IFSW総会報告 - 日本社会福祉士会

日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
公益社団法人
日本社会福祉士会
NEWS
No.181
SEPTEMBER.2016
ホームページのURL
http://www.jacsw.or.jp/
全国大会
1
2016 年度第 29 回通常総会を開催しました
7
熊本地震に関する支援活動
8
世界会議報告
10
ソーシャルワーカーデー報告
14
役員選考に関する公示
16
綱紀委員会委員選考に関する公示
18
意思決定支援を踏まえた成年後見制度の見直しと運用改
善に関する本会意見の論点整理(中間まとめ)
19
ICT を活用した試行事業を始めます
22
声明文・意見書
23
懲戒処分
24
日本福祉士会が主催する研修について
25
情報コーナー
26
BOOK
27
28
四谷事務局だより
第24回日本社会福祉士会全国大会・社会福祉士学会開催
「『生きる』を支える~社会福祉士の可能性~」
2016年7月2日・3日の2日間にわたり、愛媛県松山市のひめぎんホールにおいて「『生きる』を支え
る~社会福祉士の可能性~」をテーマに第24回日本社会福祉士会全国大会・社会福祉士学会を開催しま
した。
■「生きる」を考える
れた「多様性尊重の諸原理はソーシャルワークの中
核をなす」ことにも触れつつ、生きることを支える
緑生い茂る山の上に建てられた松山城を横目にみ
ために社会福祉士は何ができるのか、これからどう
ながら、トコトコとのんびり走る路面電車に揺られ
していくことが必要なのか、社会福祉士の可能性に
て行くこと十数分、道後温泉の近くにある今回の会
ついて考える大会にしたいと話されました。
場、ひめぎんホールは広い敷地の中にありました。
続いて、鎌倉克英日本社会福祉士会会長は、万全
会場に入ると愛媛県イメージアップキャラクターの
の準備をしていただいた井上会長をはじめ実行委員
みきゃんの出迎えと無料サービスの蛇口から出るみ
会のみなさんにお礼を述べるとともに、熊本地震で
かんジュースが参加者を和ませてくれました。当日
被災された方々へのお見舞いと本会は西原村への継
は真夏を感じさせる晴天に恵まれ、全国から1,000
続支援を行っていること、また昨年9月に厚生労働
人を超える参加者のもと、井上俊愛媛県社会福祉士
会会長の開会宣言がなされ2日間の大会が始まりま
した。
井上会長は、今回の全国大会のテーマに触れら
れ、近年の日本は法制度がめまぐるしく改正される
がそれに振り回されることなく、何らかの支援を必
要とする「生きにくさ」を感じる人たちの「生きる
ことを支える」ことに社会福祉士の支援が必要であ
ること、ソーシャルワークのグローバル定義に書か
開会式
1
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
省が公表した「新たな時代に対応した福祉の提供ビ
ニティが希薄化するなか広い領域を対象とした支
ジョン」に触れ、ソーシャルワークを必要としてい
援を行う社会福祉士のニーズが減ることはなくおお
る社会においてその担い手は社会福祉士であること
いに期待することが述べられました。野志克仁松山
を強く発信していくことを話しました。
市長からは、この松山市で全国大会を開催すること
来賓のあいさつでは、まず塩崎恭久厚生労働大臣
を歓迎するとともに祝辞をいただきました。このほ
代理の添田正揮社会福祉専門官から祝辞が述べられ
か、多くの関係団体の代表者が列席されました。
ました。続いて、愛媛県中村時広知事からはコミュ
講演
「社会保障のゆくえと社会福祉士への期待」
厚生労働省社会・援護局 社会福祉専門官 添田 正揮 氏
厚生労働省社会・援護局の添田正揮社会福祉専門
官をお招きし、
「新たな時代に対応した福祉の提供ビ
ジョン~社会福祉士への期待~」をテーマに講演し
ていただきました。お話の概要は以下のとおりです。
昨年9月17日に出された「新たな時代に対応し
た福祉の提供ビジョン」(以下、「新福祉ビジョ
ン」)を中心に話します。自分自身も厚生労働省職
員であると同時に社会福祉士であり、社会福祉士へ
の期待と同時に危機感を持っています。
2
講演
新福祉ビジョンの中で社会福祉士がどういう役割
ワークの機能を果たす部分ではないでしょうか。
を果たすのか、社会福祉士会が当事者として自ら発
地域の実情を踏まえた支援の総合的な提供のため
信していかないと、社会福祉士を活用していく仕組
の相談支援の仕組み作りを、モデル事業として実施
みを作ることにつながりません。社会福祉士として
します。50市町村を目標としていましたが、30くら
の役割を発信しながら、利用者のための権利擁護を
いから申込がありました。
進めて行ってください。
新しい福祉サービスの提供体制を担う人材の育
今回の新福祉ビジョンでは、4つの改革が示され
成・確保ということで、コーディネート人材の配置
ています。「包括的な相談から見立て、支援調整の
が必要ですが、私個人としてはキーパーソンを社会
組み立て+資源開発」「高齢、障害、児童等への総
福祉士が担ってほしいのです。
合的な支援の提供」「効果的・効率的なサービス提
新福祉ビジョンの中に社会福祉士という言葉が1
供のための生産性向上」「総合的な人材の育成・確
回しか出てこないことを悲観的に考えるのではな
保」です。
く、これから新しい仕組みを作る中で社会福祉士に
今までは対象者ごとに専門的なサービスが充実
期待されているのだと思います。ただ、厚生労働省
してきましたが、福祉ニーズの多様化、複雑化か
内でも、社会福祉士は何をしてくれるのか分かりづ
ら総合的な見立てとコーディネート、つまり包括
らいと言われ、歯がゆい思いをしています。我々は
的な相談支援システムが必要になってきていま
こういう専門性を持っていて問題解決ができるとい
す。ワンストップ化は以前から言われています
うことを、より発信していかなくてはなりません。
が、実際に機能してきたでしょうか。社会福祉士
まだまだ伝わっていませんから。
はその中で包括的相談支援推進員(仮称)を担う
研究事業で人材のあり方を検討することになって
のではないでしょうか。ネットワーク強化や社会
います。厚生労働省として期待はしていますが、社
資源の開発について、社会福祉士がソーシャル
会福祉士が何をやってくれるかを、しっかりと発信
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
してほしいと思います。
た。変革の時代にあって積極的に発信して行かない
と、社会福祉士の存在感がどんどん薄くなってしま
お話の中で、「社会福祉士としての役割を発信す
うという励ましの言葉として危機感を持って受け止
ること」と繰り返しておられたことが印象的でし
めたいと思います。
基調講演
「共に生きる社会を創る」
前厚生労働省事務次官 伊藤忠商事社外取締役 村木 厚子 氏
「共に生きる社会を創る」をテーマに、前厚生労
働省事務次官である村木厚子氏による基調講演が行
われました。
まず村木氏は、ご自身が逮捕された経験、そして
無実が明らかとなり保釈された後の経験を踏まえて
「当時は公務員として人を支えているつもりだった
が、事件をきっかけに自分は支えられていると実感
した。」と振り返り、家族や同僚などのインフォー
マルな支えと弁護士団などプロの支えの2つが重要
であると語られ、特に、弁護士団が村木氏本人にし
基調講演
たことは、その人の力を引き出し、心が折れないよ
社会福祉に関する法改正を含めた動きについて
うに助け、必要な情報とサービスを提供するといっ
は、子ども・子育て関連3法(※)、地域包括ケア
た、福祉に必要なことと同様であると語られまし
システムの構築、生活保護制度の見直しと生活困窮
た。
者自立支援法の成立について、それぞれ説明をさ
次に、厚生労働省「人口動態統計」のグラフか
れ、社会福祉における法改正は別々に進んでいる
ら、現在の日本は人口が減少する局面に入ったこと
が、地方自治体が主体となり、その地域の実情に
を挙げ、絶望的なグラフだが、どうにかなるとの希
沿って実施するという方向性はいずれも同様である
望を持っていると述べられました。その理由とし
と述べらましれた。また、社会福祉法の改正におけ
て、「変えられる未来」と「変えられない未来」が
る社会福祉法人のあり方について、ガバナンスを強
あるが、これから生まれてくる子どもたちにどのよ
化し、社会福祉法人としての責務を明らかにしなけ
うな環境を整備できるか、女性のパワーや高齢者の
ればならないこと、株式会社が株主に配当(利益)
潜在能力などの活かしきれていない部分をどのよう
を還元するように、国民(住民)に利益を還元でき
に活用するかなどは「変えられる未来」であり、こ
なかったら社会福祉法人の意味がないことを付け加
れらの未来をどのようなに変えていくかを検討する
えられました。
必要があると説明されました。
最後に、子どもの貧困や少女を狙った悪質なビジ
上記を受けて、社会保障費の増加についても触れ
ネスの現状に触れ、悪質業者のほうが、アウトリー
られ、その解決策として「支える人を増やす(=歳
チ、即時対応、相手に自分たちが必要と思わせるこ
入を増やす)」「出るものをコントロールする(=
と等、福祉に必要な手法を徹底していることを引き
歳出を減らす)」しかないと説明されました。そし
合いに「日本の福祉や公的サービスは、悪質なビジ
て、①危機意識をもって全員参加の社会(一億総活
ネスを手掛ける業者に負けている。しかし、本来な
躍社会)をつくること②社会保障と税の一体改革を
らば福祉が勝たなければならない勝負であり、私自
進めることが重要であり、給付を上げて負担を減ら
身勝ちたいと思っている。それらの勝負に勝つため
すような政策を決して選択してはいけないことを強
には、地域のニーズを出発点に、その地域の社会資
調されました。
源を活用し、欠けているものは創る、その活動の一
※子ども ・ 子育て関連3法とは、 ①子ども ・ 子育て支援法②就学前の子どもに関する教育、 保育等の総合的な提供に関する
法律の一部を改正する法律③子ども ・ 子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育、 保育等の総合的な提供に関する
法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
3
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
番の要は社会福祉士であり、共によい未来に変えて
後の福祉には、新しい考え方も必要と思わせるもの
いきたい。」と強く語られました。
でした。村木氏と共に「未来をよりよいもの」に変
村木氏の結びには「勝負」という言葉が使われま
えるべく、我々社会福祉士への期待と重責を感じさ
した。福祉と勝ち負けは相成れないと思う反面、今
せる講演となりました。
シンポジウム
「
『生きる』を支える~社会福祉士の可能性~」
シンポジスト 真言宗豊山派石手寺 住職 加藤 俊生 氏
愛媛大学社会連携推進機構 教授 前田 眞 氏
特定非営利活動法人家族支援フォーラム 理事長 米田 順哉 氏
コーディネーター 日本福祉大学社会福祉学部 教授 原田 正樹 氏
このシンポジウムは、生活の根幹である「生き
であることが述
る」を支えるという視点から、現場の活動報告を通
べられました。
して社会福祉士の可能性について考える機会とし、
続いて前田氏
大会開催地の実践者である3人のシンポジストから
からは、「背中
実践報告が行われました。
を押すような支
冒頭、コーディネーターの原田氏からは、「生き
援」をモットー
るを支える」とは、生活を支えるのではなく、人の
に、地域住民が
存在そのものを支えることであり、私たちが生きて
自立性をもち支
いく社会そのもののあり方を問うことになる、本シ
え合う地域づくりについて報告がなされました。
ンポジウムでは、人を支えるということはどのよう
地域にはさまざまな課題があり、自分たちで担え
な援助をしてくのか、寄り添うということはどのよ
る社会づくりが大事であること、地域の人びとが自分
うなことなのか、援助のあり方と支える仕組みにつ
にできることを考え、地域で埋もれている力を顕在
いて社会福祉士としてどのように捉えていったらよ
化し、日頃からしていることが地域の役に立つ存在
いかを考える機会とすることが話されました。
に変わっていくことで種々の問題解決につながって
シンポジストの加藤氏からは、いわゆる“駆け込
いくこと、そのような社会を目指して行きたいこと
み寺”として、なんでも悩み相談を開設し、宿泊や
が述べられました。また、頼まれやすく、頼みやす
作業所等も提供しながら自立や就労支援を行ってい
い「お互い様」の関係性をつくっていくためには、
る活動をとおし、3つの事例をもとに報告がなされ
人と人とをつなぐ専門職の力が求められることが示
ました。
唆されました。
一見普通に暮らしているようでも経済的な問題や
米田氏からは、障がい者を家族にもつ仲間たちと
生活のしづらさなどに困っている人はたくさんいる
設立した法人における、障がい者の結婚と家庭づく
が、問題が見えにくくなっている。そこに気づくこ
りの事例をもとに報告がなされました。
とが大事であること、当事者の希望を見い出し、壁
恋愛・性・結婚などに対する支援をどのようにし
を取り除くことが
ていくのか。ライフサイクル支援や地域生活支援を
本当の幸せであ
行っていくうえで重要なことは、本人が望む豊かな
ること、また、援
地域生活であり、本人が望む「暮らす」「働く」
助者はさまざまな
「楽しむ」ことであること、福祉経営者として、人
援助活動を体験
間が人間を支援することの難しさと畏れを常に意識
し、それに対して
しておく必要があること、普通の人が障がい者の生
できたと思う実感
きるを支えられる組織づくりが重要であり、理念・
を持つことも大事
方針・計画の確立が必要であること、また、しょぼ
コーディネイター
4
シンポジスト
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
くれた支援者と関わった利用者が輝けるはずがない
か、見えた後は次のステージにどうつなげていく
ことから、支援者の豊かな生活への保障についても
