投資環境マンスリー

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情報提供資料
投資環境マンスリー 2016年10月号
投資環境マンスリー
2016年10月号
経 済 調 査 部
M
Ⅰ. 主要国の投資環境見通し
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
①米国
9月FOMCは現状維持も年内の利上げの可能性は残る
②欧州
③日本
④オーストラリア
⑤中国
⑥為替
投資増加の切り札として期待高まるインフラ投資
日銀が新たな金融政策の枠組みを決定、量から金利重視の政策へ方向転換
オーストラリアドルは底堅い動きが継続
景気悪化懸念は一旦後退も、過熱する不動産市況の調整など当局の悩みは続く
1米ドル=100円は今後も抵抗線となりうるのか?
Ⅱ. 国際金融市場の動向
Contents
①株式
・・・ 13
②金利
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ 14
③為替
p.1-12
1-2
3-4
5-6
7-8
9-10
11-12
p.13-15
・・・ 15
Ⅲ. 金融・商品市場のパフォーマンス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.16
Ⅳ. 2016年10月の主要な政治・経済日程
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.17
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
0
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投資環境マンスリー 2016年10月号
Ⅰ. 主要国の投資環境見通し ①米国: 9月FOMCは現状維持も年内の利上げの可能性は残る
 FOMCは景気見通しを下方修正も年内1回の利上げを予測
M
9月20-21日のFOMC(連邦公開市場委員会)は、FF金利を0.25~0.50%とす
る現状の政策を維持しました。10人の委員のうち3人が0.25%の利上げを提案、
前回提案のジョージ・カンザスシティ連銀総裁に加え、メスター・クリーブ
ランド連銀総裁、ローゼングレン・ボストン連銀総裁が反対票を投じました。
3ヵ月に一度公表する経済見通しでは、6月に比べて景気予測を下方修正し、
利上げ予測を年内2回から年内1回にするなど慎重な姿勢をみせました(図1)。
イエレンFRB(連邦準備理事会)議長は、会合後の記者会見で利上げを実施
しなかった背景を「雇用環境には改善余地があり、インフレ圧力が弱く、利
上げには更なる根拠が必要」と説明しました。足元の景気や雇用環境から考
えると年内に利上げが実施される可能性は高いとみています(図2)。コア個
人消費支出デフレーターは前年比+1.6%程度と政策目標の同+2.0%を下回って
いるものの、今後は国際的な資源安や米ドル高の一服や賃金上昇圧力の高ま
りによって上昇幅が拡大する可能性があると考えています(図3)。
市場では年内の利上げ観測が緩やかに低下、米ドル安の一因となっていま
す(図4左)。今後は年内の利上げ観測が高まるにつれて米ドル高が強まる可
能性があるとみています。米国の株価やREITは、利上げを嫌気する場面も予
想されますが、名目GDP成長率に比べて低いFF金利や予想EPSの動向から考
えると、下落は一時的に留まる可能性が高いと予想します(図4右、図5)。
【図1】 FOMCは景気見通しを引き下げも年内の利上げを予想
4.5
4.0
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
FOMCの実質GDP見通し(前年比、%)
米国 FOMC参加者のFF金利見通し
●は各FOMC参加者17人の政策金利見通し
(2016年9月時点) うち●は中央値
3.5
2016年
2017年
2018年
2019年
長期
2016年6月
(前回)
2.0
2.0
2.0
-
2.0
2016年9月
(今回)
1.8
2.0
2.0
1.8
1.8
変化
▲ 0.2
0.0
0.0
-
▲ 0.2
3.0
2.875%
2.5
年間1.0%利上げする場合
(2015年12月FOMC予想)
2.625%
2.0
FOMCのFF金利見通し(%)
1.875%
1.5
1.0
1.125%
現在0.375%
(0.25~0.50%)
年間0.5%利上げする場合
0.625%
0.5
0.0
2014年末
2015年末
2016年末
2017年末
2018年末
2019年末
2016年
2017年
2018年
2019年
長期
2016年6月
(前回)
0.875
1.625
2.375
-
3.000
2016年9月
(今回)
0.625
1.125
1.875
2.625
2.875
-
▲ 0.125
2020年末
長期
▲ 0.250 ▲ 0.500 ▲ 0.500
変化
注)2016年9月時点。左図の長期は16人の予測。
右表は各委員の予想の中央値。青字は下方修正した項目。
 米大統領選は初回テレビ討論会を終え、クリントン氏が優位維持
9月26日、大統領選挙に向けた第1回テレビ討論会が行われました。クリン
トン氏が成長産業支援による良質な雇用の創出や最低賃金の引上げを訴えた
のに対し、トランプ氏は税制改革による企業の国内回帰を主張するなど、両
候補は従来と一貫した政策対立を鮮明にしたものの、政策の詳細に関する議
論は深まりませんでした。討論会後のCNNによる世論調査では、自然体で臨
んだトランプ候補と比較して、周到に準備し冷静に対応したクリントン候補
の勝利との見方が大半(62%)を占めた模様です。なお、今回討論会におい
て選挙戦を決定付ける大差は生じておらず、残る2回の大統領候補者討論会お
よび副大統領候補者討論会の展開が注目されそうです(図6)。(石井)
(%)
出所)FRBより当社経済調査部作成
【図2】 景気は改善基調、失業率はFOMCの長期見通しに接近
130
(2010年
=100)
120
米国 景気先行指数
米国 雇用者数と失業率
100
(万人)
(%)
非農業部門雇用者数
(前月差、左軸)
景気後退期
12
2016年8月
+15.1万人
50
9
0
6
110
100
90
2016年8月
4.9%
-50
80
70
1990
(年)
1995
2000
2005
注)左図の直近値は2016年8月。
2010
2015
9月FOMC予測
失業率の長期水準
4.8%
-100
1990
1995
2000
2005
3
失業率
(右軸)
2010
(年)
0
2015
出所)NBER、コンファレンスボード、米労働省、FRBより当社経済調査部作成
1
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投資環境マンスリー 2016年10月号
【図4】 利上げ観測後退でドル安、低金利が株価等を支援
【図3】 賃金上昇や資源安・米ドル高の一服で物価上昇加速か
(%)
M
4
(%)
40
平均時給
(前年比)
3
2016年8月
+2.4%
(2013年12月
=100)
35
ブルームバーグ
30
商品指数
25
(右軸)
米国・名目実効
為替レート
(右軸)
20
15
2
米ドル安
↑
↓
米ドル高
10
2016年7月
+1.6%
1
コア個人消費支出
デフレーター
(前年比)
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
150
140
130
120
115
円安ドル高
100
↓
50
-10
(左軸、前年比)
40
90
100.43
85
2016年12月
FOMCでの
利上げ確率
(右軸)
80
2016/04
30
15
30
S&P500
(右軸)
2016/08
2016/10
0
+2.4%
名目GDP
(左軸)
9月の
FOMC→
(年/月)
2016/06
0
300
200
5
49.9%
90
ブルームバーグ
米国REIT指数(右軸)
60
95
2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
注)コアは食料・エネルギーを除いたもの。右図の直近値は2016年8月。商品指数と為替レートは当社経済調査部が
指数化。
出所)米商務省、米労働省、Bloombergより当社経済調査部作成
2016年
9月27日
(2000年末
=100)
(%)
10
100
90
輸入物価
120 20
↑
110
-5
(年)
ドル円相場
(左軸)
105
60
-15
(%)
円高ドル安
70
0
(円/米ドル)
110
80
5
米国 政策金利、名目GDP、株価・REIT
ドル円と米利上げの可能性
米国 商品価格、米ドル、輸入物価
米国 賃金と物価
-5
1995
100
0
(100)
+0.25~0.50%
FF目標金利
(左軸)
2000
2005
2010
2015
(年)
(200)
注)左図の利上げ確率はFF金利先物市場が織り込む値。右図の直近値は名目GDPが2016年4-6月期、
それ以外が同年9月27日。REIT指数とS&P500は当社が指数化。 出所)米商務省、Bloombergより当社経済調査部作成
【図5】 高配当株が堅調、消費財やヘルスケアの業績予想は良好 【図6】 米大統領選挙 初回討論会はクリントン候補優位の模様
米国 業種別騰落率(2016年)
20
米国 予想EPS(予想一株当り利益)
(2012年12月末
160 =100)
(%)
15
一般消費財
ヘルスケア
140
民主党
共和党
9月26日~ 候補者討論会
クリントン/ケイン氏
トランプ/ペンス氏
9月26日 第1回大統領候補者
10月4日 副大統領候補者
10月9日 第2回大統領候補者
10月19日 第3回大統領候補者
・5年間で2,750億ドル
積極
インフラ
投資
積極
税負担
見直し
税制
大幅
減税
S&P配当貴族
10
120
5
S&P500
100
2013
2014
2015
2016
-5
高 公 電 小 情 エ 素 資
配 益 気 型 報 ネ 材 本
通
技 ル
当
財
信
術 ギ
ー
S
&
P
5
0
0
生
活
必
需
品
一
般
消
費
財
ヘ 金
ル 融
ス
ケ
ア
24
22
20
18
16
14
12
10
注)左図は2015年12月末~2016年9月27日。業種は
S&P500を分類、高配当はS&P配当貴族指数、小型は
S&P600指数。右上図の直近値と右下図は2016年9月27日。
エネルギーの予想PERは119倍。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
・富裕層への増税
・低・中所得層への減税
(年)
米国 予想PER(株価収益率、株価÷利益)
0
(倍)
割高← →割安
・最低賃金の引上げ
・賃上げ企業へ税制優遇
・成長産業支援による
創出
情 公 資 ヘ 電 金
報 益 本 ル 気 融
財 ス 通
技
ケ 信
術
ア
・同盟国との相互防衛
条約を尊重
・クリントン氏の倍額以上
・所得税率変更
(10~39.6% ⇒ 12~33%)
・法人税減税(35% ⇒ 15%)
11月8日 大統領選挙
州ごとに選挙人(総数538人)に投票
質の
向上
・TPP反対
公平な
・不正貿易への規制強化 競争
・不法移民へ市民権付与
・現行の制度改革を維持
エ 小 生 高 一 素 S
ネ 型 活 配 般 材 &
ル
必 当 消
P
ギ
需
費
5
ー
品
財
0
0
❏ 大統領選挙日程
❏ 米国 大統領候補者の主要政策
雇用
量の
奪回
・最低賃金は州に委ねる
・保護主義・減税で創出
通商
保護
主義
・TPP反対
・一部通商協定の再交渉
排他
・メキシコ国境に壁を建設
・移民希望者へ思想審査
救済
移民
同盟
強化
安全
保障
・オバマケアの維持・拡大
拡大
・薬価の上限規制
社会
保障
負担増 ・同盟国への駐留費用
要求 負担増を要求
見直し
・オバマケアの廃止
・代替制度の検討
12月19日 選挙人による投票
2017年1月5日 選挙人票開票
2017年1月20日 大統領就任式
❏ 選挙人獲得予想※
(討論会前、2016年9月26日時点)
過半数270人
クリントン氏 292人
トランプ氏 246人
※: RCPの予想。
出所)各種報道資料より当社経済調査部作成
2
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投資環境マンスリー 2016年10月号
②欧州 : 投資増加の切り札として期待高まるインフラ投資
 ドラギECB総裁は金融政策の限界を認めた?!
