カワニシホールディングス(2689) - 株式会社ウォールデンリサーチジャパン

URL: www.walden.co.jp
文責: 室谷吉行
E-mail: [email protected]
電話番号:03 (3553) 3769
カワニシホールディングス(2689)
連結通期
(百万円)
FY06/2015
FY06/2016
FY06/2017会予
FY06/2016
FY06/2017会予
連結半期
(百万円)
1Q-2Q FY06/2016
3Q-4Q FY06/2016
1Q-2Q FY06/2017会予
3Q-4Q FY06/2017会予
1Q-2Q FY06/2017会予
3Q-4Q FY06/2017会予
売上高
前年比
前年比
94,515
101,460
105,069
7.3%
3.6%
売上高
前年比
前年比
49,238
52,222
52,885
52,184
7.4%
(0.1%)
営業利益
経常利益
668
543
816
(18.7%)
50.2%
営業利益
662
556
808
(16.0%)
45.2%
経常利益
194
348
463
353
138.1%
1.2%
193
363
462
346
139.1%
(4.8%)
純利益
405
305
492
(24.6%)
61.1%
純利益
91
214
259
233
184.0%
8.7%
EPS
DPS
BPS
(円) (円) (円)
72.2
30.0
839.6
54.5
30.0
818.8
87.8
30.0
EPS
DPS
BPS
(円) (円) (円)
-
出所:会社データ、弊社計算
1.0 エグゼクティブサマリー(2016 年 9 月 21 日)
回復と成長
急性期医療に深く関与する大手基幹病院などの医療機関に対して、医療用の消耗品及び設備・備品を販売するカ
ワニシホールディングスでは、短期的な損益が回復していく方向性にある一方、中長期的な成長に向けた経営政
策が打ち出されている。主要商材である消耗品に関しては、着実かつ持続的な増収が続くことに加えて、設備・
備品に関しては、売上総利益率が高い案件への関与が拡大する。一方、2016 年 2 月 16 日、同社は、イスラエル
に所在する Spectrosense 社が開発した「呼気によるがんのスクリーニング機器」に関連する商材を、日本国内
で独占販売する契約を締結した一方、2018 年を目途として、これを市場に投入することを計画している。現在
の同社は、消耗品及び設備・備品を内外の調達元から仕入れて医療機関に販売することによって付加価値を創造
しているのだが、当該案件に関しては、同社が調達元となり、自社で医療機関に販売することに加えて同業他社
にも販売していくことが想定されている。即ち、商材の流通により深く関与することを通して、今迄以上に大き
な付加価値を創造していけるビジネスモデルが創設される見通しである。2017 年 6 月期に向けては、これに係
る日本国内での治験などの費用が発生する。ただし、既存事業における損益の回復がより大きくなるため、同社
としての損益も向上する。
1
2016 年 6 月期は、売上高 101,460 百万円(前年比 7.3%増)、営業利益 543 百万円(18.7%減)、営業利益率 0.54%
(0.17%ポイント低下)での着地となった。また、事業セグメント別では、医療用の消耗品及び設備・備品の販
売を展開する医療器材事業において、売上高 81,542 百万円(6.0%増)、セグメント利益 590 百万円(14.3%減)、
セグメント利益率 0.72%(0.17%ポイント低下)である。売上高構成比 80.4%、セグメント利益構成比 81.6%
であることに鑑みれば、同社としての業績動向は同事業セグメントの業績動向に大きく依存して推移すると考え
られよう。消耗品も設備・備品も、急性期医療に深く関与する大手基幹病院などの医療機関に対して販売されて
いるのだが、手術、整形外科、循環器などに関連する多様な消耗品は、文字通り手術などの日々の医療活動によ
って消費されていく一方、MRI、シネアンギオ装置、CT、超音波診断装置、人工呼吸器等手術室備品などか
ら構成される設備・備品に対する需要は、病院の新設、建替え、増築に際する設備投資の動向に依存している。
消耗品に関しては、着実かつ持続的な増収が達成されたものの、医療機関からの値引き要請などから、売上総利
益率が低下したとされている。一方、設備・備品は消耗品以上に大きな増収を達成しているものの、売上総利益
率が低い案件の売上高の増加が大きな影響を及ぼしたとのことである。以上の結果、同社として、売上総利益率
9.99%(0.34%ポイント低下)での着地となった。また、販売管理費は、9,592 百万円(5.5%増)、販管費売上
高比率 9.45%(0.16%ポイント低下)と、増収率との比較で増加率が抑制されたかたちでの着地となったが、売
上総利益率の低下がより大きく影響を及ぼしたため、同社は減益を余儀なくされた。
2017 年 6 月期に対する会社予想では、売上高 105,069 百万円(前年比 3.6%増)
