音声内容のテキストはこちら - 一般社団法人 日本先進医療臨床研究会

の係わり
第9章 :現 代西洋医学と
方
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あなたが、ある目標に向かって 自らを強 く駆 り立てねばな らな いとき、また、プログラムがあなたにイメージングを求めるとき、
「息づかいが感 じられるほど鮮やかに心に描 くこと」を意味 します。このベー ジは、そ うしたあなたの鮮やかなイ
それは、いつも、
「象徴物pた めに設けてあ ります。写真、絵、図面、リス ト.… … あなたの鮮やかなイメー ジング助けるもので
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あれば何でも貼って ください。
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第9章 :現 代西洋医学との係わり方
■科学 的医学 は唯物論 に支配 されて い る。
■大学病 院 は、時 と して患者 の安 全 よ り、研 究、教育 を優 先 す る場合が あ る。
■行 き過 ぎた検査 が 、過剰 な治療 を誘発す る。
■安 易 に手術 を承諾す るな。
■ い や な医者 に当た って も科学 的医学 を見切 る必 要 はない 。良 い 医者 は必 ず い る。
■意思表示 カ ー ドの提 出は、過剰診療 か らあ なた を守 る。
■病気 になった ら、 よ く話 し、 よ く質問 し、 よ く訴 え、絶対 に我慢 しな い こ と。
■告知 と承認 の 原則 は 、患者 主 体 の 医療 を実 現す る鍵 。
■ あ なた と主 治医 は 当事者。不安 な場合 は必 ず第 三 者 の介 入 を。
■ 医師 も普通 の 人間であ る こ とを忘 れ ず に。
■ ナ ース は 、 しっか りと病気 と向 き合 う患者 を好 む。
■入院 中 はNRMBの 実行 を日課 と しなけれ ばな らない 。
今世紀 にな り、西 洋医学 は 目覚 しい発展 を遂 げ ま した。今 日で は分子 生物 学
との 連携 をます ます強めて、生 命現象 そ の もの が理論 的 に体系付 け られ よ う と
して い ます。 われわれは この現代西洋 医学 を信 じ、そ の す ば らしい進歩 に賞賛
を送 りなが ら、 自らの 命 とい うかけが えの な い財 産 を何 の疑 い もな く委 ねて き
ま した。そ して、われ われ は、 これか らも、 い ままで と同 じく、西洋医学 を中
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ヽとした医療 と深 く係 わ って ゆ くこ とには まちが い あ りませ ん。 しか し、あ な
亡
たが ヘ ルスモ テ ィベ ー シ ヨナ ル プ ロ グラムのユ ーザ ー とな り、健康 であ る こ と
の定義 、 自然治癒 力 、病気発 生 の メカニ ズム 、権利 と して の 医療 とい うそ れぞ
れの概 念 を身 につ けた い ま、あ なた の現代西洋医学 に対す る見方 は微妙 に変化
して い るので はないで しょうか。
第 9章 で は 、現代西洋医学 を科 学 的医学 と呼 び、 もう一 段 深 く掘 り下 げなが
ら、そ れが 、本 当 にわれわれの健康維持 に寄与 す る救世 主 な のか 、 一 歩 さが っ
て 、そ の現 実 を冷静 に評価 してみ る こ とに しま しょう。
■万能 ではない科学的医学
ホ メオパ シー 医学 の提 唱者 、 サ ミュエ ル ・ ク リスチ ャ ン・ハ ー ネマ ンに よつ
て ア ロパ シー 医学 と命名 された当時 の西洋 医学 、 い わゆ る英雄 医学 は、 さまざ
まな紆 余 曲折 を経 たあ と、今世紀後半 には分子 生 物学 との連 携 を強め、科学 的
医学 として圧 倒 的 な進歩 と拡 大 を続 けて い ます。 それは、他 の どの 医学 を も し
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の ぐ患 者数 と医師数 を擁 し、知 的象徴 で あ る一流大 学 の権威 を背景 に、莫大 な
資 金 と、数 多 くの 関連科学 を従 えて、法律 や宗教 に も劣 らない 強大 な社会 的影
響 力 を及ぼす まで にな りま した。先進 国、特 にその都市部 にお い ては 、科学 的
医学 は、 ほぼ唯一 の 医療手段 と捉 え られて い て 、 人 々は病気 になった と きの救
世主 の よ うに、完全 にそれ に頼 りきつてい るのです 。
あ なたは風 邪 をひ い た り、皮膚が荒 れた りす れば病 院 にゆ くで しょう。 あ な
たが 「お 医者 さん」 として 身近 に感 じて い るの はほ とん どの場合 、西洋医学 の
病 院 の は ず です 。 しか し、あ なたはそれ を意識 して い るで しょうか。 つ ま り、
科 学 的医学 は 、 われ われ にそれ を意識 させ な い ほ ど身近 にあ る医療 な ので す 。
そ して、そ の 、 め ざ ま しい進歩 と圧 倒 的 な優 位性 は、あ たか も科学 的医学 が万
能 で あ るか の よ うな印象 を人 々 に与 え、「病 気 にな った ら病 院 へ 行 けば治 る」
とい うまちが った考 え方が定着 しつつ あ ります。 この 考 え方 は特 に若 い世代 に
顕著 で 、幻想 に近 い そ の安心感 と引 き換 えに、彼 らに、徹底 した良 い生活習慣
の破壊 と、善悪 の判 断基準 の 崩壊 を もた ら して い るのです 。 しか し、残 念 な こ
とに、 ア ロパ シー医学 は現在 も万 能 で は あ りませ ん。 それ は、 い まだ迷 い 、苦
悩 しなが ら、完全 とい う永遠 とも思 える ゴー ル に向 か って 、苦 しい戦 い を続 け
て い るのです 。
科学 的医学 がその 本領 を完 全 に発揮 で きる分野 は 、現在 の ところ、外科手術
を ともな う治療 、細 菌性 感染症 に対 す る治療 、そ して救急 医療 に過 ぎませ ん。
一 方 、一 部 の変種 を除 くガ ン、 ア レル ギ ー疾患 、 自己免疫疾患 、 ウイルス性 の
急性 感染症 、代謝性疾患 、機能性疾患 に対 して は、未 だ 、殆 ど無力 とい って も
過言 で はないの です。 あ なたが けが を した り、熱 が高 く、 リ ンパ 腺 が 腫 れて い
る よ うな場 合 は 、科 学 的医学 が そ の 本領 を発揮 します。 しか し、 ガ ンや肝炎 、
糖 尿病 、 リュ ウマ チ、 エ イズ とい った病気 の前 には、未 だ、治療 の 決 め 手 を持
たな いの が 実情 です。
科学 的医学 の 発展 は 、そ の すべ てが 、 この 150年 の 間 に達成 された もので す。
そ れ以前 の 西 洋 医学 、特 に1780年 か ら1850年 にか けての70年 間 は 、「英 雄 医学
