平成27年度 浜松地区 感染対策地域連携を考える会 浜松地区 耐性菌サーベイランス報告 浜松医科大学医学部附属病院 感染対策室 概要 • 平成19年4月に施行された改正医療法により、す べての医療機関において管理者の責任の下で院 内感染対策のための体制の確保が義務化されま した。 • 本サーベイランスは、静岡県浜松地区(浜松 市・湖西市)における薬剤耐性菌の分離状況や 薬剤感受性の状況を調査し、各医療機関におけ る院内感染対策に有用な情報の還元等を行うこ とを目的としています。 公開情報 • 微生物検査により各種検体から検出される、薬 剤耐性菌における分離状況および特定菌種の薬 剤感受性率を継続的に集計・解析し、全参加医 療機関のデータをまとめて公開します。 サーベイランス実施体制 • 浜松医科大学医学部附属病院感染対策室は、参 加医療機関(感染防止対策加算1・2算定施設) の検査システム等から抽出されたデータを集計 し、解析評価を加えた情報を定期的(年1回)に 還元します。 • 本サーベイランスによって収集されたデータ は、医療機関における院内感染対策を支援する 等の目的以外には使用しません。 耐性菌サーベイランス調査内容 • 対象とする薬剤耐性菌 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) 基質拡張型β-ラクタマーゼ産生菌(ESBL)産生菌(E. coli、K. pneumoniae、P. mirabilis) 多剤耐性緑膿菌(MDRP) 多剤耐性アシネトバクター属(MDRA) • 特定菌種の薬剤感受性率 Pseudomonas aeruginosa Acinetobacter spp. Haemophilus influenzae Streptococcus pneumoniae 調査対象 MRSAの検出状況 期間 加算1:2011年1月~2015年12月の5年間 加算2:2013年1月~2015年12月の3年間 分離株 入院と外来を区別し1患者1株として集計 MRSAの分離比率 2015年 N=2376 N=1616 35.0% MRSA 加算1 MSSA 48.8% MSSA MRSA 51.2% 65.0% 外来 入院 30.8% MRSA MSSA 34.2% 加算2 MSSA MRSA 65.8% 69.2% N=240 N=433 MRSA分離率の年次推移(加算1) 100% 80% 60% 入院 外来 40% 20% 0% 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 MRSA分離率の年次推移(加算2) 100% 80% 60% 入院 外来 40% 20% 0% 2012年 2013年 2014年 2015年 MRSAの分離比率(加算1) 外来 入院 100% 100% 80% 80% A施設 B施設 60% C施設 A施設 B施設 60% C施設 D施設 E施設 40% F施設 D施設 F施設 G施設 G施設 H施設 H施設 20% 20% 0% 0% 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 E施設 40% 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 MRSAの分離比率(加算2) 2015年 2014年 2013年 外来 W施設 W施設 V施設 V施設 U施設 U施設 T施設 T施設 S施設 S施設 R施設 R施設 Q施設 Q施設 P施設 P施設 O施設 O施設 N施設 N施設 M施設 M施設 L施設 L施設 K施設 K施設 J施設 J施設 I施設 I施設 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2015年 2014年 2013年 入院 0% 20% 40% 60% 80% 100% 調査対象 ESBL産生菌の検出状況 期間 加算1:2011年1月~2015年12月の5年間 加算2:2013年1月~2015年12月の3年間 分離株 1患者1株として全患者(外来・入院)を対象 対象菌種 Escherichia coli Klebsiella pneumoniae Proteus mirabilis の3菌種 ESBL産生菌の検出件数(加算1) 600 P.mirabilis K.pneumoniae E.coli 500 400 検 出 件 数 300 200 100 0 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 ESBL産生菌の検出率の比較 2015年 20% 15% 検 出 率 加算1 加算2 10% 5% 0% E.coli K.pneumoniae P.mirabilis ESBL産生菌の検出率(加算1) 50% 40% 検 出 率 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 30% 20% 10% 0% E.coli K.pneumoniae P.mirabilis Escherichia coli のLVFX感受性率(加算1) 100% 80% ESBL(-) 感 受 性 率 60% 40% ESBL(+) 20% 0% 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 Klebsiella pneumoniae のLVFX感受性率(加算1) 100% ESBL(-) 80% ESBL(+) 感 受 性 率 60% 40% 20% 0% 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 Proteus mirabilis のLVFX感受性率(加算1) 100% ESBL(-) 80% 感 受 性 率 60% ESBL(+) 40% 20% 0% 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 ESBL産生Escherichia coliの検出率(施設別) 60% 加算1 50% A施設 B施設 C施設 D施設 E施設 F施設 G施設 H施設 40% 検 出 率 30% 20% 10% 0% 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 