のか。もっと意識的に地域づくりをしていくこと、
重要であることが述べられました。
“生きるを支える”ということは専門職だけではで
最後に原田氏は、今の時代の中で“生きる”とい
きないこと、どのようなところと連携していけばよ
うことをどう支えていくのか、生きづらさが見えに
いのか、シンポジウムをとおしていくつかのヒント
くくなっていることを我々はどう可視化していくの
をいただいたと締めくくられました。
記念講演
「誰も自殺に追い込まれることのない社会へ」
~地域のつながりが命を守る~
特定非営利活動法人 自殺対策支援センターライフリンク 代表 清水 康之 氏
本大会の記念講演として、特定非営利活動法人自
殺対策支援センターライフリンク代表の清水康之氏
から「誰も自殺に追い込まれることのない社会へ~
地域のつながりが命を守る~」をテーマにお話しい
ただきました。
まず、西東京市で中学2年の男子生徒が義父から
虐待を受けた末に「24時間以内に首でもつって死ん
でくれ」と言われて実際に首をつった事件について
お話があり、最後だけ見て自ら命を絶ったと言って
よいのか、背景を見ないと本質が見えない、と話さ
れました。
清水氏は、元はNHKで「クローズアップ現代」
を担当し、父親が自殺した少年に取材をしました。
自分自身が現場に入って繋ぐ役割をすれば、NHK
だけでなく、民放、新聞、雑誌でも取り上げられる
かもしれないと考え、NHKを辞めて2004年にライ
フリンクを設立しました。
自殺の実態ですが、調査によると「失業→生活苦
→多重債務→うつ状態→自殺」「配転→過労→うつ
状態→自殺」「介護→過労→うつ状態→心中」「離
婚→生活苦→多重債務→自殺」などのパターンがあ
り、平均すると4つのプロセスを経ているとのこと
です。最初は日常にありふれている問題ですが、そ
れが悪化の連鎖になって自殺に至ってしまいます。
自殺対策基本法が制定され市町村の取り組みも進
み、自殺者数は6年連続で減少しています。しか
し、自殺者の数は積み上がっていくわけで、減った
わけではありません。
自殺のリスクが高まるのは、「生きることの促進
要因<生きることの阻害要因」となったときです。
色々な機関が対応しているにも関わらず阻害要因の
連鎖が止められないのは、それぞれの領域の中に留
まっているからです。プロセスにはプロセスで対応
記念講演
しなくてはなりません。自殺者の70%は専門機関
に相談しており、44%は1か月以内に相談してい
ました。
このたび、自殺対策基本法が改正され、目的に
「生きることの包括的な支援」という言葉が入りま
した。また、すべての自治体が自殺対策計画を定め
ることになり、財源の確保も盛り込まれました。
最後に、推進モデルとして足立区での実践が紹介
されました。つなぎ専門担当を置き、つなぐ時は具
体的に紹介することにしています。バトンが落ちや
すいのは渡すときであり、紹介された人が来ないと
連絡が帰ってくる仕組みになっています。「つなぐ
シート」を使い、結果もシートでフィードバックさ
れてきます。足立区では、職員全員が自殺に関する
研修を受けているそうです。
清水氏の「私たちの社会はまだ捨てたものじゃ
無い。一歩ずつであっても進んでいくことができ
る。」との言葉を聞いて、私たちも日々の活動の中
で、少しずつでも具体的な活動を積み上げていかな
くてはならないと改めて感じました。「『生きる』
を支える」という大会のテーマに相応しい素晴らし
い講演でした。
5
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
引 継 式
~愛媛から福島へ~
福島県社会福祉士会の皆さまへ
一般社団法人愛媛県社会福祉士会 会長
井上 俊
愛媛大会におきましては、全国の皆さまのお力添
えと暖かいご支援のおかげで、大盛況のうちに終え
福島県の皆さまに引き継ぐことができました。あり
がとうございました。愛媛県社会福祉士会会員一同
を代表いたしまして、心からお礼を申し上げます。
全国大会の開催地として名乗りを上げてからの20
か月あまり、県内の会員と力を合わせて準備してま
いりました。月並みな言い方ではありますが、本当
にあっという間でした。昨年の石川大会に、実行委
員一同、貸し切りバスで乗り込み、引継ぎをさせて
いただきましたが、金沢はとても端麗な街で、果た
して来年松山でこんな大会が開催できるのか?と美
味しいお酒をいただきながらも内心どきどきしてい
たことが、昨日のことのようです。
準備期間中は、実行委員長はじめ、各担当の皆さ
んには「できるはずだ」と、無理を押しつけ、ずい
ぶんご苦労をおかけしました。皆さん本当によくや
れましたよね、というのが今の正直な気持ちです。
愛媛県社会福祉士会の(宴会力だけではない)底力
が見えたと思います。実行委員、協力委員、そして
会員の皆さんの苦労の甲斐あって、愛媛大会は、恐
ろしいほどの天候に恵まれ全国の皆さまの晴れやか
なお顔とお会いすることができました。準備期間
中、行政はじめ関係各機関の皆さまにはご心配や、
ご配慮をいただき、日頃意識することの薄い、社会
福祉士会との各機関の関係を見つめなおす機会とな
りました。本当に感謝の言葉しかございません。
福島県社会福祉士会の皆さま、遠いところをあり
引継式
6
がとうございました。あと一年の準備期間となりま
したが、皆さまがますます結束を深め、来年郡山で
はまた、素晴らしい会が開かれることと信じてやみ
ません。
全国の皆さま、来年は6月3日(土)4日(日)
福島県でお会いしましょう。
「福のしま、郡山でみなさんを
お待ちしています」
一般社団法人福島県社会福祉士会 会長
島野 光正
福島県社会福祉士会会長の島野光正です。今年は
素晴らしい愛媛大会に参加できて大変うれしく思っ
ています。来年の6月3日・4日に福島県郡山市で
第25回日本社会福祉士会全国大会・社会福祉士学会
(福島大会)を開催します。この2日間、郡山市の
「ビックパレットふくしま」で、私たちは特別な思
いで皆さんをお迎えしたいと思っています。この会
場は東日本大震災および東京電力福島第一原子力発
電所の事故の際に約3,000人の方が避難した県内で
も最大の避難所でした。私たちは震災後2週間過ぎ
た4月当初から、この場所で避難者の支援を関係団
体と協力して始めました。現在でもビッグパレット
ふくしまの隣には仮設住宅があります。今年の1月
に福島県の発表で県内、県外の避難者が10万人を
切ったとのことです。会場がある郡山市の家庭には
除染した土が埋まっています。除染したことによっ
て出た汚染土は自宅敷地内から外へは持ち出せませ
ん。しかし、人びとの生活や暮らしがそこにある限
り、私たちはそこで一緒に暮らすソーシャルワー
カーとして福島で働くことを選びました。どうか福
島に来て、福島の「今」を見て、感じて、地元に帰
り感じたことを伝えていただければと思います。愛
媛大会では福島の地酒を持参し大変好評でした。福
島大会ではふんだんに地酒をご用意したいと思いま
す。全国大会の会場となる郡山市は松山市のように
歴史があるまちではありません。それでも私たちは
心をこめて、思いをこめて皆さまをお迎えしたいと
思っています。東京から1時間20分程度の距離です
ので、来年の6月3日(土)4日(日)に福島県郡
山市に、ぜひお越しいただきたく存じます。
会員一同、お待ちしております。どうぞよろしく
お願いいたします。
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
2016年度第29回通常総会を開催しました
2016年6月18日に鉄鋼会館(東京都中央区)にお
合することに向けて検討を開始することの承認を求
いて、46の正会員が出席(うち2の正会員は書面評
める案件でした。「総論は賛成であるが都道府県レ
決)し、2016年度第29回通常総会を開催しました。
ベルで考えると課題は多い」「統合しても社会福祉
第1号議案「2015年度決算報告」は、第1号報告
士の専門性やアイデンティティを埋没させてはい
「2015年度事業報告」と合わせて報告がありまし
けない」「都道府県レベルでの協議はどのように進
た。山崎副会長から、2015年度事業計画と対比しつ
めるのか」などの意見が挙げられました。松山副会
つ当年度に取り組んだ事業について報告しました。
長からは、統合について容易に進むとは考えておら
また、愛沢副会長から当日配布資料を用いて決算報
ず、当承認事項はどのような課題があるか検討を開
告を行い、予算と比較し収支が改善したこと、公益
始することの提案であるとの回答後、第3号承認は
認定における財務三基準(「公益目的事業の収支相
原案のとおり承認されました。
償(収支がマイナスであること)」「公益目的事業
続けて、理事会報告が行われ質疑応答が行われま
比率(50%以下であること)」「遊休財産の保有制
した。第2号報告「平成28年熊本地震への支援につ
限(公益目的事業費以下であること)」)を十分満
いて」は、山本理事から本会災害対策本部の動きお
たしていることの説明の後、第1号議案は原案のと
よび西原村地域包括支援センターへの支援を開始し
おり可決されました。
たことを報告しました。「東日本大震災のときと比
第1号承認「全国大会の開催地選出方法につい
較し今回の支援開始が遅れた理由は何か」「日本の
て」および第2号承認「全国共通の会員管理システ
事務局が被災した場合の対策は十分か」などの質問
ムの開発について」は、2016年3月に開催した臨時
が挙げられました。山本理事からは、熊本県社会福
総会において提案し意見を求め、今回の総会で承認
祉士会の事務局が被災を受けそれへの支援を先に考
事項として扱った案件です。第1号承認は原案のと
えたことや事務局被災時の対応は現行の災害マニュ
おり承認されました。第2号承認については、会員
アルには規定しておらず見直しが必要であるとの回
管理システム導入後の都道府県社会福祉士会の事務
答がありました。
負担などについて意見が挙げられ、システム導入後
総会の議案資料集、当日配付資料および議事録は
の事務処理については執行部で継続検討することと
会員専用ホームページに掲載しています。
しシステム開発に着手することが承認されました。
第3号承認「ソーシャルワーカー関係団体のあり方
について」は、ソーシャルワーカー団体が一つに統
認定社会福祉士研修認証(認証番号:20130037)
●学校説明会
2016年:10月11日(火)/11月12日(土)/11月29日(火)/12月13日(火)
2017年:1月10日(火)/1月21日(土)/2月16日(木)
●一般入試
2016年12月17日(土)/2017年1月28日(土)/2017年3月4日(土)
7
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
熊本地震被災地支援報告
~西原村、益城町への支援活動
本会は、4月16日に災害対策本部を立ち上げ、その後、熊本県社会福祉士会と連携しつつ、被災者支
援活動に取り組んでいます。6月13日からは西原村の地域包括支援センターを、8月29日からは益城町の
地域包括支援センターの支援を開始しました。本ニュースでは今までの支援活動の概要を報告します。
また、今後も支援活動は継続しますので、被災地活動支援員への登録ならびに活動支援金へのご協力を
引き続きお願いします。
小見出し:
西原村への支援活動
西原村は人口約7,000人、高齢化率約24%の村で、
震災による被害も大きく、多くの方が被災後しばら
くは避難所で生活している状況でした。その一方
で西原村の地域包括支援センターは1箇所2名体制
(主任介護支援専門員と社会福祉士)であり、十分
な被災者支援の体制がとれる状況ではありませんで
した。本会は5月31日に西原村から地域包括支援セ
ンターへの社会福祉士派遣依頼を受け、6月3日に
鎌倉会長、松山副会長、愛沢副会長が訪熊し、西原
村村長の日置和彦氏と面談をしました。そして支援
の決定を報告し、6月13日から社会福祉士を2人ず
つ、リレー方式で派遣することを伝えました。
当初の派遣依頼は3ヶ月でしたが、7月以降は避
難所から仮設住宅への移行が進み、継続的な生活支
援が必要なことから、西原村から2016年度末までの
派遣延長依頼があり、支援を継続することとしまし
た。現在の主な支援内容は、仮設住宅訪問、要援護
者会議出席、センター職員不在時の留守対応、記録
整理などとなっています。
なお、8月31日時点で社会福祉士33名(延べ190
人・日)の支援となっています。
益城町への支援
益城町は震災支援がもっとも大きかった自治体の
一つです。益城町には東部と西部の2つの地域包括
西原村村長(左)と鎌倉会長(右)(6月13日)
支援センターがあり、そのうちの一つ西部包括支援
センターは本年4月1日に開所したばかりでした。
これから東部包括支援センターの業務を引き継ぎ、
地域包括支援センターとしての機能を発揮しようと
する矢先の震災でした。本会は7月11日に益城町か
ら地域包括支援センターへの社会福祉士派遣依頼を
受けましたが、地域包括支援センターの受け入れ態
勢等調整をはかり、8月22日に鎌倉会長、松山副会
長、山崎副会長が訪熊し、益城町町長の西村博則氏
と面談をし、支援することを報告しました。8月29
日から社会福祉士を2人ずつ、リレー方式で派遣す
ることとしました。
被災地支援への協力を
本会は中長期的な視点にたって2016年度末まで
被災地支援活動を行うことを決定しました。生活支
援には息の長い支援が必要です。本会の被災地支援
中央共同募金会の赤い羽
根「災害ボランティア・
NPO活動サポート基金・九
州」から助成をいただきま
した。当助成金は被災地で
の支援活動に活用する予定
です。
益城町町長(一番右)
と鎌倉会長(左から3番目)
( 8月22日)
8
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
活動は、2人1班を1クール約5~7日、継続的に
被災地へ派遣します。活動初日と最終日は引継日と
して、前後の班とともに活動をします。会員の皆さ
まはぜひ活動支援員の登録をお願いします。詳細は
本会ホームページに掲載した募集案内をご覧くださ
い。また、息の長い支援には資金も必要です。寄附
金を募集しております。こちらも合わせてご協力を
お願いします。
被災地支援者を募集しています!
