コロンビア医療情報 以下は必ずしも最新の医療事情では

コロンビア医療情報
以下は必ずしも最新の医療事情ではありません。詳細(特に緊急時対応や予防薬の
服用方法など)については現地医療事情に詳しい医療専門家から常に最新のアドバ
イスを受けるようにしてください。
最新更新履歴:2016 年7月
1.赴任前の準備
(1)予防接種
日本からの入国に際し義務づけられる予防接種はないが、黄熱、狂犬病、破傷
風、A・B型肝炎のワクチン接種を推奨する。コロンビアから他国へ旅行する際に
イエローカード(黄熱予防接種証明書)を求める国もあるため注意すること。
◆首都ボゴタで黄熱の予防接種が可能な医療機関
(1)COLSANITAS ・・・・ ・・住所:Calle 99 No.12-90
(2)CRUZ ROJA CLOMBIA・・・住所:Av.68 No.66-31
電話:522-6000
電話:428-1111
(3)AEROPUERTO・・・・・住所:Primer piso, Muelle Internacional
電話:
413-9500
(4)CLINICA REINA SOFIA・・・住所:Diagonal 127 A No.31-48 電話:615-8100
(2)その他の準備
慢性疾患常用薬のある場合、現地での入手が可能か事前に確認するとともに、本邦
主治医より紹介状(英文で可)を用意しておく。歯科治療に関しては本邦出発前に終
了していくことを勧める。
2.医療事情
(1)医療機関
医療機関は首都ボゴタ、メデジン市、カリ市などの大都市の私立病院の医療水準は、
欧米での研修経験のある医師も多く南米の中でも高い。 公立病院は低所得者向け
であり、サービス面・医療技術点等からも日本人の受診に適切とは言えない。
また、都市部と地方での医療水準格差があるため、専門的な治療が必要な場合は
都市部の私立病院の受診を勧める。ほとんどの私立病院でクレジットカードでの支払
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いが可能である。診察は予約制であり、医薬分業制をとっている。診察室・検査機関・
薬局はそれぞれ独立しており、受診に手間取ることが多い。言葉に自信がない場合
は、現地の付き添い者がいると安心である。
<ボゴタの主要医療機関> 主な第 3 次救急医療対応可能な総合病院である。英語
での受診が可能な医師も多い。
Clinica Fundacion Santa Fe de Bogota
HP: http://www.fsfb.org.co/
所在地:Calle 116 No.9-02
電話:603-0303
FAX:657-5707
受診時間:24 時間体制
備考:外国人患者対応サービスがある。(Enfermera coordinadora servicios
internacionales)
Clinica del Country
HP:http://www.clinicadelcountry.com/
所在地:Carrera 16, No.82-57
電話:530-1270, 530-0470
FAX:530-1304
受診時間:24 時間体制。全初診外来患者は、まず救急外来を受診することにな
る。
Clinica el Bosque
HP: http://www.clinicaelbosque.com.co/
所在地:Call 134, No.12-55
電話:274-0577
FAX:614-6969
受診時間:24 時間体制
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<地方都市医療機関>
Clinica de la Presentacion
所在地:マニサレス市 cra 23 calle 48 esquina , Manizales , Caldas , Colombia
電話:8-860199
FAX:8-850077
受診時間:24 時間体制
(2)緊急時の対応と措置
中・小都市では、電話で赤十字または州立病院の救急車を要請することもできる。
緊急を要する場合は躊躇せず救急車やタクシーで最寄りの機関に患者を搬送する。
救急処置後の対応、転院などは医師が判断する。
3.医薬品、衛生用品
(1)携行することが望ましい医薬品
慢性疾患常用薬やアレルギーなどで特殊な薬品を必要とする場合は、日本から一
定期間分の薬剤を携行することを奨励する。日本から医薬品を携行する場合には、
入出国時のトラブル回避と現地でのスムーズな治療継続のために、本邦主治医に英
語の診断書(処方薬剤の成分名を記載)を書いてもらうことを勧める。また、現地医薬
品は日本製品に比べ容量が多いことが多いため、日常の使い慣れた常備薬(風邪
薬・整腸剤・解熱鎮痛剤・胃薬 等)はある程度持参することを勧める。
(2)現地で調達できる医薬品
コロンビア国産の薬品が豊富にあり、地方都市でも簡単に入手できる。日常的な風
邪薬・胃腸薬・解熱鎮痛剤・サプリメント等一通り入手可能であるが、日本製品に比べ
容量が多い傾向があるため注意が必要である。
マラリアやアメーバ赤痢などの寄生虫症に関しては、治療、薬品ともに選択肢が多
い。漢方薬のような生薬の利用もきわめて盛んであり、胃痛や吐き気などに対しての
生薬が市場や路上で販売されている。
(3)現地で調達できる衛生用品
生理用品・避妊具・包帯・ガーゼ・体温計などから、乳幼児のオムツ・哺乳瓶などの
衛生器具までほとんどの衛生用品が入手可能である。
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4.妊娠、出産、育児
