自動車運送事業 (PDF形式, 299.44KB)

【自動車運送事業】
6 自 動 車 運 送 事 業
(1) 業務の実績
自動車運送事業における当年度の業務実績を前年度と比較してみると第 1 表のと
おりである。
第 1 表 業務実績
区
分
運転
年
キロ数
1
日
平
年
平成27年度
平成26年度
比較増▲減
前年度対比
㎞
㎞
㎞
%
間
36,037,087.0
35,651,035.3
386,051.7
101.1
均
98,462.0
97,674.1
787.9
100.8
人
人
人
%
122,595,801
119,118,397
3,477,404
102.9
乗 乗
定
券
43,240,968
41,442,196
1,798,772
104.3
車 合
定期券以外
79,354,833
77,676,201
1,678,632
102.2
1
間
期
日
平
均
334,961
326,352
8,609
102.6
間
430,860
428,209
2,651
100.6
日
平
均
1,177
1,173
4
100.3
間
123,026,661
119,546,606
3,480,055
102.9
均
336,138
327,525
8,613
102.6
人
貸 年
切 1
員
合 年
計 1
日
平
運転キロ数は 3,603 万㎞で、前年度に比し 1.1%増加している。これは、地域巡
回系統の増便等によるものである。
乗車人員は 1 億 2,302 万人で、前年度に比し 2.9%増加している。うち一般乗合
自動車の乗車人員の推移は、第 1 図のとおりである。
第 1 図 一般乗合自動車の乗車人員の推移
乗車人員
(万人)
12,000
11,284
11,473
11,759
11,911
12,259
10,000
(内訳)
8,000
6,000
7,608
7,631
7,718
7,767
7,935
3,675
3,842
4,041
4,144
4,324
4,000
2,000
合計
23
合 計(万人)
24
25
定期券以外(万人)
-73-
26
27 年度
定 期 券(万人)
定期券以外
定期券
【自動車運送事業】
乗車人員の合計は、前年度に引き続き当年度も増加している。その主な理由とし
て、通勤定期券の利用の増により、定期乗車人員が増加したことが考えられる。
(2) 予算執行状況
ア 収益的収入及び支出
平成 27 年度の予算執行状況は第 2 表のとおりである。
第 2 表 予算決算対照表(収益的収入及び支出)
(収入)
科
金
自 動 車 運 送 事業 収益
営
営
特
業
収
業 外 収
別
利
決 算 額
予 算 額
目
額
構成比
千円
%
24,969,801 100
金
額
構成比
千円
%
25,007,049 100
予算額に比べ
決算額の増▲減
収入率
千円
37,248
%
100.1
益
益
20,719,100
3,643,692
83.0
14.6
20,831,506
3,592,005
83.3
14.4
112,406
▲ 51,686
100.5
98.6
益
607,009
2.4
583,538
2.3
▲ 23,471
96.1
(支出)
科
目
自 動 車 運送事 業費
営
業
費
用
営 業 外 費 用
予 算 額
金
額
構成比
千円
%
23,522,900
22,937,771
585,129
100
97.5
2.5
決 算 額
金
額
構成比
千円
%
22,828,226
22,243,097
585,128
不 用 額
100
97.4
2.6
執行率
千円
%
694,673
694,673
0
97.0
97.0
100.0
収益的収入は、予算額 249 億 6,980 万円に対し、決算額は 250 億 704 万円で、
予算額に対し 100.1%の収入率である。
収益的支出は、予算額 235 億 2,290 万円に対し、決算額は 228 億 2,822 万円
で、予算額に対し 97.0%の執行率である。
主な不用額
(営業費用)
自動車燃料費
3 億 7,987 万円
軽油価格が予定を下回ったこと等
による
人件費
1 億 3,388 万円
職員数が予算で定めた職員数を下
回ったこと等による
-74-
【自動車運送事業】
イ 資本的収入及び支出
平成 27 年度の予算執行状況は第 3 表のとおりである。
第 3 表 予算決算対照表(資本的収入及び支出)
(収入)
科
目
予 算 額
金
額
構成比
千円
%
決 算 額
金
額
構成比
千円
%
予算額に比べ
決算額の増▲減
収入率
千円
%
資 本 的 収 入
企
業
債
950,859
870,000
100
91.5
621,934
545,000
100
87.6
▲ 328,924
▲ 325,000
65.4
62.6
一般会計補助金
その他 資本 収入
5,940
74,919
