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2016/
原油価格週間動向
10/3
投資情報部
シニアコモディティアナリスト
津賀田 真紀子
OPEC、8年ぶりに減産合意
先月 28 日、OPEC はアルジェリアで臨時総会を開き、加盟 14 ヵ国の原油生産量を日量 3,250 万~3,300 万バ
レルに制限することで合意した。OPEC が減産するのは金融危機後の 2008 年以来、約 8 年ぶりとなる。OPEC
最大の産油国であるサウジアラビアが大幅に譲歩し、イランに限って増産を認めたためだ。これを受け、WTI
原油先物相場は先週、およそ 1 ヵ月半ぶりに 1 バレル=48 ドル台を回復した。ただし、市場では OPEC が今回
の合意をどの程度実行に移せるかについて懐疑的な見方が出ている。また今後、原油価格が 1 バレル=50 ド
ルを上回った場合、米国内のリグ(石油掘削装置)の稼働数がさらに増加する可能性もありそうだ。
先月 28 日、石油輸出国機構(OPEC)はアルジェリアで臨時総会を開き、加盟 14 ヵ国
サウジ大幅譲歩で
減 産 合 意 。 WTI 原
油先物は1ヵ月半
ぶりの水準を回復
の原油生産量を日量 3,250 万~3,300 万バレルに制限することで合意した。OPEC は
8 月時点で日量 3,324 万バレルを生産しており、今回の合意で事実上の減産に踏み
切ることとなる。OPEC が減産するのは金融危機後の 2008 年以来、約 8 年ぶりだ。こ
れを受け、WTI 原油先物相場は先週、1 バレル=48 ドル台を回復し、8/19 以来およそ
1 ヵ月半ぶりの高値をつけた。今回、合意に至ったのは、OPEC 最大の産油国である
サウジアラビアが大幅に譲歩し、イランに限って増産を認めたためだ。イランとサウジ
アラビアの対立解消は難しく、増産凍結すら不可能と予想していた市場は不意を突
かれる格好となった。
しかし、市場では OPEC が今回の合意をどの程度実行に移せるかについて懐疑的な
見方も出ている。また、正式決定は早くても次回 11/30 に開催予定の OPEC 総会で
あり、その間、現在の生産には影響を受けない。今のところ、生産抑制に向けた正式
な案は発表されておらず、目標達成の手段に関する詳細もほとんどわかっていない。
原油価格動向
W T I原油先物価格とドルインデックス
2016/9/19
期間
WTI
北海
ブレント
(1バレル=ドル)
~
~
2016/9/26
(週次:2014/1/3~2016/9/30)
120
前週比
76
110
WTI原油先物(左目盛)
78
ドルインデックス(右逆目盛)
80
2016/9/30
2016/9/23
始値
44.62
43.18
1.44
100
高値
48.32
46.55
1.77
90
84
86
82
安値
44.19
42.55
1.64
80
終値
48.24
44.48
3.76
70
始値
46.05
46.01
0.04
60
92
94
高値
49.81
48.26
1.55
50
安値
45.63
45.09
0.54
40
終値
49.06
45.89
3.17
30
88
90
96
98
100
20
(注)価格は 1 バレル=ドル
14/1
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
14/7
15/1
15/7
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
1
1
16/1
102
16/7 (年/月)
2016/10/3
原油価格週間動向
米国内のリグ稼働
数をさらに増加さ
せる可能性
なお、イランは今年 1 月の米欧の経済制裁の解除以降、増産継続の姿勢を崩してい
ない。政情不安等で生産量が落ちこんでいるリビアとナイジェリアについても例外措
置が認められる方向だ。減産のかなりの部分をサウジアラビアが担う必要が出てくるこ
とになる。産油政策で対立するイランとサウジアラビアがどう折り合いをつけるのか、今
後も市場の関心が集まることになるだろう。
また今後、WTI 原油先物相場が 1 バレル=50 ドルを上回った場合、米国内のリグ(石
油掘削装置)の稼働数がさらに増加する可能性がある。シェール関連企業は長引く
原油安の影響でコスト競争力を高めており、市況回復が続けば採算が取りやすくなる
と見られているためだ。現在の損益分岐点は 1 バレル=40~70 ドルとも言われている。
米石油サービス会社のベーカー・ヒューズが発表している統計によると、現在の米国
内のリグ数は前年同期に比べ約 3 割も低いものの、今年 5/27 時点の 316 基を底に
稼働数の増加が続いており、9/30 時点では 425 基にまで回復している。
今回の OPEC 減産合意はシェール関連企業にとって朗報ではあるが、原油価格の上
昇に乗じて増産に走れば、再び相場を乱高下させる危険性があるといえそうだ。
OPEC 加盟国生産量増減幅
OPEC 原油生産量
(百万バレル/日)
(2014/11 → 2016/8)
33.5
今回合意された
生産量の範囲
33.0
ナイジェ リア
アルジェ リア
32.5
クウェ ート
2016年
32.0
過去3年最多
31.5
アンゴラ
過去3年平均
31.0
UAE
過去3年最少
30.5
イラン
30.0
イラク
29.5
サウジアラビア
29.0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12
▲ 600▲ 400▲ 200
(月)
米国原油生産量
400
600
800
1,000 1,200
(千バレル/日)
C FT C非商業筋建玉とWTI原油先物価格
(週次:2014/1/3~2016/9/23)
(基)
2,000
11,000
米国原油生産量(左目盛)
リグ稼働数(右目盛)
10,000
200
出所:OPEC 月報よりみずほ証券作成
出所:OPEC 月報よりみずほ証券作成
(千バレル/日)
0
(週次:2014/7/1~2016/9/30)
(万枚)
110
1,800
買残-売残(左目盛)
45
90
40
1,400
1,200
80
35
70
30
60
8,000
1,000
7,000
800
50
25
600
40
6,000
20
400
5,000
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
16/7
100
WTI原油先物(右目盛)
1,600
9,000
(1バレル=ドル)
50
200
(年/月)
30
15
14/7
14/10
15/1
15/4
15/7
15/10
16/1
16/4
16/7
20
(年/月)
(注)CFTC 非商業部門建玉は 9/27 現在
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2016/10/3
原油価格週間動向
■ エネルギー関連統計
日付
国・地域
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 7 日
10 月 7 日
10 月 7 日
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
イベント
米国原油在庫(前週比・千バレル)
オクラホマ州クッシング原油在庫(前週比・千バレル)
米国ガソリン在庫(前週比・千バレル)
米国中間留分在庫(前週比・千バレル)
米国製油所稼働率(前週比)
米国原油推定需要(千バレル/日)
米国ガソリン推定需要(千バレル/日)
米国留出燃料推定需要(千バレル/日)
ベーカー・ヒューズ掘削リグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国ガス・ロータリーリグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国石油ロータリーリグ稼働数
期間
前回
9 月 30 日
9 月 30 日