の 時代Jと 呼 ばれ 、そ の理論 は極 めて非科学 的で、不衛生 この 上 な い 、野蛮 な
処 置 が あ た りまえ の よ う に行 なわれ て い たの です 。 そ の 当時 の 治療 の主 役 は
「潟 血 」、す なわ ち、 メスの一 種 で あ る ラ ンセ ッ トで 静脈 を切 断 し、大量 の血 液
を抜 くとい う、極 め ておぞ ま しい もので した。 一 回 の 処 置 で500ミ リ リ ッ トル
も出血 させ る こ とは ざらで、当時 の 治療 が い か に無謀 だ ったかが よ くわか りま
す。
こ う した処置 の正 当化 は 、 エ デ イ ンバ ラ大 学 の物理学科教授 、 ウ イリア ム ・
カ レンらが 提 唱 して い た 「疾病 一 元論」、す なわ ち 「 あ らゆ る病気 は悪 い 血 液
か ら生 じて い るか ら
)、
そ の血 液 を取 り除 けば治癒 す る」 とい う、常軌 を逸 した
医学理論 に起 因 して い るので す。 また、潟血法 と併用 され て い たその他 の療 法
も、負 けず劣 らず野蛮 で、塩 化第 一 水銀 を用 い て激 しい 下痢 を起 こ させ 、毒物
を排 出 させ よ う とす る もの や、熱 した コ ップの 吸引力 を使 って 、幹部周辺 の悪
い血 液 を吸 い 出す と した吸 角療法 、果 ては 、毒素 を抜 くと称 して、故意 にやけ
どをさせ 、皮膚 に水泡 をつ くって 、そ の分泌液 を解 毒 の証 とす る療 法 な ど、お
よそ現 代 で は考 え られ な い ような治療 法が公然 と行 なわれて い た ので す。
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ハ ー ネマ ンは そ う した医療 の実態 を「的外 れ な」 とい うギ リシ ャ語 か ら、軽
蔑 の 意味 をこめて 、 ア ロパ シー 医学 と命名 した のです。 しか し、現 代医学 が こ
う したア ロパ シ ー の面影 をい ま も引 きず ってい る と考 えるの は誤 りで す。科学
的医学 は この 150年 の 間 に 、極 め て合理 的 に体系 化 され、生命現 象 の 何 たるか
をひたむ きに研 究 して きた実績 が あ ります。 そ して 、そ れ は、 自然科学 の頂 点
を成す 科学 と して、 さまざまな伝 染病 、難病 を克 服 して きた とい う偉大 な足跡
を残 して い るので す。
しか し、近 年 になって 、科学 的医学 は 、激 しい批 判 に さ らされ て きま した。
治療 を受 けなが ら、感謝す る どころか 、怒 りと恨 み を爆発 させ る患者 は 日増 し
に増 えて い るのです 。最 近注 目され る よ うにな ったホ リス テ イック医学 の 医師
た ち も、 この機 に乗 じて、 自らの 、効果的 な療 法 を確 立す るべ き時 間 の ほ とん
どをア ロパ シー 医学 の批判 に費 や して い ます。 しか し、それ らの 中 には不 当 な
もの も多 く、 中 には 自家撞着 に陥 っている もの さえあ ります。彼 らは、外科 医
の こ とを、患者 の体 をむやみ に切 り刻 む、 中世 ヨー ロ ッパ の 床屋 医者 の 末裔 と
言 い 、内科 医 を氷 の よ うな笑 み を浮 かべ た経 済 一 本槍 の ビジ ネスマ ンと酷評 し
ます。 しか し、 この批判 は明 らか に まちが ってい ます。熟練 した外 科 医 の手術
は 、そ の手際 、 で きあが りとも、真 の芸術 と呼 べ る もので あ り、破損 した人体
の一 部 を修復 して、危機 に瀕 した患者 の命 を濠1的 に救 済 します。 また経験 を積
んだ 内科 医 の 中 には、勤勉 で利 己心 の まった くな い 、医師 の理想像 の よ うな人
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が た くさん い て 、多 くの 病気 に苦 しむ患者 を′
亡
身両 面 か ら救 済 して い るので
す。
また、 ア ロパ シー 医学 の批判者 たちは、薬 はす べ て毒 であ る と し、 われわれ
は医師 と薬屋 の 策謀 には まってい る哀 れ な群集 である と声 高 に叫 び ます。 しか
し、あの 、悪名高 い ス テ ロ イ ド剤 で さえ、あ る一 定期 間 に限定 して、善意 あ る
医師 の管理 の元 で 使用す れば、気 の遠 くな る ようなか ゆみか ら患 者 を解放す る
の に役立 つ ので す。皮膚 を掻 き壊 して血 だ らけ になるこ ともい とわ ない重症患
者 に、キ ノ コの 煮汁 を与 え、瞑想す るこ とを勧 めて も何 の解 決 に もな らない こ
とは 明 らか な の に もかかわ らず 、彼 らはア ロパ シー医学が あ たか もそ の原 因 を
つ くった張本 ノ、で あ るかの よ うに糾弾す るので す。
それ らは多 くの場 合、批判 の ための批 判 に終始 し、双方 の勢力 には さまれ た
患者 自身 には、何 の利益 ももた らさな い論争 になって い ます。 われ われ は、 い
まの ところ、 中立 な立場 の傍観者 と してそ の論争 の行方 を注視 す る しかあ りま
せ ん。
さまざまな医学新 派、代替 医療 が 、 い か に科学 的医学 を酷評 し、それ に代 わ
る新 たな治療法 を紹 介 しつづ けた と して も、や は り、医療 の 中心 か ら科学 的医
学 をはずす こ とはで きませ ん。 なぜ な ら、 われ われの 考 える 自然 治癒 力が、代
替 医療側 に立 つ 人 々の言 うそ れ と明 らか に違 っているか らなのです。
バ イ タル システムズの 考 える 自然 治癒 力 とは 、ゴール デ ンルー プ、す なわ ち、
、と した治癒 シス テ ムで あ る こ とは何 度 も申 し上 げ ま し
マ ク ロ フ ァー ジ を中′
と
た。 そ して、それ は 、免疫系 が深 く関与 して起 こ る、細胞 の死 と、そ の分化 の
バ ラ ンスの 上 に立 って生 体 を維持 す る細胞 の新 陳代謝 にほか な りませ ん。 われ
われ は代替 医療 の側 に立 つ 人 々 と同 じく心 の分野 を重視 しますが 、そ れ は気 の
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メモ
め ぐ りや、超 自然 的 な力で はな く、 ス トレス とい う精神 的 なプ レ ッシ ャーが健
康 に与 える影響 なのです 。
つ ま り、 われ われが追 い かけ る 自然治癒 力 とは、他 な らぬ科学 的医学 と、分
子 生物 学 が、 ガ ンや 自己免疫疾患 の 治療 を可 能 にす るため に、 い ま、 まさに解
明 しようと して い Z3免 疫系 の姿 と、細胞 の積極 的 な死 で あ るアポ トー シスの仕
組 みの裏 に、そ の答 えが 隠 されて い るシステ ム であ り、 われわれ に とっての心
