社保協ニュースNo,16-01

神奈川県社保協ニュース
神奈川県社会保障推進協議会
【NO.16-01】 2016 年 8 月 10 日発 行
横浜市中区桜木町3-9平和と労働会館6F TEL045-201-3900・FAX045-212-5654
=県社保協 2016 年度(再建第 24 回)総会を開催=
県 社 保 協 は 7 月 10 日 投 票 の 参 議 院 選 挙 の た め 延 期 し た 2016 年 度 ( 再 建 第 24 回 )
総 会 を 7 月 23 日 に 建 設 プ ラ ザ で 開 き 、17 団 体 11 地 域 社 保 協 53 名 が 参 加 し ま し た 。
また、来賓として山口中央社保協事務局長、畑野衆議院議員、木佐木県会議員が来
られました。
来年の通常国会にはさらなる社会保障改悪法案が提出され、安倍政権下で社会保
障の解体・市場化、自己責任化がいっそう強力に推し進められるため、今回の総会
の特徴は、第一に中央社保協の運動方針を県内の社会保障活動家がきちんとつかむ
こ と 、 第 二 に 現 行 の 改 悪 を 阻 止 す る 闘 い を 強 め る た め 「 医 療 保 険 ・ 医 療 」、「 介 護 保
険 」、「 医 療 費 助 成 制 度 ・ 一 般 」 の 3 つ の 分 科 会 を 設 け て 討 議 を 深 め た こ と で す 。
冒頭に中央社保協の山口一秀事務局長の講演で社会保障を取り巻く情勢や中央社
保 協 の 運 動 方 針 に つ い て 学 び 、 重 点 課 題 と し て 1) 戦 争 法 廃 止 ・ 憲 法 改 悪 阻 止 の 運
動 、 2) 安 全 ・ 安 心 の 医 療 ・ 介 護 を 実 現 す る 医 療 介 護 大 運 動 、 3) 消 費 税 増 税 阻 止 と
大 企 業 ・ 富 裕 層 の 応 分 の 負 担 に よ る 社 会 保 障 財 源 確 保 の 運 動 、 4)「 社 会 保 障 は 国 の
責任」を掲げ自己責任論を打破し貧困と格差の拡大を許さない最低生活保障を実現
す る 運 動 、 5) 地 域 社 保 協 の 結 成 ・ 再 建 の 5 点 が 提 起 さ れ ま し た 。
運動の進め方として市民や諸団体との共同が強調され、改めて先の参議院選挙で
の市民と野党共闘の成果も確認し、安倍政権下での闘いの展望が示されました。個
別課題では医療・介護分野の闘いはもとより、年金・生活保護・保育・障害福祉・
賃金雇用分野での運動や子どもの貧困をなくす運動、消費税増税反対、TPP参加
阻止、震災復興支援と原発ゼロ、マイナンバー反対の運動も強調され、活動の基礎
となる学習運動の強化、組織の拡大強化も強調されました。
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分科会
第1分科会
第2分科会
テーマ
医療保険/医療
参加者
17名
園田医療保険改善委
員長(保険医協会)
座
長
記
録
池上常幹(医労連)
報告者
柏木常幹(医労連)
第3分科会
医療費助成制度/
介護保険
一般
14名
10名
阿部(亮)介護改善委 田中常幹(川崎市
員(民医連)
社保協)
佐々木(節子)常幹
渡部常幹(新婦人)
(福祉保育労)
阿部介護改善委員長
渡部常幹(新婦人)
(横浜市社保協)
【 第 1 分 科 会 報 告 】 ・・・「 医 療 保 険 ・ 医 療 」 分 科 会 / 参 加 者 17 名
第 1 分科会では保険医協会のパンフレットを使って議論を深め、これから重く広
く改悪が行われるため「地域に根を張った学習運動
が必要だ」との意見が出されました。また、自治体
や議会への要請が重要であり、
「全自治体請願行動を
行うべき」との意見も出ました。
「 高 す ぎ る 保 険 料 」問 題 、医 療 に か か れ な い 問 題 、
後期高齢者医療保険料の特例軽減廃止問題や高齢者
の窓口 2 割負担化問題など、制度を利用するときに大きな負担が課せられるため、
高齢者が安心できる制度にすることが必要だと議論しました。
今まで大量の資格証を交付していた横浜市が資格証交付を極一部に限定化しまし
た が 、横 浜 市 は 市 民 の 運 動 に よ っ て 考 え 方 を 変 え た か ら で す 。
「運動を強めて厚労省
を 変 え 、各 自 治 体 に 改 善 通 知 を 出 さ せ る 取 り 組 み が 必 要 」と の 認 識 で 一 致 し ま し た 。
≪分科会の解説≫
園田常幹(医療保険改善委員長)
医療保険・医療の分科会では、まず、今後迫りくる負担増について概略を説
明。参加者からは、この患者負担増対抗していく運動を大きく広げていくため
に 、 学 習 活 動 の 重 要 性 の 意 見 が 出 さ れ た 。「 知 る 」 こ と に よ り 、 署 名 や 街 頭 宣 伝
活動に広く参加を促す体制をつくっていくことが重要と確認。
また、払えない保険料をどうするかについて、市町村国保の法定外繰入を増
額させることや保険料減免制度の活用をさせていくことが大切との意見があっ
た 。さ ら に 後 期 高 齢 者 医 療 制 度 に お い て 9 割 、8.5 割 軽 減 な ど の 特 例 軽 減 が 廃 止
されることから、特例軽減の延長を求める運動をすべきとの意見が出された。
保険料を払うことで精いっぱいで、医療の窓口負担が払えず結局医療にかか
れないとの指摘もあり、一部負担金の減免制度を実効あるものにさせていくこ
とも重要と認識を深めた。
