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L:\253(人事委)給与公平課\2016 年度\G 給与\G0 報告・勧告\G000 報告・勧告総記\H28 概要\★H28 概要(最終
版).docx
平成 28 年 職員の給与等に関する報告及び勧告の概要
平成 28 年9月 26 日
福岡県人事委員会
《本年の給与勧告のポイント》
① 月例給については、職員給与が民間給与を 559 円(0.15%)下回っていたため、
給料月額を引上げ
② ボーナス(期末・勤勉手当)については、職員の年間支給月数が民間の年間支給
割合を0.10 月分下回っていたため、
0.1月分引上げ(年間支給月数4.20 月分→4.30
月分)
③ 配偶者に係る扶養手当の手当額を他の扶養親族と同額とし、子に係る手当額を
引上げ
1 人事委員会勧告制度の基本的な考え方
本委員会は、地方公務員法に基づき、職員の給与、勤務時間その他の勤務条件が社会
一般の情勢に適応するように、民間事業所の従業員の状況、国及び他の地方公共団体の
職員の状況等を考慮した上で、労働基本権制約の代償措置として、職員の給与等に関し、
報告及び勧告を実施
2 平成 28 年4月の民間給与との較差等に基づく給与改定
企業規模 50 人以上で、かつ、事業所規模 50 人以上の県内の民間事業所 1,963 事業所
から 508 事業所を無作為に抽出して、4月分の給与等を実地調査
(1) 職員給与と民間給与との比較
ア 月例給
民間と県職員の本年の4月分給与について、主な給与決定要素である役職段階、
年齢、学歴を同じくする者同士を対比させ比較
民間給与(A)
職員給与(B)
較差(A-B〔(A-B)/B×100〕
)
376,257円
375,698円
559円〔0.15%〕
*職員給与:行政職給料表適用職員の平均給与月額(平均年齢 43.0 歳、平均経験年数 21.2 年)
イ ボーナス(期末・勤勉手当)
昨年8月から本年7月までの直近1年間の民間の支給実績(支給割合)と職員の年
間の支給月数を比較
民間の年間支給割合(A) 職員の年間支給月数(B)
4.30月
4.20月
差(A-B)
0.10月
(2) 改定の内容
ア 月例給
民間給与との較差を解消するため、次の改定を行う。
(ア) 給 料 表
・行政職給料表を人事院勧告で示された行政職俸給表(一)の引上げ改定に準じ
て改定
・その他の給料表は行政職給料表との均衡を基本に引上げ改定
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(イ) 初任給調整手当
給料表の改定状況を勘案し、医師等及び獣医師の手当限度額を引上げ改定
(引上げ額:医師等 300 円、獣医師 100 円)
イ ボーナス(期末・勤勉手当)
民間の年間支給割合と均衡させるため、0.1 月分引上げ
4.20 月分→4.30 月分(引上げ分は勤勉手当に配分)
(3) 実施時期
平成 28 年4月1日
3 扶養手当制度の見直し(平成 29 年4月1日から段階実施)
国家公務員の扶養手当制度の見直しに準じ、配偶者に係る手当額を引き下げるととも
に、子に係る手当額を引上げ(配偶者及び父母等:6,500 円、子:10,000 円)
各年度における扶養手当の手当額(行政職給料表適用者の場合)
(単位:円)
年度
扶養親族
平成28年度
平成29年度
平成30年度
平成31年度
平成32年度
以降
部長級(行政8級以上)
13,000
10,000
6,500
3,500
(支給しない)
13,000
10,000
6,500
3,500
3,500
13,000
10,000
6,500
6,500
6,500
6,500
8,000
10,000
10,000
10,000
6,500
6,500
6,500
3,500
(支給しない)
6,500
6,500
6,500
3,500
3,500
6,500
6,500
6,500
6,500
6,500
配
偶 次長級(行政7級)
者
課長級以下(行政6級以下)
子
部長級(行政8級以上)
父
母 次長級(行政7級)
等
課長級以下(行政6級以下)
(注) 職員に配偶者がない場合の扶養親族1人に係る手当額については、平成28年度は11,000円、平成29年度
は子10,000円・父母等9,000円、平成30年度以降はこの表に掲げる子又は父母等の額とする。
4 意見
(1) 給与について
ア 地域手当の在り方について
同一県内に支給割合が異なる地域を設定した場合、人事管理や人材確保に影響が
生じ、他県において、地域手当の在り方を見直した事例がある。本県においても、
人事管理上の課題になっている事情を踏まえ、あらためて県内の地域手当の在り方
について検討することが適当である。
イ 職務・職責に応じた給与の一層の徹底
現在、多くの医療技術職員が医療現場を離れ、本庁及び出先機関で行政事務に従
事しているという本県の実情を考慮し、引き続き、
「専門的・技術的な業務に従事す
る職員の処遇」について調査・研究を進めるとともに、医療職給料表を適用してい
る職員の適正な給与体系についても速やかに結論を出す。
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(2) 有為な人材の確保について
職員採用を取り巻く環境が依然として厳しい中、有為な人材の確保に向けて、引き
続き任命権者と連携しながら、広報活動を積極的に取り組む必要がある。採用後は、
任命権者において、引き続き人材育成のための取組を進めていく必要がある。
(3) 女性の採用・登用の拡大について
女性の活躍をより一層推進するため、特定事業主行動計画に基づく取組を着実に推
進し、優秀な女性人材の採用や、管理職への積極的な登用に取り組んでいく必要があ
る。
(4) 人事評価制度に基づく適正な人事管理について
任命権者においては、これまで得られた知見も活用し、職員の理解と納得を得なが
ら人事評価制度に基づく適正な人事管理を引き続き進めていく必要がある。
(5) 勤務環境の整備について
ア 仕事と家庭の両立支援の充実について、特定事業主行動計画に基づく積極的な取
組が求められるとともに、介護休暇制度の改正等について国等の動向を注視し検討
する必要がある。併せて、職員が必要に応じて制度を円滑に利用できるよう、職場
としての支援体制の整備も重要である。
イ 長時間労働の是正は、仕事と家庭の両立支援の充実や労働意欲維持の観点から重
大な課題であり、組織を挙げて強い姿勢で取り組む必要がある。管理監督者のマネ
ジメントが重要であり、積極的なリーダーシップを発揮することが求められる。
ウ ハラスメント防止対策について、任命権者においては、意識啓発を徹底するとと
もに、
性的指向や性自認をからかう言動等もセクハラである旨を明確にすることや、
マタハラ等の防止に必要な措置を講ずることなどにより、引き続き取組を推進する
ことが必要である。
エ メンタルヘルス対策については、引き続き早期発見・早期対応及び円滑な職場復
帰支援と再発防止を進めるとともに、ストレスチェックの実施により職員自身のス
トレスへの気付きを促し、集団分析結果を職場環境改善に活用するなど、より一層
推進する必要がある。
(6) 雇用と年金の接続について
中長期的視点に立った計画的な人事管理、及び再任用職員が能力を発揮できる執行
体制の整備により、引き続き再任用制度を適切に運用し、確実に雇用と年金の接続を
図ることが必要である。
(7) 公務員倫理の徹底について
職員は、県民の負託を受ける奉仕者としての自らの使命を自覚すること等が求めら
れる。任命権者においては、職員に対し、あらゆる機会をとらえ、公務員倫理の徹底
を図ることなどにより、不祥事を未然に防止する不断の取組が必要である。
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