被災地で支援活動に携わる都道府県社会福祉士会会員を募集しています。自治体等の「側面的支援」
として、現地職員の指示のもと、総合相談対応、仮設住宅、避難所や在宅の方の訪問(安否確認、アセ
スメント、相談対応等)、その他の現地の自治体職員が担う業務の支援等(福祉団体間のコーディネー
ト支援、会議運営支援等)が想定されています。
2人1班となり、1クール約5~7日を担当いただきます。活動の初日と最終日は引継日となりま
す。詳しくは本会ホームページをご覧ください。
【活動支援員募集】
・「日本社会福祉士会」「熊本地震」で検索してください。
https://www.jacsw.or.jp/15_TopLinks/SaigaiTaisaku/kumamoto/index.html
被災地活動支援金へのご協力をお願いします!
今回の支援金の目的は、今後展開する本会の被災地支援活動(主に被災地への支援者派遣による相談
支援等)を行うための資金と位置づけています。単に見舞金として募金するのではなく、今後、長期に
わたると思われる被災者への生活支援に向けた活動を行うための資金です。
【支援金の振込口座】
郵便振込口座 公益社団法人日本社会福祉士会 00150-0-687734
・
「払込取扱票」通信欄に「熊本地震被災地活動支援金」とお書きください。
・匿名(匿名希望)の場合を除いて、支援金をお寄せいただいた個人・団体の氏名・名称(カタカナま
たは漢字)はウェブサイトに適宜掲載させていただきます。個人で匿名を希望される方は、「払込取
扱票」通信欄にその旨をご記入願います。
・本寄附金は、特定公益増進法人の寄附金となり、所得税法及び法人税法において優遇されます。
・障害者福祉施設従事者・使用者による
障害者虐待対応の手引き 養護者
虐待対応帳票・事例
■編集:公益社団法人日本社会福祉士会 障害者虐待への対応方法を日本社会福祉士会が独自に開発した帳票
■A4判・426頁
に基づいて、事例にそって解説。国のマニュアルに準拠し、対応手順と
■定価4,320円(本体4,000円+税8%)
ポイントを示すとともに、
システムとしての虐待対応を可能とする。
現場
■2016年2月発行 の疑問に答えた60のQ&Aも収載。
都道府県・市町村職員必読の一冊。
ISBN978-4-8058-5280-4
社会福祉士実習指導者
社会福祉士実習指導者のための
講習会使用テキスト
テキスト 第2版
相談援助実習プログラムの考え方と作り方
■編集:公益社団法人日本社会福祉士会 ■B5判・330頁 ■定価2,592円(本体2,400円+税8%) ■編集:公益社団法人日本社会福祉士会 ■B5判・202頁 ■定価2,160円(本体2,000円+税8%)
■2014年4月発行
ISBN978-4-8058-3989-8
■2015年6月発行
ISBN978-4-8058-5229-3
社会福祉士会が行う
「社会福祉士実習指導者講習会」
の研修テキスト。社会福祉士養成課程における相談援 『社会福祉士実習指導者テキスト 第2版』を元に実習プログ
「実習プログラミング
助実習を行う施設・機関の実習指導者に必要な事柄を ラミングの考え方と作り方を詳解した本。
「実習プログラムの立て方に特化した解
わかりやすくまとめ、
実習施設の実習プログラムも収載。 論をもっと学びたい」
実習指導者の役割を理解し、
実践するための一冊。
説本がほしい」
という実習指導者の要望に応えて作った1冊。
Tel.03-3834-5814 Fax.03-3837-8034 http://www.chuohoki.co.jp/
〒110-0016 東京都台東区台東3-29-1 中央法規ビル
視覚障害のある会員の方に本ニュースのテ
キストデータをEメールでお送りしています。
ご希望の方は、会員番号と氏名を明記の上、
本会事務局にEメールでお申し込みください。
Eメール:[email protected]
9
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
「IFSW総会」「ソーシャルワーク、教育及び社会開発に関
する合同世界会議」韓国・ソウルにて開催
本会が加盟する国際ソーシャルワーカー連盟(以下「IFSW」)の総会とIFSW、国際ソーシャルワー
ク学校連盟(以下「IASSW」)および国際社会福祉協議会(以下「ICSW」)主催の「ソーシャルワー
ク、教育及び社会開発に関する合同世界会議」が、2016年6月に韓国・ソウルにて開催され、世界中の
ソーシャルワーク関係者が集いました。以下、IFSW総会や世界会議について報告します。
IFSW総会報告
(公社)日本社会福祉士会 会長 鎌倉 克英
世界会議に先立ち、2016年6月24日、25日にソ
本から発議し、承認されました。その他、「先住民
ウル市内の会議室(HJ Convention)にて、IFSW
委員会(Indigenous Committee)設置に関する動
の総会が開催されました。参加国は37か国、出席者
議」「国際貿易協定について検討するワーキンググ
は約50人でした。
ループ設置に関する動議」が承認されています。
IFSW総会では、IFSW新加盟国の承認(レバ
その他、IFSWがIASSWと共に見直しを進めて
ノン、ポーランド、モルドバ)、ソーシャルワー
いる「倫理文書」の見直しの進捗状況や、次回2018
クのグローバル定義改正などを踏まえたIFSW規約
年度合同世界会議の開催国、アイルランドから世界
(Constitution)や内規(by law)の改正、会計報
会議の案内等の発表が行われました。
告、各地域の会長、地域副会長の選挙などが行われ
IFSWは50年以上前欧州で結成され、これまでは
ました。日本が所属するアジア太平洋地域では、
英国連邦関係国が中心的な役割を果たしてきました
副会長の選挙が行われ、ニュージーランドのRose
が、ヨーロッパの中でもスペインなどラテン系の国
Henderson氏が再選されました。
の力が強くなり、世界の中では中南米の国々の発言
新しい政策文書(New Policies)としては、「国
力が増している印象がありました。
際的貿易協定とソーシャルワークの関係について」
「社会的保護制度および社会的保護の普遍的権利に
関するソーシャルワークの役割」は承認されまし
たが、一方で「子どもに関する国際的なケースのア
セスメントについての原則」は、複数の国にまたがる
ケースについて更に議論を深めることとなりました。
動議(Motion)としては、2015年10月、バンコク
で行われたアジア太平洋地域会議でのワークショッ
プでの声明に基づく「児童労働に関する動議」を日
本会鎌倉会長が日本の代表者としてIFSW総会に参加
「ソーシャルワーク、教育及び社会開発に関する合
同世界会議」
10
6月27日から30日に開催された「ソーシャルワー
韓国、ソウル市内の国際会議場COEXにて開催さ
ク、教育及び社会開発に関する合同世界会議」は、
れ、83か国より2,300人以上が参加し、日本からも
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
100人を超える参加者がありました。全体会6件、
プ199件、ポスター発表320件と、1,500件を超える企
シンポジウム241件、口頭発表774件、ワークショッ
画が実施され、大規模な会議となりました。
合同世界会議(開会式、基調講演等)
(公社)日本社会福祉士会 国際担当理事 中島 康晴
開会式では、3つの組織 (I A S S W / I C S W /
序」を変更するためには、政治への関与が必要であ
IFSW)における各々の会長から、「グローバルア
ると説明しています。そこで、彼女は「権力や政治
ジェンダ」の成果報告がなされました。2004年か
の話をしないで私たちはソーシャルワークの話がで
ら議論の始まった「グローバルアジェンダ」は、世
きるだろうか?」と私たちに投げかけました。
界レベルにおけるソーシャルワークを検討したもの
Tasse氏は、移民・難民の支援に取り組んでお
であり、3つの組織によって実践され、よりよい社
り、持続可能な社会構築の観点からも移住の尊重が
会を構築するために編纂されています。報告の中で
重要であると論じていました。日本の地域包括ケア
も、心証に残っているのは、IFSWのRuth Stark
では、人びとの住み慣れた地域における継続的な支
会長による発言でした。そこでは、ソーシャルワー
援が権利擁護の中核に据えられていますが、そうで
カーは、人びとの尊厳の重要性を認識するだけでは
はなく、移住する自由を尊重することも権利擁護で
不十分であり、実際の責任を果たし、行動しなけれ
あり、重要なのは人びとの自由意思であることを改
ばならないと述べ、加えて、そのためには政治家を
めて確認するとともに、他方、移民・難民の自己決
関与させることが重要であることが言及されていま
定は、そうせざるを得ないという消極的な自己決定
す。実は、この政治への責任ある関与の重要性は、
であるとも受け止めました。Tasse氏も、これらの
その後、基調講演の基礎的潮流として受け継がれ
人びとの権利を守るためには、政治に働きかけるこ
ていくことになります。開会式の最後には、2016年から
とが重要であると述べています。
2018年におけるテーマは、
「持続可能な社会の促進」
最後にお伝えしておくべきことは、開会式進行中
であることが示され、現在そして未来の人びとのニー
に障がいのある人びとが、制度の改正を求めてデモ
ズを満たすことに対する提言と、環境の不安定化に
ンストレーションを起こす突発的な出来事がありま
よって、人びとの健康や所得、住まいなどの社会的不
した。日本においても、1970年代に人権擁護のため
安が蔓延していくことへの問題が確認されました。
にこのような行動を取らざるを得ない時代があり、
基調講演は6人の演者によって構成されていま
私自身は、そのようなことを彷彿しながら事態をう
したが、特に衆目を集めていたのは、アルゼンチン
かがっていました(これらのことは後に、大会執行
のSilvana Martinez氏(IFSWラテンアメリカ・
部による協議を経由して、閉会式の場で、デモンス
カリブ海地域)とキャサリン=ケンダル賞受賞者で
トレーションを起こした人びとの主張を聴く機会を
ありイスラム連邦共和国のAbye Tasse氏でした。
設けることに帰結しました)。
まず、Martinez氏は、「社会的秩序」を、哲学では
征服や搾取関係を前提としているとし、この「社会
的秩序」はいかに根深くとも変革することができる
し、この変革を否定することは、ソーシャルチェン
ジを否認し、ソーシャルワークを拒否することにな
ると断じていました。そしてその理由を「なぜなら
ば、私たちは社会の現状を変革する専門職であるか
らだ。」と述べました。加えて、この「社会的秩
開会式・グローバルアジェンダの成果物を発表
11
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
特別企画「社会福祉サービスにおける革新的な方
法とアプローチと事例検討」
6月29日に、「特別企画 社会福祉サービスにおけ
影響を無批判に受け入れるのではなく、ソーシャル
る革新的な方法とアプローチと事例検討」と題し、
ワークは、人びとの支援を通じて、集団や地域を変
日本社会事業大学教授・小原眞知子氏による進行で、
容し、その集積の上に、社会を変革し、ひいては、
日中韓3か国の社会福祉実践者による各国の先進的
