はじめに Canon EOS AF Microadjustment Manual 準備 撮影・確認 調整 1 はじめに はじめに AFマイクロアジャストメントとは 3 AFマイクロアジャストメントが必要な場合 4 AFマイクロアジャストメントの種類 5 準備 [準備] AFマイクロアジャストメントの準備 1. 調整用テスト撮影のための撮影環境 2. カメラとレンズの設定 8 10 [撮影・確認] テスト撮影を行う 撮影・確認 1. AFチェック用画像を撮影する 13 2. 撮影画像を比較するポイント 15 3. テスト撮影画像の確認 17 [調整] AFマイクロアジャストメントを行う 調整 1. レンズごとに調整 19 2. シリアル番号について 25 3. 全レンズ一律調整 27 2 はじめに はじ め に AFマイクロアジャストメントとは ファインダー撮影でAFを行ったときの、ピントの合 う位置を微調整することができる機能です。「レン ズごとに調整」と「全レンズ一律調整」の 2 種を選 択可能です。 準備 撮影・確認 AF マイクロアジャストメントに関する注意事項 調整 AFによる合焦位置は、被写体条件や明るさ、ズーム位置などの撮影 条件により、わずかに変動します。そのため、この機能で調整を行っ ても、適切な位置でピントが合わないことがあります。本機能を何度 使用してもピント誤差が改善されないと感じた場合は、サービスセン ターへご相談ください。修理が必要な場合は有償となることがありま すが、ご了承ください。 ◦調整した内容は、ライブビュー撮影時、動画撮影時のAFには反映 されません。 ◦カメラ設定初期化を行っても調整した内容は保持されますが、設定 は[しない]になります。 3 はじめに AFマイクロアジャストメントが必要な場合 このような状況でAFが狙った位置に合焦しない場 合は、AFマイクロアジャストメントを実施することに よって、ピントの位置を変化させることができます。 準備 撮影・確認 調整 顔に重なるAFフレームを 選択して撮影しましたが、 ピントが少し甘くなって います。 顔よりも手前にあるボー ルにピントが合っており、 やや前ピンであることが わかります。 顔に重なるAFフレーム を選 択して 撮 影しまし たが、ピントが少し甘く なっています。 顔よりも手 前にある岩 ににピントが合っており、 やや前ピンであることが わかります。 4 はじめに AFマイクロアジャストメントの種類 「レンズごとに調整」と「全レンズ一律調整」の 2 種を 選択可能です。 レンズごとに調整 準備 撮影・確認 調整 info レンズごとに個別調整を行い、調整結果を最大 40 本ま でカメラに登録することができます。登録したレンズを使 用してAF撮影を行うと、常に調整値分、ピント位置が補 正されます。ズームレンズの場合は、広角端 (W) と望遠端 (T)の調整が可能です。 5 はじめに 全レンズ一律調整 準備 撮影・確認 info どのレンズを使用しても、狙った位置よりも手前に(もしく は奥側に)ピントが合う場合に有効です。調整後は使用す るレンズに関わらず、常に調整値分、ピント位置が補正さ れます。 調整 6 はじめに 準備 AFマイクロアジャストメントの準備 1. 調整用テスト撮影のための撮影環境 2. カメラとレンズの設定 準備 撮影・確認 調整 7 はじめに 1 調整用テスト撮影のための撮影環境 1. 照明環境 2. 被写体 準備 3. 撮影距離 4. 設置場所 撮影・確認 5. カメラの高さ 調整 6. ピント確認 8 はじめに 1. 照明環境 通常撮影時と同じ状態に。室内なら室内で/屋外なら屋 外で。 2. 被写体 新聞紙の 1 面や雑誌の表紙など、文字が大きくコントラス トの高い被写体を選びましょう。 ※イラストがあり、かつ文字が大きく、できれば白黒でコントラストの ある被写体を選びます。 準備 3. 撮影距離 通常撮影と同じ距離を確保。 距離が確保できない場合は、レンズ焦点距離の 50 倍の 距離で撮影します。 (例:400mmならば 20メートルの距離にします) ※通常撮影の距離と大きく異なる場合、正確なピント調整ができない 場合があります。 撮影・確認 4. 設置場所 被写体は一面が模様に覆われている絨毯や石畳の地面、 芝生などの上に置きましょう。 5. カメラの高さ 手持ちでも構いませんが、できるだけ一脚・三脚を使用し て被写体と同じ高さで設置しましょう。