白河 桃子議員 提出資料(PDF/1450KB)

資料5
第一回働き方改革実現会議
働き方改革は暮らし方改革
-白河桃子-
相模女子大客員教授
少子化ジャーナリスト
「緊急政策シンポジウム・一億総活躍プラン・成長戦略の閣議決定を受けて」
大和証券鈴木会長、カルビー松本会長、三越伊勢丹大西社長
はじめ40社の社長名で労働時間革命宣言
2016年6月17日
2016/9/27
白河桃子
2
ファザーリング・ジャパン長時間労働アンケート2016 【実施概要】
《アンケート概要》
長時間労働是正に関心を持ち、また是正の施策に取り組んでいる企業を対
象に以下のアンケートを実施した。
①2016年2月26日~3月4日にWEBアンケートを実施。
2016年2月25日時点でイクボス企業同盟加盟企業54社中52社から回答。
イクボス中小企業同盟加盟企業36社中30社から回答
②2016年3月1日~2016年3月10日までWEBアンケートを実施
(株)ワークライフバランス(以下WLB社)に協力を依頼し、WLB社が働き方変
革を手がけている企業に対し、同アンケートをした。
その結果、27社から回答を得ている。
①+②より、合計109社から回答を得ている。
2016/9/27
白河桃子
3
ファザーリング・ジャパン長時間労働アンケート2016 【結果概要】
【Q2】 取引先や競合他社にも、労働時間抑制等
に着手してほしいと思われますか?
【Q3】 長時間労働是正について、取引先や競合
他社だけでなく、社会全体で取り組めば、貴
社も取り組みやすいと感じますか?
【Q4】 国(政府)に、労働時間の全体的な抑制・働
き方の見直しの旗振りを期待しますか?
2016/9/27
白河桃子
4
夫の協力と第二子出生
2016/9/27
資料:厚生労働省大臣官房統計情報部「第9回21世紀成年者縦断調査」
白河桃子
5
育児家事と仕事の両立に関する調査
資料提供:(株)ワーク・ライフバランス
■調査対象者
地域:全国
条件:20〜49歳⼥性
【サンプル数】
【調査実施期間】
【調査会社】
1,000サンプル
2016年9⽉9⽇〜12⽇
株式会社クロス・マーケティング
※モニターへのインターネット調査
【結果】
●理想的な⼦供の数は34%が「3⼈以上」だが、現実の⼦供の数で「3⼈以上」は5%
●2⼈⽬の⼦供の出産育児のために「職場全体の従業員の⻑時間労働是正」を求める⼈
=73.4%
●不妊治療で「配偶者に⼀緒に通院する⽇程調整をしてもらうこと」を負担に感じる⼈=
73.5%
夫から育児へのサポートがない⼈
●⾃分⾃⾝の⻑時間労働で2⼈⽬以降の出産・育児が困難になると思う⼈
夫から育児のサポートが無い⼈:87.3%
サポートがある⼈:80.3%
第⼆⼦以降の出産・不妊治療・現在の育児のすべてにおいて
⻑時間労働が負担原因になっていることが明らかになりました。
こうした調査をぜひ、実現会議でも⼤規模に⾏ってください。
2016/9/27
白河桃子
6
20代~40代女性1000人
への調査結果
 「⾏政に社会全体の⻑時間労働を
是正する法律の整備」を望む⼈の割合
79.5%
 「企業に職場全体の従業員の⻑時間
労働の是正」を望む⼈の割合
78.8%
どちらとも あまり必要
いえない だと感じな
い
18%
1%
必要だと感
じない
2%
やや必
要だと感
じる
20%
どちらとも
いえない
19%
やや必要
だと感じる
28%
必要だと
感じる
59%
あまり必要
だと感じな
い
1%
必要だと
感じない
1%
必要だと
感じる
51%
資料提供:(株)ワーク・ライフバランス
2016/9/27
白河桃子
7
学⽣・若⼿は⻑時間労働をどう⾒ているのか?
