2016/ 原油価格週間動向 9/26 投資情報部 シニアコモディティアナリスト 津賀田 真紀子 同床異夢の産油国、増産凍結合意は困難か 先週、米追加利上げの見送りによるドル安を背景に、WTI 原油相場は一時 1 バレル 46 ドル台まで値を戻し たものの、足元では再び 44 ドル台まで値を落としている。今週 26~28 日にアルジェリアで主要産油国が非 公式会合を行うことが予定されているが、OPEC 最大の産油国であるサウジアラビアが、生産水準を決定す る場ではなく、相談し合う機会と位置付けていると伝えられたことが失望売りを誘っているためだ。各産油 国ともに、すでに余剰生産能力が限界に近づいていることから、これ以上我慢大会を続けたくはないというの が本音と思われるが、同床異夢の産油国がどう解決策を模索していくのか、市場の関心が注がれる。 国際指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物相場は先週 米利上げ見送りに よるドル安は一定 の下支え要因に 22 日まで 4 営業日連続で上昇。1 バレル=46 ドル台まで値を戻す動きとなった。 米 連 邦 準 備 理 事 会 ( FRB ) が 9/20 ~ 21 に 開 い た 米 連 邦 公 開 市 場 委 員 会 (FOMC)において、再度政策金利の据え置きを決めたことでドル安が進行。ドル 建てで取引される原油に割安感が生じたことが相場の追い風となったようだ。年内 に追加利上げが行われる可能性は残されているが、実際に利上げできるかどうかは 不透明とみられている。 また、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計で原油在庫が 3 週連 続で減少したことにより、需給緩和懸念が後退したことも買い材料となった。すでに ドライブシーズンが終了しているにもかかわらず、米国原油やガソリンの推定需要 も堅調だ。ただし、在庫の水準は 9 月末時点としては過去最高となっている。さら に、10 月以降は製油所の稼働率の上昇にともなって原油在庫が再び増加する傾 向があるだけに、中長期的に相場を押し上げる要因にはなり難いと考えられる。 原油価格動向 W T I原油先物価格とドルインデックス 2016/9/12 期間 WTI 北海 ブレント (1バレル=ドル) ~ ~ 2016/9/19 (週次:2014/1/3~2016/9/23) 120 前週比 76 110 WTI原油先物(左目盛) 78 ドルインデックス(右逆目盛) 80 2016/9/23 2016/9/16 始値 43.18 45.57 ▲ 2.39 100 高値 46.55 46.51 0.04 90 84 安値 42.55 42.74 ▲ 0.19 80 86 終値 44.48 43.03 1.45 70 始値 46.01 47.81 ▲ 1.80 60 92 94 高値 48.26 48.63 ▲ 0.37 50 安値 45.09 45.48 ▲ 0.39 40 終値 45.89 45.77 0.12 30 82 88 90 96 98 100 20 (注)価格は 1 バレル=ドル 14/1 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 14/7 15/1 15/7 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 1 16/1 102 16/7 (年/月) 2016/9/26 原油価格週間動向 今後の原油価格は 非公式会合の結果 次第 一方、WTI 原油先物は足元では再び 1 バレル=44 ドル台まで値を落としている。今週 は 26~28 日にアルジェリアで開催される国際エネルギーフォーラム(IEF)に合わせ、 ロシアを含む主要産油国が非公式会合を行うことが予定されているが、主要産油国 であるサウジアラビアが、生産水準を決定する場ではなく、相談し合う機会と位置 付けていると伝えられたことが失望売りを誘っているためだ。 一部報道によると、非公式会合に備え、先週、サウジアラビアとイランがウィーンで連 日協議したものの、いまだ合意には至っていないようだ。また、別の報道によると、石 油輸出国機構(OPEC)のバーキンド事務局長は、OPEC の非公式会合で合意があれ ば、原油価格について協議する臨時会合を招集する可能性があると発言したことが 伝えられている。しかし、事務局長のこうした発言は、今回の会合で協議が最終的に まとまる公算が小さいことを示唆していると考えられる。 各産油国ともに、すでに余剰生産能力が限界に近づいていることから、これ以上我慢 大会を続けたくはないというのが本音と思われるが、同床異夢の産油国がどう解決策 を模索していくのか、市場の関心が注がれる。 米国原油推定需要 米国原油在庫 (週次:2013/1/4~2016/9/16) (百万バレル) 600 (週次:2013/1/4~2016/9/16) (千バレル/日) 18,000 17,500 550 500 2013年 17,000 2014年 16,500 2015年 16,000 2016年 15,500 2013年 2014年 2015年 450 400 2016年 15,000 14,500 350 14,000 300 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13,500 (月) 1 米国原油生産量 (千バレル/日) 10,000 (週次:2012/1/6~2016/9/16) 米国原油生産量(左目盛) リグ稼働数(右目盛) 2 3 3 4 5 6 7 8 9 (週次:2014/7/1~2016/9/23) (万枚) 110 1,600 買残-売残(左目盛) 45 100 WTI原油先物(右目盛) 90 40 1,200 80 1,000 35 70 800 30 60 600 25 6,000 50 40 400 5,000 (1バレル=ドル) 50 1,400 7,000 (月) C FT C非商業筋建玉とWTI原油先物価格 (基) 1,800 9,000 8,000 10 11 12 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 20 200 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 (年/月) 30 15 14/7 14/10 15/1 15/4 15/7 15/10 16/1 16/4 16/7 20 (年/月) (注)CFTC 非商業部門建玉は 9/20 現在 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 22 2016/9/26 原油価格週間動向 ■ エネルギー関連統計 日付 国・地域 9 月 28 日 9 月 28 日 9 月 28 日 9 月 28 日 9 月 28 日 9 月 28 日 9 月 28 日 9 月 28 日 9 月 30 日 9 月 30 日 9 月 30 日 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 イベント 米国原油在庫(前週比・千バレル) オクラホマ州クッシング原油在庫(前週比・千バレル) 