新自由主義やグローバリズムとは異なる新たな社会
な社会福祉実践に関する特別企画が開催されました。
のあり方を提示する流れを創造しなければならない
日本からは地域の絆・中島康晴氏(日本社会福
と述べました。
祉士会)、国立病院機構さいがた医療センター・大
その社会変革の出発点を、地域包摂や地域変革に
屋未輝氏(日本精神保健福祉士協会)、静岡県立
求めた実践として、社会教育学における状況的学習
静岡がんセンター・ 御牧由子氏(日本医療社会福
論に基づいた実践事例を提示しています。認知症の
祉協会)、そして日本社会事業大学大学院・高石
ある人が、中学生とその教諭たちとの対話と直接的
豪氏(日本ソーシャルワーカー協会)と、社会福
な関わりの中で、その状況をとおして、相互にお互
祉専門職団体協議会の4人より報告が行われました。
いのことを慮るようになり、また行動の変容が見ら
韓国からは3人、中国からは1人の報告があり、各国の
れた事例を示し、社会変革のとば口に地域変革があ
社会状況を反映した社会福祉実践が紹介されました。
り、私たちは、地域変革の方法を明らかにしていく
早朝のセッションにもかかわらず、約150人の参
加を得て会場満員の盛況でした。
必要があると訴えました。
企画全体を通じての感想ですが、韓国・中国・日
本の取り組みの特徴は、自助・互助の強調にあると
特別企画報告者の視点から-
感じました。中でも、韓国と中国は、家族による支
(公社)日本社会福祉士会 国際担当理事
援の重要性がより強くうかがえた点に特徴があった
中島 康晴
といえます。
日中韓3か国による特別企画として「社会福祉
サービスにおける革新的な方法とアプローチと事例
検討」と題した実践報告会に、日本社会福祉士会か
ら国際担当理事として発表しました。実践内容自体
は、広島県で法人の代表者を務めている特定非営利
活動法人地域の絆の取り組みについて披瀝をしてい
ます。
冒頭私たちの暮らしは、新自由主義やグローバリ
ズムの影響を多分に受けて成り立っているが、その
特別セッションにおける中島理事による報告
IFSWアジア太平洋地域 総会報告
IFSWアジア太平洋地域 会計 平田 美智子
6月2 8 日1 6 時より、世界会議会場のCOEX E7会議室にて、I F S W アジア太平洋地域(以下
12
「IFSWAP」)の総会が開催されました。
参加国は、日本、韓国、中国、香港・チャイナ、
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
マカオ・チャイナ、インド、バングラデシュ、アル
クショップ(2015年度はインドネシアとタイにて実
テロア・ニュージーランド、オーストラリア、パレ
施、2016年度はインドとマレーシアにて実施予定)
スチナ、マレーシア、シンガポール、トルコの13国
について報告を行いました。
でした。
最後に中国より、2017年10月25日から29日に中
主な審議事項として、「アジア太平洋地域のソー
国・深圳にて開催されるアジア太平洋ソーシャル
シャルワーク定義案」、中国の役員就任に関する
ワーク会議に向けたプレゼンテーションが行われま
「IFSWAPの規約の一部改訂案」、パレスチナの
した。
ラエド・アミラ(Raed Amira)氏の人権委員会代
表就任等が承認されました。今回、シンガポールの
J. Ang氏(前IFSWAP会長)からは、IFSWAP前会
長の相談役就任に関する発議が行われ、12か月を限
度に前会長を相談役に置くことが決まりました。
報告事項としては、会計報告、プロジェクト報告
(IFSWの地域開発基金によるタイでの児童労働に
関するワークショップ開催等)、日本の社会福祉振
興・試験センターの助成金によるアジア各国のワー
IFSWアジア太平洋地域総会
施設見学(6月27日午前、ソウル市内の
未婚の母の家『エラ・ウオン』)
IFSWアジア太平洋地域 会計 平田 美智子
世界会議におけるフィールドビジットの一部が早
い段階で満員となってしまったため、未婚の母の家
障する教育施設や職業訓練施設など全国で40の施設
を国からの委託費と寄付により運営しています。
『エラ・ウオン
(Aeran Won)
』を紹介してもらい、6
印象に残ったのは、施設長の姜氏が、この施設の
月27日午前、日本からの参加者10人ほどで施設見学
3名のソーシャルワーカーは皆大学院修士号を持っ
を行いました。日本の母子生活支援施設に似ている
た社会福祉士であると語ったことです。複雑な家庭
施設でしたが、朝鮮戦争後、未婚で妊娠した女性を
的背景を持つ母の相談を受け持つには、高度のソー
支援しようとアメリカ人の宣教師により設立され、
シャルワークの知識と技術が必要であり、大学院
現在はNGOとして発展している団体というところが
を出ていないと勤まらないと言っていました。施設
大きな違いでした。
長は、社会福祉士に毎月個別にスーパービジョンを
訪問した3階建てのビルは、エラ・ウオン法人の
行っているそうです。施設やプログラムの豊かさに
施設の一つで、未婚の母を保護し自立を支援する施
も驚かされましたが、ソーシャルワークの質的向上
設でした。全部で16人の入所者が、それぞれ2LDK
を意識している点に感心しました。
のユニットタイプに分かれ、妊娠中
(出産前6か月)
か
ら出産後1年間滞在できるようになっています。出
産後、育児や生活
(食事の提供など)
の支援を受け、
社会福祉士にどのように自立するかを相談するそう
です。中には、高校を卒業するための勉強をする、
あるいは看護師などの資格を取得して就職する者も
おり、それぞれのニーズに合った支援を行っていま
す。この法人は、同じ境遇の母が学ぶ中高教育を保
施設見学先「エラ・ウオン」にて
13
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
2016年ソーシャルワーカーデー報告
本年もソーシャルワーカーデーを海の日(7月18日)に迎えました。2009年からソーシャルケアサー
ビス従事者研究協議会(代表:大橋謙策氏)はソーシャルワーカー(日本ではその国家資格として社会
福祉士および精神保健福祉士が位置づけられている)の社会的認知を高め、国民のソーシャルワーカー
に対する関心と理解を拡げることを目的に「海の日」をソーシャルワーカーデーと定めました。
本年はソーシャルワーカーデーの統一テーマとして「ソーシャルワークの楽しさ・こわさ・醍醐味~
人々の尊厳と価値の促進~」を掲げました。サブテーマは昨年と同様に、2016年IFSW(国際ソーシャ
ルワーカー連盟)、IASSW(国際ソーシャルワーク学校連盟)およびICSW(国際社会福祉協議会)の
グローバルアジェンダを掲げ、市民から注目されつつあるソーシャルワークへの関心をさらに高めるため
にソーシャルワーカーの魅力ややりがいを市民や学生に伝えることを趣旨として設定しました。
本年も中央イベントや地域イベントでさまざまなイベントが行われました。
中央イベント
ソーシャルワーカーデー当日に中央集会が大正大
学(東京都豊島区)にて開催されました。特別講演
では、現在、薬物依存症からの回復のために社会的
な活動を展開されている田代まさし氏より、薬物の
本当の怖さや回復の難しさなど、当事者の立場での
体験談や社会復帰支援を目的としたリハビリ施設
「DARC(ダルク)
」の活動紹介がなされました。続
いて、シンポジウムでは「ソーシャルワークの楽し
さ・こわさ・醍醐味~人々の尊厳と価値の促進~」
をテーマに、SCS協議会共同代表の白澤政和氏をコー
ディネーターに、シンポジストとして独立社会福祉
士事務所NPO法人ほっとポットの宮澤進氏、一般社
団法人Saa・Yaの鶴田敬洋氏、JA茨城県厚生連茨
城西南医療センター病院の飯島望氏から実践活動の
内容が報告されました。そして最後に特別報告とし
て、IFSW副会長の木村真理子氏より「IASSW・
IFSW・ICSW合同世界会議(6月・韓国)
」の報告
がなされ、
あわせて東洋大学の志村健一氏より「ソー
シャルワーク・グローバル定義の日本における展開」
について説明がなされました。
当日の参加者は560人となり、うち、約半数を大
学生が占めました。田代まさし氏の笑いを交えなが
らも、当事者として薬物依存の怖さについて切実に
語る体験談や、現役ソーシャルワーカーによる具体
的な仕事内容とやりがいについての話は、会場の学
生や多くの参加者の方にソーシャルワークの魅力や
醍醐味が伝わったのではないかと思います。
全国各地のイベント
本年も地方イベントが活発に開催されました。7
月18日を中心に40都道府県で都道府県社会福祉士会
などを中心に職能団体や教育団体が共同して、それ
ぞれの地域の特性を活かしたさまざまなイベントが
行われました。
(次表参照)
都道府県社会福祉士会のソーシャルワーカーデーの取り組み
14
都道府県
実施日
内容
北海道
7月18日
青森県
7月23日
岩手県
7月16日
山形県
7月09日
茨城県
7月24日
栃木県
7月23日
群馬県
7月10日
埼玉県
7月23日
千葉県
7月17日
グループ懇談「私のしごとはソーシャルワーカー」~福祉現場のリアルと魅力~
語り手 主催4団体会員ソーシャルワーカー
ソーシャルワーカー紹介ブース、福祉の資格と仕事紹介ブース
福祉体験ブース、イベントブース
基調講演「ソーシャルワーカーと意思決定支援~尊厳をまもる支援とは~」
実践報告「1人から21人~ソーシャルワーク実践~」
パネルディスカッション「それぞれの意思決定支援~実際の現場から~」
やってみよう!ワールドカフェ「ソーシャルワークの楽しさ・こわさ・醍醐味」
第1部:講演「ダルクメッセージ」
第2部:講演「依存症は病気なの!?~のめり込み・巻き込まれ~」
基調講演「全世代・全対象型新地域包括支援体制とは何か」
実践事例「全世代・全対象型地域包括支援体制の実践~三重県伊賀市の取り組み~」
プレ企画「癒しのバリカフェ」、講演「援助する私たちは、なぜ苦しいのか?」、
癒しの体験「ラフターヨガ」、クロージングメッセージビデオ上映
各種分野ソーシャルワーカーの活動報告(母子福祉・高齢者福祉・障害者福祉分野)
分野ごとのグループ意見交換
福祉のおしごとセミナー
「ソーシャルワーカーの1週間」と題して、MSW、PSW、CSW各会からスピーカーを選出。ソー
シャルワーカーの仕事を紹介。その他、やりがい、失敗談、この仕事を目指す方へのメッセージなど。
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
都道府県
実施日
内容
東京都
9月03日
神奈川県
7月16日
新潟県
7月24日
長野県
7月23日
山梨県
7月16日
富山県
7月18日
石川県
7月23日
福井県
静岡県
岐阜県
10月1日
7月18日
7月17日
愛知県
7月10日
三重県
7月18日
滋賀県
7月23日
京都府
7月18日
大阪府
兵庫県
7月03日
7月16日
7月23日
7月30日
8月06日
7月30日
奈良県
和歌山県
7月12日
7月30日
鳥取県
7月23日
島根県
7月09日
岡山県
7月18日
広島県
7月18日
山口県
7月18日
香川県
7月16日
愛媛県
7月24日
徳島県
8月07日
高知県
7月24日
長崎県
宮崎県
7月17日
7月23日
6月~ 8月
末
7月30日
鹿児島県
7月09日
基調講演 「ちいきの底力UP-地域で支える人たちのために-」
パネルディスカッション「ちの力」を深掘りします!