の 問題 とは 、精神神経 免疫学がやが て明 らか にす るであ ろ うス トレス と生 体 シ
、
の
ス テ ムの 関係 、す なわ ちス トレス に よつて弱体化 す る三 大 生 体 システム と′
亡
関係 にほか な りませ ん。 つ ま り、 われわれ に とって 、科学 的医学 とは 、 日々新
しい治療 法 を開発
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、他 の 自然科学 との綿密 な連携 の元 にそ の仕組 み を理論 的
に体系 づ け よう とす る、 自然科学 の頂 点 に立 った学 問 で あ る こ とは疑 う余地が
な いの です 。
それで は 、そ れほ どまで に優 れた科学 的医学 が 、 なぜ 、 い ま激 しい批判 にさ
らされて い るので
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ょうか。それは、 ひ とえにその運用 の まちが い 、倫理 の 欠
如 が招 い た批判 にはか な りませ ん。 ヒポ クラテ スの 訓令 を忘 れて しま った 、一
部 の愚 か な医師 たち と、す べ て に対 して金銭 が優 先す る、心無 い病 院経営者 た
ちが、紀元前 か ら厳然 と存在 した「医の倫理 」 を踏 み に じつて 、 この す ば ら し
い 自然科学 をだめ に して しまうとす れば 、そ れ は人類 に とつての 大 きな損 失 で
あ る と同時 に、生命 とい う崇高 なテ ーマ と向 き合 ってい る多 くの研 究者 や、患
者 を苦 しみか ら救 お う と、寝 食 を忘 れて奮闘 して い る 、優 れた医師 たちに対す
る、 この上 な い 冒涜 とい わねばな りませ ん。
以下 は 、科学 的医学 を傷 つ け、患者 と医療 との 間 にバ リアを作 ってい る、人
間的 に未 熟 で 、愚か な医師たちや、病 院関係者 た ちが犯 して い る三 つ の大罪 で
す。
(1)唯 物 主 義 とい う罪
ア ロパ シ ー 医学批判 の 第 一 のポ イ ン トは、その生 い 立 ちに起 因す る唯物 主 義
的側面 だ とい われて い ます。近代西洋 医学 は 、西洋社 会 と、 さまざまな科学思
想 を支配す る唯 物 主 義 の 影響 を色 濃 く受 け て い ます 。唯物論 とは 、物 質 を根本
的 に実在 と し、精神 や意識 を も物 質 に還元 して とらえる とい う考 え方 で す。す
なわ ち、精神性 、思考 、感情 、信念 とい った非物 質的 な因子 の重要性 だけで は
な く、場合 に よってはその 存在す ら認 め な い傾 向 があ るのです 。す なわち、 こ
れ こそが、医師 は一 人の人 間 と しての患者 を診ず に、一 つの物 質 と しての肉体
しか診 て い ない といわれ る所 以 なのです。科学 的医学 が 「心 が な い」、「画 一 的
だ」 として批 判 を受 け るの は 、 この 唯物 主 義 を背景 に持 つ か らにほか な りませ
ん 。医師 は 、 自 らの適性 を正 し く判 断 して、研 究者 か臨 床医 か を選択 す べ きな
のです 。 なぜ な ら、研 究者 的臨床 医 は患者 を傷 つ け、臨 床医的研 究者 は なに も
発 見す るこ とはで きな い か らで す。
この節 の キ ー ワー ドは 、「科学 的医学 は唯物論 に支配 されて い る」、 で す。
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(2)英 雄 医学 回顧 とい う罪
1976年 、 カ リフォルニ ア州 ロサ ンゼルスで、医師が英雄医学 に逆戻 りしてい
るのではないか と疑わせ るような出来事がお こ りました。 この とき、医師 はそ
の待遇改善 を求めてス トライキを行なっていたのです。四 日間にわたるス トの
あい だ、 ロサ ンゼルス市内で行 なわれた手術件数 は通常 の40パ ーセ ン トにも落
ち込み、診療 も緊急性 の高 い救命救急 セ ンター に限って行 なわれてい ただけで
した。 しか し、 この期間中、市内の死亡率がなんと18パ ーセ ン トも下がつたの
です。医者が働かなけれ ば死亡率 が下がる とい うこの皮肉な結果 は、 しか し、
不必要 な手術の存在 を如実 に物語 ってい ます。
そ して、 この事実 は、外科医たちに対 しメスの乱用、誤用 を強 く警告 してい
るのです。深 く考えず に薬 を乱発する危険な内科医にもまして、前後 の見境 な
くメス を振 り回す、適性 を欠 い た外科医の存在 は、 われわれの健康 にとって、
大 きな脅威 となるのです。
この節 のキー ワー ドは、「安易 に手術 を承諾するな」、です。
(3)権 威主義 とい う罪
医師の中 には、 自分 は特別な人間で、神 に天分 を与 えられたといった、 とん
で もない誤解 をしてい る人がい ます。その多 くは、大病院で働 く勤務医で、組
織 と、その名前 の持 つ権威 を背景 に、人 を人 と思 わない ような不遜 な態度で、
診察 に訪れた患者 を萎縮 させ、無口である ことがあたか も医師の権威 を強める
と言 わんばか りに、症状 に関す る説明 をほとん どしない など、的外れで、無意
味な診療 を続けてい るのです。
彼 らは、「患者 などに何がわかる」 とい う、 まちが った優越感 を持 ち、患者
が質問をすると、決 まって怒 りだす とい う、手 のつ け られないパーソナ リテイ
ー を引 きず ってい ます。 こうした権威 主義は、イ ンフ ォーム ドコンセ ン トの機
会 と権利 を患者か ら奪 い、患者 に無用 なス トレスを起 こさせて、医療 を台無 し
にして しまうのです。
こう した医師は、 自ら医師の資格 がないばか りか、科学的医学 か ら患者 を遠
ざけて しまうとい う大罪 を犯 して しまうのです。科学的医学 を見切 って、代替
医療 に走 った人 々が、その理由の第一 に挙 げ るのが 、 こ う した 「いやな医者」
の存在 です。
この節 のキー ワー ドは、「いやな医者 に当 たって も科学的医学 を見切 る必要
はない。良 い医者 は必ず い る」、です。
■科学的医学 と有効 に係わるための七原則
科学 的医学 は 、 さまざまな優 れ た面 を もってい ます。 しか し、そ の 運用面 で
の行 き過 ぎ、患者主導 で はな く、医療 主 導 の姿勢 な ど、 この章 で はその さまざ
まな欠点 を指摘 して きま した。 あ なたが、 これ らの欠点 に よって被 害 を受 け る
こ とな く、そ の優 れ た債1面 を有効 に享受す るため には、あ なた の収1か らの能動
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メモ
的な働 きかけがなければな りません。
これか ら学ぶ七原則 は、あなたを主人公 とした医療 を実現するための重要な
舞台設定 です。たとえ、あなたが い ま健康で も、病気で入院する事態 を迎えた