手持ち撮影、また は一脚をご使用の場合は、IS(手ブレ補正機能)搭載レン ズはISオンにします。 調整 6. ピント確認 ピント確認はパソコンで100% (等倍) に拡大して行います。 ※パソコンがない場合はカメラの背面液晶モニターで確認しましょう。 9 はじめに 2 カメラとレンズの設定 準備 クイック設定メニューを使うと簡単に設定がで きます。 撮影・確認 [ピクチャースタイル] [スタンダード] [画質] 圧縮率 [8] 〜 [10] 調整 [測距エリア] 「スポット1 点AF(任意選 択) 」中央フレームを選択 [画像サイズ] JPEG L 10 はじめに 1 撮影方法 ファインダー撮影 2 撮影モード Avモード 使用レンズの開放絞り 3 絞り値 4 シャッター速度 ※広 角レンズ使用時、開放絞りで 撮影すると収差が発生する可能 性があります。 ブレが発生しない高速シャッ ター秒時に ふだん使用する値に 準備 5 ISO感度 ※一脚使用または手持ち撮影の場 合、画像が手ブレの影響を受け ないシャッター速度になるように、 値を変更してください。 6 ホワイトバランス ふだん使用する値・項目に 7 AFモード ONE SHOT ふだん使用するモード 撮影・確認 8 測光モード ※ピント位置確認のため、地面が 適正露出になるように設定して ください。 9 ドライブモード 1 枚撮影 10 ピクチャースタイル スタンダード (シャープネス設 定は「強さ」 「細かさ」 「しき い値」それぞれを3に設定) スポット1 点AF(任 意 選 択 ) を選択し中央フレームに設定 測距エリア選択モード 11 します 測距フレーム ※ +追尾優先AF、ライブ 1 点AF での調整はできません。 調整 12 画像サイズ JPEG L 13 画質 JPEG画質:8 以上で 14 レンズ IS機能がある場合はISオンに ※しっかりと固定した三脚であれば オフでも構いません。 11 はじめに 撮 影・確 認 テスト撮影を行う 1. AFチェック用画像を撮影する 2. 撮影画像を比較するポイント 3. テスト撮影画像の確認 準備 撮影・確認 調整 12 はじめに 1 AFチェック用画像を撮影する 1. ONE SHOTで撮影 準備 AFモードを [ONE SHOT]にし、測距エリア選択モードは [スポット1 点AF(任意選択) ]を選択します。被写体は画 面中央に設置します。 撮影・確認 2.「1 枚撮影」で 5 枚程度撮る 調整 5 枚程度撮影し、1セットとします。ドライブモードは[1 枚 撮影]が適しています。 13 はじめに 3. パソコンで拡大再生する 準備 パソコンで拡大再生して確認します。パソコンがない場合は カメラの背面液晶モニターで拡大再生します。 撮影・確認 Tips ピントは 1 枚ずつ合わせ直して 調整 テスト撮影時はAFモードを[ONE SHOT]にして撮 影します。1 枚撮影するごとにピントリングを回転さ せてピント位置をずらしたうえで、そのつどAFを行っ て撮影しましょう。 14 はじめに 2 撮影画像を比較するポイント パソコンモニターでチェックする(100%表示) 準備 DPP 4 の場合 撮影・確認 テスト撮影を行った画像は、パソコンで確認しましょう。被 写体と、設置した模様のある場所のピントを見てAF傾向 を確認します。[Digital Photo Professional 4]を使 用すると選択したAFフレームの表示が可能で、100% (等倍)でのピント確認も容易に行うことができます。 調整 15 はじめに 複数枚を撮影して平均的な合焦位置を見つける AF傾向を確認するには、 [1 枚撮影]で 1 枚 1 枚AFを行 い、テスト用被写体を複数枚撮影します。そこから平均的 なピント位置と傾向を見極めます。また、ズームレンズの 場合は、広角側(W)と望遠側(T)の両方で撮影します。 例: 準備 OK 前ピン 前ピン 前ピン OK 1 2 3 4 5 前ピン傾向 撮影・確認 後ピン OK OK OK 後ピン 1 2 3 4 5 後ピン傾向 OK OK OK OK OK 1 2 3 4 5 調整 調整不要 ※陽炎などの影響でピントがばらつくことがあります。複 数枚撮影することをおすすめします。 16 はじめに 3 テスト撮影画像の確認 準備 1. すべてのカットのAFが合っている 撮影・確認 OK ピントがすべて合っている 2. 