講演「現代社会に求められる福祉の視点」~ソーシャルワーカーに期待すること~
ソーシャルワークレポート~それぞれの現場から~
基調講演「ソーシャルワーカーとは?」
シンポジウム「生活困窮者から自立支援からみる、ソーシャルワークの可能性」
グループワーク「ソーシャルワークにおけるプロフェッショナルとは」
熊本地震支援活動レポート
講演「岩手県災害派遣福祉チームの立上げと定着に向けた取り組み」
パネルディスカッション「各団体の取り組みとDWAT(災害派遣福祉チーム)立上げの必要性」
うちわ配布、ボランティア活動の発表(高校生)
、課外、ゼミ活動の発表等(養成校学生)
仕事内容と魅力を伝える(現場ソーシャルワーカー)
、現場ソーシャルワーカーとの意見交換
ソーシャルワーク団体の災害支援活動紹介
シンポジウム「災害支援でソーシャルワーカーができること」
各会の団体紹介
実践報告「意思決定支援を考える」
、グループワーク
(予定)ワールドカフェ:グループワーク
県下3会場において、海の日はソーシャルワーカーデーと記載した啓発用のうちわを5,400本配布
記念講演「災害時にソーシャルワーカーは何をしたのか・できるのか~日本社会福祉士会の被災
地支援活動から考える~」
相談コーナー「ソーシャルワーカーに相談してみよう」
第1部「ソーシャルワーカーの魅力を語ろう」
第2部「地域包括ケアとソーシャルワーク~地域での生活を支える~」
無料ふくし相談会、ソーシャルワーカーまるわかりセミナー
限定エコバックプレゼント
講演「ソーシャルワーカーはクリエイター!?-地域や学校で子どもの貧困に関わる-」
シンポジウム「その人らしい暮らしをささえるために~相談援助の視点から~」
ソーシャルワーカーによる「福祉なんでも相談会」
、ソーシャルワーカー啓発チラシ配布
公開講演会
地域向け講演会「こどもの居場所づくり」は「こども食堂」から~結び直したい地域のつながり~
福祉の就職総合フェア2016 職能団体・関係団体による相談コーナー開設
地域向け講演会「ソーシャルワーカーに知ってほしい年金の話」
地域向け講演会「共に支え 共に生きる」
地域向け講演会「学校から夕刻を支える場へ-子どもの貧困問題をきっかけに考える-」
福祉専門職団体の活動紹介、脳の若返り講座、音楽療法の体験、福祉なんでも相談、コミュニケー
ションロボットの展示コーナー、疑似体験コーナー、落語等
研修会「意思決定支援について考える~ソーシャルワーカーへの期待~」
特別講演「子どもの貧困と家族支援~生物・心理・社会モデルから~」
実践報告「ソーシャルワークの楽しさ・こわさ・醍醐味~人々の尊厳と価値の促進~」
講演「島根発ヘルスケアビジネス先進モデル構築支援事業について」
講演「運転適性相談員配置事業について」
事例発表「認知症に関する困難事例」
3団体活動紹介
講演「薬物依存症とソーシャルワーク~鳥取ダルクからのメッセージ~」
グループワーク
基調講演「地域で支える認知症~相談できることを知っていますか?~」
実践報告「そうだ!ソーシャルワーカーに相談しよう」
ステージでの啓発活動「ソーシャルワーカーとは」説明、
「ソーシャルワーカー団体」の紹介
「絵本の朗読から“福祉”を考える」トークセッション、くらしの困りごとなんでも相談会
地下街街頭での啓発チラシ・ティッシュ配布、ポスターによる団体紹介
基調講演「ソーシャルワークの楽しさ・こわさ・醍醐味」
シンポジウム「ソーシャルワーカーのやりがい・魅力とは」
実践報告「ソーシャルワーカーの発想・視点・活動~ふだんの暮らしを支えるソーシャルワーク」
グループ討議
市民無料相談会
「介護や医療、成年後見など生活全般に関する相談を法律家とソーシャルワーカーがお受けします」
「夏休みソーシャルワーカースクール」
グループワーク(ワールドカフェ方式)
講演「地域で支える認知症」
パネルディスカッション
オープンキャンパス出前講座(長崎県内の福祉系学部がある大学のオープンキャンパスにて、ソー
シャルワーカーから仕事の内容、魅力等について語る)
出前講座を希望する学校に所縁の専門職者を派遣し、講座を開催(社会福祉相談援助職に関する
啓発活動)
実践報告「ソーシャルワークの楽しさ・こわさ・醍醐味」
報告「DPATにおける支援活動(熊本地震)」「熊本地震における災害支援報告」「ソーシャル
ワーカーデー中央集会報告」
3団体情報交換会
基調講演「セクシュアルマイノリティへの支援~差別や偏見のない社会づくり~」
シンポジウム「マイノリティへの支援~ソーシャルワークの視点から~」
大分県
※ 海はすべてを包み込み、生命を生み出す母胎であり、力強さにあふれていることから、「海の日」 をソーシャルワーカーデーとし、
ソーシャルワーカーに対する関心と理解を拡げる象徴として設定しました。
15
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
役 員 候 補 者 選 出 の 公 示
立候補の受付期間は、 2016年10月5日(水)から10月28日(金)です。
第28回通常総会において選任された現役員の任期が、2017年度通常総会で満了となります。これに伴
い、次期役員候補者の選出について公示します。
2017年度通常総会から2019年度通常総会
(1期2年)
を任期とする次期役員を選出するため、次のとおり役
員候補者の選出について公示します。
本会の役員に立候補される方は、公示内容に基づき準備をお願いいたします。
なお、立候補の届け出に必要な
「立候補届」
および
「推薦書」
の書式は、会員専用ホームページからダウンロー
ドしてご使用ください。
また、役員選出までのスケジュールは表1のとおりです。立候補の受付期間は、2016年10月5日
(水)
から10
月28日
(金)
消印有効となりますのでご留意ください。
<選挙管理委員会>近畿ブロック
澤 和清(滋賀県)委員長
田尾 直樹(京都府)
山上時津子(大阪府)
岡本 和久(兵庫県)
河合 馨(和歌山県)
※選挙管理委員会は、
「役員候補者選出規則」
に基づき、
役員選出にかかわる事務を厳正に行います。
■役員選出スケジュール(表1)
期 日
2
0
1
6
年
5月14日
(土)
6月18日
(土)
8月 1日
(月)
8月20日
(土)
9月 3日
(土)
9月15日
(木)
10月 5日
(水)
↓
10月28日
(金)
11月 7日
(月)
11月19日
(土)
11月29日
(火)
↓
12月 5日
(月)
↓
↓
↓
↓
1月14日
(土)
1月22日
(日)
2月11日
(土)
3月13日
(月)
2
0
1
7
年
4月 8日
(土)
↓
4月30日
(日)
5月中旬
6月上旬
6月中旬
会議等
理事会
理事会
選挙管理委員会(第1回)
理事会
会長会議
会員専用ホームページ
ニュース9月号
選挙管理委員会(第2回)
理事会
会員専用ホームページ
ニュース11月号
選挙管理委員会
(第3回)
理事会
会員専用ホームページ
ニュース3月号
役職選考会★
理事会★
理事会★
通常総会
(東京)
臨時理事会★
★印は、選挙管理委員会の所管業務外
16
選管業務・行事等
選挙管理委員選出地区決定
選挙管理委員選任報告・承認
準備諸手続・スケジュール確認・公示内容検討
公示内容確定
公示内容報告
「公示」
(公示~受付開始まで2週間以上)
立候補受付開始
↓ (20 ~ 30日間)
立候補受付締切:10月28日
(金)
消印有効
立候補届等書類審査・立候補者名簿確定
立候補者名簿の報告
立候補者名簿の公開
理事候補者郵便投票開始
理事候補者郵便投票締切1月14日
(土)
消印有効
郵便投票開票・理事候補者の決定
立候補者へ選挙結果を通知
候補者決定報告
理事候補者の公表
次期会長候補者選挙立候補受付開始★
↓
次期会長候補者選挙立候補受付締切★
(消印有効)
理事候補者全員による役職候補者内定★
理事会で監事候補者決定★
役員候補者名簿を全正会員に送付
(通常総会議案資料集)
役職選考会で内定した役職候補者報告★
新役員決定
新役職者
(会長・副会長)
決定★
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
2016年9月15日
役員候補者選出に関する 「公示」
公益社団法人日本社会福祉士会
選挙管理委員会
公益社団法人日本社会福祉士会役員候補者選出規則
(以下「規則」という)に基づき、以下のとおり、公
益社団法人日本社会福祉士会の役員候補者選出を行い
ますので公示します。
1.選出する役員候補者人数
正会員を構成する社会福祉士である理事 7人以上13人以内
2.選出する役員の任期
2017年度通常総会開催日(2017年6月頃)から
2019年度通常総会開催日(2019年6月頃)まで
3.選出時期及び選出方法
●選出時期………2016年12月5日(月)~2017年1
月14日(土)
●選出方法………理事立候補者が13人を超える場合
には理事立候補者名簿の中から、
正会員による郵便投票によって、
票数上位13人を候補者とし選出す
る。
4.立候補の受付
●立候補受付期間……2016年10月5日(水)~10月
28日(金)
郵送によることとし、締め切
り日の消印を有効とする。
●送付先………………〒160-0004 東京都新宿区四
谷1-13 カタオカビル2階
公益社団法人日本社会福祉士
会 選挙管理委員会
5.立候補者の要件
(1)立候補者は、正会員を構成する社会福祉士であ
ることを要する。
(2)立候補者は、正会員の推薦があることを要す
る。なお、各正会員が推薦できる立候補者は、
理事定数の3分の1を超えない数とする。
6.立候補の方法
●立候補に必要な書式(「(公社)日本社会福祉士会
理事立候補届」および「(公社)日本社会福祉士
会理事立候補者推薦書」)は、本会会員専用ホー
ムページからダウンロードして使用すること。
●立候補者は、「(公社)日本社会福祉士会理事立
候補届」および「(公社)日本社会福祉士会理事
立候補者推薦書」をあわせて提出(郵送)するこ
と。
●封筒の表面には、必ず「立候補届在中」と朱書き
すること。
7.禁止事項
(1)連続4期(8年)を超えての選任の禁止。(定
款第19条第1項)
(2)選挙管理委員は役員に立候補することができな
い。(規則第7条第3項)
(3)立候補者が理事に就任した後は、正会員の会長
又は業務執行理事を兼務できない。(規則第4
条第6項)
8.留意事項
○ニュースにて立候補者氏名、所属都道府県社会福
祉士会名を公開します。
○会員専用ホームページでは、ニュースでの公開内
容に加えて会員番号、年齢、勤務先名および業
種、職種内容、推薦者正会員、社会福祉士として
の主な活動歴(社会福祉士会での活動を含む)立
候補理由・抱負・本会において取り組みたい事項
について公開します。
○立候補の受け付けは郵送のみです。FAX・宅配
便・Eメールや直接持ち込みは、規則上受付はで
きませんので、十分ご注意ください。
○立候補届と推薦書は、それぞれ押印のうえ必ず一
括して発送してください。
○立候補受付締切日間近に立候補届を発送する場合
は、「速達」で発送してください。
○立候補届の提出期限に間に合わなかった場合や届
出書類に不備または虚偽が発見された場合には、
立候補は認められないので、十分にご注意くださ
い。
○理事立候補者はあらかじめ選挙管理委員会が指定
した方法によってのみ選挙活動ができます。(規
則第8条)選挙活動は、ニュースや会員専用ホー
ムページでの立候補内容の公開等、公平公正であ
り、かつ透明性を確保したものとしてください。
9.補 足
○選挙管理委員会は、役員選挙にかかわる事務を所
管します。
○立候補者名簿は、選出期間開始日までに、正会員
へ送付します。
○監事候補者は、規則により理事会において選出さ
れます。
○選挙管理委員会は、役員候補者名簿を整え通常総
会に提出し、通常総会において役員の選任(承
認)を求めます。
○立候補者が7人に満たない場合は、立候補者の再
受付を行います。手続きは、最初に立候補した者
の受付に準じるものとします。(規則第5条第1
項)
○立候補者が7人以上で13人に満たない場合は、立
候補者の再受付を行うことができます。手続きは
最初の立候補した者の受付に準じるものとしま
す。再受付は1回のみとなります。(規則第5条
第2項、第3項)
以上
17
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
2016年9月15日
6.候補者推薦書の受付 ≪細則第3条第2項≫
・受付期間 2016年11月1日
(火)~ 30日
(水)の1か
正会員を構成する社会福祉士 各位
月間。
綱紀委員会委員選考に関する 「公示」
公益社団法人日本社会福祉士会
綱紀委員会委員選考委員会
郵送によることとし、締め切り日の消印
を有効とする。
・送 付 先 〒160-0004 東京都新宿区四谷1-13
カタオカビル2階
以下のとおり、公益社団法人日本社会福祉士会綱紀委員
公益社団法人日本社会福祉士会
会規則(以下「規則」という)ならびに公益社団法人日本社
綱紀委員会委員選考委員会 宛
会福祉士会綱紀委員会委員選考に関する細則(以下「細則」
という)の規定に基づき、綱紀委員会委員候補者の選出を
7.委員候補者の要件
行いますので公示します。
正会員に所属する社会福祉士である委員候補者は推薦期
下記により選考に関する取り組みを開始いたしますの
間の初日(2016年11月1日)現在において正会員に5年
で、正会員を構成する社会福祉士の皆さまのご協力をお願
以上在籍していること。(2011年10月以前に正会員に在
い申し上げます。
籍している方)
記
8.推薦の方法 ≪細則第4条≫
1.選出する委員候補者区分および人数
・「
(公社)日本社会福祉士会綱紀委員会委員候補者推