さい に慌 てない よう、 これ らの原則 をい まの うちか らしっか りと身 につ け、い
ざとい う ときには迷わず励行で きるように してお きましょう。
(1)意 思表明カ ー ド
病気 で入院をする際、あなたは身の回 りの ものを用意 し、留守宅の こまごま
した ことや、その 月の支払 いなど、ひと通 りの準備が で きてい るか どうか確認
す るで しょう。 しか し、 どんなに几帳面な人で も、一つ だけ大切 な ことを忘れ
ている場合が多 いのです。それは、あなた 自身のこと、すなわち、あなたが こ
れか ら受ける医療 の範囲を自ら決 めて、それを病院倶1に 表明す るとい う準備 で
す。
意思表明 カー ドとは、 こうしたあなたの意志 を明確 に病院側 に表明す るもの
です。あなたの病気 が重 くなって、あ る一定期間、病院側 と、意志 の疎通がで
きな くなることも考えられます し、その まま死 に至 ることもまった くない とは
言 い切 れ ません。 またそ うでな くて も、入院早 々、治療 の範囲を医師に対 して
口頭で表明す るとい うの もなかなか難 しい ものです。意思表明 カー ドは、あな
たの意思 を文書 に し
ノて正確 に医療担当者 に伝 えるとい う、あなた主体 の医療 を
実現するために大変重要 な役割 を果 た します。そ して、 い ざとい うときの準備
を整 えたとい う安心感があなたを無用なス トレスか ら解放 して くれるのです。
意思表明 カー ドの提示 は、特 に大病院 に入院する際、重要 とな ります。大病
院、 とりわけ大学病院の場合、診療 とい う目的 と同時 に、研究、教育 とい う役
割 を持 ってい ます。つ まり、研究 のため には可能な限 り多 くのデータを取 りた
いわけですか ら、い きおい、過剰 な治療や投薬、不必要な手術 に走 る場合 もな
い とは言 い きれません。 また、一分、一秒 で も延命 させ ることを理想 とする科
学的医学 の倫理観 も、大型医療機関では画一 的に踏襲 される傾向があ ります。
あ る医師会が、麻酔学 会、ICU学 会 、蘇生学会 の評議委員 を対 象 に して、
「あなたは末期 ガン患者や事故 によって重 篤 な傷害 を受けた危篤状態 にある患
、
と
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肺蘇生術やその他 の生 命維持行為 を行 な う必要がある と思い ますか」、
とい うア ンケー トを行 なったことがあ ります。その結果、97パ ーセ ン トまでの
医師が、「その必要はない」 と答えているのにもかかわ らず 、実際の現場 では、
あいかわ らず、儀式化、形骸化 した延命治療 が続けられてい るのです。 ここに
は、やが て遺族 となる人 々 に対す るジェスチ ャー、「あの先生 は最後 まで、あ
んなにがんばって くれた」 とい う印象 を与 えるためのポーズ とい う意味合 いが
多 く含 まれてい ることは否定 で きません。大学病院の医師 も結局は職員の一 人
に過 ぎず、あなたが求 めない限 り組織が求 める方向性 を逸脱することは しない
とい うことなのです。
また、大学病院 には新薬開発、新規医療機器 の導入 とい うビッグ ビジネス も
深 く関与 してい ます。薬や医療機器が市場 に出るためには、厚生省 の薬事許可
を必要 とします。そのため、薬品会社や医療機器業者はその構造や効能、効果
を詳 しくうた った薬事許可 申請書 とともに、大学病院の入院患者 を対象 に した
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臨床試験 デー タ、す なわち、「治験結果報告書」 を添付す る決 ま りになってい
るのです。患者 に同意 を求めてか ら行な うことが前提 とは言 え、弱 い立場 の病
人がモルモ ッ トにされてい る場合 もあ り、 これでは患者主体 の医療 とはとて も
言 えません。 また、大学病院は、当然、世間の評価が高 く、最新 の設備が充実
していて、患者本人や家族 には、光 り輝 く医学 の殿堂 に映 ります。
しか し、 よ く考えてみて ください。それだけの最新設備 を採用するとい うこ
とは、莫大な金銭的投資 をしたとい うことです。そ して、それ らの設備 を稼動
させ るには、多 くの優秀 なス タッフを必要 とします。すなわち、かな リコス ト
の高 い病院経営 をしてい るとい うことになるのです。過乗1な 治療や投薬 は、 こ
うした コス トを少 しで もカバー したい とい う経営サ イ ドか らの力が大 きく働 い
てい るとい うところにあなたは気づ かなければな りません。つ ま り、先 ほどの
ア ンケー トの結果 と、現実が大 きく乖離 してい る原 因が ここにあるのです。
あなたが こう した現実 を知れば、 自らが受けた くない過剰 な治療や投薬 を拒
否す る権利 があるとい うことも同時に理解で きるはずです。 フォーム集 の中に
「意思表明 カー ド」 の雛型があ ります。
あなたが第 8章 で学 んだ、良い医師の条件 にかな う主治医にまだめ ぐり合 え
ず、必要 に迫 られて大病院で治療 を受ける場合 には、必ず このフ ォーム に必要
事項 を書 き込み、自らの意思 として病院倶1に 提出 して ください。
医師 の第一の鉄則。彼 らが晴 れて医師になるときに誓 い、そ して朗読 した、
あの ヒポクラテスの訓令、「医者 は患者 に害 を与 えてはな らない」 とい う医師
本来 の義務 をもう一度担当医に思 い出 して もらわなけれ ばならないか らです。
この節 のキー ワー ドは、「意思表示 カー ドの提 出は、過剰診療 か らあなたを
守 る」、です。
(2)自 覚症状 をは つき りと表明す る
あなたは治療 を受ける際、自らの 自覚症状 を明確 に医師に伝 える必要があ り
ます。難 しい言葉 を使 わず、理路整然 と、い ま自分が感 じてい る不快感、痛 み
などを正確 に表現 し、伝 えなければな りません。誇張 もだめ。控 えめ もだめで
す。病院へ 向か う道すが ら、診察 の際 には、 こう説明 してなどとシナ リオを作
っていって も、医師の前 に座 ると、その半分 も言 えない などとい う患者 をよく
見かけますが、それでは医師に治療 の ヒン トを与 える ことがで きません。 ここ
で も、患者 自ら「 自分主体 の医療 を受ける権利」 を放棄 して しまってい るので
す。
理想 の患者像 とは、自己主張 が強 く、わか らないことは常 に質問 して、不快
感や痛 み といった症状 を明確 に表明 し、それを絶対 に我慢 しない とい う姿勢 で
す。 うるさい患者だ と煙 たが られる ことなど問題 ではあ りません。医療 を受け
る第一の原則 を思 い出 しましょう。医療 の主役 は「あなた自身」 なのです。
この節 のキー ワー ドは、「病気 になった ら、 よ く話 し、 よ く質問 し、 よく訴
え、絶対 に我慢 しないこと」、です。
@Copy rightVital/Systems, lnc. All right rcserved.
