【韓国】

【韓国】
8 月の市場動向トピックス

8 月として過去最高の 458,900 人が訪日
2016 年 8 月の訪日韓国人数は、前年同月比 17.4%増の 458,900 人となり、8 月として過去最高を記録した。航
空路線の拡充や、夏の旅行シーズンを見据えて強化した訪日旅行プロモーションに加え、韓国の海外旅行者数全
体が増加したことも訪日需要の増加を後押しした。8 月中旬以降、一時、円高ウォン安傾向が進んだことから、訪
日需要への影響が懸念されたものの、現時点では再び落ち着きを取り戻しており、大きな影響は出ていない。今後
も引き続き注視が必要である。
8 月の主なプロモーション活動

チュソク
夏期休暇需要の追い込みと、9 月の秋夕(旧盆休暇)における需要喚起を目的として、主に九州地方や、今年度
の重点地域である中国・四国地方の商品を訴求する共同広告を実施した。特に九州商品は、セール価格での商
品展開が多く、露出を増やしたことが好調な売れ行きに繋がった。
共同広告の例

8 月に JNTO 韓国 Facebook (Join J route)のファン数が 80,000 人を突破した(9 月 15 日現在 約 83,000 名)。
毎日、鮮度の高い日本の情報を掲載することにより、読者を飽きさせることなく、着実に新しいファンを獲得し続けて
いる。その他、Instagram やカカオトークなども併せ、SNS を積極的に活用した情報発信を行っている。
JNTO 韓国 Facebook トップページ
JR 最南端の駅(鹿児島・8 月 8 日)
阿波踊り(徳島・8 月 22 日)
【中国】
8 月の市場動向トピックス

単月過去 2 番目の 677,000 人が訪日
2016 年 8 月の訪日中国人数は、前年同月比 14.5%増の 677,000 人で、8 月として過去最高を記録。中国の夏期
休暇にあたる 7 月、8 月は訪日を含む海外旅行のハイシーズンであり、7 月の 73.1 万人に続き過去 2 番目に多い
訪日者数となった。また、クルーズ船や航空路線は 8 月も前年同月比で就航数/座席供給数が増加。特に、夏に
最盛期を迎えるクルーズは、九州行きに加え、沖縄行きも好調であった。航空路線についても、南京-関西線(吉祥
航空・8 月 1 日)、済南-羽田線(山東航空・8 月 18 日)などの路線が新たに就航した。
8 月の主なプロモーション活動

8 月 21 日に、浙江省杭州市で、中国市場の重点デスティネーションである九州への旅行をテーマに微博・微信ファン
ミーティング(オフ会)を開催した。当日は、抽選で選ばれた女性の個人旅行者(FIT)を中心に 30 名が参加。訪日旅
行経験が豊富な文芸女流作家の晃悠氏を講師に迎え、九州旅行に関する講演を行った他、上海に事務所を構
える九州の自治体職員などが熊本地震後の復旧状況等について紹介した。参加者からは、九州の食、お薦めの観
光スポット、訪日旅行の際にかかる交通費などの詳細に至るまで、活発な質問が寄せられ、杭州市における九州旅
行への関心の高さが窺えた。
微博・微信ファンミーティングの様子

8 月 1 日~8 月 31 日に、「日本食を食べて九州へ行こう!」キャンペーンを北京市内 27 か所の日本食レストランで
実施した。JNTO の微博・微信や有力 KOL(Key Opinion Leader)等を通じて告知を行い、対象レストランへの来店
を促した他、九州観光推進機構のゆるキャラ「キューちゃん」による応募の呼びかけ、店舗ならびに応募用ウェブサイト
での観光 PR を行った。応募者は約 2,400 名に達し、中~高所得かつ日本への関心の高い消費者に対し、食を通じ
た日本・九州への旅行需要喚起に努めた。
キャンペーンサイトおよび情報発信の例
【台湾】
8 月の市場動向トピックス