、営業利益 816 百万円(50.2%
増)、営業利益率 0.78%(0.24%ポイント上昇)が見込まれている。同社によれば、仕入の合理化などから、消
耗品の売上総利益率の底打ちに向けて一定の目途が立つに至っている一方、設備・備品に関しては、セールスミ
ックスが向上する方向性にあるとのことである。以上の結果、同社としての売上総利益率が回復する。一方、販
売管理費は、増収率以上に増加することが見込まれている。ただし、売上総利益率の向上による影響がより大き
くなることから、同社は、大幅増益を達成する見通しである。2017 年 6 月期においては、今迄のアライアンス
戦略(同業他社の買収を通した販売の地域的な拡大)の実行に伴うのれんの償却が減少するため、その分だけ販
売管理費の低下が発生する。ただし、会社予想の前提においては、Spectrosense 社が開発した商材に係る日本国
内での治験などが始まることによる販売管理費の増加がより大きくなることが織り込まれている。
IR窓口:取締役 管理本部長 村田宣治(086 236 1115 [email protected])
2
2.0 会社概要
業界最大手の一角を占める医療総合商社
商号
株式会社カワニシホールディングス
Web サイト
IR情報
株価情報
設立年月日
1967 年 10 月 2 日(創業 1921 年 5 月 1 日)
上場年月日
2000 年 12 月 21 日:東京証券取引所第 2 部(証券コード:2689)
資本金
607 百万円(2016 年 6 月末)
発行済株式数
6,250,000 株、自己株式内数 639,284 株(2016 年 6 月末)
特色

中国、四国の医療機器、医療材料の卸売業者 3 社の合併によって設立

サンセイ医機株式会社に引き続く新たなアライアンス戦略の実行に期待

付加価値が大きい新たなビジネスモデルの創設を計画
事業内容
Ⅰ. 医療器材事業
Ⅱ. SPD事業
Ⅲ. ライフサイエンス事業
Ⅳ. 介護用品事業
代表者
代表取締役社長 前島洋平
主要株主
株式会社マスプ 15.1%、自社(自己株口)10.2%、自社従業員持株会 5.8%(2016 年 6 月末)
本社
岡山市北区
従業員数
連結 1,203 名、単体 33 名(2016 年 6 月末)
出所:会社データ
3
3.0 業績推移
2016 年 6 月期
2016 年 6 月期は、売上高 101,460 百万円(前年比 7.3%増)
、営業利益 543 百万円(18.7%減)
、経常利益 556
百万円(16.0%減)、純利益 305 百万円(24.6%減)での着地となった。また、営業利益率 0.54%(0.17%ポイ
ント低下)である。
直近の会社予想(2016 年 1 月 28 日修正)との比較では、上振れた着地である。売上高で 1,627 百万円(1.6%)
、
営業利益で 89 百万円(19.7%)
、経常利益で 108 百万円(24.2%)
、純利益で 86 百万円(39.2%)、それぞれ上
振れている。なお、同社としての売上高が、初めて 100,000 百万円を突破している。
売上高
医療器材事業
SPD事業
ライフサイエンス事業
介護用品事業
100,000
50,000
4
0
FY06/2012
FY06/2013
FY06/2014
FY06/2015
FY06/2016
FY06/2017
セグメント利益
医療器材事業
2,000
SPD事業
ライフサイエンス事業
介護用品事業
(百万円)
1,500
1,000
500
0
FY06/2012
出所:会社データ
FY06/2013
FY06/2014
FY06/2015
FY06/2016
FY06/2017
同社としての業績動向に大きな影響を及ぼす医療器材事業においては、主要商材である医療用の消耗品も設備・
備品も直近の会社予想の前提に対して上振れた着地となった模様である。前者に関しては、結果的に、償還価格
の引き下げに対する前提が保守的に過ぎたことが影響を及ぼした模様である。一方、後者に関しては、「積極的
な営業活動が予想以上に奏功し、大手病院の建替えにともなう設備や保守を獲得したほか、新たな案件の掘り起
こしにも成功」したとされている。更には、売上総利益率が直近の会社予想の前提を上回ったとのことである。
ただし、前年との比較においては、消耗品においても設備・備品においても売上総利益率は低下した模様である。
消耗品に関しては、医療機関からの値引き要請が主因として挙げられている一方、設備・備品に関しては、直近
の会社予想の前提が過度に保守的であったと考えらよう。
医療器材事業の売上高
消耗品(左軸)
100,000
設備・備品(右軸)
30,000
(百万円)
20,000
50,000
10,000
0
0
FY06/2012
FY06/2013
FY06/2014
FY06/2015
FY06/2016
FY06/2017
出所:会社データ
同社は、アライアンス戦略(同業他社の買収を通した販売の地域的な拡大)の一環として、福島県郡山市を本拠