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メモ
(3)イ ンフ ォーム ドコンセ ン ト
治療 を受 ける際、あなたは、 自分がい まどんな病気 にかか つていて、一般的
に、その病気 はどんな過程 をたどり、 自分 はい まどの段階 にあって、 どのよう
な治療の選択肢があるのかを知 る必要があ ります。治療 を開始する前 に、あな
たはこの一連 の説明を医師か ら受けなければな りません。 これ をイ ンフ ォーム
ドコンセ ン ト、「告知 と承認 の原則Jと いい ます。
欧米ではイ ンフォーム ドコンセ ン トは医師の義務 とされ、それを正確 に行な
わず に治療 をすると、医師自身が罰せ られる場合 もあ ります。 しか し、 日本で
はなかなか この原則が定着 しません。背景にはガ ン告知 の問題があるようです
が、中には、「患者 な どに説明 して もわかるわけが ない」 などと考 えてい る、
呆 れた医師 もい ます。 この章 の前半 で も述べ た とお り、われわれは患者に病状
や医療方針 の説明 を怠 った り、傲慢 な態度で患者 を萎縮 させた りするような医
者 は、医師の資格 を自ら放棄 した もの として、医療 を受ける対象か ら除外 して
い ます。 もし、「告知 と承認 の原則」 に難色 を示 した り、「そんな ことは、まだ
わか らん よ」、な どと、言葉 を荒げた りす るよ うな医師 であれば、あなた は、
ため らうことな く診療 を中止 して、別の病院に向か うべ きです。
医療 の絶対的原則 とは、医師 は患者 に現在 の状態 を正確 に説明 し、い くつか
の治療法 と、それぞれの メリッ ト、デ メ リッ トを示 し、患者がその説明 に基づ
き、 自己責任 におい て選択 をするとい うことです。 これを、一般の経済活動 に
置 き換 えてみればさらにはっきりとわか ります。例えばあなたが車 を買う場合、
セールスマ ンか らい ろい ろな車種 の説明 を受け、あなたの判断で決定するのは
あた りまえのことです。あなたが ミニバ ンを買いたいの に、セダ ンでなければ
売 らない な どとい うセ ールスマ ンはい ません。 イ ンフォーム ドコンセ ン トは、
あなた自らがそれを望む ことで、患者主体 の医療 を実現する第一歩 となるので
す。
この節 のキー ワー ドは、「告知 と承認 の原則 は、患者主体 の医療 を実現す る
鍵」、です。
(4)セ カ ン ドオ ピニ オ ン
セカン ドオ ピニ オ ンとは、自らの病気 に対する医学的な見解 を主治医だけで
はな く、 もう一 人、ほかの医師にたずねてみるとい うことをさします。あなた
が、第 8章 で学 んだ良い医師の条件 にかなう主治医にすでにめ ぐり合 ってお り、
その主治医の説明だけで充分に納得がで きる場合には、 もちろんそんな必要 は
あ りません。しか し、あなたに少 しで も不安が残 る場合、べつの視点か ら診 た、
もう一 人の医師の意見 を聞いてみるのはたいへ ん重要 な ことです。仮 にそ うし
た医師が い ない場合 は、同 じような症状 で悩 んだことのある友人、知人で も構
い ません。いずれにしろ、第三者の意見 はあなたの不安 を和 らげ、 まちがった
医療 にはまって しまうリス クを下 げる効果があ ります。
この節 のキーワー ドは、「あなた と主治医 は当事者。不安 な場合 は必 ず第三
者 の介入を」、です。
752
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(5)医 師 とうま く付 き合 う
入院が長期 にわたる場合、病院倶1と の人間関係がたいへ ん重要 にな ります。
と りわけ医師 との関係 は重要 です。医師 との関係がギクシヤクす ると、あなた
は強いス トレスに見舞 われることにな り、病気 の回復 を阻害す る因子 となるか
らです。
医師 と患者 の 関係 は社会通念上 、「強者 と弱者」 の 関係 と思 われてい ます。
しか し、 この考えはまちがってい ます。医師は特別な教育 を受けた専 門家 には
違 いあ りませんが、だか らといって、あなたの上にたつ立場の人ではあ りませ
ん。
あなたが仮 に芸術の分野で成功 を収めた人であ ったと します。そ うだ とす れ
ば、あなたには医学 の知識 はあ りませんが、医師 はあなたの ように美 しい絵 を
えが くことはで きないのです。すなわち、あなた と医師 は分野が違 うだけであ
って、上下の関係 ではない ことをまず認識すべ きです。
第二 に、医師 も同 じ人間であるとい う視点 に立 って考 える必要があ ります。
そ して、医師 とは概 して、良 くも悪 くも世間知 らずの債1面 を持 っています。病
院では常 にお山の大将的立場 に置 かれてい ます し、外では先生 といわれて、い
やがお うにも高 い プライ ドを持 つ ようになって しまうのです。あなたはそのプ
ライ ドを傷 つ けるようなや り方 で、医師 と対等 である ことを示 してはな りませ
ん。あなたはそ う した ことを意識せず に、 ただ、 日常生活 の 中で良好 な人間関
係 を結ぼうとする際 に必要な ことを心がければいいのです。強者 と弱者 を意識
した卑屈 な態度 もい けませんが、対等 を意識するあまり、攻撃的になって もい
けません。
あなたは病気 になって医師の援助 を求めにきているわけですか ら、 自らの主
張 を しっか りとす る と同時 に、あた りまえの社交辞令、す なわち、「よろ しく
お願 い します」 と、「先生 にはいつ もよくしていただい て感謝 してい ます」、 と
い う言葉 を忘れない ようにすればいいのです。
ほ とんどの医師は、い まはどうあれ、医師を志 した ころは何 らかの慈善的動
機 によつてその道 を選択 してい ます。 ヒポ クラテス、 ジェンナー、野口英世 な
どが彼 らの ヒーローであ り、僻地医療や、国境 なき医師団の活動 にも一度 はあ
こがれた時期があ ったにちがいあ りません。つ まり、彼 らは概 して慈父的であ
り、患者 が 自分 を頼 りにしてい るとい う実感 をもてば、全力でその信頼 に応 え
ようとす るものなのです。
この節 のキー ワー ドは、「医師 も普通 の人間であ ることを忘れずに」、です。