M
9月に開催されたECB(欧州中央銀行)理事会は、政策金利を据え置くと共
に、現行の量的金融緩和策の維持を決定しました。その後の記者会見でドラギ
ECB総裁は、事実上の物価目標(消費者物価上昇率が前年比+2.0%をやや下回る
水準)達成への自信をみせる一方、ドイツを名指して財政支出の拡大を求める異
例の発言をするなど、金融政策にのみ物価目標を押し付ける政治家への批判を強
めました。ドラギECB総裁の腹の内にあるであろう、金融政策は限界に近いとの
認識が域内各国政府への苛立ちへと繋がり今回の発言となったと推察されます。
折りしもその約2週間後、ECBと同様の環境におかれる日銀が示した総括的な
検証は、なかなか上向かない物価上昇率の背景を平易に説明しています(図1
左)。ユーロ圏、日本共に現実の物価上昇率が上昇するには、実質金利が低下し
消費や投資が刺激される必要がありますが(需給ギャップの改善)、足元は異常
に低い実質金利が将来不安を煽り、貯蓄率を高止まりさせています(図1右)。
 需要喚起策として注目を集めるインフラ投資
こうした現実に対し、ユーロ圏や本邦の行政も無策ではありません。日本では
8月に決まった28兆円に上る景気対策は記憶に新しいところです。ユーロ圏でも
先頃、行政執行機関であるEU(欧州連合)委員会のユンケル委員長が通称ユン
ケルプランと呼ばれる民間投資促進策の拡大を表明しました(後述)。もっとも、
こうした政府による需要喚起策は日本や欧州に留まりません。
【図1】 中銀が想定する物価上昇メカニズムと現実
日銀「量的・質的金融緩和」で想定したメカニズム
(一部当社経済調査部加筆)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
日本とドイツ 貯蓄率
(%)
2016年7月
16.7
「量的・質的金融緩和」
大規模な
長期国債買入
16
2%の「物価安定の目標」への
強く明確なコミットメント
14
人々の
予想物価上昇率
名目
金利
実質
金利
丸印は
マイナス金利
導入後
日本
12
10
9.7
2016年4-6月期
ドイツ
理想
現実
8
貯蓄率
【マイナス金利導入】
日本:2016年1月
ユーロ圏:2014年6月
6
人々の
予想物価上昇率
現実の
物価上昇率
需給ギャップ
の改善
注)黄色部は当社経済調査部加筆。
出所)日銀より当社経済調査部作成
4
2010
2012
2014
(年)
2016
注)日本は貯蓄純増率の12ヵ月移動平均。
出所)総務省、欧州統計局より当社経済調査部作成
【図2】 米中主導でインフラ投資が加速の可能性
主要国インフラ投資
(1992年から2011年)
中国 インフラ関連投資承認額
(兆元)
200 (兆円)
1.4
(%:GDP比)
国旗(右軸) GDP比
2015年通年 約3.6兆元
1.2
8.5
160
1.0
世界的に需要の停滞が危ぶまれる中、中国や米国ではインフラ関連投資を中心
として、様々な需要喚起策が検討、ないしは動き出しています。中国の2015年イ
ンフラ関連投資承認額は3.6兆元と前年に比べ71.6%増加(図2左)、今年に入り
延べ46ヵ国、$859億の拠出を受け立ち上げたAIIB(アジアインフラ投資銀行)は、
国内のみならずアジア全体のインフラ投資に対しそのファンディングを担います。
また大統領選挙を控える米国でも、クリントン、トランプ両候補はインフラ投資
の加速を政策の目玉の一つとして据えています。特にクリントン候補は、国際比
較でも米国のインフラ投資は遅れている(図2右)とし、2022年までに$2,750億
のインフラ投資、国家インフラ銀行の創設(資本$250億)を提唱しています。
18
10
5
5.0
注) 鉄道、高速道路等
120
0.8
0.6
80
2.6
0
2.6
クリントン
60 候補計画
-5
111
0.4
40
0.2
56
25
36
-10
棒グラフ(左軸)インフラ投資額
0
0.0
2014
2015
(年)
-15
米国
日本
ユーロ
中国
注)左図の直近値は2015年12月。右図の円換算はドル円2015年平均値120.22円で試算。出所)中国財政部、国
家発展改革委員会、Hillary Clinton’s Infrastructure Plan、Bloombergより当社経済調査部作成
3
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投資環境マンスリー 2016年10月号
 欧州では再生可能エネルギーによる電力供給拡大が急務
【図3】 ユンケルプラン等による投資需要掘り起こし
EU各国保証
M
また欧州の最近の研究では、インフラ投資の急拡大を期待させる話題もありま
す。その一つが電気自動車です。まだ0.2%未満の普及率ですが、今後想定され
る電気自動車の急速な普及に伴い、風力・水力・太陽光といった再生可能エネル
ギーによる電力供給能力の拡大が急務といえるでしょう(図3右)。電気自動車
は二酸化炭素(CO2)削減に大きく寄与するものの、充電のために必要な電力を
火力発電等で賄えば、二酸化硫黄(SO2)等を多く排出してしまうためです。欧
州では、こうしたインフラニーズに対し財政規律の維持と投資の加速を両立させ
るため、旧態の財政支出拡大とは異なる形で投資拡大を推進しています。
 投資不足解消の鍵はインフラ投資。世界に目を向けると
先進国企業にアドバンテージも
ユーロ圏主要4ヵ国
再生エネルギーシェア(電力)
ユンケル プラン
EU行政を担うEU委員会も需要の掘り起こしに懸命です。ユンケルEU委員長は
先頃、2014年の自身の委員長就任時に打ち出した民間投資促進策、ユンケルプラ
ンの規模を従来の€3,150億(日本円で約36兆円:2017年まで)から、€5,000億
(同約57兆円:2020年まで)へと拡大する案を表明しました。ユンケルプランは
EU加盟各国の資金拠出を最小限に抑え過度な財政負担を強いず投資拡大を目指
すもので(図3左)、これまでに€1,158億(同13.2兆円)、37%が実行済みです。
EIB(欧州投資銀)
40
(%)
37.8
160億ユーロ
(1.8兆円)
35
50億ユーロ
(0.6兆円)
33.4
30
EFSI(欧州戦略投資基金)
210億ユーロ(2.4兆円)
160億ユーロ
(1.8兆円)
長期投資支援
2,400億ユーロ
(27.4兆円)
X
15倍
スペイン
50億ユーロ
(0.6兆円)
28.2
イタリア
25
20
18.3
15
フランス
10
中長期業投資支援
750億ユーロ
(8.6兆円)
ドイツ
5
0
2005
2015年~2017年→(~2020年)
€3,150億(36兆円)→(€5,000億(57兆円))
2008
2011
2014 (年)
注)左図の円換算は1ユーロ=114円で計算。右図は、各国電力供給量のうち、再生エネルギーによる電力供給の割合
を指す。直近値は2014年。
出所)欧州委員会、欧州統計局より当社経済調査部作成
【図4】 期待される先進国インフラ関連企業の役割
インフラ投資主体 官(青)民(赤)割合
世界インフラ需給予想(2014~2020年)(上)
世界的にみられる需給ギャップの改善をインフラ投資により解消しようという
英国(上)とインド(下)(2011年~2015年) アジア太平洋インフラ需要予測(2010~2020年)(下)
(億ドル)
取り組みは超国家レベルで共有、今年のG7伊勢志摩サミット(先進7ヵ国・地域
10,000
8,350
上水
8,000
首脳会議)では「質の高いインフラ投資の推進のための原則」なる原則論を採択
下水
需要額
5,800
6,000
し、インフラ投資に関して民間の役割に期待を寄せています。既に先進国では、
通信
3,960
3,210
供給額
4,000
1,250
エネルギ民間企業によるインフラ投資が主体で国家主導は過去の遺物です。こうした変化
1,410
1,110 620
2,000
運輸交通
1,030
は国主導の新興国インフラ投資にも次第に伝播するとみています(図4左)。
800
410
350
全体
世界銀行によると、2014年から2020年にかけ世界のインフラ需要額は推計
8,350億ドル、これに対し供給額は5,800億ドルに留まり慢性的にインフラが不足
する見通しです(図4右上)。またOECD(経済協力開発機構)は、新興国の大
幅なインフラ需要を予測しています(図4右下)。インフラ投資には、建設、運
用、整備を担う建設業や開発業者等の他、ファイナンスを担う長期投資家の存在