0.6
7.9
0
76,934
0
12.4
▲ 5,940
2,015
0
102.7
(支出)
科
目
予
算
金
額
額
構成比
決 算
金
額
額
構成比
不 用 額
執行率
%
千円
3,164,548
%
100
千円
187,488
%
94.4
81.8
100.0
資 本 的 支 出
千円
3,352,037
建 設 改 良 費
企 業 債償 還金
975,443
1,444,594
29.1
43.1
797,954
1,444,593
25.2
45.6
177,488
0
借 入 金返 還金
予
備
費
922,000
10,000
27.5
0.3
922,000
0
29.1
0
0
10,000
100
100
0
資本的収入は、予算額 9 億 5,085 万円に対し、決算額は 6 億 2,193 万円で、
予算額に対し 65.4%の収入率である。これは主に、建設改良に充てる企業債
の発行が予定を下回ったこと等によるものである。
資本的支出は、予算額 33 億 5,203 万円に対し、決算額は 31 億 6,454 万円
で、予算額に対し 94.4%の執行率である。
主な建設改良事業
車両の買替
2 億 1,724 万円
運行支援システム装置の購入及び設置
2 億 1,492 万円
営業所の改修
9,981 万円
停留所施設の整備
9,287 万円
また、予算額と決算額との差は、不用額 1 億 8,748 万円である。不用額は
主に建設改良費の残である。
なお、資本的収入額 6 億 2,193 万円と資本的支出額 31 億 6,454 万円の差額
25 億 4,261 万円については、留保資金等が充てられている。
-75-
【自動車運送事業】
(3) 経営成績
ア 損益の状況
平成 27 年度と平成 26 年度の比較損益計算書(要約)は第 4 表のとおりである。
第 4 表 比較損益計算書(要約)
平成27年度
区 分
営 業 収 益
運
輸
収
金
平成26年度
額
構成比
千円
%
金
額
構成比
千円
%
比較増▲減
前年度
千円
対 比
%
19,929,245
17,248,370
82.7
71.6
19,440,420
16,781,200
81.2
70.1
488,825
467,169
102.5
102.8
収
2,680,875
3,591,459
11.1
14.9
2,659,219
4,080,806
11.1
17.0
21,656
▲ 489,347
100.8
88.0
一般会計負担金
一般会計補助金
132,458
3,326,129
0.5
13.8
136,553
3,721,794
0.6
15.5
▲ 4,095
▲ 395,664
97.0
89.4
県
補
助
金
長期前受金戻入
16,347
82,791
0.1
0.3
15,836
147,671
0.1
0.6
511
▲ 64,880
103.2
56.1
他
益
33,732
23,520,704
0.1
97.6
58,951
23,521,226
0.2
98.2
▲ 25,218
▲ 522
57.2
100.0
益
益
583,538
2.4
24,104,242 100
429,797
1.8
23,951,024 100
153,740
153,218
135.8
100.6
運
輸
雑
営 業 外 収 益
そ
経
特
総
の
常
収
別
利
収
益
平成27年度
区 分
営 業 費 用
人
件
金
平成26年度
額
構成比
千円
%
金
額
構成比
千円
%
比較増▲減
前年度
千円
対 比
%
費
21,635,255
12,243,270
98.4
55.7
21,804,493
11,869,955
95.5
52.0
▲ 169,237
373,314
99.2
103.1
自 動 車 燃 料 費
修
繕
費
1,335,193
1,291,907
6.1
5.9
1,720,133
1,120,824
7.5
4.9
▲ 384,940
171,082
77.6
115.3
減 価 償 却 費 等
そ
の
他
943,934
5,820,950
4.3
26.5
1,342,879
5,750,700
5.9
25.2
▲ 398,945
70,250
70.3
101.2
348,728
1.6
333,015
1.5
15,713
104.7
28,250
営 業 外 費 用
支 払 利 息 及
企業債取扱諸
雑
支
経
常
費
び
費
出
用
0.1
78,578
0.3
▲ 50,328
36.0
320,477
1.5
21,983,984 100
254,436
22,137,508
1.1
97.0
66,041
▲ 153,524
126.0
99.3
特
総
別
損
失
用
0
0
21,983,984 100
693,213
3.0
22,830,721 100
▲ 693,213
