 0.835 1.737 1.741 ドイツ ▲0.671 ▲0.657 ▲0.020 0.038 日本 ▲0.275 ▲0.260 ▲0.058 ▲0.056 (資料) Bloomberg より 三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 こうしたドル高の要因として、ポンドを含むEU(欧州連合)通 貨安が挙げられよう。市場では、徐々に英国とEUとの交渉が厳し さを増すとの見方が強まっており、先週来ポンドが軟調に推移して いる。EUのトゥスク大統領も講演で、英国への経済的な影響が軽 微にとどまる「ソフトブレクジット」の可能性を否定。選択肢は、 11 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 経済的影響が大きい「ハードブレクジット」か、EU離脱方針を撤 回する「ノーブレクジット」と指摘した。但し、貿易面を中心に経 済的な結び付きが強いだけに、「ハードブレクジット」を見越した ポンド安が、同じEU域内通貨の値下がりに波及し、ドル高を助長 した面はあったであろう(第 3 図)。 第 3 図: 主要通貨の対ドル変化率(10/7 vs 10/14 の 15 時、赤は EU 通貨) カナダ ドル オーストラリア ドル ニュージーランド ドル ノルウェー クローネ スイス フラン 日本円 ユーロ スウェーデン クローナ 英ポンド -2.5 -2 -1.5 -1 -0.5 0 1 (%) 0.5 (対ドルで上昇) (対ドルで下落) (資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 また、14 日に最終履行期限を迎える米国の新しいMMF規制もド ル高を後押しした可能性がある。既に、報じられている通り、この 規制対象となるプライムMMFや非課税MMFから、対象外の政府系 MMFへと一部の資金シフトが生じているが、全体の額は減少して いる。これを映じて、従来プライムMMFや非課税MMFが運用対象 としていたCP(コマーシャルペーパー)などを発行し、ドル資金 を調達していた各主体にとっては、本件後、ドル資金の調達が難し くなったり、コストが嵩む可能性がある。実際、米国ではCPの発 行残高が大幅に減少し、短期のドル金利が上昇(第 4 図)。こうし た動きが、為替市場でのドル高に波及するとの連想をもたらし、実 際のドル買いを後押しした可能性を指摘できよう。 第 4 図: 米国内のドル建 CP 発行残高と米ドルの 3 ヶ月 Libor (10億㌦) 900 (%) 0.90 米国内のCP発行残高(10億㌦) 3m Libor(右、%) 850 0.85 800 0.80 750 0.75 700 0.70 650 0.65 0.60 600 1 2 3 4 5 6 7 (資料) FRB より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 12 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 8 9 10 (月) ~来週の見通し~ 目先堅調推移も疑わし いその持続性 来週も、こうした足もとの地合いを受け継ぎ、ドルが総じて底堅 く推移する可能性が高い。ドル円も何度か 100 円割れ目前に迫って は、跳ね返された後だけに、下落トレンドが転換したとの見方も高 まりつつあるようだ。短期的には、ドル円は小じっかりと推移し、 105 円に絡む場面も有り得よう。 但し、ドル高は様々な経路を通じて、市場を不安定化する可能性 が高く、次第に円高圧力も高めるとみられる。例えば、ドルと原油 価格は逆相関性が強い為、ドル高進行は原油価格の上昇を阻んだり、 軟化をもたらしかねない。また、予想PER(株価収益率)でみて、 ITバブル期を除き、ほぼ 18 倍が上値目処となってきた米S&P500 株 価指数にとっても、ドル高が企業業績に対する下押し圧力となり、 重石となってこよう(第 5 図)。さらに、ドル高の裏で進む新興国 通貨の下落も、米利上げ観測の台頭による資本流出懸念と相俟って、 ますます新興国通貨安を加速する可能性が高い。 