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ニカラグア医療情報
以下は必ずしも最新の医療事情ではありません。詳細(特に緊急時対応や予防薬の
服用方法など)については現地医療事情に詳しい医療専門家から常に最新のアドバ
イスを受けるようにしてください。
最新更新履歴:2016 年 2 月更新
1.赴任前の準備
(1)予防接種
ニカラグアへの入国時に必要となる予防接種はない。但し、南米の黄熱ワクチンを
必要とする国に渡航予定の方は、黄熱ワクチンを日本で接種しておくことを勧める。
その他、狂犬病・A 型肝炎・破傷風・B 型肝炎の優先順位で接種する事を勧める。
ニカラグアでは狂犬病ワクチンと破傷風ワクチンは購入できない。保健省にメーカ
ーの異なるワクチンが不定期に入荷される状況であり、一定のメーカーのワクチンを
接種する為にも、日本で基礎免疫をつけてくることが望ましい。
小児の予防接種は、主治医や医療機関に相談して計画的に接種を行い、日本で
終了してくることが望ましい。赴任時までに接種が完了しない場合は、現地の小児科
医に相談し、接種が可能である。
(2)その他の準備
歯科治療については、インプラントや審美歯科まで行っている医院もある。日本へ
の留学経験から日本語での対応が可能な医師もいるが、衛生面や技術面から安心
して受診できる医療機関は限られる。う歯・歯冠の脱落程度のものであれば治療は
可能だが、基本的には赴任までに治療を済ませたほうが良い。
メガネ、コンタクトレンズなどは購入可能だが、製品の種類が限られるため、予備を
含めて持参すると良い。
解熱鎮痛剤・風邪薬・胃薬など一般的なものは薬局で購入できる。しかし、日本と同
じ薬の入手は難しい事もある為、持病やアレルギーがある場合は常備薬を持参し、
日本の主治医の指導を受けて英文の診断書を準備した方が良い。
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2.医療事情
(1)総合病院
国公立病院は医療設備が比較的古く、大変込み合っている事が多いため、私立病
院での受診を勧める。また、国内での検査や治療には限界があることから、場合によ
っては近隣国や本邦での治療が必要になる事がある。
*Hospital Metropolitano Vivian Pellas(私立)
所在地: Km 9 3/4 Carretera a Masaya, 250mts al oeste Managua
電話:2255-6900 FAX:2255-6901
診療時間: 24 時間 救急熱傷治療センター(小児専用)併設
診療科目: 内科、外科、小児科、産婦人科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器
科、整形外科、形成外科、麻酔科、神経科、精神科
備考: 専門医は予約制、救急外来は 24 時間対応
レントゲン・CT・超音波・MRI、検査の画像診断も可能
2011 年 7 月より血管造影ユニット開設
入院病床は 32 床
英語対応可能な医師・看護師がいる。患者の殆どが外国人。
http://www.metropolitano.com.ni/
*Hospital Bautista(私立)
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所在地:De la casa de Ricardo Morales Avilez, 2 cuadras al sur, 2 cuadras
arriba, Largaespada,
電話:2264-9020
診療時間:予約制(救急外来は 24 時間対応)
診療科目:内科、呼吸器内科、外科、小児科、婦人科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、
泌尿器科、整形外科、形成外科、精神科、心療内科、歯科、救急外来、
感染症科、放射線科
備考:予約診察だが、日中は地元の人で大変込み合う事が多い。
(2)歯科医院
*Centro de Diseño Dental(Dr.Carlos R. Aleman/英語対応可)
所在地:De donde fueron los Pipitos, 1c abajo, 1c al lago,
25vrs abajo, frente a matadero San Martin, Bolonia.