地として、東北及び関東で同社と同様に医療用の消耗品及び設備・備品の販売を展開するサンセイ医機株式会社
を買収し、2012 年 6 月期第 3 四半期より連結子会社化している。そして、サンセイ医機株式会社が初めて通期
寄与した 2013 年 6 月期においては、過去最高益が更新されている(営業利益:1,556 百万円)
。また、当該連結
子会社が含まれる医療器材事業は、売上高構成比 84.6%、セグメント利益構成比 97.9%であった。
ただし、2013 年 6 月期をピークとして、2016 年 6 月期に向けて、同社は、3 年連続の減益を余儀なくされてい
る。これは、医療器材事業における減益によるものである。医療器材事業においては、急性期医療に深く関与す
る大手基幹病院などの医療機関に対して、医療用の消耗品及び設備・備品が販売されている。両者の売上高の動
向に鑑みれば、医療器材事業における減益は、設備・備品の売上高の減少によるところが大きいと考えられる。
手術、整形外科、循環器などに関連する多様な消耗品は、文字通り手術などの日々の医療活動によって消費され
ていくものであり、同社としての売上高は、着実かつ持続的な増加を続けてきた。一方、MRI、シネアンギオ
装置、CT、超音波診断装置、人工呼吸器等手術室備品などから構成される設備・備品に対する需要は、病院の
新設、建替え、増築に際する設備投資の動向に依存している。同社における売上高の動向に鑑みれば、設備・備
品に係る設備投資サイクルは、2013 年 6 月期にピークを迎えた一方、その後に関しては持続的に調整を続けて
いると考えられよう。
5
2016 年 6 月期においては、設備・備品の売上高は回復しているものの、売上総利益率が低下したとされている
ことに鑑みれば、設備投資サイクルが調整を続けるなか、業者間での価格競争が激化しているとも考えられよう。
ただし、2017 年 6 月期に向けては、同社の設備・備品に対する販売戦略が大きく転換していく模様である。
2017 年 6 月期に対する会社予想では、設備・備品の売上高が前年に対して減少する一方、売上総利益率が向上
することが織り込まれている。同社では、設備・備品を単純にハードウェアとして納入する案件に対するエクス
ポージャーを引き下げていく一方、病院の新設、建替え、増築に際する設備・備品の導入における設計・施工な
どにも深く関与する案件へのエクスポージャーを引き上げていくことが計画されている。特に大きな期待が寄せ
られているのは、サンセイ医機株式会社が強い販売基盤を持つ福島県における震災復興予算の執行による需要の
発生である。社内に一級建築士を複数抱えるサンセイ医機株式会社は、設備・備品の設計・施工などに長けてい
る一方、震災復興に関連する需要の発生に際して、これを活かすことができる案件を獲得していける見通しであ
るとされている。
6
損益計算書(四半期累計、四半期)
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
1Q
2Q累 計
3Q累 計
4Q累 計
1Q
2Q累 計
3Q累 計
4Q累 計
前年比
06/2015
06/2015
06/2015
06/2015
06/2016
06/2016
06/2016
06/2016
純増減
22,468
45,645
70,987
94,515
23,103
49,238
77,649
101,460
+6,945
20,144
40,863
63,636
84,756
20,743
44,222
69,907
91,325
+6,568
売上総利益
2,324
4,782
7,350
9,758
2,360
5,016
7,742
10,135
+377
販売費及び一般管理費
2,274
4,547
6,864
9,090
2,433
4,821
7,207
9,592
+501
(124)
損益計算書
( 百万円)
売上高
売上原価
営業利益
営業外損益
経常利益
特別損益
連結実績
49
234
486
668
(72)
194
534
543
(2)
(3)
0
(5)
2
(1)
1
13
+18
46
230
486
662
(70)
193
535
556
(105)
0
11
15
15
9
14
19
14
0
税金等調整前純利益
47
241
501
677
(60)
208
554
571
(106)
法人税等合計
34
126
239
272
11
117
256
265
(6)
13
115
262
405
(72)
91
298
305
(99)
純利益
売上高伸び率
(6.0%)
(4.8%)
(7.9%)
(2.7%)
+2.8%
+7.9%
+9.4%
+7.3%
-
営業利益伸び率
(86.9%)
(69.4%)
(68.1%)
(53.6%)
-
(16.9%)
+9.9%
(18.7%)
-
経常利益伸び率
(87.7%)
(70.1%)
(69.4%)
(56.4%)
-
(16.1%)
+10.2%
(16.0%)
-
純利益伸び率
(94.0%)
(69.7%)
(69.7%)
(50.4%)
-