(6)ナ ース と うま く付 き合 う
医師 は、患者 の症状が安定 していれば、一 日数回 しか病室 に顔 を出 しません。
しか し、ナース は患者 の 日常的世話 をするため、それだけ接触す る時間が多 い
わけです。すなわち、ナース との円滑 な関係 を維持 で きるか どうかで、入院生
活 の性質が変わ って しまうのです。
ナースは医師以上 に、患者 の信頼 に応 えようとする意識が強 く、あなたが医
師に言 い に くいこ とをかわって医師 に伝 えた り、 いろいろな場面であなたの心
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753
メモ
の支 えになって くれた りも します。
どんな患 者 に好 感 を持 つ か とい う調査 の結果 、彼女 た ちの理想 の患 者像 とは
「毅然 と して いて 、病気 と闘 う勇気 を持 ってい る人」 だそ うで す。
この節 の キ ー ワー ドは、
「ナースは 、しっか りと病気 と向 き合 う患者 を好 む」、
です 。
(7)NRMBの
励行
プ ロ グラ ムの前半 で も述 べ た とお り、あ なた の三 大生体 システムは 、 ち ょっ
と した環境 の 変化 や ス トレス に よって容易 に疲 弊 して しまうもろ さを持 って い
ます。す なわち、病気 になって入 院す る とい う ことで 、 それ は 、大 きな危機 に
瀕す る こ とになるので す。 なぜ な ら、病気 の先行 きに対 す る不安 や恐 れは 、強
いス トレス となって あ なた に降 りかか り、環境 の 変化がそれ に追 い討 ちをかけ
るか らです 。
あ なたは、 これ か ら自分の 自然治癒力 を頼 りに、医学 の支援 を受 け て病気 と
闘 うわ け ですか ら、頼 みの綱 の三 大生体 システム とゴール デ ンルー プの 回転 を
止 めて しまえば、勝利 は ま った くお ぼ つ か な くな ります。
この節 で学 んだ、す べ ての原則 は、あ なた の 入院生活 における ス トレス を軽
減 させ る こ との一 点 に絞 って構 成 されて い ます。す なわ ち、あ なたの 自然治癒
力 が もっ とも要 求 され る場面 で 、それが弱体化 す る こ とを防 ぎた い か らです。
自 らの受 ける治療 に対 して明確 な意思 表示 を行 な い 、 そ の上 で 、医師 との 円滑
な関係、ナ ース との 円滑 な関係 を構 築す る こ とは、あ なたが 、 これ か ら受 ける
医療 を正 しく受 けヌ、れ、 自らの 自然治癒力 を最大 限 に発 揮 す るため には欠かす
こ とので きな い舞台設定 なのです。 そ う した意味で、生活 の場 が家庭 か ら病 院
に変化 す る こ とに よって生 じる ス トレス を きち っ と処理 しなければな らない わ
けです。環境 の 変化 は事 実 で あ り、現在 変 える こ とはで きな い わ けです か ら、
あ なた は それ を一 時 的 な もの と思 って 、無条件 で 受 け入 れ る しかあ りませ ん 。
そ して、その環境 の 変化 か ら発生 す るス トレス対策 に重 きをお くので す。
ス トレス解消 とい って も、入 院患者 の行動 はおの ず か らあ る程 度 の 制約 を う
け ます。 そ こで 、 バ イ タル システムズ は床 につ い て い なければな らな い 入院患
者 の ための ヘ ルスモ テ ィベ ー シ ヨン高揚法 、NRMBを 開発 し、 プ ロ グラムユ ー
ザ ー にその 実行 を求 め て い ます。NRMBは 入院初 日か ら始 め ます 。そ して、そ
れ は、あ なたが朝 日覚 め 、 ナ ース が検温 や血圧測 定 に訪 れ る間の ご く短 い時 間
に行 なえる よ う配慮 されて い ます。
あ なたが、上半 身 を起 こせ る状 態 であれば 、 ギ ャ ッジベ ッ ドの背 もたれ を少
し上 げ て 、リラ ックスで きる角度 に調整 します 。そ して、窓のほ うに顔 を向 け、
外 か らの 光 を 目か ら,脳 に取 り入 れ るため に、 4分 間 の 間、 で きるだけ 瞬 きをせ
ず に、光 のい ちばスノ
強 い辺 りを じっ と見 つ めて くだ さい 。 4分 た って 、 目をつ
むった ときに、窓 の輪郭が残像 として残 つていれば結構 で す。次 にその ままの
姿勢 でス トレッチ を行 ない ます。足 をつ ま先 まで しっか りと伸 ば し、両方 の 手
の ひ らで太腿 、腹 、胸 の順 にさす る よ うにマ ッサ ー ジ を します 。 この とき、体
の 中 の病気 が マ ッサ ー ジに したが って下 か ら上 に押 し上 げ られ、指 の 間 か ら体
754
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外 に排 出 されてゆ く情景 を心 の 中 に思 い描 い て くだ さい 。 このマ ッサ ー ジを 5
回か ら10回 行 な い ますが、あなたは病気 で入 院 して い るので すか ら、 決 して無
ヽ
理 をせ ず、 自分 が ′
亡
地 よい範囲 に とどめて行 な つて くだ さい 。
ス トレッチ とマ ッサ ー ジが 終 わ った ら、瞑想 を行 ない ます。 まず 、 ゆ った り
と した気持 ちで、心 配 や疑 い な どの 雑 念 をで きるだけ取 り払 い ます 。 そ して 、
を吸 って 日か ら吐 く深呼吸 を 5回 繰 り返 して くだ さい。気持 ちが落 ち
鼻 か ら虐、
着 い て きた ところで静 か に 目をつ む り、あ なたが全快 して病 院 を出 る光景 を鮮
やか に想 像 す るのです 。 それは以下 の よ うな鮮 やか さで行 なわな くてはな りま
せ ん。
す なわち、退 院す る 日の 天気 、気温 、外 気 の 感触 な どをまず思 い 浮 かべ 、退
院 の状況 を鮮 やか に想像 します。病 院 の玄 関 には世 話 を して くれたナ ー ス が何
人か右側 に並 んで あ なた を待 ってい ます。 ナ ースの 後 ろにはあ なたの主治医の
顔 も見 え ます。 そ して左側 には事務 の人た ちがや は り列 をつ くってい ます。