≪規則第3条第1項≫
(1)正会員に所属する社会福祉士である委員
(定数=7人以内)
(2)正会員に所属する社会福祉士以外
薦書」に推薦理由等必要事項を記入し、署名(自署)
捺印の上選考委員会宛に提出(封書で郵送)する。
書式は、会員専用ホームページからダウンロードし
てご使用ください。
(定数=3人以内)
・正会員が推薦できる委員候補者は1人に限られます。
・封筒の表面には、必ず「綱紀委員候補者推薦書在中」
2.選出する委員の任期 ≪規則第4条第1項≫
と朱書きしてください。
2017年4月1日から2019年3月31日までの2年間
9.禁止事項
3.選出の方法 ≪細則第3条≫
(1)連続4期(8年)を超えての選任の禁止。≪規則
(1)正会員に所属する社会福祉士である委員
(7人以内)
………正会員が候補者を「選考委員会」に推薦
する。
(2)正会員に所属する社会福祉士以外(3人以内)
………「選考委員会」が候補者を推薦する。
第4条第1項≫
(2)選考委員会の委員は、綱紀委員には選考されな
い。≪細則第2条第4項≫
(3)正会員は複数の候補者を推薦することはできな
い。≪細則第4条≫
(4)推薦書は、封書で届けられたもの以外は受け付け
ない。≪細則第4条≫
4.選考委員会 ≪細則第2条≫
選考委員会は、委員候補者選出にかかわる事務を所
管します。
※留意事項
・委員の選考過程に関しては非公開です。お問い合わ
せにはお答えできません。
【選考委員名簿】
(4人)
(副 会 長)
松山 茂樹
(副 会 長)
山崎 智美
(理 事)
渡部 健志
(事務局長)
小笹 知彦
・推薦書の受付は封書のみです。FAX、Eメール、
はがき、あるいは直接事務局への原紙持ち込みは一
切受理されませんのでご注意ください。
・推薦書の提出期限に間に合わなかった場合や、記載
の不備、正会員が複数人の推薦をした場合、または
記載内容に虚偽が発見された場合には、無効となり
ますので十分にご注意ください。
5.選考に関するスケジュール
2016年6月 「選考委員会」発足
9月 委員選考に関する公示
11月 正会員から選考委員会へ推薦書提出期間
2017年2月 理事会で候補者を指名(候補者の決定)
3月 総会で承認、「選考委員会」の解散
18
以上
【お問い合わせ先】
(公社)日本社会福祉士会 事務局(担当:上原)
〒 160-0004 東京都新宿区四谷1-13 カタオカビル2階
TEL 03-3355-6541 E-mail
[email protected]
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
意思決定支援を踏まえた成年後見制度の見直しと運用
改善に関する本会意見の論点整理(中間まとめ)
2016年6月18日
(公社)日本社会福祉士会
障害者権利条約の提起する意思決定支援のあり方と成年後見制度の見直しは、各界各層で議論されて
いるほか、都道府県社会福祉士会および所属会員にとっても関心のあるテーマであり、今後の社会福祉
士会の活動にも大きな影響を与えることが予想されます。
本会は、意思決定支援を踏まえた後見制度および後見活動のあり方について2015年度、2016年度の2
年間にわたり老人保健健康増進等事業での研究を行ってきました。このたび、その研究成果を「意思決
定支援を踏まえた成年後見制度の見直しと運用改善に関する本会意見の論点整理(中間まとめ・案)」
を整理し、都道府県社会福祉士会への意見照会ならびに、都道府県ぱあとなあ連絡協議会における検討
を経て、6月18日理事会にて「意思決定支援を踏まえた成年後見制度の見直しと運用改善に関する本会
意見の論点整理(中間まとめ)」として確定しました。今後、さらに検討を深めていく予定です。
【Ⅰ 現状に対する認識】
論点1 成年後見制度をどう見るか
(1)2000年にスタートした新しい成年後見制度は、
効果については、例えば、親族の経済的虐待に
対する成年後見人等の財産管理による防止、や
むを得ない措置での分離保護の後に成年後見人
等との契約による保護先の継続的確保、養介護
前年度に制度化された地域福祉権利擁護事業(現
施設従事者等の虐待における成年後見人のサー
「日常生活自立支援事業」
)と相まって、判断能力
ビス状況チェック、ケアプランの見直し要請や
の不十分な高齢者・障害者の権利擁護に、大きく
通報等による行政対応を促すなどの効果が指摘
寄与した。
できる。
(2)成年後見制度の利用を通じて、高齢者・障害
者のその人らしい地域生活の実現、消費者被害、
虐待等権利侵害からの救済や予防につながった。
③ 支援者としての機能
・専門職の成年後見人等、とりわけ社会福祉士が
身上監護を軸とした後見事務を遂行することに
① 判断能力の不十分な者の契約概念の確立
より、単に金銭管理や法律行為の代理・代行決
・福祉サービス等の利用にあたって、従来家族等
定だけでなく、生活のコーディネートや見守り
による契約が行われていたが、介護保険制度の
等本人支援の中核としての役割を果たしてき
導入にともなう成年後見制度や日常生活自立支
た。また、成年後見人等が関係支援機関との関
援事業の利用により、利用者主体の契約概念が
係を確立することによって、本人を取り巻く支
次第に定着した。
援のネットワークが強化され、役割を分担して
② 権利侵害からの防止
・消費者被害や経済的虐待等の権利侵害に対し
支援していく道筋も示されてきている。
(3)一方で、成年後見人等による横領などが続い
て、成年後見制度の利用による救済や予防の効果
ており、社会的批判を招いている実態もある。
が専門職や行政機関において認識されてきた。
・親族後見人については、従来から行われていた
・成年後見人等による消費者被害等の防止につい
親族による財産の横領、着服に歯止めをかけ、
ては、取消権の行使によらずとも、権限が付与
防止する役割を果たした側面もあるが、完全に
されている成年後見人等の存在とその関与が、
横領や着服を防止するには至っていない。
他の支援者の発見や気づきを促し、専門の相談
・また、専門職後見人においても、一部におい
機関や行政等につながり、権利侵害の実効的防
て、横領等の不正行為が発覚している。これら
止につながった面がある。
の行為は、専門職の倫理綱領に反し、成年後見
・成年後見制度の利用による高齢者虐待の防止の
制度への社会の信頼を裏切る絶対に容認できな
19
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
いものであり、各団体の自浄努力が求められて
護の制度として機能するためには、制度の改革と
いる。
運用方法の改善が不可欠である。
・いずれにしても、成年後見人等の不正を防止す
(2)成年後見制度の改革は、各界各層の議論を踏
るための体制整備が急務であり、家庭裁判所、
まえて早急になされるべきであるが、障害者権利
関係行政機関、成年後見人受任団体等が連携し
条約、とりわけ12条と19条を踏まえて、次の諸点
て、実効的なものにしていくことが求められて
の検討が必要である。
① 「後見類型」のあり方を中心に法定後見の三
いる。
(4)また、成年後見制度が内包する広範な権利制
限が、成年被後見人の選挙権回復訴訟や成年後見
類型及び診断書や鑑定書における本人の能力評
価のあり方
制度の欠格条項による公務員の失職に関する訴
・「後見類型」については、現在の利用実態から
訟等に見られるように成年被後見人等自身によ
見直しが必要である。見直しにあたっては、広
る権利回復の動きが見られている。
範な包括的代理権や欠格条項など権利制限の観
こうした成年後見制度の広範な権利制限につ
点から廃止すべきか、極めて重度の認知症や心
いては、現在、
「法の前の平等を定める障害者権
身の障害により判断能力・意思決定の能力を欠
利条約第12条に抵触するので早急な制度改正が必
くと評価せざるをえない利用者に限定的に適用
要である」との議論を生んでいる。
する仕組みとするか、なお検討が必要である。
論点2 成年後見制度の運用実態をどう見るか
(1)現在の成年後見制度の利用実態は、後見類型
に偏重し、活動は、家庭裁判所の監督方針に顕
② 代理権行使のあり方
・意思決定支援を行うために必要な支援体制の充
実を図り,実質的な意思決定ができる仕組みを
目指すための取り組み
著なように財産管理を重視したものとなってお
・代理権行使は意思決定支援を尽くした上での最
り、当初理念として打ち出された本人の有する能
後の手段である原則の確立とそのための枠組み
力を活用するための「任意後見制度」
「補助制度」
③ 後見実務で問題となる個別事項の整理
の活用は進んでいない。また、社会福祉士が重視
・医療同意
してきた生活支援に着目した「身上監護」の理念
・死後事務
についても、後見実務においてどのように評価す
・精神保健福祉法の医療保護入院
るかについて家庭裁判所等においても必ずしも
④ 成年後見制度の利用のための体制整備
定まっていない面がある。
・市町村長申立ての適切な運用を行うためのシス
(2)市町村長申立ての増加、第三者後見人の増大
(70%を占める)
、市民後見人の育成事業、成年
テム
・成年後見制度利用支援事業の拡充と義務化
後見制度利用支援事業による資産の無い者に対
・市民後見人の育成と活用のシステム
する助成制度など、
「社会的後見」を実現するた
・成年後見推進団体への支援と関係機関の連携シ
めの体制整備は徐々に進められてきている。
ステム
一方、市町村によっては、市町村長申立てへの
⑤ 虐待や刑余者への対応など一人の専門職や一
ハードルが高いことや、成年後見制度利用支援事
機関が対応できる範囲を超えている困難な案件
業の報酬助成の要件を市町村長申立て以外に適
に対して自治体が関与する後見センターで受任
用しないなど、
都道府県や市町村の格差も大きい。
する体制や生活保護制度における「後見扶助」
【2014年度研究事業報告書、他】
の創出など、成年後見制度の利用を公的責任で
【Ⅱ 改革の必要性と方向】
論点3 障害者権利条約に基づく制度改革と運用
改善をどのように進めるべきか
保証する「公的後見」の仕組みの創出
⑥ 家庭裁判所の監督機能の見直し
【2010年度成年後見制度及び運用改善に関する意見書】
【2014年度研究事業報告書】
(1)成年後見制度は、今後も必要性の高い制度で
(3)本会は、上記制度改革の諸点について検討す
あるが、論点1(3)
(4)で述べた成年後見制度
るための場を設け、社会福祉士の後見実践の事例
の負の側面や論点2で述べた現在の運用実態か
収集と分析から、実態に即した制度改革について
ら、成年後見制度が真に高齢者・障害者の権利擁
今後検討していく。
20
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
論点4 現行制度の枠組みでの意思決定支援に配
慮した後見実務のあり方はどうあるべきか
(1)意思決定支援については、医療や福祉など支
援に関わる従事者のみならず、本人の身近で支援
・本人の生活上の課題に対して、何かを選択した
り、決定したりする必要がある場合には、ま
ず意思決定支援を行い、本人をエンパワメント
し、本人による意思決定を目指すことを第一と
すべきである。
する家族、友人、知人にも求められるが、介護保
・その上で、代理権の行使が必要な場合は、本人
険や障害者総合支援法などのあり方として意思
が決定すべき課題の軽重やそれに求められる能
決定支援や意思表明支援が不十分である現状が
力と本人の有する能力を見立てた上で、最後の
あり、意思決定支援を支援の一般原則として確立
手段として代理権の行使を行う原則を明確にす
する仕組みが求められている。
べきである。
(2)判断能力の不十分なものに対する成年後見人
・本人の生活を守り権利侵害から防止するために
等の支援においては、意思決定支援に配慮した後
必要な決定について、本人による意思決定が困
見実務を確立する上で、これまでの成年後見制度
難な場合や本人の同意が得られない場合は、
「ベ
利用や後見実務について、真摯な振り返りが必要
ストインタレスト(最善の利益)
」に基づく代
である。
理権行使の根拠と手順を明確にすべきである。
① 成年後見制度の利用が、本人の課題よりも周
・本人の意思のゆらぎや代理権の行使が必要な状
囲の家族や支援者のニーズが優先されてこな
況の変化を注意深くモニタリングし、決定した
かったか。
代理権行使について検証し、変更していく姿勢
② 付与された権限の行使について、その判断基
準や根拠を明確にすることなく、安易になされ
ることはなかったか。
が重要である。
③ 権限行使する場合の根拠や評価の明確化
(ケース会議手法の導入)
③ 本人の意思を実現するために,個人のネット
意思決定支援を尽くした上で、最後の手段とし
ワークだけに頼らない組織的対応や地域への働
て代理・代行決定等を行う場合は、本人が可能
きかけができていたか。
であれば参加する関係者を含めたケース会議を
(3)その上で、ソーシャルワーク手法を積極的に
活用して、権限行使の根拠、その内容、担当者
活用することにより、本人を中心に置き、意思決
等を決定し、事後に評価を行う手法を確立すべ
定支援に配慮した後見実務の原則を確立すべき
きである。
である。
① 予防的支援
④ 本人を中心としたネットワークの確立(ソー
シャルサポートネットワークの導入)
現在の成年後見制度の利用は、本人の財産管
本人を中心に、家族・友人、日常的支援者、成
理や契約締結能力の低下や権利侵害に対して、
年後見人等がネットワークを形成し、解決すべ
本人の意思よりも家族や支援者の事情でなされ
き課題に応じた役割分担を行い、連携して支援
る事後的な対応になっていることが多い。これ
する体制を確立するべきである。
を本人の意思表出がより容易である任意後見制