▲ 846,737
0
96.3
営
業
損
益
▲ 1,706,010
▲ 2,364,073
658,063
72.2
経
常
損
益
当 年 度 純 損 益
1,536,720
2,120,258
1,383,717
1,120,302
153,002
999,955
111.1
189.3
未 処 理 欠 損 金
▲ 40,295,645
▲ 42,415,904
2,120,258
95.0
費
(注) 営業費用の構成内容は146ページを参照。
-76-
【自動車運送事業】
イ 収益及び費用の状況
①
経常収益
経常収益は 235 億 2,070 万円で、前年度に比し 52 万円減少している。
主な変動理由
(営業収益)
運輸収益
4億 6,716万円の増加
乗車人員が増加したこと等に
よる
(営業外収益)
一般会計補助金
3億 9,566万円の減少
資本費補助金が減少したこと
等による
②
経常費用
経常費用は 219 億 8,398 万円で、前年度に比し 0.7%、1 億 5,352 万円減少し
ている。
主な変動理由
(営業費用)
減価償却費等
3億 9,894万円の減少
償却対象資産が減少したこと
等による
自動車燃料費
3億 8,494万円の減少
軽油価格が下落したこと等に
よる
人件費
3億 7,331万円の増加
給与改定及び市営交通事業経
営健全化計画に基づく給与
カットが終了したこと等によ
る
修繕費
1億 7,108万円の増加
故障予防対策を実施したこと
等による
③
特別損益
特別利益は 5 億 8,353 万円で、敬老パス等負担金の過年度精算分等である。
-77-
【自動車運送事業】
ウ 人件費の状況
人件費の状況は第 5 表のとおりである。
第 5 表 人件費の状況
区 分
平成27年度
平成26年度
比較増▲減
千円
23,520,704
12,243,270
千円
23,521,226
11,869,955
千円
▲ 522
373,314
10,885,813
10,629,796
256,017
720,170
637,285
%
人件費比率 B/A
52.1
人
職員数(年度末)
1,375
(注) 職員数は定数内職員の現員数を掲げた。
741,285
498,874
%
50.5
人
1,362
▲ 21,114
138,411
ポイント
1.6
人
13
経常収益 A
人件費 B
定数内職員
(退職給付費を除く)
定数外職員
退職給付費
職員数は、若年嘱託職員から一般職員への採用等により、年度末比較で前年度
から 13 人の増となっている。
人件費は、給与改定及び市営交通事業経営健全化計画に基づく給与カットが終
了したこと等により、3 億 7,331 万円増加している。
経常収益に対する人件費比率は、経常収益が減少し人件費が増加したため、前
年度に比し 1.6 ポイント上昇している。
-78-
【自動車運送事業】
(4) 財政状態
ア 資産・負債・資本の状況
平成 27 年度末と平成 26 年度末の比較貸借対照表(要約)は第 6 表のとおりで
ある。
第 6 表 比較貸借対照表(要約)
科
目
固 定 資 産
流 動 資 産
資 産 合 計
固 定 負 債
企
業
他 会 計 借 入
引
当
流 動 負 債
企
業
他 会 計 借 入
繰 延 収 益
長 期 前 受
負 債 合 計
平成27年度末
額
構成比
千円
%
11,620,665
85.6
1,951,687
14.4
13,572,352
100
16,019,426
118.0
1,593,168
11.7
8,415,500
62.0
5,998,201
44.2
6,843,635
50.4
927,579
6.8
2,000,000
14.7
663,340
4.9
663,340
4.9
23,526,402
173.3
29,989,573
221.0
▲ 39,943,623 ▲ 294.3
352,022
2.6
▲ 40,295,645 ▲ 296.9
▲ 9,954,050 ▲ 73.3
13,572,352
100
金
債
金
金
債
金
金
資
本
金
剰
余
金
資 本 剰 余 金
欠
損
金
資 本 合 計
負債・資本合計
平成26年度末
額
構成比
千円
%
11,947,595
89.4
1,422,980
10.6
13,370,575
100
18,045,234
135.0
1,975,748
14.8
10,415,500
77.9
5,638,993
42.2
6,656,390
49.8
1,444,593
10.8
922,000
6.9
743,258
5.6
743,258
5.6
25,444,884
190.3
29,989,573
224.3
▲ 42,063,882 ▲ 314.6
352,022
2.6
▲ 42,415,904 ▲ 317.2
▲ 12,074,308 ▲ 90.3
13,370,575
