「ウルトラトレイル・マウントフジ 2016」報告書 2016 年 9 月 30 日 ウルトラトレイル・マウントフジ実行委員会 Ⅰ.開催及び変更・中止の経緯について Ⅰ-1:「UTMF」スタート時刻およびコース変更の経緯 1) 23 日午前 1 時 35 分に富士宮市、富士市に大雨警報が発令された。大会 規定で「気象警報発令時には大会を中止または中断する」としているため、 朝 6 時過ぎより大会本部で緊急開催会議を開いた。大雨警報を含む気象情 報とコース状況に関する情報を集め、スタート時刻の延期や大会の中止を 含む今後の対応を検討した。 懸案された事項:① ② ③ ④ ⑤ 富士宮市内の大雨警報の継続 D15-D16 間の崩落の懸念 D16-18 間の涸れ沢の増水(膝〜腰までの増水) E05-E06 間の湯の奥林道の落石状況 E06-E07 の熊森山付近の歩道の状況 ・この時点の判断 UTMF のスタートを 2 時間遅らせ 15 時とする。 ・その理由 ②、③は大会本部が調査をし、危険性があれば回避して別ルートに変更で きる可能性があるが、④は①の大雨警報が発令されたことにより通行止めと なっていた。警報が解除され、歩道管理者が現場の安全を確認しない限り⑤ 以降の天子山地に入ることができず、UTMF のコースは事実上ストップする。 しかし気象状況は回復傾向に向かっていたため、スタート時刻を遅らせ、 ①の警報解除と④の安全確保を待つと共に、大会本部で②③の現状調査を行 うこととした。 2) 変更されたスタート時刻 15 時の1時間前になっても警報は解除されず、 ④およびその先⑤以降の天子山地の安全通行は確保されなかった。また降 雨量が増大したことにより、警報解除を待って天子山地に入ったとしても 環境面で登山道に影響を与えることが懸念されたため、入山を断念。天子 山地以前の「A3 麓」をフィニッシュとするコース短縮を決定した。 1 / 3 3) さらに大会本部が現地調査した結果、②、③のリスクも解消されなか ったため、D15-18 の通行を回避し、フィニッシュ地点を「A3 麓」から D15 の手前に位置する「道の駅朝霧」に変更した。 4) この変更により、最終的な UTMF の距離は 44.8km、累積標高は 1,926m となった。 Ⅰ-2: 「STY」中止の経緯 1) スタート1時間前の開催会議において、通過自治体での大雨注意報、 雷注意報を確認。警報は発令されていなかった。スタート開始直前にはス タート会場は雷雨となったものの、静岡県側は時間の経過と共に天気が悪 化する見込みと判断し、なるべく早く山梨県側に入るため、予定通りのス タート時間とした。 2) その後、雨脚はさらに強まり、I07 地点で急激な増水が発生した。STY 出場者 1200 人のうち約 800 人は通過していたが、後半の約 400 人はその増 水によりコースの通過が困難になった。この I07 地点は危険予測地点とし て把握していたが、急激な増水は予想を大幅に上回った。 3) さらにコース上の籠坂峠では至近距離の落雷を確認。先の石割山、杓 子山の山稜線の通行は危険と判断し、レースの中断を決定した。 4) この中断により、最寄りのエイドに選手を止め、選手の安全確保を図 った。その後、改めて杓子山、石割山通行のリスクを評価した結果、これ 以上のレース実施は困難と判断し、STY 中止を決断した。 Ⅰ-3: 「ちいさな UTMF」中止の経緯 1) 「ちいさな UTMF」は山間部のトレイルではなく、STY スタート会場で ある「富士山こどもの国」の園内のコースを周回するトレイルラン初心者 向けのイベントである。実施数日前より台風の影響による会場のコンディ ションに不安はあったが、前日の気象情報などにより実施する見込みを持 って大会当日を迎えた。 2 / 3 2) 大会当日はスタート1時間前の 11 時過ぎから雨が降り始め、雨脚は次 第に強くなった。コース担当者は随時コース状況をチェックしたが、中止 の決定をするまでには至らなかった。 11 時 30 分に STY の開会式が始まった。その前後から雷が発生したこと により、11 時 40 分ごろ、会場管理者から会場基準によるイベントの中止 を勧告された。この時点で中止の判断をしたが、式典が進行中だったため 中止の発表は STY スタート後となった。 Ⅱ.今後の対応について Ⅱ-1.「UTMF」「STY」出場者の皆さんへ(ポイントについて) 1) UTMF の完走者は、 短縮された最終的な距離(44.8km)と累積標高 (1,926m) に相当するポイント(2 ポイント)を獲得できます。 2) STY に関しては、レースが途中中止になったため、ポイントは獲得でき ません。ご了承ください。 Ⅱ-2.ちいさな UTMF 参加者の皆さんへ 大会当日の中止判断の遅れから、参加者の皆さんにご迷惑をおかけしたこと をお詫びいたします。 そして、事前・当日ともに参加申込をされた皆さま全員に、参加料の返金、 もしくは後日作成する UTMF2016 公式 DVD の進呈、いずれかの対応をいたしま す。詳細は近日中に事務局より各参加者にご連絡いたします。 Ⅱ-3.次回大会に向けて 今回の大会を受けて、天候による安全面、環境面のリスクを再評価します。 次回大会に関しては、開催の可否、開催時期も含めて今後関係各所と調整・検 討を行った上で発表いたします。発表時期は未定です。 以上 3 / 3
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