2016 年9月 29 日 野村不動産株式会社 報道関係者各位 2016 年度グッドデザイン賞受賞 『イゴコチ BOOK』(ベスト 100 選出)・ 『桜上水ガーデンズ』・『サイホン排水システム』 -野村不動産グループ 15 年連続受賞- 受賞~ 野村不動産は、下記 3 プロジェクト 4 部門において、財団法人日本デザイン振興会主催の 2016 年度『グ ッドデザイン賞』を受賞しましたので、お知らせいたします。当社グループにおいて『グッドデザイン賞』受賞は、15 年連続となります。なお、1222 世帯が暮らす大規模再開発の街「富久クロス」住民用に配布された「住まい の取り扱い説明書」である『イゴコチ BOOK』は、ベスト 100 に選出されました。 当社では今後も多様な価値観、視点を取り入れた新たな商品・サービスの提供につとめてまいります。 【2016年度 受賞プロジェクト一覧】 ○『イゴコチBOOK』(地域・コミュニティづくり/社会貢献活動) ※ベスト100選出 ○『桜上水ガーデンズ』 (住宅・住空間) ○『サイホン排水システム』(住宅設備) 団地建替えのモデルとして評価を受けた「桜上水ガーデンズ」 ○『イゴコチBOOK』 (ベスト100選出) (地域・コミュニティづくり/社会貢献活動) 【概要】 「イゴコチ BOOK」は、1222 世帯が暮らす大規模再開発の街「富久クロス」(東京都新宿区、2015 年 竣工)の住民向けに配布された「住まいの取り扱い説明書」です。10万の声を集め、作り手と住まい手が 一緒に住宅デザインを行い、「1000 のイゴコチ※」として共用部に反映したものを書籍化しました。共用部が 活用され、マンションを大切にするセルフマネジメント意識が芽生えるためには、共用部が愛着を持って利用さ れることが必要と考えました。そこで、共用部を「専有部のように」ご利用頂けるよう、「イゴコチ BOOK」を入居 前に作成し、居住者へお渡し。入居直後から、愛着を持ってお住まいになるとともに居住者の間に自主的な 管理意識が高まり、作り手・住まい手双方の愛着が総和した、最良のイゴコチを目指す意識が芽生えました。 「富久クロス」のコミュニティは現在も、日々深化しています。 ※1000 のイゴコチ 10万の声を集め、作り手と住まい手が一緒に住宅デザインを行った「Tokyo イゴコチ論争」に基づく商品企画のアイデア 【審査員の講評】 どこをどう使ってよいのかわからないマンションの共有部分。日本全国に必ず存在しているデッドスペースを具 体的に活用するための仕組みである。不動産と大学の研究室が共同し、10 万の声を集め、1000 のイゴコチ を本にまとめて居住者に配布した。膨大なリサーチをもとにした提言、そしてとても読む気になれない通常の管 理規約集とは違い、ユーザーにやさしい本のデザインが高く評価された。全国にもっと広がるべき活動である。 「イゴコチ BOOK」(左上)、 「富久クロス」共用部(左下)ならびに外観(右) ○『桜上水ガーデンズ』 ※桜上水団地マンション建替組合・三井不動産レジデンシャルとの共同事業 (住宅・住空間) 【概要】 1965 年に竣工した「桜上水団地」(17 棟・404 戸)を 8 棟・878 戸に建替えた「桜上水ガーデンズ」 (東京都世田谷区、2015 年 6 月竣工)。 約 30 年前から住民主導による建替え検討が進められ、住民が住み続けたいと考える建替え計画を基本 方針として定めました。 約 50 年経過して創り上げた団地の住環境を継承するため、団地の複数の広場や約 180 本の樹木等を 大切に残すと共に、さらに 360 本以上の高木を新植。緑豊かな住環境を守っていくことで、住民が行ってきた コミュニティ活動の継続も可能とし、新旧住民の活発な交流を育んでいます。また、団地の魅力であった南北 両面採光・通風の良好な住空間を多棟構成により継承。住棟は免震構造として、地域課題でもあった防災 性を高めるなど、地域を含めた価値が向上し、持続できる住まいを目指しました。 【審査員の講評】 長期にわたる団地建て替え事業を評価した。50 年間に培われたコミュニティーや住環境を継承しながら、 新たな緑豊かな住環境を作りあげている。具体的には広場や既存樹木を残したり、特に駐車場を地下にして、 上部を緑で覆い広い公園としているのが良い。団地の建て替えとして、良いモデルである。 桜上水ガーデンズ ○『サイホン排水システム』 ※長谷工コーポレーション・ブリヂストンとの共同事業 (住宅設備) 【概要】 従来、マンションの排水は勾配を設けた排水管を床下に配管して排水を重力で流す方式でしたが、『サイホ ン排水システム』は、小口径の管でサイホンカ(水が落ちることで発生する引く力)を利用して排水する、新しい 排水システムとなります。 排水管に勾配の必要がなく、管も小口径となることで、床下空間をこれまでより低く設計できる事に加え、サ イホンカにより排水立て管からの距離の制約が減ります。この技術を、キッチン系統の排水に採用することで、キ ッチンの配置の自由度が大幅に向上するため、入居後の間取り変更の自由度も向上し、より入居者のライフ スタイルの変化に合わせたリニューアルが実現できます。 【審査員の講評】 排水にサイホン力を利用することで、水勾配の取りにくい集合住宅においても排水立て管からの距離の制約 がなくなり、プランの自由度を増大させる優れた提案である。封水用の水を残したり、排水による音の発生を抑 えるなど、実用化にあたっての様々な課題を各部の部品開発によって達成した。これからのストック社会におい て、既存の建築構造を生かしながら内装の自由なプランニングを約束してくれるこの排水システムは、社会的な 貢献度の高い優れた提案であると考える。
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