が不可欠です。技術面、金融面の双方でアドバンテージがあるとみられる先進国
企業が先進国インフラ投資、あるいは新興国等へのインフラ輸出を加速させれ
ば、世界的な需要不足解消の糸口を掴むことになるとみています。(徳岡)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
0
0%
アジア 中国
除く中国
20% 40% 60% 80% 100%
水
14,000
鉄道
12,000
中南米 アフリカ
中東
欧州
合計
(億ドル)
※先進国=OECD加盟国
新興国=OECD非加盟国とした
780
190
10,000
通信
8,000
道路
1,670
道路
340
6,000
電力
4,000
電力
全体
2,000
6,200
0%
20% 40% 60% 80% 100%
出所)IMF等より当社経済調査部作成
鉄道
11,840
0
先進国
新興国
出所)世界銀行、OECD(経済協力開発機構)より当社経済調査部作成
4
M
投資環境マンスリー 2016年10月号
③日本: 日銀が新たな金融政策の枠組みを決定、量から金利重視の政策へ方向転換
M景気は持ち直しの動き

【図1】 公共事業を中心に政策効果顕在化で緩やかな景気拡大に
日本 実質GDP(需要項目別寄与度、前期比年率)
(%)
4-6月期実質GDPは前期比年率+0.7%と2四半期連続プラス成長でした。個
人消費はうるう年要因を除いても底堅く、足元では持ち直しの動きがみられ
ます。今後は28兆円の経済対策効果を背景に下期にかけ成長率はプラス基調
が続く見通しです(図1)。ただし、消費マインドは改善に向かっているも
のの、景気ウォッチャー調査の現況判断DIは好不況の分かれ目となる50を
下回っており、本格的な回復とは言えません(図2左)。米利上げ、米大統
領選挙、中国経済に対する不透明感が、重石となっていると考えられます。
15
実質GDP
(前期比年率)
10
(予想)
純輸出
公的需要
在庫投資
5
0
-5
政府は公共事業の追加によるカンフル剤をうち、働き方改革や子育て支援
を掲げ景気を回復軌道に乗せようとしています。公共投資は拡大しており
(図2右)、雇用環境も一段と改善しています。今後の焦点は個人消費に火
がつくかです。日銀は9月21日に新たな金融政策の枠組みを決定、政府が財
政運営、成長力強化の取り組みで相乗効果を発揮できるかにかかっています。
2016年4-6月期
実質GDP+0.7%
(2次速報値)
個人消費
-10
民間住宅投資
-15
民間設備投資
-20
(年)
2012
2013
2014
2015
2016
2017
注) 2016年7-9月期から2017年4-6月期までが当社経済調査部の予想値。
出所)内閣府より当社経済調査部作成
 日銀は量重視から、金利重視の金融政策へ転換
日銀は9月21日に異次元緩和の「総括的な検証」を行い、「長短金利操作
付き量的・質的金融緩和」という新たな政策の枠組みを決定しました(図
3)。量から金利重視へ大きく舵をきり、長期金利操作目標を新たに設定、
また物価が安定目標を超えるまで資金供給の拡大を継続するという方針を明
示しました。これまでの「量的・質的金融緩和」の目指すメカニズムをベー
スに、より長期的な金融緩和の継続を浸透させることで、景気の好循環を促
しデフレ脱却を確固たるものにすることが狙いと考えられます(図4)。
異次元緩和により実質金利が潜在成長率を下回ったため、投資が刺激され
経済・物価は好転したと言えましょう(図5)。ただし、個人消費は逆に低
迷しており、2014年4月の消費税引き上げの影響を除いても、預金金利収入
の減少によるしわ寄せが顕在化しているとみられます。株式市場は新たな金
融政策を好感しましたが、消化するまで不安定さが残りそうです。(向吉)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
【図2】 消費マインドが改善、公共投資が景気を後押し
日本 景気ウォッチャー調査
60
(兆円)
26
現状判断DI
55
日本 公共投資の動向 (
(兆円)
1.8
公的固定資本形成(季調年換算値)
(左軸)
24
1.6
22
1.4
20
1.2
18
1.0
50
45
40
35
先行き判断DI
30
0.8
16
公共工事請負金額(右軸)
景気後退期
25
(年)
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
注)直近値は2016年8月。50は横ばいを示し好不況の分か
れ目となる。
出所)内閣府
14
(年)
2008
2010
2012
2014
0.6
2016
注)公共工事請負額は当方による季節調整値を6ヵ月移動
平均したもの。
出所)保証事業会社3社、内閣府
5
M
投資環境マンスリー 2016年10月号
【図4】 予想物価上昇率を引き上げる事ができるかが焦点
【図3】 日銀が新たな金融政策枠組みを決定
日銀の金融緩和の新たな枠組み
日銀の金融政策の新旧比較
M「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」
従来の政策
量
「イールドカーブ・コントロール」
長期
金利
2%の「物価安定の目標」を
目指し、安定的に持続する
ために必要な時点まで、
「長短金利操作付き量的・質
的金融緩和」を継続する
長期国債
買入れ
ETF買入れ
日銀当座預金の
政策金利残高に
▲0.1%
のマイナス金利
適用
10年国債
利回りを
ゼロ%程度
で推移するよう
長期国債を
買入れ
マネタリーベースの残高は
消費者物価(除く生鮮食品)
の前年比が
年間約80兆円
平均買入残存期間
:7-12年
年間約6兆円
J-REIT買入れ 年間約900億円
安定的に2%を超えるまで
拡大方針を継続
金利
変更点
年間80兆円の買入れペースを
めど。
ただし平均残存期間の定めは
廃止。
また、新型オペを導入(指値オ
ペの導入・固定金利の資金供給
オペレーションの実施期間を1年
から10年に延長)。
3.2兆円の残高維持
CP等買入れ
2.2兆円の残高維持 据え置き
政策金利残高
▲0.1%
の適用金利
日本 実質金利と潜在成長率
7
6
5
4
実質長期金利(10年国債)
(CPIコアベース)
実質長期金利(同上)
(CPIコアコアベース)
(%)
1
潜在成長率
(日銀推計値)
日本 実質GDPと民間需要の伸び
2%の「物価安定
目標」をできるだけ
早期に実現
0
-1
-2
(年度/半期)
1985 1989 1993 1997 2001 2005 2009 2013 2017
0.8
0.6
0.0
0.4
注)直近値は物価が2016年4-7月期、潜在GDPは2015年度
下期。コアは生鮮食品除く総合、コアコアは生鮮食品・
エネルギーを除く総合。
出所)総務省、日本銀行
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
経済→好転
現実の物価上昇率→上昇
民間消費 民間住宅 民間企業
支出
設備
注)2013年4月の「量的・質的金融緩和」導入を境に各
需要項目の前期比年率を平均したもの。出所)内閣府
-2.0
下落
-2.5
-3.0
-3.5
企業の販売価格DI
(「上昇」-「下落」、左軸)
-30
2007
2009
2011
2013
2015
-4.0
-4.5
(年)
注)直近値はインフレ・スワップ・レートが2016年8月末、販売価格
判断DIが同年6月。
出所)Bloomberg、日本銀行
日本 業種別株価指数
日本 国債利回り
(2016年1月4日=100)
40年
10年
0.0
-0.2
-0.4
GDP
-1.0
-1.5
-25
0.2
-2.0
-0.5
上昇
-20
1.0
2000年1-3月期~
2013年1-3月期
(平均、年率)
0.0
-10
1.2
0.5
-1.5
(%)
1.4
1.0
-1.0
0.5
【図6】 新たな金融政策を反映し、長短金利差拡大、金融株上昇
1.6
1.5
1.0
0
出所)日本銀行資料をもとに当社経済調査部作成(2016
年9月21日時点)。
2.5
2013年4-6月期~
2016年4-6月期
(平均、年率)
1.5
インフレ・スワップ・レート
(5年先5年、右軸)
-15
貸出、
資本市場
1.8
-0.5
低下↓
据え置き
3
2
実質金利
上昇↑
低下↓
3.0
2.0
予想物価
上昇率
名目金利
(
(%)
(%)
10
-5