(20.7%)
+13.7%
(24.6%)
-
売上総利益率
10.35%
10.48%
10.35%
10.32%
10.22%
10.19%
9.97%
9.99%
(0.34%)
販管費売上高比率
10.12%
0.22%
9.96%
0.51%
9.67%
0.68%
9.62%
0.71%
10.53%
(0.32%)
9.79%
0.40%
9.28%
0.69%
9.45%
0.54%
(0.16%)
(0.17%)
営業利益率
経常利益率
0.21%
0.51%
0.68%
0.70%
(0.31%)
0.39%
0.69%
0.55%
(0.15%)
純利益率
0.06%
0.25%
0.37%
0.43%
(0.31%)
0.19%
0.38%
0.30%
(0.13%)
法人税等合計 / 税引等調整前純利益
72.7%
52.3%
47.7%
40.2%
-
56.1%
46.2%
46.5%
+6.3%
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
損益計算書
1Q
2Q
3Q
4Q
1Q
2Q
3Q
4Q
前年比
06/2015
06/2015
06/2015
06/2015
06/2016
06/2016
06/2016
06/2016
純増減
22,468
23,177
25,341
23,527
23,103
26,134
28,411
23,811
+283
20,144
20,719
22,773
21,119
20,743
23,478
25,685
21,417
+298
売上総利益
2,324
2,457
2,568
2,407
2,360
2,655
2,726
2,393
(14)
販売費及び一般管理費
2,274
2,273
2,316
2,225
2,433
2,388
2,386
2,384
+158
(173)
( 百万円)
売上高
売上原価
営業利益
営業外損益
経常利益
特別損益
49
184
251
182
(72)
267
339
8
(2)
(1)
3
(5)
2
(3)
2
12
+17
46
183
255
176
(70)
264
342
21
(155)
0
10
4
0
9
5
4
(4)
(3)
税金等調整前純利益
47
193
260
175
(60)
269
346
16
(159)
法人税等合計
34
91
113
33
11
105
139
9
(23)
13
102
147
142
(72)
164
206
7
(135)
純利益
売上高伸び率
(6.0%)
(3.6%)
(12.8%)
+17.0%
+2.8%
+12.8%
+12.1%
+1.2%
-
営業利益伸び率
(86.9%)
(52.4%)
(66.9%)
-
-
+44.9%
+34.9%
(95.1%)
-
経常利益伸び率
(87.7%)
(53.0%)
(68.7%)
-
-
+43.8%
+34.0%
(88.1%)
-
純利益伸び率
(94.0%)
(37.3%)
(69.7%)
-
-
+60.4%
+40.6%
(94.9%)
-
売上総利益率
10.35%
10.60%
10.14%
10.23%
10.22%
10.16%
9.60%
10.05%
(0.18%)
販管費売上高比率
10.12%
9.81%
9.14%
9.46%
10.53%
9.14%
8.40%
10.01%
+0.55%
営業利益率
0.22%
0.80%
0.99%
0.77%
(0.32%)
1.02%
1.20%
0.04%
(0.74%)
経常利益率
0.21%
0.79%
1.01%
0.75%
(0.31%)
1.01%
1.20%
0.09%
(0.66%)
純利益率
0.06%
0.44%
0.58%
0.61%
(0.31%)
0.63%
0.73%
0.03%
(0.58%)
法人税等合計 / 税引等調整前純利益
72.7%
47.2%
43.4%
18.8%
-
39.1%
40.2%
55.5%
+36.7%
出所:会社データ、弊社計算
7
報告セグメント(四半期累計、四半期)
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
1Q
2Q累 計
3Q累 計
4Q累 計
1Q
2Q累 計
3Q累 計
4Q累 計
前年比
06/2015
06/2015
06/2015
06/2015
06/2016
06/2016
06/2016
06/2016
純増減
18,445
37,214
57,924
76,917
18,381
39,316
62,569
81,542
+4,624
2,817
5,931
9,318
12,675
3,539
7,285
11,067
14,704
+2,028
ライフサイエンス事業
874
1,814
2,713
3,507
799
1,844
2,797
3,565
+58
介護用品事業
331
685
1,032
1,414
382
792
1,214
1,648
+234
+6,945
報告セグメント