狙った位置よりも合焦位置が手前(前ピン) No Good 側に調整が必要 調整 3. 狙った位置よりも合焦位置が奥(後ピン) No Good 側に調整が必要 17 はじめに 調整 AFマイクロアジャストメントを行う 1. レンズごとに調整 2. シリアル番号について 3. 全レンズ一律調整 準備 撮影・確認 調整 18 はじめに 1 調整を行う(レンズごとに調整) 1. AFマイクロアジャストメントを選ぶ 準備 [AF5]タブの[AFマイクロアジャストメント]を選び< > ボタンを押します。 2.「レンズごとに調整」を選ぶ 撮影・確認 < > (サブ電子ダイヤル)を回して[レンズごとに調整]を 選び、<INFO.>ボタンを押します。 調整 Notice ズームレンズの焦点距離について ズームの中間(焦点距離)位置で撮影を行ったときは、 広角側と望遠側の調整結果に基づいて自動的に補正 されます。なお、片側だけ調整を行ったときも、中間 位置に対して自動補正されます。 19 はじめに 3. 調整画面を呼び出す 準備 [レンズごとに調整] 画面が表示されたことを確認します。 4. レンズ情報を確認/変更する 撮影・確認 調整 < >ボタンを押します。 ◦画 面にレンズ名と10 桁のシリアル番号が表示されま す。シリアル番号が表示されているときは、 [OK] を選び、 手順 1_5 (21ページ) へ進みます。 ◦レンズのシリアル番号が認識できないときは 「0000000000」 と表示されます。次の操作で番号を入 力します。なお、番号の先頭に表示される 「*」 について は、25 ページを参照してください。 20 はじめに 5. シリアル番号の入力 準備 1.< > (サブ電子ダイヤル)を回して入力する桁を選び、 < >ボタンを押して< >の状態にします。 (サブ電子ダイヤル) を回して数値を入力し、 < > 2.< > ボタンを押します。 (サブ電子ダイ 3.すべての桁の入力が終わったら、< > ヤル)を回して[OK]を選び、< >ボタンを押します。 撮影・確認 Tips まずは2ステップずつ調整しましょう 調整 1ステップあたりの調整幅は、使用するレンズの開放 絞り値によって異なります。まず 2ステップずつ動かし て、テスト撮影→確認→調整を繰り返し、最適なピン ト位置に調整します。 21 はじめに 6. 調整する(単焦点レンズの場合) 準備 < > (サブ電子ダイヤル)を回して調整値を設定します。 調整範囲は±20ステップです。 側に設定すると、合焦位置が基準から手前側 ◦ (前方)に調整されます。 側に設定すると、合焦位置が基準から奥側 ◦ (後方)に調整されます。 撮影・確認 (ズームレンズの場合) 調整 1. ズ ームレンズのときは、< >(サブ電子ダイヤル)を 回して、広角側(W)または望遠側(T)を選びます。 < >ボタンを押すと紫色の枠が消え、調整ができる ようになります。 2. 広角側(W) 、望遠側 (T) の調整値をそれぞれ設定します。 22 はじめに 7. 確定する 準備 1. 調整が終わったら<MENU>ボタンを押して手順 1_2 (19 ページ)の画面に戻ります。 (サブ電子ダイヤル) を回して[レンズごとに調整] 2. < > を選び、< >ボタンを押すと、メニューに戻ります。 8. 調整後のテスト撮影を行う 撮影・確認 調整値の検証のため、テスト撮影を再度行います。 調整 23 はじめに 9. パソコンで確認する 準備 画像を再生して、調整結果を確認します。AFが正確であ れば調整は終了です。さらに調整が必要な場合は[テスト 撮影]→[確認]→[調整]を繰り返して、適切なピント位 置に調整します。 ◦撮影結果が狙った位置よりも手前にピントが合っている ときは 側、奥側にピントが合っているときは 側に調整します。 撮影・確認 Tips 必要に応じてテスト撮影→確認→ 調整を繰り返しましょう 調整 調整値を入力したら、必ず[テスト撮影]→[確認] を行いましょう。確認した結果、調整量が不足して いる場合は、調整値を変更しましょう。これを必要 に応じて繰り返し、適切なピント位置を探します。 24 はじめに 2 シリアル番号について (レンズごとに調整) シリアル番号とレンズの登録 準備 登録できるレンズ本数は最大 40 本です。すでに40 本登 録されているときは、メッセージが表示されます。