(アンケート紹介)
スリール株式会社
堀江敦⼦
8
ライフも考慮する会社が、⼈材戦略を制する
①働く場を選ぶ際の優先順位
「第⼀志望のやりたい仕事のできる会社に
⼊れました。
しかし、毎⽇かなりの残業があり、
同じ部署に両⽴している先輩⼥性はいませ
ん。
30歳以降
転職
73.8%
⻑時間労働の会社だと、
「30歳以降まで働き続ける」意識が激減する
9
若者の「働く時間」の意識
④ブラック企業のイメージ
ブラック企業の帰宅時間は
「83.1%」が22時以降と答えている
10
介護生活
デイサービス(通所介
護)での要介護者の1⽇
(営業:9時〜16時半)
送迎⾞にて迎え
<健康チェック>
<⼊浴>・<レクリエーション>
<昼⾷>・<休憩>
<レクリエーション〜絵画・⼿芸>
<おやつ>・<運動>
送迎⾞にて送り
09:00
10:00
12:00
14:00
16:00
18:00
資料提供:(株)ワーク・ライフバランス
働く家族の1⽇
(⾃費のヘルパーを2
時間追加パターン)
働く家族の1⽇
<⾒送り>送迎⾞に預ける
<通勤>
<出社>勤務開始
10時〜15時で
会議・プロジェクト対
応・電話・客先打合せ…
などの業務を実施
<退社>⾃宅へ
<お迎え>送迎⾞から迎える
<介護>在宅介護スタート
09:00 <⾒送り>送迎⾞に預ける
<通勤>
10:00
<出社>勤務開始
12:00
14:00
16:00
送迎⾞着
10時〜18
時で会議・
プロジェク
ト対応・電
話・客先打
合せ…など
の業務を実
施
18:00 ⾃費でヘル
パーさんを <介護>在宅介護
2時間追加 スタート
デイサービスの預かり時間は保育園より短い
18時に帰宅できるという「退社時刻」が極めて重要。
11
11
未婚者対策としての長時間労働是正
「共働き共育て社会」への転換
まちひとしごと地方創世本部地域少子化対策検証プロジェクトで地域の未婚
者の年収をだしてもらったところ、男性は300万円台、女性は200万円台が
中央値。
女性が経済力を維持できないと、結婚も子育ても希望は持てない。これが日
本の未婚者の現状です。共働き社会への転換が税制、インフラ、さまざまに
必要です。
50%
90%
45%
80%
40%
200
70%
500
35%
200
500
60%
30%
50%
25%
40%
20%
30%
15%
20%
10%
10%
5%
0%
0%
24
24
2016/9/27
白河桃子
12
長時間労働是正と女性活躍
女性の活躍と男性の家庭参画は両輪
2016/9/27
白河桃子
13
長時間労働是正が少子化にもたらす効果
問題構造に対し、最も少ない資源で解決できるポイント、負のサイクルを正のサイ
クルに変えるテコの原理をレバレッジポイントと呼びますが、まさに一億総活躍の
正のサイクルへのレバレッジポイントは長時間労働に上限を入れることです。予算
もかかりません。
負のサイクル
正のサイクル
超少子化
労働人口減
未婚率増加
男女ともに
共働き・共育て
社会に
第二子が産
まれない。
独身は婚活
の時間もな
い
2016/9/27
青天井の
長時間労働
両立不可
能・男性
の育児参
加なし、
母子孤立
化
未婚率減
少・有配偶
出生率
アップ
長時間労働
に上限
レバレッジ
ポイント
白河桃子
出生率アッ
プ
次世代も結
婚、子育て
にポジティブ
14
長時間労働是正が女性活躍にもたらす効果
負のサイクル
正のサイクル
男女ともに働き
やすく時間あたり
生産性アップ
管理職比率アッ
プ
労働力不足
競争力不足
消費も減退
退職で
家計も縮小
管理職比
率上がらず
青天井の
長時間労働
制約人材の
女性が評価
されない
フェアに競争
できない
2016/9/27
子育てやイ
ンプットの時
間ができる
長時間労働
に上限
レバレッジ
ポイント
白河桃子
労働力人口増
イノベーション
競争力アップ
15
長時間労働是正が保育士不足にもたらす効果
負のサイクル
正のサイクル
保育士不足
で待機児童
問題解消しな
い
預かり時間
が減少
子育て期
の
保育士の
離脱
青天井の
長時間労働
帰宅時間遅
く、預かり時
間が長い
2016/9/27
保育士の
長時間労働
も減少
長時間労働
に上限
レバレッジ
ポイント
白河桃子
潜在保育士が
復帰しやすい
16
長時間労働是正が企業にもたらす効果
負のサイクル
正のサイクル
競争力低下
労働力不足
人材がとれない
イノベーションも
おこらない
青天井の
長時間労働
人材流出
メンタル問題
生産性が低い
2016/9/27
人材獲得
時間あたり生
産性アップ
利益があがる
社内の出生率
もあがる
イノベーション
長時間労働
に上限
レバレッジ
ポイント
白河桃子
国際競争力
アップ
17
長時間労働是正が一億総活躍にもたらす効果
負のサイクル
正のサイクル
競争力低下
日本が沈む
労働人口減少
結婚難
超少子化
2016/9/27
出生率アップ
女性活躍で
GDPアップ
すべての人材
が活躍でき
青天井の
長時間労働
る。労働人口
に上限
長時間労働
アップ、社会保
障費減
国際競争力
GDP600兆円
介護、育児、
介護離職ゼロ
病時、高齢者
レバレッジ
など活躍でき
希望出生率1・
ポイント
ない
8
白河桃子
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給付型奨学金創設とその経済的効果
0.8万人の進学で430億円の税収
『給付型奨学金の創設』についても積極的な取り組
みをお願いしたいです。
柴田悠京都大学准教授の試算によると「経済的に困
難で給付型奨学金があれば大学・短大・専門学校に
進学したかった」は毎年0.8万人。
0.8万人の大学進学を奨学金で叶えてあげれば、毎
年0.7兆円の将来経済効果、430億円の将来税収を
生む。
2016/9/27
白河桃子
19
ご清聴ありがとうございました。
白河 桃子
[email protected]
参考文献:
「産むと働くの教科書」 齊藤英和・白河桃子 (講談社)
「女子と就活」常見陽平・白河桃子(中公新書ラクレ)
「平成26年度版少子化社会対策白書」
2016/9/27
白河桃子
20