( 百万円)
医療器材事業
SPD事業
売上高
連結実績
22,468
45,645
70,987
94,515
23,103
49,238
77,649
101,460
医療器材事業
71
256
509
689
(44)
224
566
590
(98)
SPD事業
19
34
50
65
23
50
76
87
+22
ライフサイエンス事業
(6)
(5)
(8)
(9)
(10)
(9)
(8)
(17)
(7)
6
23
40
57
6
36
50
63
+6
(78)
介護用品事業
セグメント利益
91
310
591
802
(24)
302
684
724
調整額
(41)
(75)
(105)
(134)
(48)
(107)
(150)
(180)
(46)
営業利益
49
234
486
668
(72)
194
534
543
(124)
医療器材事業
0.39%
0.69%
0.88%
0.90%
(0.24%)
0.57%
0.91%
0.72%
(0.17%)
SPD事業
0.71%
0.59%
0.54%
0.52%
0.67%
0.70%
0.69%
0.60%
+0.08%
(0.76%)
(0.29%)
(0.32%)
(0.28%)
(1.27%)
(0.54%)
(0.30%)
(0.49%)
(0.21%)
2.04%
3.49%
3.93%
4.03%
1.81%
4.65%
4.16%
3.84%
(0.19%)
(0.17%)
ライフサイエンス事業
介護用品事業
営業利益率
報告セグメント
0.22%
0.51%
0.68%
0.71%
(0.32%)
0.40%
0.69%
0.54%
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
1Q
2Q
3Q
4Q
1Q
2Q
3Q
4Q
前年比
06/2015
06/2015
06/2015
06/2015
06/2016
06/2016
06/2016
06/2016
純増減
18,445
18,768
20,710
18,993
18,381
20,935
23,252
18,973
(20)
2,817
3,114
3,386
3,357
3,539
3,745
3,782
3,637
+279
ライフサイエンス事業
874
940
898
794
799
1,044
953
767
(26)
介護用品事業
331
354
346
381
382
409
422
433
+51
( 百万円)
医療器材事業
SPD事業
売上高
22,468
23,177
25,341
23,527
23,103
26,134
28,411
23,811
+283
医療器材事業
71
185
252
180
(44)
269
341
24
(155)
SPD事業
19
14
16
14
23
27
25
11
(3)
ライフサイエンス事業
(6)
1
(3)
(1)
(10)
0
1
(9)
(8)
6
17
16
16
6
29
13
12
(3)
91
218
281
210
(24)
326
382
39
(170)
(41)
(34)
(29)
(28)
(48)
(58)
(42)
(30)
(2)
介護用品事業
セグメント利益
調整額
営業利益
医療器材事業
SPD事業
ライフサイエンス事業
介護用品事業
営業利益率
出所:会社データ、弊社計算
49
184
251
182
(72)
267
339
8
(173)
0.39%
0.99%
1.22%
0.95%
(0.24%)
1.29%
1.47%
0.13%
(0.82%)
(0.12%)
0.71%
0.47%
0.47%
0.43%
0.67%
0.72%
0.67%
0.32%
(0.76%)
0.14%
(0.38%)
(0.14%)
(1.27%)
0.02%
0.16%
(1.19%)
(1.05%)
2.04%
4.84%
4.81%
4.31%
1.81%
7.31%
3.23%
2.94%
(1.37%)
0.22%
0.80%
0.99%
0.77%
(0.32%)
1.02%
1.20%
0.04%
(0.74%)
8
貸借対照表(四半期)
貸借対照表
( 百万円)
現金及び預金
受取手形及び売掛金
たな卸資産
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
1Q
2Q
3Q
4Q
1Q
2Q
3Q
連結実績
4Q
前年比
06/2015
06/2015
06/2015
06/2015
06/2016
06/2016
06/2016
06/2016
純増減
2,908
2,831
2,835
2,352
2,586
2,011
2,555
2,142
(209)
16,755
17,838
19,420
18,030
17,264
20,315
22,228
18,116
+85
3,926
4,435
4,137
3,964
4,427
4,756
4,416
4,147
+182
その他
948
796
774
845
1,023