100
金
比較増▲減
千円
▲ 326,929
528,707
201,777
▲ 2,025,807
▲ 382,579
▲ 2,000,000
359,207
187,245
▲ 517,014
1,078,000
▲ 79,918
▲ 79,918
▲ 1,918,481
0
2,120,258
0
2,120,258
2,120,258
201,777
前年度
対 比
%
97.3
137.2
101.5
88.8
80.6
80.8
106.4
102.8
64.2
216.9
89.2
89.2
92.5
100
95.0
100
95.0
82.4
101.5
① 資産
資産合計は 135 億 7,235 万円で、前年度末に比し 1.5%、2 億 177 万円増加
している。
主な変動理由
(固定資産)
車両
1 億 9,966 万円の減少 バス車両等の減価償却が進ん
だこと等による
土地
1 億 2,087 万円の減少 篭山西バス回転場跡地を売却
したこと等による
(流動資産)
運用金
5 億円の皆増
-79-
他会計運用金の皆増による
【自動車運送事業】
②
負債
負債合計は 235 億 2,640 万円で、前年度末に比し 7.5%、19 億 1,848 万円
減少している。
このうち企業債の固定負債と流動負債の合計額は 25 億 2,074 万円であり、
償還等により前年度末に比し 26.3%、8 億 9,959 万円減少している。他会計借
入金の固定負債と流動負債の合計額は 104 億 1,550 万円であり、返還により前
年度末に比し 8.1%、9 億 2,200 万円減少している。また、長期前受金は 6 億
6,334 万円で、長期前受金戻入による収益化等により前年度末に比し 10.8%、
7,991 万円減少している。
③
資本
欠損金は 402 億 9,564 万円で、当年度純利益の計上により、前年度末に比
し 5.0%、21 億 2,025 万円減少している。
-80-
【自動車運送事業】
イ 財務比率
流動比率及び自己資本構成比率の推移は、第 7 表のとおりである。
第 7 表 流動比率及び自己資本構成比率の推移
区 分
平成27年度末
%
平成26年度末
%
比較増▲減
ポイント
28.52
21.38
7.14
▲ 68.45
(自己資本/総資本)
(注) 自己資本=資本金+剰余金+繰延収益
総資本=負債+資本
▲ 84.75
16.29
流動比率
(流動資産/流動負債)
自己資本構成比率
流動比率は、一時借入金が減少したこと等により、前年度末に比し 7.14 ポイント
上昇している。
自己資本構成比率は、改善傾向にはあるが、依然としてマイナスであり、債務超
過の状態が継続している。
ウ 欠損金の推移
欠損金の推移は第 2 図のとおりである。
第 2 図 欠損金の推移
純損益
60
(億円)
40
20
600
13
17
24
11
21
欠損金
300
(億円)
0
0
▲ 20
▲ 40
▲ 481
▲ 464
▲ 440
▲ 424
▲ 402
▲ 60
▲ 300
▲ 600
23
24
25
純損益(億円)
26
27
年度
欠損金(億円)
近年は純利益を計上しているため、欠損金は減少しているが、依然として多額
となっている。
-81-
【自動車運送事業】
エ 企業債の推移
企業債の推移は第 3 図のとおりである。
第 3 図 企業債の推移
200
171
127
100
(
発
企 行 100
業額
億 債・
円 利 償 50
息還
等額
・
0
企
業
億
債
150 円
残
高
)
150
(
200
75
)
49
56
46
44
18
2.3
23
発行額(億円)
1.7
2
24
5
1.3
25
償還額(億円)
3
34
0.7
26
企業債利息等(億円)
25
14
5
0.2
27
50
0
年度
企業債残高(億円)
当年度の企業債発行額は、企業債の対象事業が増加したこと等により増加し、5
億 4,500 万円となっており、償還額は、退職手当債の償還が終了したこと等によ
り減少し、14 億 4,459 万円となっている。この結果、企業債残高は 25 億 2,074
万円となっている。
また、当年度の企業債利息等は 2,812 万円となっている。
-82-
【自動車運送事業】
(5) 資金状況
平成 27 年度と平成 26 年度の比較キャッシュ・フロー計算書(要約)は第 8 表の
とおりである。
第 8 表 比較キャッシュ・フロー計算書(要約)
科
平成27年度
目
平成26年度
比較増▲減
千円
3,364,874
千円
3,256,761
千円
108,113
当年度純利益
減価償却費等
引当金の増減額
2,120,258
943,934
382,947
1,120,302
1,342,879
724,840
999,955
▲ 398,945
▲ 341,892
長期前受金戻入
その他
▲ 82,791