第 5 図: 米 S&P500 株価指数と予想 PER (倍) 28 2500 予想PER 26 S&P500指数(右目盛) 2000 24 22 1500 20 予想PER18倍のライン 18 1000 16 14 500 (ITバブル) 12 10 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 0 16 (年) (資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 米国の金融政策に関しても、米経済の現状に鑑みれば、利上げは できても 1 回程度にとどまる可能性が高く、ドル高への期待はいず れ後退すると考えられる。持続的な円安に求められる物価上昇への 期待(即ち、予想実質金利の低下)も今のところ萎んだままだ。ド ル円は、未だに下落基調を本質的にはまだ脱していないものと考え られる。 予想レンジ ドル円:102.25 ~ 105.25 チーフアナリスト 13 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 内田 稔 (2) ユーロ:約 2 ヵ月半ぶりに心理的節目 1.10 を割れる 今週のレビュー 今週は、英国によるEU離脱交渉を巡る不透明感が依然として燻 る中、ドル高が進行した。ユーロドルは弱含み、7/27 以来初めて 1.10 を一時割り込んだ。 ユーロドルは 1.1193 で寄り付き早々に高値 1.1200 を示現すると、 総じて下落基調をたどった。英国によるEU離脱交渉が厳しいもの になると予想される中、ユーロの対ポンド相場が約 5 年ぶりの高値 圏まで上昇していたことへの反動も相まって、ユーロドルが下げ幅 を広げ安値 1.0985 を示現した。但し、心理的節目となる 1.10 を一 時割り込むが、その後下げ渋ると 1.1 台半ばまで反発し底堅く推移 した。 第 1 図: 今週の為替相場推移 (ドル) 1.130 ↑ユーロ高 1.125 1.120 1.115 1.110 1.105 1.100 1.095 ↓ユーロ安 1.090 10/10 10/11 10/12 10/13 10/14 (月/日) (資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 来週の見通し 来週は 10/20 にECB理事会が予定されている。ECBによる資産買 入の漸減(テーパリング)の可能性が一部で報道されたが、その後 ECBメンバーによる発言や 9 月に開催されたECB理事会の議事録で は、資産買入の継続を確認する内容となっていた。 来週のECB理事会は、資産購入プログラムを円滑に進める上での 方策を討議するに留まると考えられ、よって政策変更は無いと予想 する(トピックス「テーパリング報道への整理と理解」でご参照)。 加えて、ドラギECB総裁は、9 月ECB理事会では資産買入れプロ グラムの延長は検討しなかったと述べたほか、現状の金融政策は十 分な効果を挙げていると言及し、マーケットによる過度な追加緩和 期待をけん制する発言をしている。この為、来週のECB理事会後の ドラギECB総裁会見でも、従前通り追加緩和への慎重なスタンスを 示すものと考えられ、追加緩和期待が後退することでユーロドルが 底堅く推移すると予想する。一方で米国による利上げ期待が高まる 局面ではユーロドルの上値の重さも意識され易く、方向感が出にく い相場を予想する。 予想レンジ ユーロドル:1.0950 ~ 1.1300 ユーロ円:112.00 ~ 118.00 チーフアナリスト 14 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 内田 稔 井上 雅文 (3) 人民元:元安容認観測が下値不安を高めよう 今週のレビュー 連休(国慶節)明けのオンショア人民元相場は、米利上げ観測の 高まりを受けたドル高を背景に急落。当局による元安容認観測も重 石となる中、10/13 には、約 6 年ぶり安値 6.7320 を示現した(第 1 図)。対円相場は、米ドル主導の動きが継続する中、円安と元安に 挟まれて方向感を見出せず、結局 15 円台半ばで越週しそうだ。 