767
972
1,048
+203
流動資産
24,539
25,901
27,168
25,193
25,302
27,850
30,173
25,455
+261
有形固定資産
3,265
3,434
3,454
3,420
3,416
3,409
3,779
3,745
+325
無形固定資産
463
421
391
359
329
295
255
246
(112)
1,576
1,571
1,627
1,764
1,760
1,828
1,967
1,601
(162)
投資その他の資産合計
固定資産
5,305
5,426
5,473
5,544
5,506
5,533
6,002
5,594
+49
資産合計
29,844
31,328
32,641
30,738
30,809
33,384
36,176
31,049
+311
支払手形及び買掛金
18,843
20,764
21,634
20,607
19,560
22,350
24,622
20,989
+382
短期借入金
3,765
3,346
3,429
2,214
4,001
3,695
2,995
1,794
(419)
その他
1,085
1,008
1,253
1,429
1,183
1,082
1,411
1,560
+130
流動負債
23,693
25,119
26,317
24,251
24,745
27,127
29,029
24,344
+93
10
-
-
-
-
-
-
-
-
704
624
550
476
402
328
1,005
881
+405
社債
長期借入金
その他
1,262
1,295
1,308
1,299
1,208
1,279
1,296
1,229
(69)
固定負債
1,977
1,919
1,859
1,775
1,611
1,608
2,301
2,110
+335
負債合計
25,671
27,038
28,176
26,027
26,356
28,735
31,330
26,455
+428
株主資本
4,088
4,190
4,337
4,480
4,239
4,403
4,610
4,617
+137
84
98
127
230
212
245
234
(24)
(254)
4,173
4,289
4,465
4,710
4,452
4,648
4,845
4,593
(116)
その他合計
純資産
負債純資産合計
29,844
31,328
32,641
30,738
30,809
33,384
36,176
31,049
+311
自己資本
4,173
4,289
4,465
4,710
4,452
4,648
4,845
4,593
(116)
有利子負債
4,479
3,970
3,979
2,691
4,404
4,024
4,000
2,676
(14)
ネットデット
1,571
1,138
1,144
338
1,817
2,012
1,444
533
+195
自己資本比率
14.0%
13.7%
13.7%
15.3%
14.5%
13.9%
13.4%
14.8%
(0.5%)
ネットデットエクイティ比率
37.6%
26.5%
25.6%
7.2%
40.8%
43.3%
29.8%
11.6%
+4.4%
ROE (12ヶ月)
16.3%
14.1%
5.0%
9.4%
7.4%
8.5%
9.5%
6.6%
(2.8%)
ROA (12ヶ月)
3.9%
3.2%
1.2%
2.2%
1.8%
1.9%
2.1%
1.8%
(0.4%)
在庫回転日数
18
20
17
17
19
18
16
18
-
当座比率
83%
82%
85%
84%
80%
82%
85%
83%
-
流動比率
104%
103%
103%
104%
102%
103%
104%
105%
-
連結実績
2Q累 計
06/2016
(1,420)
(66)
(1,487)
1,152
連結実績
3Q累 計
06/2016
-
連結実績
4Q累 計
06/2016
710
(705)
4
(208)
前年比
純増減
+2,823
(316)
+2,507
(835)
出所:会社データ、弊社計算
キャッシュフロー計算書(四半期累計)
キャッ シ ュ フロー計算書
( 百万円)
営業活動によるキャッシュフロー
投資活動によるキャッシュフロー
営業活動C F+投資活動C F
財務活動によるキャッシュフロー
出所:会社データ、弊社計算
連結実績
1Q
06/2015
-
連結実績
2Q累 計
06/2015
(3,069)
(251)
(3,320)
1,920
連結実績
3Q累 計
06/2015
-
連結実績
4Q累 計
06/2015
(2,113)
(388)
(2,502)
626
連結実績
1Q
06/2016
-
9
2017 年 6 月期会社予想
2017 年 6 月期に対する会社予想では、売上高 105,069 百万円(前年比 3.6%増)
、営業利益 816 百万円(50.2%
増)、経常利益 808 百万円(42.5%増)、純利益 492 百万円(61.1%増)が見込まれている。また、営業利益率