526
▲ 147,671
216,410
64,880
▲ 215,884
▲ 513,721
▲ 735,901
▲ 580,927
▲ 418,436
67,205
▲ 317,464
489,128
▲ 266,947
▲ 182,187
19,696
671,315
▲ 286,644
業務活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
固定資産の取得による支出
未収金・未払金の増減額
その他
財務活動によるキャッシュ・フロー
▲ 2,824,082
▲ 2,734,400
▲ 89,682
建設改良費等の財源に充てるための企業債
による収入
545,000
324,000
221,000
建設改良費等の財源に充てるための企業債
の償還による支出
▲ 1,444,593
▲ 2,168,109
723,515
▲ 922,000
0
▲ 922,000
0
▲ 2,290,000
2,290,000
0
▲ 1,002,489
2,067,328
▲ 667,618
▲ 2,067,328
▲ 334,870
資金増加額(又は減少額)
資金期首残高
27,070
46,531
▲ 58,566
105,097
85,636
▲ 58,566
資金期末残高
(注) 資金は貸借対照表における現金預金と同範囲。
73,601
46,531
27,070
建設改良費等の財源に充てるための他会計
借入金の返済による支出
その他の企業債の償還による支出
基金繰入金による収入
その他
当年度は事業本来の業務活動により資金を生み出し(業務活動によるキャッ
シュ・フローがプラス)、投資活動及び財務活動で費消しており(投資活動による
キャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローがマイナス)、事業全
体として資金が増加した。
業務活動によるキャッシュ・フローでは、当年度純利益を計上しており、減価償
却費等でも資金を留保できたこと等により 33 億 6,487 万円の資金が増加した。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、車両の買替等に起因する固定資産の取
得による支出等により 5 億 1,372 万円の資金を費消した。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、企業債の償還や他会計借入金の返済に
よる支出等により 28 億 2,408 万円の資金を費消した。
この結果、前年度末に比し、2,707 万円の資金が増加し、期末残高は 7,360 万円
となっている。
-83-
【自動車運送事業】
(6) 一般会計からの繰入金について
繰出基準により一般会計から繰り入れた金額は第 9 表のとおりである。
第 9 表 繰出基準による一般会計からの繰入金
事 項
平成27年度
一 般 会 計 補 助 金
収益的収入
営業外収益
基礎年金拠出金公的負担経費
補助金 *1
共済追加費用補助金 *2
千円
507,390
561,821
▲ 54,430
507,390
561,605
▲ 54,214
507,390
561,605
▲ 54,214
339,262
290,251
49,011
168,127
271,353
0
216
0
216
132,458
136,553
132,458
136,553
▲ 4,095
132,458
136,553
▲ 4,095
132,458
136,553
▲ 4,095
639,848
698,374
▲ 58,526
バリアフリー化設備整備費補助金 *3
収益的収入
営業外収益
児童手当負担金 合 計
備 考
比較増▲減
千円
資本的収入
一 般 会 計 負 担 金
平成26年度
千円
*1 基礎年金拠出額に係る公
的負担相当額
▲ 103,226 *2 共済追加費用の負担額
▲ 216 *3 車両のバリアフリー化に
伴う経費に対する補助金
▲ 216
▲ 4,095
また、繰出基準以外で一般会計から繰り入れた金額は第 10 表のとおりである。
第 10 表 繰出基準以外の一般会計からの繰入金
事 項
平成27年度
平成26年度
比較増▲減
備 考
千円
千円
千円
3,006,739
3,160,189
▲ 153,450
3,006,739
3,160,189
▲ 153,450
2,818,739
3,160,189
868,739
1,124,189
地域巡回路線等維持補助金
(当年度分) *2
1,950,000
2,002,000
地域巡回路線等維持補助金
(過年度精算分) *3
0
34,000
188,000
0
▲ 341,450
▲ 255,450 *1 バス車両及び施設に対する補
助金
▲ 52,000
*2 生活路線を始めとした不採算
路線に対する補助金