第 1 図 : オフショア人民元相場の推移 (USDCNY、逆目盛) 6.10 6.20 6.30 6.40 6.50 6.60 6.70 6.80 15/01 15/04 15/07 15/10 16/01 (資料) Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 16/04 16/07 16/10 (年/月) 来週の見通し 人民元の下値不安が足元で再燃している。①米利上げ観測の台頭 に伴うドル高が主因ではあるものの、②当局が元安を容認している との思惑も一方で根強い。事実、当局は今週、対ドル基準値を 2010 年 9 月以来となる元安水準に設定。7 月半ば以降、防衛し続け てきた心理的節目「6.70」の突破を、あっさりと容認した。冴えな い輸出の動きも、当局による元安容認観測の信憑性を高めよう。こ の他、③SDR(IMFの特別引き出し権)組み入れ開始に伴う、ハー ドカレンシー化(自由に他国通貨と交換可能な通貨)への想起も、 元の先安観に拍車をかけている。SDRへの組み入れ開始は、本来、 元のサポート要因となり得るものの、人民元が依然厳しい資本規制 下に置かれた現状を鑑みれば、短期的に元がサポートされる可能性 は乏しい。むしろ、IMF加盟国よりハードカレンシー化の実現を強 いられるリスクが高まる事から、資本規制の解除や変動相場制移行 が意識され、人民元には、短期的に下押し圧力が加わるだろう。事 実、ルー米財務長官は「人民元がSDRに加わったとはいえ、世界の 準備通貨とは依然かけ離れている」と発言。麻生財務相も「中国は 通貨管理をオープンにしなければならない」「通貨の価格管理は SDRの資格に欠ける」等の見解を示すなど、人為的で且つ不透明な 相場形成を牽制している。 来週は、第 3 四半期のGDP統計や固定資産投資、小売売上高など、 中国の重要経済指標が多数予定されている。市場予想を下回る冴え ない結果となれば、中国経済に対する先行き懸念から、元の先安観 が一段と強まるだろう。当局の通貨政策を巡る思惑が錯綜する中、 来週も安値圏での神経質な値動きが継続しそうだ。 予想レンジ ドル人民元:6.7000 ~ 6.7500 人民元円:15.15 ~ 15.65 アナリスト 15 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 藤瀬 秀平 来週の主な経済指標 17 日 (月) 21:30 22:15 22:15 21:30 5:00 11:00 11:00 11:00 11:00 21:30 21:30 17:00 21:30 21:30 23:00 23:00 23:00 米 米 米 米 米 中 中 中 中 米 米 ユ 米 米 米 米 ユ ニューヨーク連銀景況指数(10 月) 鉱工業生産(前月比、9 月) 設備稼働率(9 月) 消費者物価指数(前年比、9 月) 証券投資収支(8 月、億ドル) 実質 GDP(前年比、3Q) 鉱工業生産(前年比、9 月) 都市部固定資産投資(年初来累計/前年比、9 月) 小売売上高(前年比、9 月) 住宅着工件数(9 月・万件) 建設許可件数(9 月・万件) 経常収支(8 月・億ユーロ) 新規失業保険申請件数(10/15・万件) フィラデルフィア連銀景気動向指数(10 月) 中古住宅販売件数(9 月・万件) 景気先行指数(9 月) 消費者信頼感指数(10 月速報) 17 日 (月) 18 日 (火) 19 日 (水) 20 日 (木) 9:30 1:15 21:45 2:30 3:00 8:45 20:45 21 日 (金) 15:35 17:00 23:15 3:30 日 米 米 米 米 米 ユ ユ 日 日 米 米 黒田・日銀総裁挨拶(支店長会議) フィッシャー・FRB 副議長講演 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演 カプラン・ダラス連銀総裁講演 地区連銀経済報告 ダドリー・ニューヨーク連銀総裁講演 ECB 理事会(政策金利発表) ドラギ・ECB 総裁定例記者会見 黒田・日銀総裁挨拶(全国信用組合大会) 黒田・日銀総裁講演 タルーロ・FRB 理事講演 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演 