8 月として過去最高の 333,200 人が訪日
2016 年 8 月の訪日台湾人数は、前年同月比 6.1%増の 333,200 人で、8 月として過去最高を記録。円高傾向
などの影響もあり、訪日者数の伸び率は 1 桁台に留まったものの、5 月に出展した旅行博での販促や、6 月のデ
ジタル旅行博の開催など、様々な訪日旅行プロモーションが需要を下支えした。
8 月の主なプロモーション活動

東北地方の「食」の魅力の訴求を目的として、台湾の人気バラエティ情報番組「流行新勢力」を招請、同番組に
て、8 月に複数回のシリーズ放送を実施した。事業コンセプト「TraveLiving Japan!~暮らすように日本を旅する~」
をテーマに、宮城県、山形県、岩手県各県のグルメを紹介した。

相次ぐ地方路線の新規就航により、日本路線が増えている台湾の格安航空会社(LCC)タイガーエア台湾と、
共同広告を実施した。屋外広告、SNS やウェブ新聞など、幅広いメディアに展開することにより、訪日意欲の喚
起を図った。
(台湾の人気バラエティ番組で東北のグルメを紹介)
(台北 MRT 台北市政府駅で行った共同広告)
【香港】
8 月の市場動向トピックス

8 月として過去最高の 159,300 人が訪日
2016 年 8 月の訪日香港人数は、前年同月比 12.6%増の 159,300 人となり、43 か月連続で各月の過去最高を
更新した。夏期休暇に伴う旅行需要を見込み、航空会社各社が 6 月中旬から関西、成田、鹿児島、新千歳な
どに相次いで新規就航や増便を行い、香港人旅行者の日本行きを後押しした。また、夏のクリエイティブを利用し
た旅行会社との共同広告や、youtube を活用した動画広告、LCC との共同キャンペーンなど、夏期に向けて集中
的に実施した訪日旅行プロモーションが訪日需要喚起に貢献した。
8 月の主なプロモーション活動

7 月から 8 月にかけて、香港の旅行会社 11 社と夏のクリエイティブを用いた共同広告を実施。広告には「ゆるたび」
をテーマにした地方の訪日旅行商品も掲載され、地方への誘客と需要喚起を図った。

リラックスや癒しの旅「ゆるたび」をコンセプトに、伊勢志摩および中国地方で撮影した夏の動画を活用した動画広
告を展開したところ、当該地域に「行きたくなった」、「まだ行ったことのない場所がたくさんあることがわかった」などの
反応が得られた。(URL:https://www.youtube.com/channel/UCV7O90UIjnzftQe9GEfheQA)
旅行会社との共同広告例(夏期バージョン)
ゆるたびの動画(夏期バージョン)を用いた広告例
【タイ】
8 月の市場動向トピックス

各月の過去最高を継続して更新
2016 年 8 月の訪日タイ人数は、前年同月比 10.9%増の 34,700 人で、8 月として過去最高を記録。例年、8 月
は外国旅行のオフシーズンとなるが、今年は、7月より就航したスクート航空およびタイ・エアアジア X などの格安航
空会社(LCC)の価格が下がったことや、祝日の日並びから三連休が創出されたこともあり、訪日者数が増加した。
また、6 月に実施した FIT フェア及び 7 月に開催された TITF でも 8 月のツアー販売実績が好調であったことと、先
月から実施している現地旅行会社との共同広告が徐々に露出され、8 月以降の販売需要が促進された。一方
でユーロがタイバーツに対して弱くなってきており、半年後のヨーロッパツアーが今よりも更に安く取引される可能性が
出てきており、また 8 月 1 日より 1 年間の期間限定で実施された台湾のビザ免除の影響も徐々に出始めている。
8 月の主なプロモーション活動

8 月 19 日から 10 月 18 日まで、日本各地の 60 枚の写真や地名を活用したウェブキャンペーンによるプロモーション
を実施している。また、同じく 8 月に立ち上げたインスタグラムでもウェブキャンペーンと連動した広告・投稿を実施中
である。更に、タイ市場向けモデルルート開発事業の 1 コース目となる中国コース(今年度重点地域)が作成され、
ウェブサイトに公開し、Facebook を活用した拡散(3 日で約 9 万リーチ)を図ったが、今後、順次モデルコース掲載を
拡充させ、最終的に全国各地の計 16 コース程度を開発・掲載予定。