米国ガソリン在庫(前週比・千バレル) 米国中間留分在庫(前週比・千バレル) 米国製油所稼働率(前週比) 米国原油推定需要(千バレル/日) 米国ガソリン推定需要(千バレル/日) 米国留出燃料推定需要(千バレル/日) ベーカー・ヒューズ掘削リグ稼働数 ベーカー・ヒューズ米国ガス・ロータリーリグ稼働数 ベーカー・ヒューズ米国石油ロータリーリグ稼働数 期間 9 月 23 日 9 月 23 日 9 月 23 日 9 月 23 日 9 月 23 日 9 月 23 日 9 月 23 日 9 月 23 日 9 月 30 日 9 月 30 日 9 月 30 日 前回 ▲6,200 526 ▲3,204 2,238 ▲0.9% 17,707 10,255.9 4,734.3 511 92 418 ■ 今週の経済指標 日付 国・地域 9 月 26 日 9 月 26 日 9 月 26 日 9 月 27 日 9 月 27 日 9 月 27 日 9 月 27 日 9 月 27 日 9 月 28 日 9 月 28 日 9 月 28 日 9 月 28 日 9 月 28 日 9 月 29 日 9 月 29 日 9 月 29 日 9 月 29 日 9 月 29 日 9 月 29 日 9 月 29 日 9 月 29 日 9 月 29 日 9 月 29 日 9 月 30 日 9 月 30 日 9 月 30 日 9 月 30 日 9 月 30 日 9 月 30 日 9 月 30 日 9 月 30 日 9 月 30 日 9 月 30 日 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 中国 欧州 欧州 欧州 欧州 欧州 米国 米国 米国 米国 米国 欧州 欧州 米国 米国 米国 米国 米国 米国 中国 中国 イベント 新築住宅販売件数 新築住宅販売件数(前月比) ダラス連銀製造業活動 S&P コアロジック CS 米住宅価格指数(季調前) マークイット米国サービス業 PMI マークイット米国コンポジット PMI 消費者信頼感指数 リッチモンド連銀製造業指数 MBA 住宅ローン申請指数 耐久財受注(前月比) 製造業受注-資本財(非国防/除航空機) 製造業出荷-資本財(非国防/除航空機) SWIFT グローバル支払 CNY 景況感 業況判断指数 鉱工業信頼感指数 サービス業信頼感指数 消費者信頼感 GDP(年率/前期比) 個人消費 新規失業保険申請件数 失業保険継続受給者数 中古住宅販売仮契約(前月比) 失業率 消費者物価指数-コア(前年比) 個人所得 個人支出 実質個人支出 PCE コア(前月比) シカゴ購買部協会景気指数 ミシガン大学消費者マインド 製造業 PMI 非製造業 PMI 期間 8月 8月 9月 7月 9 月 速報 9 月 速報 9月 9月 9 月 23 日 8 月 速報 8 月 速報 8 月 速報 8月 9月 9月 9月 9月 9 月 確報 4-6 月期 3 次 4-6 月期 3 次 9 月 24 日 9 月 17 日 8月 8月 9 月 1 次速報 8月 8月 8月 8月 9月 9 月 確報 9月 9月 前回 654,000 12.4% ▲6.2 182.42 51.0 51.5 101.1 -11 ▲7.3% 4.4% 1.5% ▲0.5% 1.9% 103.5 0.02 ▲4.4 10.0 ▲8.2 1.1% 4.4% 252,000 2,113,000 1.3% 10.1% 0.8% 0.4% 0.3% 0.3% 0.1% 51.5 89.8 50.4 53.5 (注)記載事項はすべて「予定」ないし「見込み」であり、予告なく変更されることがあります。海外イベントおよび経済指標は現地日程で掲載しています 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 33 2016/9/26 金融商品取引法に係る重要事項 原油価格週間動向 ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投 資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負担いただ きます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手 数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含む)、国や地域 の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込むことがあり、損失を被るこ とがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与えることがあ ります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が当該証券の 高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売却してお客さ まの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市場があっても当該証券の 流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生しても本邦投資家が取り扱いできないこ とがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商品取引法に基 づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および諸費用の額 は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。詳細は当社の担当者まで お問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金に対して最大 1.08%+2,700 円(税込 み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対 して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別途手数料お よび諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負 担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を 委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券取引口座管理 料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替 レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書またはお客さま向け 資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-160926-28 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 44
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