据え置き
【図5】 量的・質的金融緩和後は投資は増えたが消費は減少
(%ポイント)
5
オーバーシュート型
コミットメント
据え置き
社債買入れ
平均残存期間:1-3年以下
2%の「物価安定の目標」へ
の強く明確なコミットメント
イールドカーブ・
コントロール
買入れ額は据え置き。うち3.0兆
円は従来の3指数に連動する
ETF、残り2.7兆円はTOPIXに連
動するETFを対象とする。
注)2016年9月21日時点。ETFは上場投資信託、REIT
は不動産投資信託。
出所)日本銀行
注)2016年9月21日「金融緩和強化のための新しい枠組み」。
出所)日本銀行より当社経済調査部作成
大規模な
長期国債買入れ
消費者物価(除く生鮮食品)前
年間約80兆円増加 年比が、安定的に2%を超える
まで拡大方針を継続。
「オーバーシュート型コミットメント」
質
短期
金利
マネタリー
ベース
日本 予想物価上昇率と企業の物価判断
日本 「量的・質的金融緩和」のメカニズム
2年
-0.6
2015/06
(年/月)
2015/12
2016/06
2016/12
120
116
112
108
104
100
96
92
88
84
80
76
72
68
64
60
56
2015/06
東証株価指数
(TOPIX)
保険株
銀行株
(年/月)
2015/12
2016/06
2016/12
注)直近値は9月28日。
注)直近値は9月28日。
出所)Bloomberg
出所)Bloomberg
6
M
投資環境マンスリー 2016年10月号
④オーストラリア: オーストラリアドルは底堅い動きが継続
 8月利下げ後も底堅いオーストラリア(豪)ドル相場
M
豪中銀は、今年の5月と8月に利下げを実施、市場では更なる追加利下げの
可能性を織り込んでいます(図1左)。こうした中でも、豪ドル相場は底堅く
推移(図1右)、国際的な資源安の影響で下落した2015年とは異なる動きです。
今後の豪ドル相場は、原油相場の需給改善などで国際的な資源価格が安定し
ていること、豪州の良好な経済環境のもと利下げ打ち止め観測が出る可能性
があること等から、対米ドルを中心に底堅い動きが続きそうです。
【図1】 市場は小幅の利下げ予想、資源下げ止まりで底堅い為替
オーストラリア 政策金利と国債利回り
8
(%)
輸出は数量面(実質輸出)では鉄鉱石や観光等のサービスが堅調、加えて
資源安の一服で金額面でも持ち直しの兆しがみられます(図3)。また、個人
消費は良好な雇用環境が支えとなりそうです。サービスや建設を中心に雇用
が増加、8月の失業率は5.6%と2015年1月の6.3%から改善傾向が続いています
(図4)。今後の注目は賃金圧力が強まるかという点です。相対的に賃金の低
いパートやサービス部門の雇用の増加が抑制要因となる中、雇用者数の増加
で賃上げ圧力が強まるか、賃金上昇が強まれば物価上昇要因となります。
 追加利下げの有無は10月26日発表の消費者物価が焦点
利下げの副作用として懸念されていた住宅価格の急騰は、当局の窓口規制
で投資目的のローンが抑制されたことが奏功し、沈静化しています(図5)。
住宅価格の面では追加利下げが実施しやすい環境ですが、利下げの有無の焦
点は消費者物価の動向です。今年初に国際的な資源安が一服した影響で、時
間差を伴って物価上昇圧力が強まる恐れがあります(図6)。10月26日に発表
される7-9月期の消費者物価が上振れた場合、市場の追加利下げ観測が後退し、
豪ドル高が強まる可能性も考えられます。(石井)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
(円/
130
(米ドル/
オーストラリアドル)
オーストラリアドル)
↑オーストラリアドル高
↓米ドル高↓円高
利下げ
実施日
110
0.75
0.70
90
2016年
9月26日
1.97%
政策金利
2
0.65
対円(左軸)
70
0.60
(1991年1月2日
=100)
110
1.50%
政策金利の市場予想
2017年6月 1.44%
0
0.85
0.80
対米ドル(右軸)
10年国債利回り
6
4
2016年4-6月期の実質GDPは、前期比年率+2.1%と前期の同+4.3%から鈍化、
引き続き、資源関連を中心とした企業の設備投資が抑制要因となっています
(図2左)。純輸出もマイナス寄与となりましたが、輸入増加が影響しており、
輸出は同+1.2%と堅調です。また資源価格下落の一服を背景に名目GDPや企
業利益が回復(図2右)、景気回復の追い風になっています。今後の景気は、
輸出や個人消費をけん引役に同+2~+3%程度の成長が予想され、日本やユー
ロ圏に比べて高めの成長となりそうです。
オーストラリア 為替相場と国際商品価格
ブルームバーグ商品指数
90
(年)
2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018
1月20日
70
(年)
注)左図の市場予想は短期市場に織り込まれる値。
2015
2016
右図の直近値は2016年9月27日。
出所)オーストラリア統計局、オーストラリア中銀、Bloombergより当社経済調査部作成
【図2】 景気は底堅く、資源高で名目GDPや企業利益が改善
15
(%)
オーストラリア 実質GDP
(前期比年率)
12
公的需要
10
オーストラリア 名目GDPと企業利益
民間設備投資
2016年4-6月期
実質GDP
+2.1%
純輸出
(%)
名目GDP
(前期比年率)
2016年4-6月期
+5.3%
10
8
6
企業の営業利益
(前期比)
2016年4-6月期
+6.9%
4
5
2
0
0
-2
-5
実質GDP
民間住宅投資
在庫投資
-10
2012
2013
2014
2015
個人消費
-4
-6
(年)
2016
-8
(年)
2011
2012
2013
2014
2015
2016
出所)オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
7
M
投資環境マンスリー 2016年10月号
【図3】 輸出は数量の増加に加えて金額でも回復の兆し
オーストラリア 輸出金額
オーストラリア 実質輸出
M
350
(億豪ドル)
(億豪ドル)
1,000
(億豪ドル)
300
全体(右軸)
300
【図4】 雇用はサービスや建設中心の改善もパート雇用が増加
全体
(左軸)
280
800
オーストラリア 雇用者数
オーストラリア 雇用情勢
(億豪ドル)
100
8
(%)
(%)
40
失業率
(左軸)
90
1200
600
サービス
(左軸)
1000
80
240
鉄鉱石(左軸)
6
35
220
800
70
サービス+建設
200
150
600
400
財輸出(左軸)
180
60
4
100
その他の資源(左軸)
200
50
140
石炭(左軸)
2004
2008
2012
2016
(年)
30
160
50
0
2000
(万人)
260
250
200
1400
120
0
パート雇用の割合
(右軸)
サービス輸出(右軸)
2012
2013
2014
2015
(年)
2016
40
2
1999
注)直近値は左図が2016年4-6月期、右図が2016年7月。
2002
2005
2008
2011
2014
(年)
400
200
鉱業+製造業
25
0
(年)
2000
2003
2006
2009
2012
2015
注)直近値は2016年8月。
出所)オーストラリア中銀、オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
出所)オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
【図5】 投資規制で住宅価格が沈静化、ローン金額は高め維持 【図6】 資源安一服で消費者物価の鈍化が止まるかが10月の焦点
オーストラリア 住宅ローン金額
オーストラリア 住宅価格(前年比)
25
(%)
350
(億豪ドル)
シドニー
20
6
(実績)
(RBA予測)
2016年
2016年
4-6月期 → 10-12月期
総合 +1.0% → +1.5%
コア +1.6% → +1.5%
全体
300
15
4
250
オーストラリア 輸入物価と国際資源価格
オーストラリア 消費者物価(前年比)
(%)
110
(2011/12年度
=100)
(1999年末=100)
110
輸入物価指数
(左軸)
100
?