(4)これらの後見実務の原則は、社会福祉士後見
度や日常生活自立支援事業の充実、強化を図る
人において先ず確立されるべきであるが、他の専
とともに、補助類型、保佐類型の活用により早
門職後見人、市民後見人とも共有しうる視点であ
期に成年後見制度に繋げることにより、本人の
ると考える。
意思を反映できる権利擁護の制度利用を進める
またこれは、一つの提案であって、今後の社
べきである。
会福祉士(会)の実践を通じ、また関係機関、
② 意思決定支援のプロセスの可視化(アセスメ
団体との意見を交換する中で深めていくべきも
ント手法の導入)
のである。
成年後見人等が行う支援のあらゆる場面にお
そのためにも成年後見制度を軸とする権利擁
いて、意思決定支援の優先とそのためのプロセ
護に係る専門職、行政、社会福祉協議会等関係
スを明確にした支援手法を確立するために「ア
諸団体および市民によるネットワーク構築に向
セスメントシート」等のツールを開発し、活用
けての日常的連携と協働が求められる。
すべきである。
【2014年度研究報告書及び2015年度研究での検討】
21
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
ICTを活用した研修提供体制基盤構築及び
試行事業を始めます
本会は社会福祉振興・試験センターの助成を受けて、今年度、「ICTを活用した研修提供体制基盤構
築および試行事業」を行うこととしました。
事業の目的
事業の概要
実践する社会福祉士は常に最新の知識と技術を学
インターネットを活用した研修等の提供を行う予
び研鑽を続ける必要があります。その一方で、現場
定です。生涯研修のコンテンツを軸とし、有料コン
は日々忙しく学ぶためのまとまった時間が取りにく
テンツおよび無料コンテンツをオンデマンド提供す
い現実や研修に参加したくとも出産や育児で時間
る予定です。いつでもどこでも学べる環境づくりに
がとれなかったり、研修開催地から遠く参加しにく
着手します。イメージ図を下記に示します。
い社会福祉士も多くいます。そこで、社会福祉士
にとって効率的かつ学びやすい環境を提供するため
視聴モニターの募集について
に、ICTを活用して社会福祉士個々のニーズに合っ
当事業は本会として初めての試みです。社会福祉
た研修を提供することができるよう研修提供体制の
士のニーズに応えるコンテンツを作成できるか、使い
基盤構築と試行事業を行うこととしました。
やすいシステムか、
など多くの評価すべき課題があり
ます。そこで、当事業の視聴モニターを募集する予定
です。詳しくは次号の本会ニュースでご案内します。
22
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
声明・意見書等を発出しました
本年の5月から7月にかけて、本会は以下の声明および意見書を公表しています。声明・意見書の全文
は、本会ホームページに掲載しています。
○声明・会長声明
発信日
標 題
5月14日
衆議院厚生労働委員会において、ALS当事者が参考人として出席できなかった件に関す
る声明
6月15日
「ハンセン病を理由とする開廷場所指定に関する調査報告書」(最高裁判所事務総局)
に対する意見表明
6月18日
意思決定支援を踏まえた成年後見制度の見直しと運用改善に関する本会意見の論点整理
(中間まとめ)
7月26日
「津久井やまゆり園」障害者殺傷事件について
衆議院厚生労働委員会にALS当事者が参考人として出席できなかった件に関する声明を発出しました。
5月10日の衆議院厚生労働委員会においてALS当事者が参考人として出席できなかったことについて、以
下の観点から抗議しました。
報道によると、参考人が出席できなくなった理由として、「コミュニケーションに時間がかかること」が
挙げられていたとのことです。このようなことが論点になること自体が、障害者差別解消法に反しているこ
とは明らかであり、国会はALS当事者が参考人として意見を陳述できるよう配慮すべきであったと考えます。
また、一部報道によりますと、他の法案の審議を巡る与野党の対立が原因として挙げられています。もし
これが事実ならば、障害者の人権を政争の具としたことになり、許されることではありません。
私たちは、今後、国会を始めとする政府機関が障害者差別解消法の精神を遵守し、全ての障害者が基本的
人権を享有できるために必要な配慮を行うよう強く要望します。
「ハンセン病を理由とする開廷場所指定に関する調査報告書」
(最高裁判所事務総局)に対する意見を表
明しました。
4月に最高裁判所事務総局が発表した調査報告書について、以下のとおり意見を表明しました。
開廷場所の指定について、違法であると認定し、「深く反省し、お詫び申し上げる。」とした点は評価で
きます。
しかし、「裁判の公開」については、公開の要請を満たさない場所が選定されたと認定するには至らな
かったとしており、この点については容認できません。そもそも、傍聴することが困難な刑事収容施設やハ
ンセン病療養所を開廷場所としなければ、裁判の公開については問題にならなかったのですから、年数が経
過して証拠が集まらないことをもって自らに有利に解釈するのではなく、問題の本質を捉えて判断すべきで
あると考えます。
司法行政事務に携わる職員は人権に対する鋭敏な意識を持って、このようなことを二度と起こさないよ
う。具体的な方策を実行していくよう強く望みます。
意思決定支援を踏まえた成年後見制度の見直しと運用改善に関する本会意見の論点整理(中間まとめ)
を公表しました。
内容については、本ニュースの19ページをご参照ください。
「津久井やまゆり園」障害者殺傷事件について意見を表明しました。
7月26日未明、相模原市の障害者支援施設において、侵入した男に入所者が刺され死傷するという事件が
起きました。この事件によりお亡くなりなった方々にお悔やみを申し上げると共に、お怪我をされた方々の
一日も早いご回復を祈念します。
施設の元職員による事件は、私たち福祉関係者にとって大きい衝撃であり、今後、適切な捜査により、事
件の真相が一刻も早く明らかになることを望みます。
23
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
○意見書
発信日
6月30日
8月11日
標 題
「バリアフリー基本構想作成に関するガイ
ドブック」の改訂案に対するパブリック
コメント
「フリースクール等に関する検討会審議経
過報告への意見」に対するパブリックコ
メント
発信先
国土交通省 総合政策局 安心生活政策課
文部科学省初等中等教育局フリースクー
ル等担当
「バリアフリー基本構想作成に関するガイドブック」の改訂案に対するパブリックコメント
知的障害者や精神障害者の場合は、保護者や介助者にヒアリングをする旨の記載がありますが、それでは
本人の意見を聞いたことにはなりませんので、障害者本人が意思表明をできるように支援者が補佐するなど
の配慮をするべきです。
また、「高齢者や障害者等に対して、国民ひとりひとりがやさしさや思いやりを持って接する~」との記
載を、「国民ひとりひとりが年齢や障害の有無にかかわらず相互に人格と個性を尊重し合う~」に修正して
ください。
他にも、用語等が不適切な部分について多数指摘しました。
「フリースクール等に関する検討会審議経過報告への意見」に対するパブリックコメント
義務教育段階に限定することなく、切れ目のない支援体制の構築が必要です。実際に高等学校相当年齢を
対象にしているフリースクールが多く、義務教育終了後も含めた一貫した取り組みが必要です。
学校以外の通いの場を制度化するに当たっては、不登校児童生徒が学校教育から排除されることのないよ
うに配慮する必要があります。また、家庭にいる不登校児童生徒の中には家庭内暴力や虐待の事例もありま
す。いずれの場合も、関係機関と連携した支援をするためにはスクールソーシャルワーカーの役割が重要で
すので、配置のさらなる充実を望みます。
― 懲戒処分 戒告 ―
施設利用者の意思により遺贈を受けた行為について
<処分年月日>
2016年6月26日(福岡県社会福祉士会 2016年度臨時理事会)
<事案の概要>
正会員に所属する会員○○○○は居宅介護支援事業所において、介護支援専門員としてかかわってい
た利用者の死後、利用者宅から発見された利用者本人の遺言書に基づき遺贈を受けた。
<処分の種類とその理由>
種類:戒告
理由:①遺贈を受けた事実が倫理綱領に抵触することは明らかであり、故人の意思の実現を重視しての
ことであっても許されるものではない。
②利用者より任意後見人の紹介を依頼された際、知人の介護支援専門員から推薦された人物を任意後見
人としての適性や条件、素性を見極めることなく安易に紹介したうえ、任意後見人契約が締結されてい
ない段階であったことを知りながら、利用者の死後、本来何の権限もない同人に死後事務を委ね、その
権限外の行為を看過し、相続財産の一部を散逸させた。更に、同人から紹介された司法書士に遺言の検
認から遺言執行選任申立てに至る一連の手続を全て任せ、法外とも思える額の報酬請求を安易に受け入
れ、相続財産から支払い、これを減少させた。
③相続人の存在が判明しても、約1年後に相続人代理人の弁護士から質問を受けるまで、相続人らに死
後の対応状況等を一切説明せず、相続人らの不信を招いた。
④しかしながら、調査時点では、相続人らに対する説明責任を自覚しており、また、受け取った遺産につ
いては、親族に引き渡したいとも発言している。今回の調査では、自らのために遺贈を受けた財産を費消
した事実は認められなかった。
<処分の理由に対する倫理綱領>
(信用失墜行為の禁止) Ⅳ-2
<処分の理由に対する行動規範>
(利用者に対する倫理責任) Ⅰ-1-2 、Ⅰ-2-1、Ⅰ-2-2
(実践現場に利用者の利益の最優先) Ⅱ-1-1、Ⅱ-1-2、Ⅱ-1-3
(専門職としての倫理責任) Ⅳ-2-1
公益社団法人日本社会福祉士会 会長 鎌倉克英
公益社団法人福岡県社会福祉士会 会長 青栁壮悟
24
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
日本社会福祉士会が主催する研修について
2016年度に開催される日本社会福祉士会(以下、「本会」という)主催の研修のうち、9月以降にお申し
込みが可能な研修情報をご案内します。研修内容やお申し込み方法等の詳細は、本会ニュースに同封されて
いる開催要項または本会生涯研修センターホームページをご覧ください。
研修名
開催予定日
開催地
備考
生活困窮者支援事業
主任相談員スキルアップ研修
前期:2016年11月1日~2日
後期:2017年2月21日~22日
東京
地域包括ケア
全国実践研究集会
2016年11月12日
東京
障がい者の地域生活
支援研修
前期:2016年11月26日~27日
後期:2017年1月14日
東京
成年後見人養成新研修
講師養成研修
2016年11月26日~27日
東京
災害支援活動者養成研修
2016年12月3日~4日
東京
社会福祉マネジメント研修
前期:2016年12月3日~4日
後期:2017年1月7日~9日
第13回独立型社会福祉士
全国実践研究集会
2017年1月28日~29日
東京
スーパービジョンⅡ研修
2017年2月4日~5日
東京
認証番号20160003
自殺予防
ソーシャルワーク研修
2017年2月4日~5日
東京
研修認証申請予定
多文化ソーシャルワーク
全国実践研究集会
2017年2月12日
東京
レジデンシャル・
ソーシャルワーク研修
2017年2月18日~19日
東京
生活困窮者支援
ソーシャルワーク研修(仮称)
2017年3月4日~5日
東京
子ども家庭福祉分野における
包括的支援研修(仮称)
2017年1月28日~29日
未定
★
認証番号20150018
研修認証申請中
浜松市
研修認証申請中
研修認証申請予定
【旧生涯研修制度における経過措置対象の方へのご案内】
認定社会福祉士特別研修(以下、「特別研修」という)は2017年度が最後の開催となります。特別研修を
受講するためには2016年度までに、その受講要件(※)を満たすことが必要です。上記の研修一覧のうち、
経過措置対応における専門分野別研修に該当するものは、備考欄に「★」がある研修のみです。研修認証
後、あらたに専門分野別研修に該当することとなった研修はホームページでご案内します。各都道府県社会
福祉士会が主催する研修は、直接都道府県社会福祉士会にお問い合わせください。なお、2018年度以降の認
定社会福祉士の取得ルートについては、ニュース6月号(№180)をご覧ください。
※ 共通研修課程の修了申請は 2016 年度申請 (受付期間 : 2017 年 4 月~ 6 月) までが対象となります。
専門分野別研修 4 単位分は 2016 年度に開催される研修までが対象となります。
また、 研修単位の他、 直近 10 年間に 5 年以上の相談援助実務経験があることが必要です。
25
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
学会運営委員会情報
福島大会の分科会発表申込期限が早くな
ります
第25回日本社会福祉士会全国大会・
情報
社会福祉士学会(福島大会)分科会発表
旬より本会ホームページにて受講募集を
開始しますので、関心のある方はふるっ
てお申込みください。
【期日】2017年2月12日(日)
【会場】昭和女子大学(東京都世田谷区)
【定員】130人(先着順)
「2016年度障がい者の地域生活支援研
申込受付は、例年より早い2016年12
月10日(土)~ 2017年2月28日(火)
修」のご案内
の予定です。詳細は次号ニュース(11
本研修は、障がい者に対する特性の理
月号No.