上書き消 去するレンズを選ぶと、新規に登録することができます。 撮影・確認 調整 ◦手順 1_4(20 ページ)で10 桁の番号の先頭に「 * 」 が表示されたレンズは、同じ種類のレンズを複数 登録できません。なお、番号を入力しても「 * 」の 表示は消えません。 ◦レンズに記載されているシリアル番号と、手順 1_4 で表示されるシリアル番号が異なることがあります が、故障ではありません。 ◦レンズのシリアル番号にアルファベットが含まれて いるときは、アルファベットを除く数字を、手順 1_5 (21 ページ)で入力してください。 ◦レンズのシリアル番号が 11 桁以上のときは、 「下 10 桁」の番号を入力してください。 ◦シリアル番号が記載されている位置は、レンズに よって異なります。 ◦レンズによっては、シリアル番号がレンズに記載さ れていないことがあります。番号の記載がないレン ズを登録するときは、手順 1_4で任意の番号を入力 してください。 25 はじめに Tips エクステンダーを使う場合 準備 [レンズごとに調整]を選んだときに、エクステン ダーを使用しているときは、 「レンズ+エクステン ダー」の組み合わせで登録されます。 撮影・確認 調整 26 はじめに 3 調整を行う(全レンズ一律調整) 1. AFマイクロアジャストメントを選ぶ 準備 [AF5] タブの[AFマイクロアジャストメント] を選び、< > ボタンを押します。 2.「全レンズ一律調整」を選ぶ 撮影・確認 < > (サブ電子ダイヤル)を回して[全レンズ一律調整]を 選び、<INFO.>ボタンを押します。 調整 27 はじめに 3. 調整画面を呼び出す 準備 [全レンズ一律調整]画面が表示されます。 撮影・確認 調整 Notice ズームレンズの AF 調整について [全レンズ一律調整]のときには、ズームレンズの 広角側と望遠側で、別々にAF調整を行うことはで きません。 28 はじめに 4. 調整する 準備 < > (サブ電子ダイヤル)を回して調整値を設定します。 調整範囲は±20ステップです。 側に設定すると、合焦位置が基準から手前側 ◦ (前方)に調整されます。 側に設定すると、合焦位置が基準から奥側 ◦ (後方)に調整されます。 撮影・確認 5. <SET>ボタンで確定する 調整 1. 調整が終わったら、< >ボタンを押します。 (サブ電子ダイヤル)を回して[全レンズ一律調 2. < > 整]を選び< >ボタンを押すと、メニューに戻ります。 29 はじめに 6. 調整後のテスト撮影を行う 準備 調整値の検証のため、テスト撮影を再度行います。 7. パソコンで確認する 撮影・確認 画像を再生して、調整結果を確認します。AFが正確であ れば調整は終了です。 ◦撮影結果が狙った位置よりも手前にピントが合っている ときは 側、奥側にピントが合っているときは 側に調整 します。 調整 30 はじめに Tips AF マイクロアジャストメント 登録データを一括解除したいとき 準備 画面の下に[ 一括解除]が表示されているときに、 [全レンズ一律調整] [レンズ < >ボタンを押すと、 ごとに調整]で調整した内容をすべて解除することが できます。 撮影・確認 調整 31 はじめに 追記 AFの苦手な被写体 AFには不得意とする被写体や撮影環境があります。実際 の撮影環境に近い場合であっても、下記のようなAFが苦 手とする撮影環境下ではAFマイクロアジャストメントを適 切に行えない場合もありますので、ご注意ください。誤っ た調整をすると、カメラの最良性能が発揮できなくなる恐 れがあります。 準備 1. 明暗差(コントラスト)が極端に低い被写体 例:青空、単色の平面など(陽炎を含む) 2. 非常に暗い場所にある被写体 3. 強い逆光状態、または光の反射が強い被写体 例:反射光の強い車のボディなど 撮影・確認 4. 遠 いところと近いところにある被写体がAFフ レームの近くにある場合 例:おりの中の動物など 5. 点状の光源などがAFフレームの近くにある場合 例:夜景など 6. 繰り返し模様の被写体 例:ビルの窓やパソコンのキーボードなど 調整 7. AFフレームに対してパターンが細かい被写体 例:AFフレームと同じ、または小さいサイズの顔や花 など 32
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