高性能カメラ探偵団

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高性能カメラ探偵団
第5回
評価項目:解像度…レンズ性能を見極める定番指標
チャート:解像度
エンヤ ヒロカズ
解像度チャート
測定対象のOV5642
カメラ・モジュール
画像取得用SVI-06
パソコンに
取り込んで判定
解像度
チャート
今回はこのレンズの
性能(解像度)
を評価する
カメラ・ イメージ・センサ
モジュール
レジスタ設定用
レンズ
USB-I2C変換ボード
(Arduino互換機)
8ビット・データ
I2C
USB
USB
写真 1 レンズの解像度をテストしている
画像取り込み用ボード
SVI-06
PC
図 1 レンズ解像度のテスト時の基板構成
今回からはレンズ性能を見極める指標の測定を行っ
ていきます.今回はレンズの指標測定の定番となって
いる「解像度」です.テストの様子を写真 1 に,構成
を図 1 に示します.解像度の測定には,一般的には
ISO 12233 規格準拠の解像度チャートが使われます.
もちろんこの ISO チャートを使うことは可能ですが,
ちょっと使いにくい部分もあります.そこで今回は特
製の解像度チャートを作成しました
解像度を表す指標
そもそも解像度とはどのような指標になっているの
でしょうか.カメラで撮影したときにどこまで細かい
被写体を再現できるかということなのですが,古くは
アナログ・テレビ時代から TV 本という単位で言及さ
れることが多いです.レンズ単体では全て光学的に議
論ができるので,MTF(Modulation Transfer Function)
という単位で語られることが多いです.
しかし,カメラ・システムで考えると,解像度はレ
ンズだけでは決まりません.イメージ・センサの画素
数も大きな要素ですし,信号処理部分でのシャープネ
ス処理などでも解像度は大きく変化します.そこでカ
メラ・トータルとしては MTF ではなく TV 本が使わ
れています.
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● 指標1:TV 本…カメラやテレビの解像度を表す
▶︎懐かしいアナログ・テレビのころに定義された
TV 本はその名前の通り,テレビにおける走査線の
本数がどこまで解像するかを示したものです.アナロ
グ・テレビ時代は NTSC の走査線は 525 本でした.し
かしインターレース伝送でしたので半分の 262.5 本を
フィールド単位で伝送し,2 フィールドで 1 フレーム
の画像を表現していました.そのため最大の本数は
525 本ですが,実力としてはそれよりも低くなってし
まいました.
▶︎水平方向の解像度も縦方向と揃える
これは縦方向の解像度ですが,水平方向の解像度も
同じように定義します.アナログ・テレビは水平 / 垂
直のサイズが異なりアスペクト比は 4:3 です.その
まま画面全面での本数を決めてしまうと,水平と垂直
で尺度が変わってしまいますので,水平方向も垂直と
同じアスペクト(1:1)にします(図 2).
▶︎ 2 本で 1 ペアそのペア数を TV 本とする
本数の数え方としては,2 本でひとまとめ(ライン・
ペア)という考え方をします(図 3)
.これは画像とし
て 1 本分の走査線では解像しているか分からないため
です.サンプリング定理として知られているシャノン
の定理と同じ考えで,ある特定の空間周波数を再現す
第 1 回 評価項目:リニアリティ…輝度と出力値の直線性(2016 年 5 月号)
第 2 回 評価項目:SN 比…暗いと目立ってくる! 画像品質を表す代表値(2016 年 6 月号)
第 3 回 評価項目:モノや人の見映え…重要な定性的ポイントを押さえる(2016 年 7 月号)
2016 年 10 月号