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れ 、「 お 金 に 色 は な い 」 の で 堂 々 と 社 会 保 障 拡 充 を 要 求 し て い く こ と で 分 科 会 を
終了した。
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第 2 分 科 会 に は 14 名 が 参 加 し ま し た 。ま ず 一 般 的
な介護問題や特養入所の問題が議論されました。続
いて自治体の新総合事業の進捗状況に議論が及びま
した。
相模原市や茅ケ崎市の情況が報告され、相模原で
は(介護運営協議会)傍聴者から資料を回収するな
ど混乱している状況が明らかにされました。
「問題が難しいことが運動が進まない原因」との意見が出され、学習の必要性を
深めました。介護財政上の制約が(住民・利用者本位の)答えが見出せない事態を
生 ん で お り 、介 護 改 善 の 運 動 は 住 民 と 自 治 体 を 結 ぶ 契 機 に な る と 議 論 を 深 め ま し た 。
運動するにあたり、世代間の矛盾とならないような運動の提起が必要であり、自治
体に向けた運動を広く進めることが重要だとの認識を深めました。
≪分科会の解説≫
阿部常幹(介護改善委員長)
分 科 会 討 議 の 中 で「 新 総 合 事 業 へ の 自 治 体 の 対 応 」と し て 浮 き 上 が っ た 課 題 と 、
改善運動を取り組む上で考慮すべき点の 2 点に絞って報告します。
横浜市、川崎市、相模原市など新総合事業の内容を一定公表している自治体に
ついて、サービス内容の特徴を報告しました。議論の焦点は、訪問型サービスの
基準緩和型事業(A事業)を実施する自治体では、現行の「見なし事業(介護保
険 と 同 等 の サ ー ビ ス )」 が 無 く な っ た 場 合 、「 こ れ ま で 通 り の サ ー ビ ス 提 供 が 維 持
できるのか」ということで、課題として「みなし事業を維持・継続させるべき」
との認識が生まれました。これは、今後A事業の実施を計画する市町村でも同一
です。
自治体の 対応に 大き な差が生 じてい るこ と、小規 模で財 政力 の弱い自 治体ほ ど
総合事業 の準備 が進 んでいな いこと が明 らかにな り、介 護保 険財政へ の国庫 負担
の増額と 市町村 一般 会計法定 外繰入 等の 財源措置 が求め られ ています 。さら に新
総合事業だけでなく認定問題、施設サービスの供給と需要等、いびつな形での介
護体系が進行していることも述べられました。
また、介護問題に対する認識が広がっておらず、認識に差があるなど、運動主
体の側の問題も確認される機会となりました。
【 第 3 分 科 会 報 告 】 ・・・「 医 療 費 助 成 制 度 ・ 一 般 」 分 科 会 / 参 加 者 10 名
第 3 分科会は医療費助成制度を中心に、社会保障
一 般 を 議 題 と し ま し た 。ま ず 、
「子どもから保険料を
取 る の は お か し い 」と の 意 見 が 出 さ れ 、
「これを運動
にしたい」との感想が出されました。
子どもの医療費助成制度では田中座長が準備した
資料で、関東では 4 都県が中学生以上が無料であり
19 自 治 体 が 高 校 生 ま で 無 料 で あ る こ と な ど 、神 奈 川 の 医 療 費 助 成 制 度 の 遅 れ た 現 状
を確認しました。群馬県では所得制限なしに無料化が図られています。
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最悪の神奈川で、横浜市や川崎市では一部負担金導入の動きが起きていますが、
他 の 政 令 市 で は す で に 導 入 さ れ て い ま す 。横 浜 市 や 川 崎 市 は「 他 の 政 令 市 は ど う か 」
と政令市との比較だけを見ていることが問題です。一部負担金導入には「憲法上の
平等」の問題がありますが、財政学上からの(反論や対案等の)提起も必要だとの
認識で一致しました。
≪分科会の解説≫
田中常幹(川崎市社保協事務局長)
川崎市社保協からの調査結果と提案を受け議論し問題点を確認し合いました。
①関東で東京・群馬・埼玉・栃木は、全て中学生まで無料、千葉県と茨城県は、共に 90%以上
の自治体が中学生まで無料。神奈川は 40%と極端に立ち遅れている。
②茨城県古河市は 20 歳まで。関東で高校まで無料が 23 自治体(最新)
、県内はゼロ。
( 川 崎 市 の 小 学 生 「 上 限 」 500 円 案 と は )
1 ) そ の 日 の 3 割 負 担 が 、 例 え ば 300 円 な ら 支 払 は 同 額 で 、 700 円 な ら 支 払 は
500 円 。
2)小児科と歯医者さん、その都度支払います。病気がちの子どもには大変な
負担に。
(問題点)
1)医療費助成制度の主旨に反し、「子どもの健康」と「制度の存続」を危うくします。
・この制度は「誰もが、お金の心配なく、安心して早期受診・早期治療」を可能にするために創
設したものです。1 回 500 円もの負担は、制度の主旨に反します。
・とりわけ、貧困世帯は、早期受診妨げ、重くなって受診する状況が生まれます。これでは、か
えって医療費の増加になります。
2)県下の自治体は全て無料。無料で頑張る自治体の足を引っ張る悪い見本。
全県で阻止へ
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