90
10
105
200
5
80
0
2016年
4-6月期
-5
2
投資目的
150
8大都市平均
-10
2003
2006
2009
2012
2015
(年)
50
2013
2014
2015
2016
(年)
0
2004
(年)
2006
2008
70
ブルームバーグ商品指数
オーストラリアドル建て
(右軸、1四半期先行)
インフレ目標
+2~3%
100
2010
2012
2014
2016
100
2014
2015
2016
(年)
60
注)RBAはオーストラリア中銀で2016年8月時点の予測、右図の直近値は輸入物価が2016年6月、商品指数は同年9月26日。
注)右図の直近値は2016年7月。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
出所)オーストラリア統計局、オーストラリア中銀、Bloombergより当社経済調査部作成
8
M
投資環境マンスリー 2016年10月号
⑤中国: 景気悪化懸念は一旦後退も、過熱する不動産市況の調整など当局の悩みは続く
M
 8月の主要景気指標は軒並み安心感を誘う内容に
9月に公表された8月の景気指標は、軒並み中国景気の安定化を示唆する内
容となりました。企業PMIを見ると、サービスなど非製造業は引き続き底堅
く、前回5ヵ月ぶりに業況拡大・縮小の節目50を下回った製造業(国家統計
局)が7月:49.9→8月:50.4に反発(図1)、都市部固定資産投資(年初来累計、
前年比)はけん引役のインフラ部門が8月:+19.7%と高い伸びを維持、民間部
門も同+2.1%で7月から横ばいと下げ止まりの兆しもうかがえます(図2)。
足元の景気回復は依然、当局主導のインフラ・不動産投資拡大という政策
頼みの感が否めないものの、回復の裾野が広がりつつある印象を受けます。
工業原料の輸入回復が示唆するように、素材産業は過剰設備削減という中長
期的課題を抱えつつも、徐々に増産基調が定着(図3)、工業利益(年初来
累計、前年比)を見ても、7月:+6.9%→8月:+8.4%に加速(図4)、前年比が
プラスとなった業種(全41業種ベース)も同30→33業種に増加しています。
【図1】 サービスなど非製造は堅調、製造業も底固めへ
(ポイント)
中国 製造・非製造業PMI
(国家統計局)
(ポイント)
60
中国 製造・サービス業PMI
(マークイット)
60
非製造業
58
58
56
サービス業
56
53.5
業況 54
改善
52
50.4
50
54
52.1
52
50.0
50
48
48
製造業
業況
悪化 46
2010
2012
2014
(年)
2016
製造業
46
2010
2012
2014
2016
(年)
注)直近値はすべて2016年8月時点。
出所) 中国国家統計局、マークイットより当社経済調査部作成
 悩ましい不動産市場の過熱、景気不透明感は容易に晴れず
一方、この景気刺激策は一部にゆがみももたらしています。代表的なのが
不動産市場の動きです。不動産市場は沈静化の兆しを見せていましたが、こ
こに来て新築住宅価格(前月比)の上昇都市数(全70都市)が7月:51→8
月:64都市に急増、上昇率も加速と過熱感が根強い模様です(図5)。放置す
れば、不動産の過剰在庫問題(図6)、それに伴う不良債権問題の処理を一
段と難しくする懸念があり、当局も過熱抑制に舵を切る可能性があります。
とはいえ、当局が引き締めに向けた動きを強めすぎれば、景気安定化の芽
を摘むことにもなりかねず悩ましいところです。改めて、短期的課題の景気
回復と中長期的課題の過剰設備・過剰在庫解消を両立することの難しさが表
れています。8月の景気指標が一旦、中国景気への悲観論を和らげたとはい
え、今後も当局の政策調整次第で中国経済の先行きを巡る見方がめまぐるし
く変化し、国際金融市場を不安定化させるリスクには要注意です。(瀧澤)
【図2】 インフラ部門は堅調、民間部門は減速歯止めの兆しも
(%)
35
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
中国 都市部固定資産投資
(業種別、年初来累計、前年比)
(%)
中国 都市部固定資産投資
(属性別、年初来累計、前年比)
30
うち国有企業
インフラ関連
25
+19.7%
20
+21.4%
15
+6.0%
不動産業
10
+2.8%
製造業
5
全体
民間部門
+8.1%
+2.1%
0
(年)
2012 2013 2014 2015 2016 2017
(年)
2012 2013 2014 2015 2016 2017
注)左図のインフラ関連は電力除く。右図の民間部門のデータは2012年3月以降。直近値はすべて2016年8月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
9
M
投資環境マンスリー 2016年10月号
【図3】 素材部門は増産基調へ、工業原料輸入も回復色強まる
中国 鉱工業生産
(うち素材、前年比)
M
40
(%)
中国 輸入数量
(うち工業原料、前年比)
(%)
中国 鉱工業利益と生産者物価
(%)
120
80
銅鉱石
平板ガラス
30
60
20
粗鋼
セメント +7.0%
+3.0%
40
10
+1.0%
20
0
100
+26.4%
原油 +11.3%
+8.4%
-20
-20
-40
2010
2012
2014
2016
(年)
鉱工業利益
(年初来累計、前年比、左軸)
80
60
40
20
+8.4%
0
0
-10
【図4】 物価下落圧力が緩和、鉱工業は業況改善の動き広がる
-20
石炭
鉄鉱石
2010
2012
2014
▲3.0%
(年)
2016
-40
-60
▲0.8%
生産者物価(前年比、右軸)
2010
2012
2014
2016
出所)中国国家統計局、中国海関総署より当社経済調査部作成
【図5】 過熱感残る住宅市場など、景気刺激策による弊害も
中国 新築住宅価格が上昇した都市数
(全70都市、都市階級別、前月比基準)
70
全体
64
60
50
3級
30
40
30
2級
30
20
1級
4
10
0
2012
2014
(%)
20
80
15
60
10
40
5
20
0
0
-5
-20
-10
-40
中国 鉱工業利益
(業種別、年初来累計、前年比)
電気機械
化学原料
・化学製品
+15.1%
+14.0%
+11.0%
+9.1%
自動車
非金属鉱物製品
2010
2012
2014
2016
(年)
注)左図:直近値は2016年8月時点。
右図:自動車は2013年2月以降。直近値は2016年8月時点。
注)直近値はすべて2016年8月時点。
2010
(年)
(%)
2016
(年)
(%)
中国 新築住宅価格の前月比
(全70都市、都市階級別)
4
1級
3
2級
2
1
0
-1
3級
-2
2010
2012
2014
2016
(年)
注)都市階級は1級が北京・上海・広州・深圳の4都市、2級が省都・自治州・副省級市など31都市、3級がその他35都市
として分類。右図は各都市(前月比)の単純平均値とした。直近値はすべて2016年8月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)中国国家統計局、Thomson Reuters Datastreamより当社経済調査部作成
【図6】 不動産の過剰在庫解消など、中長期的課題は山積
中国 不動産販売・着工・建設中面積
(12ヵ月移動累計)
(2005年=100)
550
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
(倍)
中国 不動産の潜在的在庫水準
(建設中面積÷販売面積)
7
建設中
不動産全体
6
販売
5
5.2倍
4
新規着工
2000
2004
2008
2012
2016
4.1倍
3
(年)
うち住宅
2
2000
2004
2008
2012
2016
(年)
注)左図:指数化は当社経済調査部。値は2000年12月以降。直近値は2016年8月時点。
右図:年累計ベース。直近値のみ2016年1-8月累計。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
10
M
投資環境マンスリー 2016年10月号
⑥為替: 1米ドル=100円は今後も抵抗線となりうるのか?