7 月以降、8 月も現地旅行会社との共同広告を実施した。秋の訪日旅行や、家族でオールシーズン楽しめる訪日
旅行を訴求することにより、旅行会社の販売促進を図る。
SNS を通じた情報発信の例
共同広告
【シンガポール】
8 月の市場動向トピックス

訪日者数、前年同月比 4.1%減の 12,100 人
2015 年 8 月は、建国 50 周年を記念して設定された大型連休に伴う旅行特需や、韓国における MERS の感染拡
大を受けた訪日への振替需要があったが、今年はその反動と、昨今のシンガポールからのアウトバウンド数の鈍化等
の影響により、訪日者数は前年同月比で減少に転じた。
そのような中で、一部航空会社による燃油サーチャージの撤廃や、2 月 26 日~28 日に開催された旅行博「Travel
Revolution」への出展、大手旅行会社との共同広告に加え、チャンギ国際空港ターミナルにおけるメガフラワーアレ
ンジメントの展示(3 月 10 日~4 月 10 日)、航空会社と連携した割引キャンペーン(4 月 1 日~5 月 18 日)など、
連続的に日星外交樹立 50 周年(SJ50)事業を展開することにより周年効果を拡大し、8 月の訪日需要を下支え
した。
8 月の主なプロモーション活動
✸
8 月 19 日~21 日にかけて、シンガポール最大の旅行博「Travel Revolution 2016」に出展し、一般消費者を対象
に訪日意欲の喚起に努めた。今回は、前回開催時を上回る 17 団体 24 ブースが出展した他、開催に併せて大手
旅行会社との共同広告を実施した。また、ジャパンパビリオンへの来場者数は、前回実績比 137%増と盛況であっ
た。
✸ 8 月 6 日~7 日にかけて、シンガポールの大型ショッピングモール J-CUBE にて個人旅行者(FIT)向けの訪日フェアを
開催した。フェア当日は、11 月に開業を予定している JAPAN RAIL CAFE や、九州観光推進機構、東北観光推
進機構と連携し、ねぶた祭りの会場や博多駅ビル等をリアルタイムで中継、2 日間合計で約 6,400 名が来場する盛
況ぶりであった。また、同中継を Facebook 上でも LIVE 配信し、視聴とオンラインによる拡散により約 17 万人にリー
チした。
旅行博「Travel Revolution 2016」の様子
個人旅行者向けの訪日フェアの様子
【マレーシア】
8 月の市場動向トピックス
 前年同月比 26.0%増の 15,500 人
2016 年 8 月の訪日マレーシア人数は、前年同月比 26.0%増の 15,500 人で、8 月として過去最高を記録。例年、
旅行のオフシーズンにあたる 8 月は、団体旅行需要が減少する傾向にあるが、個人旅行(FIT)需要の喚起を目的
としてエアアジア X と共同で実施したセールスプロモーションなどが、訪日需要の増加を下支えした。また、7 月開催の
「MITM」(ペナン)や、8 月開催の「MATTA JOHOR」(ジョホールバル)などの旅行博にあわせて、JNTOが実施した
共同広告やメディア招請記事などが訪日需要の底上げに繋がった。
8 月の主なプロモーション活動

8 月 5 日~8 月 7 日の 3 日間、ジョホールバルで開催された旅行博「MATTA JOHOR 2016」に出展した。日本ブ
ースでは、秋(紅葉)、冬(雪)のビジュアルを全面的に使い、当地ではまだ認知度の低い秋の紅葉の魅力を紹介し
た。また、当該旅行博の開催に合わせ、同市内で屋外広告及び大手日刊紙に共同広告を掲載し、訪日需要の
喚起を図った。