9 月 30 日
9 月 30 日
9 月 30 日
9 月 30 日
9 月 30 日
9 月 30 日
10 月 7 日
10 月 7 日
10 月 7 日
▲1,882
▲631
2,027
▲1,915
▲1.9%
16,601
9,426.6
5,126.6
522
96
425
■ 今週の経済指標
日付
国・地域
10 月 3 日
10 月 3 日
10 月 3 日
10 月 3 日
10 月 3 日
10 月 4 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 5 日
10 月 6 日
10 月 6 日
10 月 6 日
10 月 6 日
10 月 6-7 日
10 月 7 日
10 月 7 日
10 月 7 日
10 月 7 日
10 月 7 日
10 月 7 日
10 月 7 日
10 月 7 日
10 月 7 日
10 月 7 日
欧州
米国
米国
米国
米国
欧州
欧州
欧州
欧州
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
欧州
米国
米国
米国
中国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
中国
イベント
マークイット ユーロ圏製造業 PMI
マークイット 米国製造業 PMI
建設支出(前月比)
ISM 製造業景況指数
ワーズ国内自動車販売台数
PPI(前月比)
マークイット ユーロ圏サービス業 PMI
マークイット ユーロ圏コンポジット PMI
小売売上高(前月比)
MBA 住宅ローン申請指数
ADP 雇用統計
貿易収支
マークイット 米国サービス業 PMI
マークイット 米国コンポジット PMI
ISM 非製造業景況指数(総合)
製造業受注指数
耐久財受注(前月比)
製造業受注-資本財(非国防/除航空機)
製造業出荷-資本財(非国防/除航空機)
マークイット ユーロ圏小売業 PMI
チャレンジャー人員削減数(前年比)
新規失業保険申請件数
失業保険継続受給者数
外貨準備高
失業率
平均時給(前月比)
週平均労働時間(全従業員)
家計調査雇用者数増減
労働参加率
不完全雇用率
卸売在庫(前月比)
卸売売上高(前月比)
消費者信用残高
海外直接投資(前年比、中国元)
期間
9 月 確報
9 月 確報
8月
9月
9月
8月
9 月 確報
9 月 確報
8月
9 月 30 日
9月
8月
9 月 確報
9 月 確報
9月
8月
8 月 確報
8 月 確報
8 月 確報
9月
9月
10 月 1 日
9 月 24 日
9月
9月
9月
9月
9月
9月
9月
8 月 確報
8月
8月
9月
前回
52.6
51.4
0.0%
49.4
13,130,000
0.1%
52.1
52.6
1.1%
▲0.7%
177,000
▲39,500,000,000
51.9
52.0
51.4
1.9%
0.0%
0.6%
▲0.4%
51.0
▲21.8%
254,000
2,062,000
3,185,200,000,000
4.9%
0.1%
34.3
97.0
62.8%
9.7%
▲0.1%
▲0.4%
17,713,000,000
5.7%
(注)記載事項はすべて「予定」ないし「見込み」であり、予告なく変更されることがあります。海外イベントおよび経済指標は現地日程で掲載しています
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
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2016/10/3
金融商品取引法に係る重要事項
原油価格週間動向
■国内株式のリスク
リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投
資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。
■国内株式の手数料等諸費用について
○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負担いただ
きます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手
数料としてご負担いただきます。
○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
○保護預かり口座管理料は無料です。
■外国株式のリスク
○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含む)、国や地域
の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込むことがあり、損失を被るこ
とがあります。
○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与えることがあ
ります。
○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が当該証券の
高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。
○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売却してお客さ
まの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市場があっても当該証券の
流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生しても本邦投資家が取り扱いできないこ
とがあります。
○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商品取引法に基
づいた発行者開示は行われていません。
■外国株式の手数料等諸費用について
○外国委託取引
国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および諸費用の額
は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。詳細は当社の担当者まで
お問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金に対して最大 1.08%+2,700 円(税込
み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対
して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。
○国内店頭(仕切り)取引
お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別途手数料お
よび諸費用はかかりません。
○国内委託取引
当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負
担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を
委託手数料としてご負担いただきます。
○外国証券取引口座
外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券取引口座管理
料は無料です。
外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替
レートによるものとします。
商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書またはお客さま向け
資料等をよくお読みください。
商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 : MG5690-161003-28
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