0.78%(0.24%ポイント上昇)である。
売上高、営業利益率
0.68%
26,092
0.68%
26,092
0.88%
26,442
0.88%
26,442
0.04%
23,811
1.20%
28,411
1.02%
営業利益率(%)
26,134
23,103 (0.32%)
0.99%
0.80%
0.77%
23,527
10,000
25,341
20,000
23,177
30,000
22,468
40,000
0.22%
売上高(百万円)
0.00%
4Q FY06/2017
3Q FY06/2017
2Q FY06/2017
1Q FY06/2017
4Q FY06/2016
3Q FY06/2016
2Q FY06/2016
1Q FY06/2016
4Q FY06/2015
3Q FY06/2015
2Q FY06/2015
(5.00%)
1Q FY06/2015
0
5.00%
出所:会社データ、弊社計算(2017 年 6 月期四半期:半期会社予想を均等に按分)
一方、同社は、2015 年 6 月期に対して年間配当金 30.0 円(配当性向 41.5%)を実施したのに引き続いて、2016
年 6 月期に対しても年間配当金 30.0 円(配当性向 55.1%)を予定している。更には、2017 年 6 月期に対しても
年間配当金 30.0 円(配当性向 34.2%)を計画している。同社は、基本的に安定配当を実施することを標榜して
いるのだが、以上の 3 年間においては、実際にもこれが実施される。また、同社は、配当性向 30%以上も目安
としているとのことで、これを大きく下回る状態が持続した場合には、増配を検討するとのことである。
10
中長期業績見通し
2015 年 8 月 10 日、同社は、2015 年 6 月期の実績を発表すると同時に、2018 年 6 月期に向けての「目標とする
経営指標」を新たに策定したことを開示している。ここでは、2018 年 6 月期に向けての中期業績目標として、
売上高 126,000 百万円、営業利益 1,500 百万円、
営業利益率 1.19%を達成することが目標として掲げられている。
即ち、2016 年 6 月期から 2018 年 6 月期に向けての 3 年間において、年間平均で、増収率 10.1%、増益率 30.9%
が計画されていることになる。また、営業利益率は、同期間において 0.48%ポイント上昇する。ただし、現状に
おいては、2018 年 6 月期に対する売上高の目標はやや過大であるとされている。
中長期業績見通し
売上高(百万円)
200,000
1.62%
営業利益率(%)
2.00%
1.48%
1.03%
1.19%
0.71%
150,000
0.54%
0.78%
1.00%
126,000
105,069
101,460
0
94,515
(1.00%)
97,137
50,000
96,223
0.00%
74,744
100,000
(2.00%)
FY06/2012 FY06/2013 FY06/2014 FY06/2015 FY06/2016 FY06/2017 FY06/2018 FY06/2019
出所:会社データ、弊社計算
2018 年 6 月期に向けての営業利益率の上昇に関しては、持続的な増収効果の発生に加えて、今迄のアライアン
ス戦略(同業他社の買収を通した販売の地域的な拡大)の実行に伴うのれんの償却が完了することが寄与する。
2016 年 6 月期に向けてののれん償却は、103 百万円であったのに対して、2017 年 6 月期に向けては、35 百万
円、そして、2018 年 6 月期に向けては、皆無である。また、同社は、2012 年 6 月期第 3 四半期より連結子会社
となったサンセイ医機株式会社に引き続く、新たなアライアンス戦略の実行を常に視野に入れているとのことだ
が、これの実行に伴う寄与は織り込まれていない。
一方、同社では、医師としてのキャリアを持つ前島洋平氏が、新たに代表取締役に就任(2015 年 9 月 17 日)し
ている。前島氏によれば、「医師としての経験を活かし、ものづくり企業との医工連携、学術本部の設置(情報
の提供)、新たな事業領域の開拓など、従来の医療器材商社の枠にとらわれず、グローバルな視点で成長への布
石を打ち続けて」いくとのことである。
2016 年 2 月 16 日に締結及び公表された Spectrosense 社との契約は、前島氏による「成長への布石」の第 1 弾
であると考えられよう。上述の中期業績目標の対象期間における損益への影響は、先行投資負担などからむしろ
マイナスとなる可能性があるものの、より長期的な視点に立てば、同社の成長力及び収益力を大きく引き上げて
いく可能性がある。
11
4.0 ビジネスモデル
医療器材事業
同社は、中核事業である医療器材事業において、急性期医療に深く関与する大手基幹病院などの医療機関に対し
て、医療用の消耗品及び設備・備品を販売している。日本国内における当該領域は、概算で、市場規模 2.6 兆円、