電話:2254-8222 / 2266-0530 (要予約)
診療時間:月~金/9:00~12:00、14:00~18:00
土/8:30~12:30
*SAKURA
(Dr.Eric Roberto Leon Pentzke/英語・日本語対応可)
所在地:Centro Comencial Mangua del BAC,
75m al este, Managua
電話:2278-7381/ 2277-0298 (要予約)
時間: 月~金/8:00~12:00、14:00~18:00
土/9:00~12:00(土)
(3)緊急時の対応と措置
*救急車:
緊急の場合、直接総合病院に患者を移送するか、総合病院所有の救急車を使用
して搬送する。
地方では、病院所有の救急車や CRUZ ROJA(赤十字)による搬送となる。CRUZ
ROJA の救急車は所有台数が少なく、整備状況が悪い事があるため、地方病院所有
の救急車が手配できない場合には、知人の車等での搬送が確実である。
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・メトロポリターノ病院では、移送の基本料金は US$80(看護師付き)、医師の付添は
プラス US$148。マナグア市内往復は US$55、マナグア市外へは US$3.00/KM で搬
送可能。
・CRUZ ROJA(赤十字)では、ニカラグア国内全地域で搬送可能。費用は救急車の
出発地(CRUZ ROJA の支部がある Estelí, Juigalpa, Matagalpa, León, Managua
のいずれか) から移送先までの距離で換算。Cruz Roja 側の医療関係者の付添は
ない。
*チャーター機:
・Helinica (ヘリコプター) 電話:2254-4761 / 8768-3490
6 時~17 時までの間、国内全域(ヘリポートまたは安全に着陸できる場所)への移
送が可能。病院のヘリポートへの着陸は不可。
3.医薬品、衛生用品
(1)携行することが望ましい医薬品
日本製の医薬品は入手できない。普段から使用している常備薬や総合感冒薬、解
熱・鎮痛剤(アセトアミノフェン系)、胃腸薬、抗生物質、点眼薬、うがい薬、湿布薬は
持参するほうが良い。清涼感のある虫さされクリーム・スプレー、湿布類は販売してい
ない。
(2)現地で調達できる医薬品
薬局は街中に多数あり、殆どの医薬品は購入できる。処方箋がなくても購入できる
薬局もあるが、薬剤師は不在のことが多い。
(3)現地で調達できる衛生用品
生理用品の種類は少ないが購入できる。ガーゼや綿棒、マスク、コンドーム等も薬
局やスーパーで、サポーターやコルセットも病院併設の薬局で購入可能。歯ブラシは
スーパー等で販売しているが、ヘッドが大きいものしかない。
(4)薬局
*Medco los Robles
所在地:Dentro de la Union Carretera a Masaya
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電話:2270-7102 *宅配サービス有り
備考:月~金/8:00~19:00、土/8:00~12:00
*Farmacia Familiar
所在地:Los Robles Detrás del complejo BAC
電話:2270-3562/270-3625
*Farmex Villa Fontana
所在地:Semaforos Club Terraza 400mts al lago, MANAGUA
電話:1800-2223
備考:月~日/7:30~22:00
*MEDCO Metrocentro
所在地:Centro Comercial Metrocentro
電話:2271-9173/76
備考:月~日/9:00~21:00
4.妊娠、出産、育児
(1)妊娠した場合
妊娠の可能性がある場合は産婦人科を受診し、健康状態や産科既往歴(流早産・
帝王切開・妊娠中毒症等)、年齢等を考慮して出産場所を決定する。しかし、緊急時
の対応の限界や医療事情(安易な陣痛促進剤の使用や帝王切開の施行)から、日本
での出産を強く勧める。
(2)出産後の対応
現地にて主治医を決定し、母子共に定期的に健診を受ける事が可能。予防接種は
小児科で実施することができる。
(3)育児
新生児用品は紙おむつ、哺乳瓶、粉ミルク、おしり拭きティッシュ、ベビーパウダー、
離乳食、離乳食用スプーンなど、殆どのものが販売されている。アメリカ製のものも購
入可能。衣類に関しては、オムツカバー、ベビー服等がスーパーでも購入できる。
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5.手術
(1)現地で可能な手術
首都の病院では内視鏡や一般的な手術が行われている。簡単な手術(盲腸等)は