調査対象 Pseudomonas aeruginosa 期間 加算1:2011年1月~2015年12月の5年間 加算2:2013年1月~2015年12月の3年間 分離株 1患者1株として入院患者のみを対象 薬剤 PIPC、CAZ、CFPM、MEPM、LVFX、AMK 感受性率 Pseudomonas aeruginosa 2015年 100% 80% 感 受 性 率 60% 加算1 n=894 加算2 n=285 40% 20% 0% PIPC CAZ CFPM IPM MEPM CPFX LVFX AMK Pseudomonas aeruginosa 感受性率の年次推移 加算1 加算2 100% 100% 80% 60% 感 受 性 率 40% PIPC CFPM MEPM LVFX 20% 80% PIPC CFPM MEPM LVFX 60% 感 受 性 率 40% 20% 0% n=933 n=950 n=971 n=951 n=894 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 0% n=126 2012年 n=284 2013年 n=231 2014年 n=285 2015年 施設別感受性率(加算1) Pseudomonas aeruginosa PIPC 100% 80% 2011年 60% 2012年 2013年 40% 2014年 2015年 20% 0% A施設 B施設 C施設 D施設 E施設 F施設 G施設 H施設 施設別感受性率(加算1) Pseudomonas aeruginosa CFPM 100% 80% 2011年 60% 2012年 2013年 40% 2014年 2015年 20% 0% A施設 B施設 C施設 D施設 E施設 F施設 G施設 H施設 施設別感受性率(加算1) Pseudomonas aeruginosa MEPM 100% 80% 2011年 60% 2012年 2013年 40% 2014年 2015年 20% 0% A施設 B施設 C施設 D施設 E施設 F施設 G施設 H施設 施設別感受性率(加算1) Pseudomonas aeruginosa LVFX 100% 80% 2011年 60% 2012年 2013年 40% 2014年 2015年 20% 0% A施設 B施設 C施設 D施設 E施設 F施設 G施設 H施設 Pseudomonas aeruginosa の耐性化傾向 2015年(加算1) IPM(MEPM) 79 1215株 耐性 (6.5%) 32 (2.6%) 1 (0.1%) 0 (0%) CPFX(LVFX) 耐性 61 (5.0%) 7 (0.6%) AMK耐性 15 (1.2%) Pseudomonas aeruginosa の耐性化傾向 2015年(加算2) IPM(MEPM) 18 333株 耐性 (5.4%) 10 (3.0%) 2 (0.6%) 0 (0%) CPFX(LVFX) 耐性 25 (7.5%) 0 (0%) AMK耐性 2 (0.6%) Pseudomonas aeruginosa の2剤・3剤耐性(加算1) 10% 2剤耐性(IPM+CPFX) 2剤耐性(IPM+AMK) 8% 2剤耐性(CPFX+AMK) 3剤耐性(MDRP) 検 出 率 6% 4% 2% 0% n=1303 2011年 n=1263 2012年 n=1319 2013年 n=1318 2014年 n=1215 2015年 調査対象 Acinetobacter spp. 期間 加算1:2011年1月~2015年12月の5年間 加算2:2013年1月~2015年12月の3年間 分離株 1患者1株として入院患者のみを対象 薬剤 PIPC、CAZ、CFPM、MEPM、LVFX、AMK Acinetobacter spp. の耐性化傾向 2015年(加算1) IPM(MEPM) 2 256株 耐性 (0.8%) 0 (0%) CPFX(LVFX) 耐性 33 (12.9%) 0 (0%) 1 (0.4%) 0 (0%) AMK耐性 2 (0.8%) Acinetobacter spp. の耐性化傾向 2015年(加算2) IPM(MEPM) 0 37株 耐性 (0%) 0 (0%) CPFX(LVFX) 耐性 2 (5.4%) 0 (0%) 0 (0%) 0 (0%) AMK耐性 2 (5.4%) Acinetobacter spp. の2剤・3剤耐性(加算1) 10% 2剤耐性(IPM+CPFX) 2剤耐性(IPM+AMK) 8% 2剤耐性(CPFX+AMK) 3剤耐性(MDRA) 検 出 率 6% 4% 2% 0% n=224 2011年 n=296 2012年 n=278 2013年 n=241 2014年 n=256 2015年 調査対象 Haemophilus influenzae 期間 加算1:2011年1月~2015年12月の5年間 分離株 1患者1株として全患者(外来・入院)を対象 薬剤 ABPC、CTRX、MEPM、LVFX、CAM 感受性率の年次推移(加算1) Haemophilus influenzae 100% ABPC CTRX 80% MEPM 感 受 性 率 LVFX 60% CAM 40% 20% 0% n=816 2011年 n=1148 2012年 n=1007 2013年 n=1078 2014年 n=1173 2015年 調査対象 Streptococcus pneumoniae 期間 加算1:2011年1月~2015年12月の5年間 分離株 1患者1株として全患者(外来・入院)を対象 薬剤 PCG、CTX、MEPM、LVFX、CAM 感受性率の年次推移(加算1) Streptococcus pneumoniae 100% PCG CTX MEPM LVFX CAM 80% 60% 感 受 性 率 40% 20% 0% n=858 2011年 n=920 2012年 n=906 2013年 n=842 2014年 n=868 2015年 問い合わせ 浜松医科大学医学部附属病院 感染対策室 〒431-3192 静岡県浜松市東区半田山1-20-1 電話:053-435-2799
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