年間平均成長率 3%を有するとされている。一方、参入業者数 1,200 社と、将来に向けての市場統合の余地が大
きく残されている。例えば、2016 年 4 月 1 日、シップヘルスケアホールディングス株式会社と小西共和ホール
ディング株式会社の経営統合が公表されている。
現在の同社は、業界最大手の一角を占める医療総合商社(市場シェア第 4 位)として、市場シェアを徐々に引き
上げているため、増収率が市場平均を上回り続けている模様である。一方、先述の通り、新たなアライアンス戦
略(同業他社の買収を通した販売の地域的な拡大)の実行を常に視野に入れているとのことである。
売上高(地域別)
北海道・東北地方
50,000
関東地方
近畿地方
中国地方
四国地方
(百万円)
40,000
30,000
20,000
12
10,000
0
FY06/2012
FY06/2013
FY06/2014
FY06/2015
FY06/2016
FY06/2017
出所:会社データ
岡山市に本拠を置く同社においては、岡山市が含まれる中国地方に売上高が集中する傾向がある。また、同社は、
サンセイ医機株式会社を買収し、2012 年 6 月期第 3 四半期より連結対象に加えているが、これに伴い北海道・
東北地方へのエクスポージャーが顕著に急拡大したことに加えて、関東地方へのエクスポージャーが新規に立ち
上がっている。即ち、アライアンス戦略の実行をもって、同社は、未開拓地域での拡販を大きく進捗させると同
時に、同社としての市場シェアを引き上げてきたと考えられる。一方、直近の売上高の動向に鑑みた場合、関東
地方や近畿地方における新たなアライアンス戦略の実行に向けての余地が残されていることが示唆されよう。
医療器材事業に加えて、同社は、SPD事業、ライフサイエンス事業、介護用品事業にも関与している。ただし、
先述の通り、同社の損益は、医療器材事業の損益によって決定される度合いが圧倒的に大きい。
SPD(Supply Processing and Distribution)事業は、医療器材事業に準ずるビジネスモデルに基づく事業で
あるが、商材の納入先である医療機関から商材・情報管理及び購買管理業務も受託して、その手数料を獲得して
いるところに大きな違いがある。また、SPD事業への関与は、商品の納入先である医療機関のニーズを熟知す
る機会を同社に与えるとされており、主力の医療器材事業を展開していくに当たって有用な事業であると位置付
けられている。
ライフサイエンス事業では、試薬・検査薬及び理化学・分析機器の販売が展開されている。医療器材事業と比較
した場合、取扱う商品が異なる領域に属している以外は、基本的に同じビジネスモデルに基づく事業が展開され
ている。
取扱商材の事例(イメージ画像)
出所:会社データ
13
また、介護用品事業とは、在宅介護用ベッド・用品の販売やレンタル・サービスを展開する事業である。ここで
の中核を形成するのは、在宅介護用ベッドのレンタル・サービスであり、売上高構成比 80%前後、売上総利益
率 50%前後とのことである。介護用品事業以外の事業セグメントにおける同社では、例外なく各種の医療機関
を顧客とした事業が展開されている。一方、ここでは、介護関連事業者を通じて地域の高齢者及びその家族を顧
客とした事業が展開されており、これが大きな特徴となっている。
ここでの中核を形成する在宅介護用ベッドのレンタル・サービスの売上総利益率が、同社の売上総利益率(過去
5 年間において 9.99%∼10.56%)を大きく上回っているのは、そもそものビジネスモデルが、その他の事業セグ
メントと比較して全く異なっていることに起因している。同社の売上総利益のほぼすべてが商材の仕入販売に伴
う付加価値創造によって発生しているのに対して、ここでは、文字通りレンタル・サービスが展開されており、
これに伴う付加価値創造がここでの売上総利益に対応している。
2016 年 6 月期においては、期末営業拠点数 10 店舗、利用顧客数 12,000 人であった一方、先述の中期業績目標
の前提としては、2018 年 6 月期において、期末営業拠点数 14 店舗、利用顧客数 19,000 人を達成することが織
り込まれている。現状においては、岡山県及びその周辺地域の営業拠点での事業展開を通して、当該地域での需
要を着実に取り込み続けていることに加えて、2015 年 11 月には、仙台における営業拠点が新設されている。更
に、2017 年 6 月期においては、西広島、西宮、そして、2018 年 6 月期に向けて、高松と、新規に営業拠点を立
ち上げていきたいとのことである。一方、2018 年 6 月期に向けては、東北地域での営業基盤の確立に向けて、
福島で営業拠点が新設される予定である。ただし、現状においては、介護保険の見直しに際して、一部の利用者
に関してレンタル費用の自己負担が増加する可能性があるため、新規の営業拠点の立ち上げを慎重に進めていく
必要があるとされている。
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