受けられるが、高度な医療技術を要する手術は帰国して行う方が良い。
地方の総合病院では、医療設備の不十分さや衛生上の問題、医師・看護師のレベ
ルの低さから、手術の実施は勧められない。
(2)手術設備の状況
先に紹介したメトロポリターノ病院であれば、アメリカから取り入れられた様々な医
療機器や ICU の設備も整っている。しかし、医師や看護師のレベルには差があり、術
後管理は必ずしも良くない。メトロポリターノ病院の個室は、シャワートイレ付きで清潔
感がある。
(3)その他の留意点
*輸血
赤十字管轄の血液銀行センターがある。輸血用血液製剤は、エイズ、C 型肝炎、
B 型肝炎、シャーガス病、梅毒のスクリーニングが行われているが、輸血後感染症
の可能性は否定できない。輸血はその緊急性と重要性を十分考慮した上で行い、
輸血を実施した場合には十分なモニタリングが必要である。
6.現地での傷病
(1)一般の疾病
銀行やショッピングセンターなどの屋内は冷房が強く、屋外との気温差が大変激し
い。また、乾季は空気の乾燥により埃や塵が多いため、呼吸器系の疾患に注意が必
要である。
5 月から 11 月の雨季には高温多湿となるため、食べ物を介しての細菌性及びウイ
ルス性下痢、寄生虫感染など、消化器疾患への注意が必要である。
(2)風土病・感染症
*デング熱・チクングニヤ熱
5 月~11 月の雨季には、人口密度が高い首都のマナグアをはじめとしたニカラグ
ア全土において、デング熱やチクングニヤ熱が流行する。蚊は年間を通して見られる
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為、防蚊対策の他にも、抵抗力を維持する等の健康管理も重要である。
解熱剤を内服する際は、アセトアミノフェン系(タイレノール・パナドール)を選択する。
一般的な風邪等による発熱も多いので、医療機関を受診し、確定診断の為の検査を
受け、適切な治療を受ける必要がある。
*マラリア
主に大西洋岸に多く、都市部よりも地方農村に多い傾向にある。熱帯熱マラリアや
三日熱マラリアともに年間を通じて感染者が発生しているが、アフリカなどと比較した
場合の罹患率は低く、予防内服は必要ないと思われる。しかし、網戸や蚊帳の設置、
蚊取り線香の使用など、日常的な防蚊対策の徹底は重要である。
*感染性腸炎(下痢疾患)
細菌や寄生虫に汚染された水や食べ物を摂取することにより、アメーバ赤痢・ジア
ルジア(ランブル鞭毛虫症)・コレラ・腸チフス・大腸菌等に感染し、下痢・発熱・腹痛・
嘔吐・血便などの症状が出る。
激しい下痢や高熱が持続する場合は医療機関を受診し、便検査等で原因を明らか
にした上で治療を受けることを勧める。
*狂犬病
マナグア市内、地方都市共に野良犬が多く見られる。赴任前にワクチン接種による
積極的な予防を勧める。
*エイズ
近年の HIV 感染登録者は約 9,000 名、AIDS 発症報告数は 1,000 名以上である
が、実数はその数倍以上にのぼると推定されている。約 9 割が性交渉によるものであ
り、感染者は 20~30 歳代に多く、女性や地方の罹患者が増加してきていると言われ
ている。
*シャーガス病
サシガメに刺される事で発症するシャーガス病は、ニカラグアの地方で見られる。
日中は土壁や萱葺き屋根の住宅に潜伏しており、夜間に活動を開始する。確実な治
療法が無いため、予防が重要。シャーガス病の検査は保健省で実施できる。
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(3)有害動物、病害虫
特に雨季の始まる 5 月から 11 月頃にかけて蚊が増加する。水溜りになるような場
所を作らないなど、蚊の発生を防止するような環境を整える必要がある。ニカラグア
でも蚊取線香や虫除けスプレー、電子蚊取などが購入できるが、香料が強い。住宅
内にはダニ、ゴキブリ、ネズミ、アリが多い為、定期的な駆虫が必要である。
7.保健衛生
(1)飲料水
水道水は衛生的とは言えないため、ボトルに入った水の購入を勧める。ボトルに入
った水はスーパー等で簡単に入手でき、配達サービスも利用できる。
(2)濾過器の入手
現地調達は可能。フィルターの定期的な交換を行えば問題なく使用できる。
(3)その他の留意点
年間を通して高温多湿であり、脱水や体調不良を起こしやすい気候である。炎天
下で活動する際は、熱中症予防の為の水分補給と休養を心がける必要がある。また、
乾期の日差しは大変強い為、日差し対策が必要である。特に首都の交通マナーは大
変悪く、交通事故が多発している。シートベルトを着用し、運転に際しては細心の注意
が必要である。
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