▲ 34,000
*3 確定額に基づいて行う過年度
分の精算
188,000
一 般 会 計 補 助 金
収益的収入
営業外収益
資本費補助金 *1
特別利益
地域巡回路線等維持補助金
(過年度精算分) *3
一 般 会 計 負 担 金
収益的収入
営業収益
敬老パス等負担金(当年度分) *4
特別利益
敬老パス等負担金(過年度精算分)*3
一 般 会 計 出 資 金
資本的収入
経営健全化出資金 *5
合 計
188,000
0
188,000
6,876,693
6,876,693
6,711,352
6,711,352
165,341
165,341
6,628,655
6,432,738
195,917
6,628,655
6,432,738
248,038
278,614
248,038
278,614
▲ 30,576
0
200,000
▲ 200,000
0
200,000
0
200,000
▲ 200,000 *5 経営健全化に充てる財源
措置
▲ 200,000
9,883,432
10,071,541
-84-
195,917 *4 敬老パス及び福祉パス利用の
実績に応じた負担金
▲ 30,576
▲ 188,109
【自動車運送事業】
(7) 意 見
当年度の総収益は、一般会計補助金の減少があったものの、運輸収益の増加や固
定資産売却益の計上等により、前年度比 0.6%の増加となった。また、総費用は、
地方公営企業会計基準の見直しに伴う引当金や減価償却費等、自動車燃料費の減少
等により、前年度比 3.7%の減少となった。この結果、当年度の純利益は、前年度
から 89.3%増加し、21 億 2,025 万円となった。
交通局では、平成 21 年度から平成 28 年度までを計画期間とする「市営交通事業
経営健全化計画」を策定し、自動車運送事業の経常収支や資金不足の改善に努めた
結果、平成 25 年度決算において計画の収支目標である資金不足比率 20%未満を達
成している。
平成 27 年度からは新たに「名古屋市営交通事業経営計画(2015-2018)」を策定
しており、この計画では、安全・安心に重点を置くとともに、より質の高い交通
サービスを提供していくことが掲げられている。
安全・安心に関しては、平成 26 年度に法令違反や重大な運行ミスなどの不祥事
が続発したことから中部運輸局による文書指導・監査が実施され、運転者に対する
指導監督が不適切であったとして行政処分を受けたところであり、その対応が大き
な課題となっていた。
この課題に対し、バス運行支援システムの導入やグループワーク研修等、平成 26
年 12 月に策定された「市バスの新たな運行ミス等防止対策」等による取組みは一
定の効果を上げたと考えられ、行先表示誤りやダイヤ誤りといったトラブル件数は
平成 26 年度の 701 件から平成 27 年度は 584 件へと減少したが、運行ミス等防止に
関する平成 27 年度の目標である 525 件は上回っている。また、有責事故件数は平
成 26 年度の 700 件から平成 27 年度は 620 件へ減少し、輸送の安全に関する平成 27
年度の目標である 629 件を下回っている。
事故や運行ミスの予防に始まるお客さまの安全・安心の確保も、より質の高い
サービスの提供に向けた挑戦も、それらの施策を実施するに当たって重要なのは職
員一人ひとりの能力であり意識であると考えられる。交通局においては、職員一人
ひとりがその能力を発揮し、交通局職員としての自覚と誇りを持って職務を果たし
ていけるよう努められたい。
また、資金不足の状況は改善が見られるところであるが、依然として累積欠損金
は 402 億円と大きく、さらに債務超過となっており、これらの状況を脱するには長
期的な取組みが必要である。今後も計画の目標達成に向け、積極的な乗客誘致施策
等により収益の確保を図るとともに、業務執行体制の継続的な点検及び見直しを実
施し、経費の削減に努められたい。
-85-
【自動車運送事業】
資金不足比率の状況
(%)
61.0
60
53.6
44.9
39.6
40
37.7
35.1
34.1
28.0
31.7
19.9
26.1
20
20.8
14.9
9.2
6.8
3.1
11.0
6.1
0
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
年度
市営交通事業経営健全化計画
名古屋市営交通事業経営計画(2015-2018)
実績
累積欠損金の状況
(億円)
550
500
525
527
515
504
512
495
450
481
463
464
432
440
423
400
414
410
424
402
398
388
380
350
300
21
22
23
24
25
26
27
28
市営交通事業経営健全化計画
名古屋市営交通事業経営計画 (2015-2018)
実績
-86-
29
30
年度