マレーシアにおける主要なオンライン・トラベル・エージェント(OTA)である Expedia Malaysia と共同で、訪日旅行商
品の販促と日本各地への個人旅行者(FIT)の誘客を目的としたキャンペーンサイトを立ち上げ、8 月 22 日から同サ
イにてウェブプロモーションを開始した。訪日旅行の最大のピークシーズンとなる 11 月~12 月(学校休暇)、1 月末
(旧正月休暇)のFIT需要の刈り取りを目指す。
旅行博「MATTA JOHOR 2016」における日本ブース
Expedia Malaysia における日本の特設サイト
【インドネシア】
8 月の市場動向トピックス
 8 月の訪日者数 12,800 人
2016 年 8 月の訪日インドネシア人数は、前年同月比 30.9%増の 12,800 人となった。航空会社各社によるセールス
プロモーションに加え、報奨旅行やイベントの催行、旅行博での販促などが訪日需要の押し上げに繋がり、30%を超
える高い伸びを示した。
 大手旅行会社パノラマ・グループ、欧州からの集客強化
インドネシアの大手旅行会社パノラマ・グループである「パノラマ・セントラウィサタ」は、東欧、北欧を含む欧州諸国か
らの観光客誘致を強化する。具体的には、チェコ、スロバキア、英国、フィンランド、ノルウェー、アイスランド、デンマー
ク、スウェーデンへの参入を計画しており、既に参入しているポーランドには、首都ワルシャワに直行チャーターを運航し、
今年 7 月から来年 3 月までに観光客 5,000 人を誘致する目標を掲げる。この他、東南アジア諸国からの集客も強
化する方針である。国内事業では、ジョクジャカルタ特別州、北スマトラ州トバ湖、東ジャワ州ブロモ山などで運営す
るホテル業の拡大も検討している。
8 月の主なプロモーション活動
 8 月 29 日から 9 月 1 日に、ジャカルタ、スラバヤ、メダンの 3 都市において、日本の観光関連団体とインドネシアの旅
行会社のマッチングを目的とした訪日旅行セミナー・商談会を開催した。日本からは、地方公共団体や観光関連企
業など約 40 団体が、インドネシアからは、ジャカルタから約 90 社、スラバヤから約 70 社、メダンから約 40 社の旅行
会社が参加し、盛況であった。ジャカルタ会場では、旅行会社が途切れなく商談を行う一方、地方都市会場におい
ては、時間をかけた丁寧な情報交換が行われるなど、開催地ごとに特色が見られた。開催回数を重ねるごとに現地
旅行会社の訪日旅行に関する知識も向上してきており、参加者からは早くも来年の開催への期待が寄せられた。
 秋・冬の訪日需要喚起を目的として、秋編・冬編 2 種類の 15 秒間 CM を作成した。当該 CM は、8 月から 11 月
にかけて、インドネシアの 23 の TV 番組で約 210 回にわたって放送する他、企業の公共スペースや屋外広告、映画
館などにも露出する。また、JNTO が主催・出展する旅行博の会場や、日本ブース内でも放映するなど、各種イベン
トとも連動させる。
商談会場の様子(ジャカルタ)
CM「秋編」イメージ
【豪州】
8 月の市場動向トピックス
 8 月として過去最高の 19,400 人、前年同月比 8.5%増を記録
例年 8 月は、日本の夏の暑さが敬遠され、通年で最も訪日者が少なくなる月である。日豪路線の新規就航等によ
り訪日者数が大幅に増加した昨年同月には及ばないものの、訪日旅行への関心の高まりを受け、堅実に推移して
いる。
 クルーズ人気
豪州におけるクルーズ人気が日本でも表れている。クルーズは割高に見えて、実は、移動費、宿泊費、食費等が全
て含まれるためにランド商品よりも割安である。また、移動が楽であるため、シニア層にも人気がある。プリンセスクルー
ズ社の商品“Grand Japan”は全てのクラスで完売した。
8 月の主なプロモーション活動
 8 月 20 日、21 日に、シドニーにおいて開催された、日本アニメ/マンガの祭典「SMASH!」に出展した。イベントの総
来場者数は 2 日間で約 15,000 人、そのうち、日本ブースへは約 1,200 人が訪れた。日本ブース来場者へのアンケー
トによると、ブース来場者の男女比はおよそ 1:1、約半数が 20 代であり、訪日経験者や近いうちに訪日を予定して
いる人も見られた。また、当日会場に設置された複数の TV モニターで、訪日旅行プロモーションビデオを上映すること
により、訪日意欲の喚起を図った。
 富裕層の読者を多く持つ「Vogue」誌と世界のグルメを紹介する「delicious」誌に純広告を掲載した。
 7 月 4 日から 8 月 14 日にかけて、Flight Centre グループのクルーズ専門会社である「Cruiseabout」と共同で、店
頭バナー、チラシ、新聞、EDM、SNS、ブログ、キャンペーンサイトなど多方面に広告を展開した。
雑誌「Vogue」、「delicious」に
(左上)「SMASH!」への来場者
(下)日本ブースの様子
掲載した純広告
クルーズ会社との共同キャンペーン
【米国】
8 月の市場動向トピックス
 前年同月比 15.4%増、1 月~8 月累計でも前年同期比 19.9%増と好調に推移
2016 年 8 月の訪日米国人数は、前年同月比 15.4%増の 88,800 人で、8 月として過去最高を記録。29 か月連続
で各月の過去記録を更新しており、訪日需要は拡大を続けていると考えられる。また、1 月から 8 月の累計でも、前
年同月比 19.9%増と好調に推移している。
 日本ブームが訪日需要を底上げ
8月7日~8月12日にラスベガスで行われた、富裕層向け旅行を取り扱う会社や組織の加盟する団体「Virtuoso」の
主催するイベント「Virtuoso Travel Week(総会)」において、日本が初めて「Hottest Destination Award」に選出さ
れた。これは、2014年から2015年の航空券およびホテルの販売数の伸び率に基づいて決定されたものであり、訪日
旅行の近年の好調ぶりが明らかになり、評価された。富裕層間でも日本が人気の旅行地となっていると言える。
8 月の主なプロモーション活動