M
 日米金融政策は一段と不透明に、ドル円相場も一進一退
9月のドル円相場は、同月最大の焦点であった日米金融政策会合結果を受
け、1米ドル=100円台を付けるなど引き続き円高ドル安地合いです(図1)。
ドル円相場は節目の100円が抵抗線となっていますが、背景には円高急伸
時は日本の当局が直ちに対応する(追加金融緩和や円売り介入)との思惑も
ありました。足元、国内企業の想定を超える円高が続き、従来なら株安圧力
が強まりやすい情勢ですが、日銀によるETF(上場投資信託)買入枠増額後
は、国内株の円高耐性が増した感があります(図2)。世界的な通貨安競争
への批判で円売り介入の理解が得づらい状況に加え、慌てて追加金融緩和に
動く必要性が薄れた印象です。他方、21日の米国FOMC(連邦公開市場委員
会)では年内利上げの可能性こそ残すも、金利の引き上げ速度や長期見通し
を一段と下方修正しました(図3)。日銀の追加緩和や米国利上げへの期待
が後退するなか、ドル円相場が90円台に突入するのは時間の問題と考えます。
【図1】 今年3月以降は日銀会合後に円高ドル安が進む傾向
2016年のドル円相場
(円/米ドル)
125
(日銀会合結果公表前日 ⇒ 公表日)
1月28日:118円82銭 ⇒ 29日:121円14銭
120
3月14日:113円82銭 ⇒ 15日:113円18銭
4月27日:111円46銭 ⇒ 28日:108円11銭
115
6月15日:106円01銭 ⇒ 16日:104円26銭
110
105
100
7月28日:105円27銭 ⇒ 29日:102円06銭
95
9月20日:101円70銭 ⇒ 21日:100円32銭
90
1
2
3
4
5
6
7
注)凡例は終値ベース。直近値は2016年9月28日時点。
 米国は11月の大統領選挙を控え、米ドル高を許容しづらい
米国が利上げ路線を堅持出来れば、円高ドル安深押しこそ回避される見込
みですが、最大のリスクは米国景気の息切れです。今回FOMCではカンザス
シティに続き、ボストンとクリーブランド連銀も利上げ票を投じましたが、
景気一致指数で見た地域毎の景気格差が示すように(主要なシェール層を有
するカンザスシティ地区は現況こそ低迷も原油価格反発で企業心理は好転)、
米国景気がまだら模様であることを反映した動きとも捉えられます(図4)。
けん引役不在の世界経済では、米国は自らの利上げが先行き不安を煽り、
リスク回避的な米ドル高を誘発し、自国製造業の腰折れを招きかねません
(図5)。近年、低迷する他の主要国に配慮し、他国の通貨安政策を受容し
てきた不満に加え(図6)、大統領選挙を控え、国内製造業への配慮から通
貨高には一段と神経質にならざるを得ないと考えます。金融政策動向いかん
にかかわらず、米ドル高が再開する流れとなりにくい見通しです。(瀧澤)
8
9
(月)
10
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
【図2】 日銀の質的緩和強化で円高を嫌気した株安圧力は軽減
日本株とドル円相場(国内企業想定と実績)
(ポイント)
1,700
(円/米ドル)
TOPIX(左軸)
1,600
2016年7月29日 日銀
ETFの年間買入れペースを
3.3兆円→6兆円にほぼ倍増
1,500
1,400
1,300
1,200
112円03銭
1,100
1,000
900
ドル円相場(右軸)
国内大企業の想定為替レート(当該年度、右軸)
2015
2016
(年)
160
155
150
145
140
135
130
125
120
115
110
105
100
95
注)日銀短観(各年3・6・9・12月調査)における当該年度想定為替レート(直近値は2016年6月調査の2016年度
想定レート)を接続。TOPIXとドル円相場の直近値は2016年9月28日時点。
出所) 日本銀行、Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
11
M
投資環境マンスリー 2016年10月号
【図3】 米国の年内利上げ期待残るが金利先高感は日増しに後退 【図4】 米国では地域ごとに景気回復の勢いに差も
米国利上げ観測とドル円相場
M(%)
(円/米ドル)
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
FF金利先物で見た
2016年内の利上げ確率
(左軸)
54%
ドル円相場
(右軸)
1
2 3
4
5
6
7
8
9 10
122
120
118
116
114
112
110
108
106
104
102
100
98
米国 FF金利見通し
(FOMC参加者の中央値)
(%)
4.00
3.75
3.50
3.25
3.00
2.75
2.50
2.25
2.00
1.75
1.50
1.25
1.00
0.75
0.50
0.25
(月)
長期
米国 景気一致指数(地区別、前年比)
6
(%)
③クリーブランド地区
②ボストン地区
5
2018年末
4
2.875%
2017年末
1.875%
2016年末
2
1
1.125%
0.625%
2015
3
(年)
2016
注)左図の直近値は2016年9月28日時点。
右図の直近値は2016年9月20・21日FOMC公表値。2019年末見通し(直近値2.625%)は省略。
0
景気加速
減速
①カンザスシティ地区
-1
2011 2012 2013 2014 2015 2016 (年)
【図5】 製造業業況は悪化一服も米ドル高止まりで一進一退
米ドル名目実効レートと米国の製造業景況感 (2014年初=100)
62
95
米ドル指数(逆目盛、右軸)
60
58
105
米ドル高
56
業況
改善
100
米ドル安
110
54
115
52
120
50
業況
悪化
48
125
2016年8月
49.4
ISM製造業景気指数(左軸)
46
2014
2015
2016
(年)
130
135
注)米ドル指数はBloomberg公表の対主要10通貨ベース。指数化は当社経済調査部。
直近値は米ドル指数が2016年9月28日(日次)、ISM指数が2016年8月時点(月次)。
出所)米ISM、Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
20
(米ドル/バレル)
140
カンザスシティ連銀
130
15
製造業景気指数 2016年9月 120
業況 10
(左軸)
+6.0
110
改善
5
100
90
0
80
-5
70
業況
-10
60
悪化
50
-15
40
-20
30
原油先物価格(右軸)
-25
20
(年)
2014
2015
2016
注)左図の①はカンザス州など5州、②はマサチューセッツ州など6州、③はオハイオ州、全米はその他38州の単純平均とした。
直近値は2016年8月時点。右図の原油先物価格はWTI期近物。直近値は同年9月28日時点(日次)。
出所)FRB、Bloombergより当社経済調査部作成
(%)
全米
(除く①②③)
米国製造業景況感と原油価格
(ポイント)
出所)フィラデルフィア連銀、カンザスシティ連銀、Bloombergより当社経済調査部作成
【図6】 実質実効ベースで見た米ドル高の調整はまだ初期段階
主要国 実質実効為替レート
(2012年12月=100)
125
120
115
110
105
100
95
90
85
80
75
70
通貨高
米国
中国
ユーロ圏
英国
日本
通貨安
2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
(年)
注)直近値は2016年8月時点。
出所)BIS(国際決済銀行)より当社経済調査部作成
12
M
投資環境マンスリー 2016年10月号
Ⅱ.国際金融市場の動向
M
(すべて2005年初=100)
180
日本
140
120
100
80
60
40
20
0
2005
2008
2014
2017 (年)
中国
450
新
興
国
2011
米国
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
160
先
進
国
①株式: 日銀会合・米国FOMCをこなした後も高値圏を維持
150
100
50
0
2008
400
350
300
300
250
250
200
200
150
150
100
100
50
50
0
2014
2017 (年)
インド
450
350
2011
2008
2011
2014
2017 (年)
メキシコ
350
250
200
150
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
2011
2014
2017 (年)
2008
2011
2014
2017 (年)
2014
2017 (年)
2014
2017 (年)
トルコ
300
250
400
200
300
150
200
100
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
ブラジル
2005
2008
2011
0
2005
2008
2017 (年)
2014
2017 (年)
ポーランド
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
2014
2011
2005
2008
2011
南アフリカ
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
注1)2005年初=100として当社経済調査部が指数化。直近値は2016年9月28日、注2)先進国はMSCI WORLD、新興国はMSCI EMの国別指数に基づく(現地通貨ベース、配当後)。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
2005
350
500
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
300
2008
インドネシア
600
0
2005
2005
オーストラリア
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
200
2005
400
ドイツ
250
2005
2008
2011
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査部作成
13
M
投資環境マンスリー 2016年10月号
②金利: 日銀の長期金利目標導入で日本の10年債利回りはゼロに近づく
M
(単位はすべて%)
先
進
国
8
日本
米国
8
ユーロ圏
8
6
6
6
6
4
4
4
4
2
2
2
0
0
0
利回り(10年物国債)
2
0
オーストラリア
8
政策金利
-2
-2
2006
新
興
国
2008
2010
2012
2014
2016
中国
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
2006
2008
2010
2012
2008
2014
2016
2006
(年)
2008
2012
2014
2016
2010
2012
2014
2016
8
4
3
0
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2008
2012
2014
2016
2010
2012
2014
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2008
2016
2006
(年)
2008
15
12
12
9
9
6
6
3
3
2012
2014
2016
(年)
2010
2012
2014
2016
(年)
2016
(年)
南アフリカ
18
15
2010
トルコ
27
24
21
18
15
12
9
6
3
0
0
2006
2006
(年)
ポーランド
18
9
2010
インドネシア
2006
(年)
12
6
2008
27
24
21
18
15
12
9
6
3
0
16
12
-2
2006
(年)
ブラジル
20
15
2010
インド
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
メキシコ
18
-2
2006
(年)
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2006
2008
2010
2012
2014
注1) 政策金利は、日本:無担保コールレート(翌日物)、米国:FFターゲットレート、ユーロ圏:リファイナンス・レート、オーストラリア:キャッシュレートを使用。中国: 1年もの最優遇銀行貸付金利、インド:RBIレポ金利、