ユ 米 ユ ユ 米 30 年債入札(ドイツ) 大統領候補者テレビ討論会(米東部時間 19 日 21:00) EU 首脳会議(~21 日) 国債入札(フランス) 30 年インフレ連動債入札 18 日 (火) 19 日 (水) 20 日 (木) 21 日 (金) 中央銀行関連 22 日 (土) その他 17 日(月) 18 日(火) 19 日(水) 20 日(木) 18:35 10:00 21 日(金) 17:50 2:00 ※市場予想は Bloomberg 調査中央値 時刻は日本時間 *印は作成日(10/14)現在で未確定のもの 16 来週の経済指標・イベント | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 予想 1.00 0.2% 75.6% 1.5% 6.7% 6.4% 8.2% 10.7% 117.5 116.3 5.0 534 0.2% ▲ 8.0 前回 ▲ 1.99 ▲ 0.4% 75.5% 1.1% 1039 6.7% 6.3% 8.1% 10.6% 114.2 115.2 315 24.6 12.8 533 ▲ 0.2% ▲ 8.2 マーケットカレンダー 月 2016/10/17 米/NY 連銀景況指数(10 月) 鉱工業生産(9 月) 設備稼働率(9 月) 火 水 18 米/消費者物価指数(9 月) 証券投資収支(8 月) 木 金 19 20 米・サンフランシスコ連銀総裁講演 米・ダラス連銀総裁講演 米・ニューヨーク連銀総裁講演 米・30 年 TIPS 債入札 米・第 3 回大統領候補者討論会 EU 首脳会議(~21 日) 米・フィッシャーFRB 副議長講演 日・黒田日銀総裁挨拶 24 ユーロ圏/製造業 PMI 速報 25 米/FHFA 住宅価格指数(8 月) (10 月) サービス業 PMI 速報(10 月) 日/貿易収支速報(9 月) 21 米/地区連銀経済報告 米/フィラデルフィア連銀景況 ユーロ圏/消費者信頼感指数 住宅着工件数(9 月) 指数(10 月) 速報(10 月) 建設許可件数(9 月) 中古住宅販売(9 月) 中/GDP(3Q) 景気先行指数(9 月) 鉱工業生産(9 月) ユーロ圏/ECB 理事会 小売売上(9 月) ECB 総裁定例会見 都市部固定資産投資(9 月) 経常収支(8 月) ケース・シラー住宅価格指数 (8 月) CB 消費者信頼感指数 (10 月) 米・タルーロ FRB 理事講演 米・サンフランシスコ連銀総裁講演 日・黒田日銀総裁挨拶/講演 26 米/新築住宅販売(9 月) 卸売在庫速報(9 月) 27 米/耐久財受注速報(9 月) ユーロ圏/マネーサプライ M3 28 米/GDP 速報(3Q) ユーロ圏/欧州委員会景況指数 (9 月) 独/小売売上(9 月)* 英/GDP 速報(3Q) (10 月) 独/消費者物価指数速報 (CPI、10 月) 独/Ifo 景況指数(10 月) 日/完全失業率(9 月) 消費者物価指数 (都区部 10 月、全国 9 月) 家計調査(9 月) 米・セントルイス連銀総裁講演 米・シカゴ連銀総裁講演 中・六中全会(~27 日) 欧州議会本会議(~27 日) 米・2 年債入札 31 米・5 年債入札 11/1 米/個人所得・消費支出(9 月) 米/FOMC(~2 日) シカゴ PM 景況指数(10 月) 建設支出(9 月) ユーロ圏/GDP 速報(3Q) ISM 製造業指数(10 月) 自動車販売(10 月)* 消費者物価指数速報(10 月) 日/日銀金融政策決定会合 中/製造業 PMI(10 月) (~1 日) 日/日銀金融政策決定会合 鉱工業生産速報(9 月) 経済・物価情勢の展望 住宅着工戸数(9 月) 日銀総裁定例会見 米・7 年債入札 2 欧州夏時間終了(30 日) 3 日市場休場 7 米/消費者信用残高(9 月) ユーロ圏/小売売上(9 月) 日/日銀金融政策決定会合 米/求人労働異動調査(9 月) 独/鉱工業生産(9 月) 貿易収支(9 月) 議事要旨(9/20,21 分) 中/貿易収支(10 月) 日/景気動向指数速報(9 月) 8 9 中/消費者物価指数(10 月) 生産者物価指数(10 月) 