長崎での平和祈念式典に参加して 瀬川 豊 記者 7 月 30 日、文化の森で開かれた平和夏まつりの特設ステージ上で平和の使者の 10 人が 高らかに平和都市宣言し、平和事業が始まった。 北名古屋市民の平和への思いを込めた「平和の記」と「千羽鶴」が伝達され、続いて行われた 「平和風船飛ばし」では、飛んでいく風船を見送ると天高く平和の願いが飛び立つようであっ た。誰かが「空に虹がかかっている」と言った。見上げると本当に虹がうっすらとかかってい るのを確認した。偶然とは思えないような強い平和への願いが発信されるような出来事で あった。 8 月 8 日、長 崎 の 地 に 向 かい、原爆資料館を見学する と、被爆の惨状を表す実相の 資料を目の当たりにし、怒り vol. 118 と悲しみがこみ上げてきた。 平和公園で「平和の記」と「千 羽鶴」を献納した。特に印象 に残ったものは、平和の泉に ある石碑に刻まれた「手記」 。 被爆した方々の苦しみがすべ て込められているように感じ た。 のどが乾いてたまりませんでした 水にはあぶらのようなものが一面に浮いていました どうしても水が欲しくて とうとうあぶらの浮いたまま飲みました あの日のある少女の手記から 9 日、式典会場に入り着席すると、少し凍ったおしぼりとミネラルウ オーターがボランティアの人たちによって手渡された。テントの周囲に はミストが放たれ、夏の暑い中でありながら、特に暑さを感じることな く静粛な雰囲気に包まれていた。まるで「あの日のある少女の手記から」 の少女が冷たい水を参列している人たちにプレゼントしてくれているか のように思った。 小さな争いから発展しやがては戦争が始 まる。 平和を守ることは、人類の永遠のテーマ。 みんなが心の中に思いやりを持たなければ ならない。小さなことの始まりが平和につ ながっていく。まず、一人ひとりができる ことから始めようと思った。 「広報北名古屋」 平成28年 10月 16
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