あ なたは、お気 に入 りの 服 に着替 え、病室 を出て玄 関 に向か い ます。 あ なた
の姿 を認め るや 、誰 ともな く拍 手が起 こ り、あ なたはその拍手 の 中 をすがすが
しい 気持 ちで退 院 してゆ くので す。 あ なた の担 当 を して くれ たナ ース が に こや
か に差 し出す花 束 を受 け取 り、そ の花 の香 りが実感 で きるほ どの鮮 やか さでそ
、
れ を′
にえが い て くだ さい 。 そ して、そ の 光景 に感動 をおぼえ、涙が込 み上 げ
亡
て くる よ うな反応 が起 きる まで、心 の 中 でその 瞑想 を繰 り返 します。 それが済
んだ ら、再 び 、先 ほ どの深呼吸 を 5回 行 な い 、 たかぶ った気持 ちを落 ち着 け て
か ら、心 の 中で、「私 は必 ず全快 して この病院 を退院 してみせ る」 とい う、 自
らに対する誓 いの言葉 を 5回 繰 り返 して述べ 、NRMBを 終了 します。
一 回のNRMBに 要す る時間は平均 で 5分 か ら 7分 で、必ず朝 の 目覚めの時間
を利用 して行 なって ください。NRMBが あなたにもた らす最大 の効果 は、自ら
が治療 の主役 であるとい う実感 です。NRMBに よって、あなたの体 は一 日の治
療 の準備 を整 えることがで き、それが病院生活か ら発生するス トレス を知 らず
知 らずの うちに解消 して くれ るのです。
この節 のキー ワー ドは、「入院中はNRMBの 実行 を日課 としなければならな
い」、です。
科学的医学 は、その、日覚 しい進歩 の終点 をどこに置 いてい るので しょうか。
免疫系や アポ トー シスの仕組 みが解明 されれ ば、 ガンや 自己免疫疾患、 ウイル
ス性感染症 など、い ままで科学的医学 の手 をす り抜 けて きた病気 にも、治療 の
道が開けるか もしれ ません。 しか し、医療技術や知識 の完成が科学的医学 の終
点ではない はずです。 まして、免疫系やアポ トー シスの仕組 みが明 らかになれ
ば、科学的医学 は、いやがお うで も、自然治癒力 の存在 を認めざるを得 な くな
るのです。そ して、科学的医学が、人間の 自然治癒力 を活性化 させ る技術 を身
ヽ
に置 いた とき、その発展 は輝 か しいゴール
につ け、内か らの治癒 を治療 の中′
亡
に達する ことがで きるのではないで しょうか。
医療技術や新薬 をあがめる医学 にはおのず か ら限界があ ります。医学 が畏敬
の念 を示 さなければならない もの、 ヒポクラテスの時代 か ら不変的 に存在 して
◎
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755
メモ
いた医学の永遠 のテーマ とは、「生命」 とい う、偉大でかけがえのない神 の創
造物にほかならないのでづ。
■健康意識 の再評価
第 9章 で、あなたは現代西洋医学 との係 わ り方 に関する基礎知識 をすべ て身
につ けた ことにな ります。それでは、 ここで、あなたの健康意識 の再評価 を行
ない ます。いつ もの よ うに、七 つ の選択肢か ら現在 の評価 を選択 して くだ さ
い。
① 胸 を張って、100%健 康 だと言い きれる。
②
ほぼ健康 だ。
③ 健康だと思う。
④ 健康だとは思 うが、時々不安 になることもある。
⑤ 最近、健康状態が気 になる。
⑥ 自覚症状 はないが、 どこか悪いのではないかと悩 んでいる。
⑦
自覚症状があ り、病院に行 くきっかけを探 している。
いかがですか。あなたの 自らの健康 に対する評価 は上がったで しょうか。上
がったのであれ、下が ったのであれ、以前 と同 じであれ、そのこと自体はあま
り重要ではあ りません。自己評価 の基準にほんの少 しの変化があればいいので
す。例えば、以前、あなたが 3の 選択肢を選び、今回も同 じく3で あつたとし
ても、 2か 、 4か に少 しでもペ ン先が振れたようであれば、あなたの健康意識
は確実 に変化 をはじめていることにな ります。
評価が決まったら フォーム集の「健康意識推移グラフ」 に記入 して くださ
)、
い
。
■キー ワー ドの整理
章 を結 ぶ 前 に、各節 の キ ー ワー ドを整理 しま しよう。私 のスキ ッ ドに続 い て
復 唱 して くだ さい。 も しあ なたが 声 を出 しに くい場所 にい るのであれ ば、心 の
中 で復 唱 して くだ さい。
科学 的医学 は唯物論 に支配 されて い る。
安易 に手術 を承諾 す るな。
い や な医者 に 当 た って も科 学 的 医学 を見切 る必 要 は な い 。 良 い 医者 は必 ず い
る。
意 思 表示 カ ー ドの 提 出 は 、過剰 診療 か らあ な た を守 る 。
756
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◎Cο ″億妊naッ シ受
病気 にな った ら、 よ く話 し、 よ く質問 し、 よ く訴 え、絶対 に我慢 しない こ と。
告知 と承認 の 原則 は、患者 主体 の 医療 を実現す る鍵 。
あな た と主 治医 は 当事者 。不安 な場 合 は必 ず第 三者 の介入 を。
医師 も普通 の 人間 で あ る こ とを忘 れず に。
ナ ー スは 、 しっか りと病気 と向 き合 う患者 を好 む。
入 院中 はNRMBの 実行 を 日課 としなけれ ばな らない 。
■第 9章 の ことば
「教育 とは素晴 らしい ものだ。 しか し、常 に忘れてはならないことは、知 る
価値 のあるものすべ てを教 える ことはで きない、 とい う事実 である」
オスカー・ ワイル ド
もし、あなたが これ らの原則 を心か ら信 じ、実践す る 自信 がつい たならば、
これで あなたは第10章 に進む準備 が整 ったことにな ります。第 9章 を完全に理
解 したと確信 したならば、第10章 「代替医療 との係 わ り方」へ進 んで ください。
人生は′
さに思 い描 いた とお りになってゆ きます。あなたは最高 の健康状態 に
あ り、自信 を持 って毎 日を生 きる自分 を鮮や かに心 に描かなければな りませ
ん。
心 か ら望 み 、鮮 やか に想像 し、強気 と、希望 と、夢 を従 えて生 きる。