インドネシア:2016年8月18日までBI金利、以降は7日物リバース・レポ金利、トルコ:2010年5月18日まで翌日物借入金利、以降は1週間レポ金利、メキシコ:翌日物金利、ブラジル:SELIC金利誘導目標、
ポーランド:2週間物レポ金利、南アフリカ:レポ金利を使用。
注2)国債利回りは、ユーロ圏:ドイツの10年国債利回り、トルコ:2年国債利回り、ブラジル:2年国債利回り、南アフリカ:10年国債利回り(2011年10月5日~2012年6月26日は9年国債で代用)を使用。
注3)直近の米国の政策金利(FF金利誘導目標)は0.25~0.50%だがグラフ上は0.50%で表示、日本は2013年4月4日までが無担保コールレート(翌日物)、2016年9月21日以降は日銀当座預金のうち政策金利残高適用金利(▲0.1%)を図示。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
注4)直近値は2016年9月28日。注5)一部データの欠損あり。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
14
M
投資環境マンスリー 2016年10月号
③為替: 米国の金利先高観はさらに後退、ドル円相場は1米ドル=100円ライン上で小動き
(円/米ドル)
M
70
各国・地域通貨高
米ドル(日本円)安
先
進
国
日本・円
(米ドル/ユーロ)
1.8
80
100
円高
110
各国・地域通貨安
米ドル(日本円)高
中国・人民元
(円/元)
22
6.0
20
18
7.0
16
7.5
14
8.0
12
円安
8.5
(INR/米ドル)
30
インド・ルピー
0.9
1.2
120
0.8
10
(MXN/米ドル)
8
メキシコ・ペソ
3.2
3.0
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
45
50
55
65
70
12
10
(BRL/米ドル)
1.0
ブラジル・レアル
14
8
16
18
6
20
2.5
3.0
3.5
4
(IDR/米ドル)
インドネシア・ルピア
(円/IDR)
1.5
8000
1.3
10000
80
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
60
0.5
40
(TRY/米ドル)
1.0
トルコ・リラ
(年)
(円/TRY)
120
1.5
100
2.0
80
2.5
60
3.0
40
1.1
12000
0.9
14000
16000
0.7
3.5
(PLN/米ドル)
80
1.5
70
2.0
ポーランド・ズロチ
60
2.5
50
3.0
40
3.5
30
4.0
20
4.5
(円/PLN)
60
40
20
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
20
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
30
4.5
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
100
2006 2008 2010 2012 2014 2016
50
2.0
4.0
22
120
0.6
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/BRL)
1.5
10
12
80
6000
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/MXN)
100
対日本円
(右軸)
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/INR)
35
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/豪ドル)
1.0
0.8
60
新
興
国
オーストラリア・ドル
1.1
140
1.0
40
6.5
160
(米ドル/豪ドル)
1.2
1.4
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(元/米ドル)
180
0.7
120
130
5.5
(円/ユーロ)
対米ドル
(左軸)
1.6
90
ユーロ
(ZAR/米ドル)
4
南アフリカ・ランド
(円/ZAR)
20
6
18
8
16
10
14
12
12
14
10
16
8
18
6
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
注)上段右図:豪ドル=オーストラリアドル。直近値は2016年9月28日。
出所) Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
15
M
投資環境マンスリー 2016年10月号
Ⅲ.金融・商品市場のパフォーマンス
期間別 各資産の投資収益率(%)
M
基準日:
現地通貨ベース
1ヵ月
地域別
株式
業種別
▲ 6.3
社債
転換社債
1ヵ月
3ヵ月
円換算ベース
1年
1ヵ月
3ヵ月
1年
9.9
▲ 6.3
2011年
2012年
2013年
2014 年
▲ 18.6
21.8
54.8
9.8
2015 年
2016 年
10.3
▲ 12.9
日本
海外先進国
0.3
8.1
14.8
▲ 0.1
8.2
13.8
▲ 1.2
6.2
▲ 2.3
▲ 9.2
30.2
48.8
20.1
▲ 0.8
▲ 10.0
新興国
1.3
11.5
15.5
1.4
14.3
19.9
0.3
12.3
3.9
▲ 23.4
31.4
19.1
11.9
▲ 14.2
1.2
素材(景気敏感)
0.5
12.9
24.8
▲ 0.1
13.5
26.2
▲ 1.2
11.5
10.2
▲ 24.8
24.6
25.3
9.1
▲ 14.5
2.5
▲ 0.4
3.6
20.0
▲ 1.1
3.3
17.9
▲ 2.2
1.3
1.9
▲ 4.5
15.3
40.2
2.7
▲ 21.8
▲ 0.3
IT(情報技術)
2.5
16.0
22.1
2.4
16.2
23.3
1.3
14.2
7.3
▲ 7.4
26.6
50.7
30.4
5.6
▲ 4.8
ヘルスケア
0.3
4.2
8.7
0.1
4.4
9.0
▲ 1.0
2.4
▲ 7.0
5.0
31.2
58.5
32.4
7.5
▲ 16.3
▲ 0.2
▲ 2.2
6.2
▲ 0.2
▲ 2.2
6.2
2.2
1.8
2.1
4.5
1.2
5.1
海外先進国
0.1
0.8
6.6
▲ 0.4
1.0
5.1
▲ 1.5
▲ 1.0
▲ 11.0
1.2
19.8
21.7
17.1
▲ 3.4
▲ 9.3
新興国(現地通貨建て)
0.9
2.9
11.5
0.3
4.1
12.4
▲ 0.9
2.1
▲ 3.6
▲ 5.2
24.1
15.0
13.9
▲ 9.0
▲ 5.0
0.3
5.1
16.2
▲ 0.9
3.1
0.2
2.2
30.2
16.1
21.2
1.6
▲ 1.5
海外先進国
0.0
0.6
5.6
6.8
4.9
▲ 1.5
9.4
0.6
6.1
新興国(米ドル建て)
0.1
4.6
14.7
6.9
17.2
▲ 5.7
7.0
0.8
13.3
エネルギー
3.7
▲ 0.1
2.4
7.9
▲ 1.3
0.3
▲ 8.1
▲ 0.7
23.9
21.5
16.9
▲ 3.4
▲ 7.1
ハイイールド
0.2
6.0
12.2
▲ 0.9
4.0
▲ 3.8
▲ 2.6
32.1
29.4
13.6
▲ 3.8
▲ 2.4
投資適格
新興国
(米ドル建て) ハイイールド
▲ 0.1
2.8
9.5
▲ 1.2
0.8
▲ 6.6
0.5
26.0
19.5
19.3
0.2
▲ 7.0
0.6
5.5
18.6
▲ 0.5
3.5
2.6
▲ 8.7
33.9
21.9
12.9
3.8
0.3
世界
その他
9.9
新興国(米ドル建て)
ヘッジ有
その他
債券
米ドルベース
1年
3.7
日本
国債
3ヵ月
2016年9月28日
投資適格
先進国
0.9
6.8
10.2
0.7
7.2
11.3
▲ 0.4
5.1
▲ 4.7
▲ 10.4
25.1
38.6
17.5
1.6
▲ 8.1
新興国
▲ 0.4
1.8
3.8
▲ 0.8
2.0
2.4
▲ 1.9
▲ 0.0
▲ 13.7
▲ 17.0
28.6
33.9
15.5
4.3
▲ 14.7
物価連動 先進国
国債
新興国
0.0
4.3
7.8
▲ 1.1
2.3
▲ 8.2
5.5
19.7
16.6
17.8
▲ 4.3
▲ 5.8
▲ 0.7
4.6
31.2
▲ 1.8
2.6
15.2
▲ 8.1
30.6
6.3
15.6
▲ 18.8
9.3
先進国
▲ 0.5
3.5
21.2
▲ 1.6
1.5
5.1
▲ 3.4
36.3
24.6
37.1
1.6
▲ 3.0
新興国
▲ 1.4
6.6
9.3
▲ 2.5
4.6
▲ 6.7
▲ 13.1
49.5
9.4
22.8
▲ 17.2
▲ 1.3
0.2
▲ 3.5
▲ 2.3
▲ 0.9
▲ 5.5
▲ 18.3
▲ 18.5
11.7
11.9
▲ 3.3
▲ 24.3
▲ 7.6
リート
商品
注)株式は、日本、海外先進国、業種別がMSCI WORLDにおける当該地域・業種別の各指数、新興国がMSCI EM、
債券は、国債(日本、海外先進国、海外先進国ヘッジ有り)、社債(世界)、転換社債がBofA メリルリンチ債券インデックスにおける当該市場の各指数、国債(新興国《現地通貨建て》は
J.P. Morgan GBI - EM Broad、国債(新興国《米ドル建て》、新興国《米ドル建て》ヘッジ有)はJ.P. Morgan EMBI Global Diversified、社債(新興国《米ドル建て、投資適格》) は
J.P. Morgan CEMBI High Grade、社債(新興国《米ドル建て、ハイイールド》) はJ.P. Morgan CEMBI High Yield、物価連動国債(先進国)がバークレイズ世界物価連動国債インデックス、物価連動債(新興国)が
バークレイズ新興市場物価連動国債インデックス、リート(先進国)はS&P先進国REIT指数、 リート(新興国)はS&P新興国REIT指数、商品はブルームバーグ商品指数に基づく。
2016年は2015年末から基準日までの数字。
上記分析は作成時点のものであり、将来の市場環境等を示唆・保証するものではありません。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)J.P. Morgan、Bloomberg、S&P、MSCI、バークレイズ、BofA メリルリンチより当社経済調査部作成
16
M
投資環境マンスリー 2016年10月号
Ⅳ.2016年10月の主要な政治・経済日程
月
10/1
M
(中)
火
4
9月 製造業PMI(国家統計局)
(日)
水
5
オーストリア 大統領選挙
3
(日)
(日)
(米)
(米)
日銀短観(9月調査)
9月 新車登録台数
8月 建設支出
9月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
9
(米)
金
7
9月 消費者態度指数
2
(欧)
木
6
(米)
(米)
9月 新車販売台数
副大統領候補者討論会
(豪)
(豪)
(他)
金融政策決定会合
8月 住宅建設許可件数
ブラジル 8月 鉱工業生産
11
(米)
(米)
(米)
(米)
(豪)
8月 貿易収支
8月 製造業新規受注
9月 ADP雇用統計
9月 ISM(米供給管理協会)
非製造業景気指数
(豪)
8月 貿易統計
8月 小売売上高
(他)
G20財務相・中銀総裁会議
12
13
(日)
(日)
(米)
(米)
(米)
(独)
(仏)
(英)
(他)
(日)
(日)
8月 経常収支
9月 景気ウォッチャー
(日)
8月 機械受注統計
(日)
(日)
8月 第3次産業活動指数
9月 銀行貸出
(米)
コロンブス・デー(祝日)
(独)
10月 ZEW景況感指数
(米)
FOMC議事録
(9月20・21日分)
(米)
9月 輸出入物価指数
(伊)
8月 鉱工業生産
(豪)
(豪)
8月 住宅ローン承認件数
9月 NAB企業景況感指数
(欧)
8月 鉱工業生産
(日)
(日)
(米)
(米)
(米)
(米)
(米)
(豪)
10月 消費者信頼感指数
(中)
9月 生産者物価
(中)
17
(日)
(米)
(米)
18
8月 製造工業 稼働率指数
9月 鉱工業生産
10月 ニューヨーク連銀景気指数
(米)
(米)
(英)
(豪)
(他)
(他)
24
9月 消費者物価
10月 全米住宅建築業協会
(NAHB)住宅市場指数
9月 消費者物価
金融政策決定会合議事録
(10月4日分)