JNTO ニューヨーク事務所では、米国市場における訪日旅行の認知度向上を目的として、雑誌「National
Geographic」と共同で Instagram を活用した「Discover Japan フォトコンテスト」を全米で実施した。1か月間で集
まった写真は 38,897 件におよび、訪日旅行に対する関心の高さが窺えた。同コンテスト優勝者には、多くの事業関
係者からご協力を頂いて実現した、極上体験型訪日旅行をペアで提供する。賞品となる旅行の内容についても米
国メディアへの露出を図り、更なる訪日需要の拡大を狙う。

JNTO ロサンゼルス事務所では、ビジット・イースト・ジャパン・キャンペーンの一環として、ロサンゼルスに事務所を置く
中国国家旅游局(CNTO)、韓国観光公社(KTO)と共同で旅行会社向けセミナーを実施し、各国の観光に関す
る情報発信を行った。3 か国揃っての実施は初めてであり、参加した旅行会社からも「良いネットワーキングの機会に
なった」との声があった。今後も 3 か国共同でのプロモーション事業を実施していきたい。
Discover Japan Photo Contest サイト
セミナー風景
【カナダ】
8 月の市場動向トピックス
 今年 3 月以来の好調な伸び率
2016 年 8 月の訪日カナダ人数は、前年同月比 23.3%増の 21,900 人と今年 3 月以来の 20%を超える伸び率となっ
た。カナダ国内の景況感は堅調で、航空座席供給量が今年 6 月以来過去最大となっていること、航空会社が割
引料金を提供していることに加え、メディア招請や旅行会社・航空会社との共同広告などの訪日旅行プロモーション
の効果などが訪日需要の増加を後押しした。
 2012 年 2 月以来の円高水準に
一方、足元ではカナダドルは円高がさらに進んでいる。8 月の平均カナダドルレートは 77.93 円=1 カナダドルと、先月
に続き 70 円台となり、昨年 8 月の同 93.71 円と比較しても高い水準となっている。現地旅行会社からは、ホテル代
や貸切バス代などの円ベースでの大幅な値上がり、日本の都市部における手配困難を指摘する声が挙がっており、
先行きを注視する必要がある。
8 月の主なプロモーション活動

