お知らせ UTNET4 運用開始のお知らせ 前回の Digital Life Vol.26 にて、 「UTNET4 に向けた構成変更」 という記事を掲載しました。 前回の記事の執筆時点ではまだ 2016 年初頭で、UTNET3 から UTNET4 への移行手順設計 の真っ最中でした。今回、この記事にて UTNET4 への移行が滞りなく行われたことを報 告させて頂きます。 UTNET4 への移行 2016 年 4 月より、東京大学からインターネットへの接続を提供している学術ネットワー クである SINET (Science Information NETwork) が、SINET4 から SINET5 へと更改されま した。SINET に関しての詳細は、https://www.sinet.ad.jp/ を御覧ください。 SINET5 では、100Gbps イーサネットによる外部インターネットへの接続を提供してお り、東京大学は UTNET4 への移行に際して、100Gbps イーサネットを用いて SINET5 な らびに WIDE Project (http://www.wide.ad.jp/) に接続しました。UTNET4 への移行にあたっ ては、ネットワークを構成する機器の入れ替えが必要となりました。これは、既存のコア ネットワーク構成機器であった Cisco 社の Catalyst 6500 シリーズが、100Gbps イーサネッ トに対応していなかったためです。それ以外にも、セキュリティが担保されたネットワー クと高速なネットワークの両立を実現するための機能が必要であったという理由もあり、 新たなネットワーク機器の調達を行いました。 そのため UTNET4 の実現にあたっては、外部ネットワークへの接続変更とネットワー ク機器の変更に伴う、UTNET 内部の大きな構成変更が必要となりました。この構成変更 をなるべく円滑に、また学内のネットワーク接続性に大きな影響を与えないように行うた め、ネットワークチームにて移行計画を作成し、段階を経て UTNET3 から UTNET4 への 移行を行いました。移行は 2016 年 1 月から 3 月末日にかけて段階的に行われ、外部ネッ トワークへの接続性を切り替えるという一番大きな移行作業は、学内ユーザに対する影響 が最も少ない、週末の休日を利用して行われました。その結果、大きな混乱も無く無事 UTNET4 への移行を行うことができました。 UTNET4 運用開始 2016 年 4 月現在における、UTNET4 のネットワーク図を図 1 に示します。新たに ra56, ra57 と名付けられたルータが導入され、sg100 と名付けられた L2 スイッチも導入されま した。どれも 100Gbps イーサネットを搭載している高速なネットワーク機器となります。 ra56, ra57 は Juniper Networks 社の MX480 という機器であり、100Gbps の高速接続と論理 ルータ機能を利用した複数ネットワークの運用を実現しています。 Digital Life Vol.27 (2016.9) 17 お知らせ 図 1 : UTNET4 の構成図 UTNET4 は無事 2016 年 4 月より運用を開始しましたが、まだ完成形ではありません。 これから段階的に、各部局への接続を ra36 から ra56 へと変更し、各部局へもより高速な 接続を提供できる形態に移行します。また、昨今のサイバーセキュリティへの要求の高ま りをふまえ、 セキュリティを担保したネットワークや高速通信を重視したネットワーク等、 性格の異なる複数のネットワークを提供すべく、構成変更を検討しています。UTNET4 は これからも進化を続け、学内の皆様にとって研究と教育のために利用しやすいネットワー ク環境を提供し続けることを目指します。 (ネットワーク研究部門 関谷 勇司) 18 Digital Life Vol.27 (2016.9)
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