間 を置 い た繰 り返 しの効果 に よ り、健康 は必 ず あ なた の もの にな ります。
前 を向 き、信 じ、そ して行動 して くだ さい 。
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75/
鮮明なイ メ
ジングを助ける
ビジュ
あなたが、ある目標に向かって自らを強 く駆 り立てねばな らないとき、また、プログラムがあなたにイメー ジングを求めるとき、
「息づかいが感 じられるほど鮮やかに心に描 くこと」を意味 します。このページは、そ うしたあなたの鮮やかなイ
それは、いつも、
「象徴物」
メー ジングを助ける
のために設けてあ ります。
写真、
絵、図面、リス ト.… … あなたの鮮やかなイメージング助けるもので
あれば何でも貼つて ください。
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Form
#
HMF09O00
方
第9章 i現代西洋医学との係わり
きょうの行動は、その日に習得したことがらを行動として生活にとり入れ、確実に身につ
けるためにたいへん重要です。プログラムを聴くたびに行動として必ず実行してください。
■第 1日 目
年
月
日、わたしは第 9章 を聴 きました。
キーワー ドの一つ「安易 に手術 を承諾するな」 は、あなたの心に深 く刻 まれましたか。そ して、あなたはそ
の原則をどう享受 し、実践 してゆきますか。
●きょう起こす行動
:
① 日記をつけてください。
② 上記の方針を更に深く心に刻んでください。
■第 2日 目
年
月
日、わた しは第 9章 を聴 きました。
キーワー ドの一つ「いやな医者に当たっても科学的医学を見切る必要はない。良い医者は必ずいる」は、あ
なたの心に深く刻まれましたか。そして、あなたはその原則をどう享受し、実践 してゆきますか。
●きょう起こす行動
:
① 日記をつけてください。
◎ Co″
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SJ/ste",に ス
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② 上記の方針を更に深く心に刻んでください。
■第 3日 目
年
月
日、わたしは第 9章 を聴きました。
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キーワー ドの一つ「意思表示カー ドの提出は、過剰診療からあなたを守る」は、あなたの′
に深 く刻まれま
亡
したか。そして、あなたはその原則をどう享受し、実践してゆきますか。
●きょう起こす行動
C
:
日記をつけてください。
② 上記の方針を更に深く心に刻んでください。
■第 4日 目
年
月
日、わたしは第9章 を聴きました。
キーワー ドの一つ「告知と承認の原則は、患者主体の医療を実現する鍵」は、あなたの 、
に深 く刻まれまし
`し
たか。そして、あなたはその原則をどう享受 し、実践 してゆきますかc
●きょう起こす行動
:
① 日記をつけてください。
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に刻んでください。
② 上記の方針を更に深く′
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◎
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■第 5日 目
年
月
日、わたしは第9章 を聴きました。
キーワー ドの一つ「あなたと主治医は当事者。不安な場合は必ず第三者の介入を」は、あなたの心に深 く刻
まれましたか。そ して、あなたはその原則をどう享受し、実践 してゆきますか。
●きょう起こす行動
:
① 日記をつけてください
② 上記の方針を更に深く心に刻んでください。
■第 6日 目
年
月
日、わた しは第 9章 を聴 きました。
きょうまでのレッスンで、わたしの健康意識 は、以下の事実 をもって、科学的医学の欠点から自らを防衛す
る準備 を整える傾向にあ ります。
●きょう起こす行動
:
① 日記をつけてください。
② 「第 9章 の言葉」を暗記し、その意味をかみしめるように理解してください。
■第7 日目
年
月
日、わたしは第 9章 を聴きました。
きょうまでのレッスンで、わたしがこの章から得たものは以下のとおりです。
①
②
③
④
⑤
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reserved.
767
私が____を 持つ ことによ り、プログラムの内容 を肯定的に理解することができ
のプロセス
の効果 によって、
が発生 します。その結果、プログラムの内容は、着実に私の ものとなってゆ きます。
●きょう起こす行動
:
① 日記をつけてください。
を聴いてください。聴覚と視覚が相乗的に働きかけて、あな
③ きょうはテキス トを読みながらプログラム、
たは、より高度な理解に達することができます。
■最終 日の質問
以下の質問に答えて ください。下線部分 には正 しい言葉を補 い、問いに対 してはあなたの言葉で解答 して く
ださい。すべ ての質問に答えたら、マニュアルの最後にある解答 と照 らし合わせ、点数を確認 しながら採点を
行なって ください。80点 以上 を修了 とし、次の章 に進むことができます。80点 未満、50点 以上の場合 は、もう
一度、テキス トを読みながらプログラムを聴 き、再度質問に答えて ください。評′
点が50点 未満の場合 は、理解
が足 りない ものとして、もう一週間、同 じ章を聴 いて ください。
① 科学的医学は_____に 支配されているため、どうしても患者を物質と捉えがちだ。
② 手術に対しては、以下のような方針で臨む。
③
インフォーム ドコンセン ト、つ まり
は 自分主体 の医療 を実現するため
に欠かすことはできない。
④ 今後の医療方針に少しでも不安がある場合は、他の医師もしくは同じ病気を経験 した知人などに
を求めることが肝要である。
⑤ 過剰診療を防ぐために、また、自分中心の医療を実現するためにも
の提 出を欠
かすことはできない。
762
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