8 月 5 日~8 月 7 日に、ケベック州モントリオールで開催されたアニメ、マンガ、ゲーム、映画、テレビなど日本のポップ
カルチャーに関するイベント「Otakuthon 2016」(オタクソン)に、在モントリオール日本国総領事館と連携し、日本ブ
ースを出展した。3 日間で述べ 35,000 人以上が来場するなど大盛況となった本イベント会場には、若者を中心に
大勢のポップカルチャーファンが集まったが、そのほとんどが訪日を指向しており、JNTO ブースには計 2,000 名以上が
訪れた。また、会期中に計 2 回、来場者を対象とした訪日セミナーを開催したところ、1度目は約 200 名、2 度目は
約 350 名が参加し、多くの一般消費者に訪日魅力を PR することができた。
(左上、右上) 「Otakuthon 2016」訪日セミナーの様子
(左下) JNTO ブースの様子
【英国】
8 月の市場動向トピックス

訪日者数、8 月として過去最高を記録
2016 年 8 月の訪日英国人数は前年同月比 5.1%増の 21,500 人で、8 月として過去最高を記録。夏期休暇に
より家族旅行が増加するなど、訪日需要は引き続き旺盛であるが、円高の進行を受けて英国発日本行き直行
便の座席供給量が減少傾向にあったことなどにより、訪日者数の伸び率は限定的となった。英国では 3 ヶ月から
半年ほど前に旅行の予約をする層が多いため、これによる 8 月の訪日者数への影響は限定的であったが、英国
の EU 離脱決定後から続く円高ポンド安が、直前手配の需要減退に影響したものと考えられる。

英国アウトバウンド市場の動向
2016 年 1 月~6 月までの英国からの出国者数は 3,167 万人で、前年同期比で 6%増加した。目的地の多くがヨ
ーロッパ域内で全体の 78%を占め、北米が 6%、その他の国・地域が 16%となっている。ヨーロッパ域内が前年同期
比で 8%、北米が同 10%と増加する一方、その他の国は同 3%減少した。そのような中で、1 月~6 月の訪日英国
人数は、前年同期比で 19.2%増加。また、アジアの競合国と比較しても、1 月~6 月までの各国の英国人訪問
者数は、タイが 8.3%増(588,160 人)、香港が 4.5%増(276,154 人)、シンガポールが 5%増(248,745 人)といずれも
1 桁台の増加に留まっており、訪日意欲の高まりを裏付ける結果となった。
8 月の主なプロモーション活動

JNTO ロンドン事務所では、英国向け facebook ページを運営し、訪日旅行に関する情報や、英国人が関心を
持ちそうなトピックを発信している。現在、ファン数は約 6 万 6 千人で、投稿に対するコメントやシェア等の反応も活
発である。8 月に投稿した記事の中で最も関心が高かったのが、8 月 16 日に投稿した、「大阪の朝の風景」の写
真であった。自転車に乗る男性の肩にしっかりと掴まり、一緒に移動する犬が写っているもので、1,000 件を超える
「Like!」に加え、90 回近いシェアがなされ、実際に大阪に旅行する予定のある方からもコメントが寄せられた。今
後も、日本の様々な側面を紹介し、日本への心理的な距離を縮め、訪日意欲喚起に繋げていきたい。
英国向け Facebook のトップページと、特に関心が高かった投稿事例
【フランス】
8 月の市場動向トピックス
 30 か月連続、当該月過去最高の訪日者数
2016 年 8 月の訪日フランス人数は 23,700 人で、8 月として過去最高を記録。30 か月連続で各月の過去最高を
更新した。バカンス時期の旅行予約が多くなる 1 月~3 月にかけて集中的に実施した訪日旅行プロモーションや、
Facebook 等による継続的な情報発信が、訪日需要を後押ししている。
 今夏のアウトバウンド旅行の概況
Atout France(フランス観光開発機構)によると、フランスにおける 2016 年 7 月の航空座席予約状況は、前年同月
比 4.1%と減少の傾向を示した。長距離路線では、アメリカ合衆国、タイ、ドミニカ共和国、モーリシャス行きが減少し
ているのに対し、中国、カナダ、インドネシア行きが伸びている。また、キューバへの関心が非常に高まっており、昨年か
らの伸びは著しいものとなっている。
8 月の主なプロモーション
 JNTO パリ事務所では、facebook(https://www.facebook.com/DecouvrirleJapon)を有力な情報発信ツールとし
て、日本の旬なイベントや魅力的な観光地の発信に役立てている。8 月の投稿記事の中では、棚田の夕焼け写真
の他、京都の五山送り火、秋田の竿燈祭りなど夏のイベントに関する記事に特に大きな反響があった。今後も様々
な側面から日本の魅力を発信し、訪日意欲の喚起に努めていく(facebook ファン数:62,211 人 8 月 31 日現在)。
 フランス市場では、業界関係者(旅行会社・メディア)等に、2 か月に 1 度ニュースレターを発行し、日本の観光情報
などを発信している。7 月、8 月のニュースレターでは、日本の夏の風物詩(かき氷、夏祭り、花火)や、夏に開催され
る全国各地のイベント(新潟県佐渡市「 EARTH CELEBRATION 2016」、茨城県ひたちなか市「 ROCK IN
JAPAN」、北海道小樽市「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016」、東京・大阪「SUMMER SONIC 2016」等)を
紹介した。
Facebook への投稿例
ニュースレターでの情報発信
【ドイツ】
8 月の市場動向トピックス

