スパイクノイズの評価と低減 法

Technical Information Paper
スパイクノイズの評価と低減⽅法
■概要
DC/DCコンバータが⾼周波化され以前にもまして⾼周波ノイズが問題となってきました。また、オシロスコ-プの性能向上
により今まで認識されていなかったスパイクノイズ等を観測することができるようになった⾯もあります。しかし、こうい
った⾼周波ノイズは低減の対策のみならず、正確な測定・問題点の確認にノウハウ・テクニックが必要となります。
以下に測定⽅法と各種対策を掲載いたしました。これにより、性能向上のヒントになればと思います。
■スパイクノイズの原因
DC/DCコンバータにおいて⾼周波ノイズの主役はスパイクノイズですが、観測される理由は⼤きく分けて 2つあります。
・測定⽅法の問題
オシロスコープのプローブの接続法によって⼤きなスパイクノイズを⾒かけ上拾うケースがよくあります。
・ショットキーダイオード等部品、基板の問題
ショットキ-バリアダイオ-ドのオン・オフ時に瞬間的に電流が逆流し、これによって⼤きなスパイクノイズが発⽣します。
また⼤きな電流が ON/OFFしますのでそれが基板を流れる際に発⽣する電位差や、コイルからの磁束の漏れも⼤きな原因と
なります。
■測定⽅法の改善
DC/DCコンバータの出⼒電圧をオシロスコープでみるとスイッチング時に数百mVのスパイクノイズが観察されます。
しかもプローブの位置を少しずらしたり⽅向を変えるとノイズが⼤きく変わることがよくあります。これは実際の出⼒電圧
のノイズを測定しているのではなく、コイル等から誘導によって⾒えてしまっているケースが多いのです。
まず、正確に出⼒電圧のノイズを測定するには、プローブに外から⾶び込むノイズを防ぐ必要があります。
A.
B.
C.
A. これが普通のプローブ、GND線が⻑く伸びアンテナとなってしまいます。
B. 測定のフックを GNDリードを外し裸にします。GNDは測定ピンを同軸状
にシールドする形で露出します。
C. この測定ピンを⾮測定ピンへ、GNDもできるだけ直に被測定基板の GND
にあてて、ノイズの⾶込みを防ぎます。
VOUT
GND
この際、どの GNDを基準に測定するかも測定されるノイズ量に⼤きく影響します。DC/DCコンバータでは出⼒となる
負荷コンデンサ(CL)にできるだけ直にプローブをあてることが真の値を知るために重要になります。
■実際のノイズへの対策
対策、注意点がいくつかあります。
・出⼒コンデンサCLに⾼周波特性の良いセラミックコンデンサを使⽤できるタイプのDC/DCコンパ-タにする。
・FETのゲ-ト端⼦とDC/DCコンバ-タのEXT端⼦の間に抵抗器 (5〜50Ω)を接続する。
・ショットキ-ダイオ-ドを逆回復時間特性の良いタイプにする。
・ショットキ-ダイオ-ドと直列にフェライトビ-ズ(超⼩型⾯実装タイプ有り)を挿⼊する。
・断続する⼤電流が流れる外付けTrやコイルの配線は短くし、出⼒から離す。
・出⼒は出⼒コンデンサCLを経てから取るようにする。
・出⼒にフィルタを接続する。(LCまたはRCによる、ロ-パスフィルタ)
・コイルを閉磁タイプにする。
超小型面実装のフェライトビーズ
出力は出力コンデンサを
逆回復時間特性の
良いタイプにする
を挿入する
フィルタを挿入する
経るようにする
閉磁タイプにする
L
VIN
SD
FB
VOUT
RSEN
CDD
LFIL
RFB1
CE
VDD
CFB
VIN
RL
CFIL
CIN
POWER
MOS
(CERAMIC)
FB
EXT
CL
RG
(CERAMIC)
GND
RFB2
GND
GND
IC:
断続する大電流が
流れる配線は短くし、
出力側から離す
XC9105D092MR
抵抗器を挿入する
DC/DCコンバータICは出力コンデンサに
セラミックコンデンサを使えるタイプにする
注意: 誤動作や性能低下が起きた場合は、先ずパスコンやグランド配線の⾒直しをしてください。
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