(1)妊娠した場合の対応
日本と同様に定期的に妊産婦健診を受診する。出産時の入院期間は、正常分娩 0
~1 泊、帝王切開 1~2 泊である。また帝王切開を選択されることが多い。ジカ熱など
のウイルス疾患の流行を鑑みると現地での妊娠・出産は勧められない。
(2)出産後の対応
新生児期より定期検診を受ける。乳幼児の病気として低地ではウイルス性の胃腸
炎、高地では気温の急変や乾燥のため呼吸器の症状が多くみうけられ酸素療法が
必要な新生児も多い。
予防接種に関しては、日本の定期予防接種スケジュールと内容・時期が多少異な
るが、クリニックなどで接種が可能である。
(3)育児
産休・育休は産後 3 か月が法律で定められている。ベビーシッターは一般的ではな
く、お手伝いさん兼ベビーシッターとなる。日本より割高ではあるが、乳幼児の衛生用
品はピジョン製品なども購入可能である。市販離乳食は、果物のコンポートのみであ
り日本のような製品はない。
5.手術
(1)現地で可能な手術
大都市圏では、第3次医療レベル(脳外科、心血管外科、移植など)の手術も行っ
ており、ICU の設備も整っている。地方においては、盲腸などの 2 次救急レベルにと
どまる。緊急時などは都市部の病院への搬送が望ましい。
(2)手術設備の状況
前述の都市部の医療設備は先端医療機器が整っている。
6.現地での傷病
(1)一般の疾病
熱帯性気候に位置し雨期と乾期に分かれるが、低地の熱帯雨林気候から、ボゴタ
など位置する高地の冷涼で変化の激しい山岳性気候まで変化に富む。高地では、高
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山病症状や乾燥や大気汚染による呼吸器系疾患も多い。また全国的に細菌性食中
毒、アメーバー、ジアルジア症などの寄生虫症、A 型肝炎などの経口感染症もみられ
るため、不衛生な飲食店、屋台などは避けるようにすること。低地では熱帯感染症に
も注意が必要である。
【高山病について】2500m以上の高地に短時間で移動をすると約25%の人に何ら
かの高山病症状がみられるといわれている。その日の体調などによっても左右される
ため、日程には余裕をもち頭痛・息苦しさ・腹部の膨満感などの症状がみられた場合
には、無理をせず十分な休養を取ることを勧める。意識がもうろうとする、喘鳴がある
等重症の場合は、すぐに高度を下げる、緊急入院が必要となることもある。高山病予
防薬は薬局でも購入できるが、高血圧などの既往症がある場合には主治医に相談を
すること。
(2)風土病、感染症
海岸部、熱帯雨林部を中心に、例年デング熱、チクングニア熱、ジカ熱、マラリア、
黄熱などが報告されている。デング熱、チクングニア熱は、例年 1 万人を超える感染
者がでている。ジカ熱は 2015 年より流行し始め 2016 年 6 月時点では感染者数は9
1,156件(うち研究所による確定数8,221件)とされている。ジカ熱は症状が他の
熱帯感染症に比べると穏やかであるが、妊娠初期の感染による胎児の小頭症のリス
クやギランバレー症候群発症との関連が指摘されている。マラリアは年間 12-14 万人
の感染が報告されている。黄熱は予防接種の普及によりこの 10 年で 30 例程度にと
どまっている。
これらの熱帯感染症は、発熱、寒気、頭痛、嘔吐、関節や筋肉痛など主症状が似て
いる。デング熱や黄熱は重症化することもあり、マラリアは迅速な治療開始が求めら
れるため、流行地域に滞在後の発熱時は速やかに病院受診をする必要がある。また、
デング熱の場合、血小板低下がアスピリン・イブプロフェンなどの解熱剤によって増悪
してしまうため、確定診断がつくまでは発熱時の内服はアセトアミノフェンにとどめるこ
と。
蚊を媒介とする熱帯感染症が多く、防蚊対策をしっかりと行うこと。また、ジカ熱に
関しては感染者から性行為によっての感染も報告されているため、妊娠を検討してい
る夫婦は注意が必要である。
<その他>
性感染症も多いため気を付けること。
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(3)有害動物、病害虫
狂犬病汚染国である。7 年以上ヒトの感染者は報告されていないが、犬・オオカミな
どの発症例は報告されているため、渡航前に狂犬病予防接種を受ける、動物には触
れない、近づかないといった注意が必要である。
地方によっては、症例は少ないもののシャーガス病(土壁に住むサシガメ)によって
媒介される感染症)やリューシュマニア(サシチョウバエ)によって媒介される皮膚・内
臓の感染症)も報告されているため、皮膚を露出しないよう長袖、長ズボン、靴の着
用を心がける必要がある。
7.保健衛生
(1)飲料水
ボゴタ、メデジン、カリ、カルタヘナの上水道は飲用可能とされている。しかし安全
のため、上水道を飲用する場合は煮沸する、もしくはボトルウォーターの使用を勧め
る。
大 ・中都市やサン・アンドレス島では、Agua Cristal (アグア・クリスタル)と称する
濾過水を 10 リットル入りの大瓶で宅配しているので、長期滞在する場合は契約する
とよい。また、スーパーでミボトルウォーターを購入できる。
(2)濾過器の入手
輸入品フィルターが市販されている。日本製品はこちらの水道管の径に合わない。
(3)その他の留意点
内陸都市では、海産物(わかめなど)摂取しないため、ヨード不足による甲状腺機
能低下症の予防が必要である。ヨード入りの塩を購入するとよい。
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