ブラジル 金融政策委員会
(COPOM、~19日)
ブラジル 8月 小売売上高
25
(日)
9月 貿易統計
(中)
共産党 6中全会
(第18期中央委員会
第6回全体会議、~27日)
(米)
(米)
(独)
31
(日)
19
(日)
(日)
(米)
(米)
(欧)
(欧)
9月 個人所得・消費
10月 シカゴ購買部協会景気指数
7-9月期 実質GDP(1次速報)
10月 消費者物価(速報)
(日)
(日)
(日)
(米)
(米)
(米)
20
(米)
(米)
9月 中古住宅販売件数
10月 フィラデルフィア連銀景気指数
(米)
9月 住宅着工・許可件数
ベージュブック
(地区連銀経済報告)
第3回 大統領候補者討論会
(欧)
欧州中央銀行(ECB)理事会
(中)
(中)
7-9月期 実質GDP
9月 鉱工業生産
(豪)
9月 雇用統計
26
27
28
9月 企業向けサービス価格
8月 S&P/ケース・シラー住宅価格指数
10月 消費者信頼感指数
(カンファレンス・ボード)
(米)
9月 新築住宅販売件数
(米)
(米)
9月 耐久財新規受注
9月 中古住宅販売仮契約指数
(独)
11月 GfK消費者信頼感指数
(英)
7-9月期 実質GDP(1次速報)
10月 ifo景況感指数
(豪)
7-9月期 消費者物価
(他)
ブラジル 9月 失業率
黒田日銀総裁定例記者会見
経済・物価情勢の展望
(基本的見解)
10月 新車登録台数
9月 建設支出
10月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
連邦公開市場委員会
(FOMC、~2日)
(日)
10月 消費者態度指数
(米)
(米)
10月 ADP雇用統計
10月 新車販売台数
(中)
(中)
(他)
10月 製造業PMI(国家統計局)
10月 製造業PMI(マークイット)
ブラジル 9月 鉱工業生産
2
3
(米)
(米)
(米)
9月 マネーストック
9月 企業物価指数
8月 企業売上高・在庫
9月 小売売上高
9月 生産者物価
9月 月次財政収支
10月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(速報)
9月 消費者物価
21
(日)
11/1
日銀金融政策決定会合
(~11月1日)
9月 鉱工業生産
9月 商業販売統計
(米)
(米)
8月 毎月勤労統計
8月 景気動向指数
8月 卸売売上高
8月 消費者信用残高
9月 雇用統計
8月 鉱工業生産
8月 鉱工業生産
8月 鉱工業生産
ブラジル 9月消費者物価(IPCA)
14
第2回 大統領候補者討論会
10
発表日未定経済指標など
(日)
(日)
(日)
(米)
(米)
(仏)
(豪)
9月 家計調査
9月 労働関連統計
9月 消費者物価(総務省)
9月 消費者物価(日銀)
7-9月期 実質GDP(1次速報)
10月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(確報)
7-9月期 実質GDP(1次速報)
7-9月期 生産者物価
4
9月 製造業新規受注
9月 耐久財新規受注
10月 ISM(米供給管理協会)
非製造業景気指数
(米)
(米)
9月 貿易収支
10月 雇用統計
注)(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(独)はドイツ、(仏)はフランス、(伊)はイタリア、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、を指します。
日程は変更になる可能性があります。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)Bloomberg等より当社経済調査部作成
17
M
投資環境マンスリー 2016年10月号
留意事項
◎投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としているため、当該資産の市場における取引価格の変動や
為替の変動等により基準価額が変動します。したがって、投資者のみなさまの投資元金が保証されているものではなく、基準価額の下落
により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。運用により信託財産に生じた損益はすべて投資者のみなさまに帰属します。
投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が
異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資にあたっては投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面等を
よくご覧ください。
M
◎投資信託に係る費用について
ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。
■購入時(ファンドによっては換金時)に直接ご負担いただく費用
・購入時(換金時)手数料 … 上限 3.24%(税込)
※一部のファンドについては、
購入時(換金時)手数料額(上限 37,800円(税込))を定めているものがあります。
■購入時・換金時に直接ご負担いただく費用
・信託財産留保額 … ファンドにより変動するものがあるため、事前に金額もしくはその上限額またはこれらの計算
方法を表示することができません。
■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用
・運用管理費用(信託報酬) … 上限 年3.348%(税込)
※一部のファンドについては、運用実績に応じて成功報酬をご負担いただく場合があります。
■その他の費用・手数料
上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完
書面等でご確認ください。
※その他の費用・手数料については、運用状況等により変動するものであり、事前に金額もしくはその上限額ま
たはこれらの計算方法を表示することができません。
お客さまにご負担いただく費用の合計額もしくはその上限額またはこれらの計算方法は、購入金額や保有期間等に
応じて異なりますので、表示することができません。
《ご注意》
上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、三菱UFJ
国際投信が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。投資信託に
係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前によく投資信託説明書(交付目論見書)、
目論見書補完書面等をご覧ください。
各資産のリスク
◎株式の投資に係る価格変動リスク
:株式への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、株式の価格は個々の企業の
活動や業績、市場・経済の状況等を反映して変動するため、株式の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎公社債の投資に係る価格変動リスク
:公社債への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、公社債の価格は市場金
利の変動等を受けて変動するため、公社債の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎REIT(不動産投資信託証券、以下REIT)の投資に係る価格変動リスク
:REITへの投資には価
格変動リスクを伴います。一般にREITの価格は保有不動産等の価値やそこから得られる収益の増減等により変動するため、REIT
の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎オルタナティブ(代替投資手段、以下オルタナティブ)の投資に係る価格変動リスク
:オルタナティブ
への投資には価格変動リスクを伴います。オルタナティブは各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)等に投資
するため、各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)の価格の変動により損失を被り、投資元金を割り込むこと
があります。
◎信用リスク
:信用リスクとは、有価証券等の発行者や取引先等の経営・財務状況が悪化した場合またはそれが予想された場合も
しくはこれらに関する外部評価の悪化があった場合等に、当該有価証券等の価格が下落することやその価値がなくなること、または利払
いや償還金の支払いが滞る等の債務が不履行となること等をいいます。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金
を割り込むことがあります。
◎カントリーリスク
:新興国への投資は、先進国への投資を行う場合に比べ、投資対象国におけるクーデターや重大な政治体制
の変更、資産凍結を含む重大な規制の導入、政府のデフォルト等の発生による影響を受けることにより、市場・信用・流動性の各リスク
が大きくなる可能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込む可能性が高まることがあり
ます。
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■本資料は、投資環境等に関する情報提供のために三菱UFJ国際投信が作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではあり
ません。本資料は投資勧誘を目的とするものではありません。
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■本資料の内容は作成時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。(作成基準日:2016年9月29日)
■本資料は信頼できると判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性等を保証するものではありません。
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S&P先進国REIT指数の所有権及びその他一切の権利は、スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーが有してい
ます。三菱UFJ国際投信株式会社は、スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーとの間で同指数の算出・管理
に関する契約を締結しています。スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーは、同指数の算出にかかる誤謬等
に関し、いかなる者に対しても責任を負うものではありません。
S&P新興国REIT指数の所有権及びその他一切の権利は、スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーが有してい
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Markit Economics Limitedの知的財産権およびその他の一切の権利はMarkit Economics Limitedに帰属します。
◎流動性リスク
:有価証券等を売却あるいは取得しようとする際に、市場に十分な需要や供給がない場合や取引規制等により十
分な流動性の下での取引を行えない場合または取引が不可能となる場合、市場実勢から期待される価格より不利な価格での取引となる可
能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
国内株式・国内債券への投資は上記のリスクを伴います。海外株式・海外債券への投資は上記リスクに加えて以下の為替変動リスクを伴
います。
◎為替変動リスク
:海外の株式や公社債、REIT、オルタナティブ資産は外貨建資産ですので、為替変動の影響を受けます。
そのため、為替相場が円高方向に進んだ場合には、投資元金を割り込むことがあります。
新興国への投資は上記リスクに加えて以下のカントリーリスクを伴います。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
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