日/国際収支速報(9 月) 対外対内証券売買契約等 の状況(10 月) 景気ウォッチャー調査(10 月) 米・大統領選挙一般投票 / 議会選挙 米・3 年債入札 ユーロ圏財務省会合 EU 経済・財務相理事会 米・10 年債入札 *印は作成日(10/14)現在で日程が未確定のもの 17 マーケットカレンダー | 平成 28(2016)年 10 月 14 日 4 米/FOMC 米/労働生産性速報(3Q) 米/貿易収支(9 月) ADP 雇用統計(10 月) ISM 非製造業指数(10 月) 雇用統計(10 月) 英/MPC(BOE 金融政策委員会、 製造業受注指数(9 月) ユーロ圏/生産者物価指数(9 月) ~3 日) ユーロ圏/失業率(9 月) 英/MPC(BOE 金融政策委員会) MPC 議事録 インフレーションレポート 米夏時間終了(6 日) 10 11 米/財政収支(10 月) 米/ミシガン大消費者信頼感指数 中/マネーサプライ M2(10 月)* 速報(11 月) 日/日銀金融政策決定会合 主な意見(10/31,11/1 分) 機械受注(9 月) 米・30 年債入札 米市場休場 照会先:三菱東京UFJ銀行 グローバルマーケットリサーチ チーフアナリスト 内田 稔 当資料は一般的な情報提供のみを目的として作成されたものであり、特定のお客様のニーズ、財務状況又は投資対象に対応することを意図しておりませ ん。また、当資料は、適用法令上許容される範囲内でのみ利用可能であり、当資料の頒布を制約する法令が存在する地域の方によって利用されることを意 図しておりません。当資料内のいかなる情報又は意見も、預金、有価証券、デリバティブ取引その他の金融商品の売買、投資、保有などを勧誘又は推奨す るものではありません。 当資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、当行はその正確性、適時性、適切性又は完全性を表明又は保証するものではなく、 当行、その子会社又は関連会社は、お客様による当資料の利用等に関して生じうるいかなる損害についても責任を負いません。ご利用に関しては、すべて お客様御自身でご判断下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。 また、過去の結果が必ずしも将来の結果を暗示するものではありません。 当行は、当資料において言及されている会社と関係を有し、又はかかる会社に対して金融サービスを提供している可能性があります。当行のグループ会 社は、当資料において言及されている証券又はこれに関連する証券について権利を有し、又はこれらの証券の引受けを行っている可能性があり、また、こ れらの証券又はそのポジションを保有している可能性があります。 当資料の内容は予告なしに変更することがあり、また、当行、その子会社又は関連会社は、当資料を更新する義務を負っておりません。また、当資料は 著作物であり、著作権法により保護されております。当行の書面による許可なく複製又は第三者、個人顧客もしくは一般投資家への配布をすることはでき ません。 (BTMUロンドン支店のみに適用される情報開示) 株式会社三菱東京UFJ銀行(以下「BTMU」)は、日本で設立され、東京法務局(会社法人等番号 0100-01-008846)において登記された有限責任の株式会 社です。 BTMUの本店は、東京都千代田区丸の内二丁目 7 番 1 号(郵便番号 100-8388)に所在しています。 BTMUロンドン支店は、英国会社登録所において、英国支店として登録されています(登録番号BR002013)。 BTMUは、日本の金融庁によって認可及び規制されています。BTMUロンドン支店は、英国プルーデンス規制機構より認可を受けており(FCA/PRA番号 139189)、英国金融行為監督機構の規制とプルーデンス規制機構の限定された規制の対象となっています。英国プルーデンス規制機構によるBTMUロンド ン支店の規制の範囲の詳細は、ご請求いただいた方にお渡ししております。 18 FX Weekly | 平成 28(2016)年 10 月 14 日
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