訪日ドイツ人数、8 月として過去最高を記録
2016 年 8 月の訪日ドイツ人数は、前年同月比 5.9%増の 14,200 人で、8 月として過去最高を記録。8 月は夏期
休暇シーズンであるが、今年のドイツではテロ等への不安感から外国旅行を控え、国内旅行を選択する傾向が
見られた。そうした背景から、ドイツの北海沿岸のリゾート地は、各地で訪問者数が前年同月比 2 桁増を記録す
る好調さを示した。また、訪日旅行に関しては、円高傾向や、日本人旅行者がテロ等の影響によりパリ行きの航
空便を忌避してフランクフルト便に切り替えることなどから、ドイツ発の航空座席供給量が減少し、直行便が手配
しにくくなったことが、訪日者数の伸び率を抑えたものと推察される。

日本におけるアウトドアアクティビティの魅力訴求
ドイツ人は、一般的に自然と親しむことを好み、ドイツアルペン協会会員は 120 万人、ドイツハイキング協会会員
は 60 万人と、アウトドアアクティビティ関連の協会への加盟者も多い。日本は、アウトドアアクティビティの目的地と
いうイメージはないものの、2 週間程度の長期滞在者が多いため、その期間中にハイキング等何らかの形で自然に
触れたいという需要も聞かれる。JNTO が実施したアンケート調査によると、日本で体験したいコンテンツとしても、
伝統文化体験、歴史観光に次いで自然風景を楽しみたいという声が多い。JNTO では、登山、ハイキング、その
他スポーツ等に関する情報の発信に加えて、メディアや旅行会社の招請時にハイキング、サイクリングなどのアクテ
ィビティを組み込み、ドイツでまだ知られていない日本の魅力の訴求に努めている。
8 月の主なプロモーション活動

欧州最大の発行部数を誇るドイツのアウトドア誌「DAV Panorama」の記事執筆のため、ドイツ人ジャーナリストが
8 月 9 日~8 月 23 日まで来日した。JNTO では本誌の取材を、日本におけるアウトドアアクティビティの魅力をドイ
ツ人に訴求する好機と捉え、行程策定や取材関連の諸手配等の支援を行った。来日したジャーナリストは、富士
山や長野での登山、マウンテンバイクでの散策、熊野古道でのトレッキングを取材し、本年秋頃には 6 ページ程度
の日本特集記事が掲載される予定である。このようなメディアを通じた情報発信は、現地目線で日本の魅力を
切り取ることができるため、一般消費者に対する説得力が高い。これからも支援を継続していきたい。
掲載誌「DAV Panorama」