182)に同封予定の募集要項
解と認識を深め、社会福祉士として障が
に掲載をしますのでご覧ください。
生涯研修センター情報
(認証番号:20160003、共通専門/
い者の地域生活支援を実践するために必
サービス管理・人材育成・経営系科目群
要な力量を高めることを目的に開催しま
Ⅰ 人材育成系科目Ⅰ 1単位)
す。
「社会福祉マネジメント研修」のご案内
社会福祉法における福祉サービスの基
【期日】前期:2016年11月26日(土)
~ 27(日)
後期:2017年1月14日(土)
以下に掲載している研修会の詳細は、
本的理念(第3条)を踏まえて地域福祉 【会場】前期:戸山サンライズ(東京都新
本会ニュース同封の開催要項または生涯
の推進(第4条)を実施していくために
宿区)
研修センターホームページをご覧くださ
は、ソーシャルワーカー個人の努力のみ
後期:未定
い。
ならず、組織が一体となって機能し、組 【定員】50人
「スーパービジョンⅡ研修」のご案内
織としての理念や戦略を作り上げていく
日本社会福祉士会では、実践している
ことが重要です。本研修では、そのため 「地域包括ケア全国実践研究集会」のご
に必要なスキルとして、組織行動論の基 案内
社会福祉士が適切にスーパービジョンを
本理論、サービス管理・リスクマネジメ
本会は、これまで地域包括支援セン
受け、実践力が向上できるよう、スーパー
ント、階層別の役割行動、組織運営管理・
ターの社会福祉士の実践を中心として全
ビジョンの研修体系の構築を進めていま
経営の知識を習得し、地域や組織内の中
国実践研究集会を開催してきましたが、
す。基礎課程修了した方は、課程中の人
核的な役割を担う人材の育成を目的に開
今年度より地域包括ケアにおけるソー
材育成科目においてスーパービジョンの
催します。
シャルワーク実践にその射程を広げて展
講義やスーパーバイジー体験を模擬的に
また、本研修は、社会福祉マネジメン
開していきます。
行うことで、スーパービジョンを受ける
トの現場を実際に視察することにより、 国は、団塊の世代が75歳以上となる
ことの意義や受けるために必要な準備を
知識の修得だけに限らない相乗効果を期
2025年度を目途に、重度な要介護状態
学び、これにより「スーパービジョンⅠ」 待できることから、社会福祉法人天竜厚
となっても住み慣れた地域で自分らしい
が修了となります。
生会(浜松市)において研修を開催する
暮らしを人生の最後まで続けることがで
本研修は、基礎課程修了後に現場で
こととしました。先進的な取り組みをご
きるよう、医療・介護・予防・住まい・
スーパービジョンを受けたことをふまえ
覧いただける貴重な機会ですので、ぜひ
生活支援が一体的に提供される地域包括
て、改めてスーパービジョンの意義を
ご参加ください。
ケアシステムの構築を掲げ、全国の市区
再確認し理解を深めること、スーパーバ 【日程】前期:2016年12月3日(土)
町村では,それぞれの地域の実情に応じ
イザーとなるための予備的知識を学ぶ
て地域包括ケアシステムの推進に向けた
こと、さらに職場における新人の育成を
~ 4日(日)
後期:2017年1月7日(土)~
スーパービジョンの視点を踏まえて行え
9日(月)
施策を展開しているところです。
さ ら に、2015年9月17日 に「 誰 も
るようになることを目的とする研修で 【会場】社会福祉法人天竜厚生会(静岡
が支え合う地域の構築に向けた福祉サー
す。
ビスの実現-新たな時代に対応した福祉
県浜松市)
※本研修の修了をもって認定社会福祉士 【定員】50人
の提供ビジョン(以下「新ビジョン」と
認証・認定機構のスーパーバイザー登録
いう。
)
」を公表し、地域包括ケアを全世
の推薦を行うものではありません。
「多文化ソーシャルワーク全国実践研究
【日程】2017年2月4日(土)~ 5日(日) 集会」のご案内
代・全対象に発展・拡大させた「新しい
地域包括支援体制」の確立を目指す方針
【会場】東京都内
「『言葉』の壁をこえる支援のあり方と
を示しています。特に、相談支援の「包
【定員】50人
多機関連携」をテーマとし、2016年度
括化」
「統合化」
の流れのなかで、
コーディ
【備考】本研修は認定社会福祉士認証・
多文化ソーシャルワーク全国実践研究集
ネート人材としての社会福祉士の役割が
会を開催します。本会ニュース11月号
あらためて問われています。
認定機構に認証された研修です。
26
にて開催要項を同送予定ですが、9月上
日本社会福祉士会ニュース №181(2016年 9 月)
そこで、本会は新たな流れを踏まえ、
発に向けたソーシャルアクションが期待
「独立型社会福祉士全国実践研究集会」
全国で初めてとも言える全世代対応型の
されています。
地域包括ケアに求められる「コーディ のご案内
本実践研究集会では、日本における
ネート力」をテーマとして「地域包括ケ
生活問題の多様化、複雑化、深刻化に
ソーシャルアクションの可能性を探るこ
ア全国実践研究集会」を開催します。
対応するジェネラリスト・ソーシャル
とを目的に開催いたします。
【期日】2016年11月12日(土)
(土)
~ 29(日)
ワークが求められています。近年、公的 【期日】2017年1月28日
【会場】中央大学駿河台記念館281号室
な福祉が縮小し既存の制度では対応でき 【会場】東京学芸大学 小金井キャンパ
(東京都千代田区)
【定員】165人
新刊・近刊等情報
ない課題に対するため、独立型社会福祉
ス(東京都小金井市)
士には法律・制度・サービスの改善や開 【定員】250人
かってしまう壁。そ
としても活用されています。
の壁にぶつかり、失
敗を重ねつつ「よい
ソーシャルワーカ
■更生支援計画をつくる 罪に問われた
障害のある人への支援
ー」を目指して活動
(東京社会福祉士会)
他
執筆者:及川 博文
されている6人のソ
発売元:株式会社現代人文社
ーシャルワークの実
発行年月日:2016年3月
■ソーシャルワーク論
践を紹介します。それぞれ経験と学びを、
A5判/ 228頁
著者:空閑 浩人(京都社会福祉士会)
それぞれの言葉で表現し、ソーシャルワ
価格:1,900円(税別)
発売元:ミネルヴァ書房
ーカーの
「自立・自律・而立」のあり方を
刑務所などの矯
発行年月日:2016年2月
考える一冊です。
正施設を出所した
※ここで紹介する本は一般書店等でお求めください。
人 の 中 で、 障 害 な
A5判/ 200頁
価格:2,200円(税別)
■社会福祉と法
どで福祉的支援を
病気、失業、家族
分担執筆者:
必要とする人に対
関係の変化…人生で
原田 欣宏(栃木県社会福祉士会)
す る「 出 口 支 援 」が
は自分の責任かを問
奥貫 妃文(東京社会福祉士会)
注目されています。
わず、それまでの生
発売元:放送大学教育振興会
しかし、操作や刑事裁判の段階から早期
活が維持できなくな
発行年月日:2016年3月
に福祉支援につなげる「入口支援」も同時
ることがあります。
A5判/ 292頁
に重要です。入口支援における福祉的支
ソーシャルワーカー
価格:2,900円(税別)
援をまとめたものが「更生支援計画」であ
は、そのような「困った」を抱えた人がそ
本書は、社会福祉
り、本書では、更生支援計画や刑事手続
の人にとって最適な生活を送れるように
と法の関係をテーマ
きについて学ぶことができます。
専門職として手助けします。本書は、広
に、社会福祉の領域
くて深い「ソーシャルワーク」をわかりや
において市民として
■よくわかる権利擁護と成年後見制度
すく解説する、まさにソーシャルワーク
の人権がどのように
執筆者:生田 一朗(京都社会福祉士会)
の入門書です!
尊重されるかという
一迺穂 光彦
(京都社会福祉士会)
観点からだけでな
鵜浦 直子
(大阪社会福祉士会)
■ソーシャルワーカーのジリツ
く、社会福祉にかかわる事業者、行政機関、
関口 洋明
(京都社会福祉士会)
執筆者:木下 大生(埼玉県社会福祉士会)
立法機関、国際機関の役割と責任という
谷口 早月
(京都社会福祉士会)
木村 淳也(福島県社会福祉士会)
観点からも論じられています。人権理念
永田 祐
(京都社会福祉士会)
荒井 浩道(東京社会福祉士会)
と社会福祉の関係を再検討するとともに、
平坂 義則
(愛知県社会福祉士会)
本多 勇(東京社会福祉士会) 他
現代的な権利と義務の問題に関する基本
堀田 裕
(京都社会福祉士会)
発売元:生活書院
的な視点をおさえ、かつ実践的な課題に
堀 善昭
(京都社会福祉士会)
他
発行年月日:2015年12月
も応えていく、そして今後の制度改革と
発売元:ミネルヴァ書房
A5判/ 208頁
国家・自治体の政策責任、市民と事業者
発行年月日:2016年4月
価格:2,000円(税別)
の関係についても検討していきます。教
B5判/ 240頁
「価値」「理念」「専門性」だけではぶつ
育機関における社会福祉分野のテキスト
価格:2,500円(税別)
27
とともに対人力の具体的な活かし方や対
これらに関わった立場や実際に現場で活
実際、成年後見制度
人力を鍛えるトレーニング方法を学ぶこ
動している立場など、様々な立場にある
の考え方とその適用
とができます。
筆者からの報告や議論を掲載した、研究
これから社会福祉士をめざす方だけで
-の増員案、2015年12月中央教育審議
なく、相談援助に携わっている方にも大
き、第2弾にあたる本書では、必察のた
会答申におけるチーム学校の議論、など
いに参考となる一冊です。
13
めに必要な5つの対人力を解説し、事例
今まさに関心が高く動いています。
報告にもなりうる一冊です。
の実際を、最新の動
向を踏まえてわかり
やすく解説します。
豊富な事例をまじえ
■すべての子どもたちを包括する支援シ
ステム -エビデンスに基づく実践推
進自治体報告と学際的視点から考える-
■新版 ソーシャルワーク実践事例集
社会福祉士をめざす人・相談援助に携
わる人のために
た、実践現場のリアリティを感じられる
著者:山野 則子
(大阪社会福祉士会)
一冊。成年後見人として活動されている
大友 秀治
(大阪社会福祉士会)
編者:渋谷 哲(千葉県社会福祉士会)
方、またその成年後見人を志望する方、
渡邉 香子
(神奈川県社会福祉士会)
山下 浩紀(北海道社会福祉士会)
必携です。
岩金 俊充
(山口県社会福祉士会)
発売元:明石書籍
福島 史子
(鳥取県社会福祉士会)
発行年月日:2016年2月
比嘉 昌哉
(沖縄県社会福祉士会)
B5判/ 240頁
米川 和雄
(東京社会福祉士会)
価格:2,800円(税別)
■必察! 認知症ケア2 実践編
著者:永島 徹(栃木県社会福祉士会)
発売元:中央法規出版
発売元:せせらぎ出版
児童虐待、障害者
発行年月日:2016年2月
発行年月日:2016年2月
の自立支援から、高
A5判/ 192頁
A5判/ 256頁
齢者虐待、生活困窮
価格:1,944円(税込)
価格:2,000円(税別)
者支援、保健医療等
認知症ケアの現状
子どもの福祉に関
まで、多彩な福祉分
を変えるカギがここ
する分野は、2014
野と最新の福祉制度
にある!
子どもの貧困対策の
認知症ケアでは、
大綱、そこから話題
「相談援助実践集」です。新版にあたって
認知症の人の「思い
になった学校プラッ
初学者に学びやすい導入事例を新たに加
を察すること」(=
トフォーム、スクー
え、全35事例を紹介しています。
「必察」)が求められ
に準拠した本格的
四谷事務局だより
行 事 予 定 ・ カ レ ン ダ ー 9月
03日(土)
理事会
03日
(土)~ 4
(日)都道府県社会福祉
士会会長会議
06日
(火)未成年後見検討プロジェク
ト委員会
09日
(金)福祉経営研修開発プロジェ
クト委員会
17日(土)~ 18(日)リーガル・ソーシ
ャルワーク研修
認定社会福祉士特別研修
(集合研
修Ⅰ・大阪)
18日
(日)高齢者虐待対応現任者標準
研修プロジェクト委員会
19日
(月)リーガル・ソーシャルワー
ク研修移管説明会及び意見交換会
現場のための障害者虐待防止研
修開発プロジェクト委員会
24日( 土 )生 活 困 窮 者 自 立 支 援 事 業
28
ソーシャルワーク全国研究集会
24日(土)~ 25日(日)全国生涯研修
委員会議
10月
01日(土)基礎研修講師養成研修(北海
道)
02日(日)障がい者支援委員会
08日(土)認定社会福祉士登録機関運
営委員会
10日(月)成年後見研修プロジェクト
委員会
11日(火)自殺予防ソーシャルワーク
研究委員会
15日(土)業務執行理事打合せ・理事会
16日(日)リーガル・ソーシャルワー
ク研究委員会
生涯研修センター企画・運営委
員会
22日(土)独立型社会福祉士委員会
22日(土)~ 23日(日)認定社会福祉
士スクールソーシャルワーク研修
認定社会福祉士特別研修(集合研
修Ⅰ・福岡)
23日(日)権利擁護センターぱあとな
あ運営協議会
地域包括ケア推進委員会
29日(土)~ 30日(日)現場のための
障害者虐待防止研修~行政対応
コース~
認定社会福祉士特別研修(集合研
修Ⅰ・東京)
都道府県社会福祉士会 会員情報
8月31日付 会員数 40,371人
8月中 入会 会員数 140人
前年同月会員増減数 1,162人増
前年同月会員増減率 2.96%増
番地 カタオカビル2階 TEL03‐3355‐6541 FAX03‐3355‐6543 [email protected]
ルソーシャルワーカ
ます。「必察」の重要性を伝えた前著に続
発行人 鎌倉 克英 発行所・事務局 公益社団法人日本社会福祉士会 〒160‐0004 東京都新宿区四谷1丁目
権利擁護の理念と