2016 年 9 月 23 日 プレスリリース パチンコ関連機器市場に関する調査を実施(2016 年) 【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内のパチンコ関連機器市場の調査を実施した。 1.調査期間:2016 年 4 月~7 月 2.調査対象品目:パチンコ機・パチスロ機等の遊技機、周辺設備機器 3.調査対象企業:パチンコ機メーカー、パチスロ機メーカー、周辺設備機器メーカーなど 4.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査併用 <パチンコ関連機器市場とは> パチンコ関連機器市場とは、パチンコ機市場、パチスロ機市場、周辺設備機器市場の総称である。また、周辺設 備機器市場とは、ホールコンピューター、玉補給機器などのホール内の設備機器の市場の総称である。 【調査結果サマリー】 2015 年度のパチンコ関連機器の市場規模は 1 兆 1,334 億円、前年度比で 91.9% 2015 年度のパチンコ関連機器の市場規模は1兆 1,334 億円(メーカー売上金額ベース)となり、前年度 比で 91.9%、1,001 億円のマイナス成長となった。 2015 年度の遊技機市場は前年度比 91.0%の大幅減、遊技機市場は 1 兆円を割る パチンコ関連機器市場の過半を占めるパチンコ機の 2015 年度市場規模は 6,130 億円(メーカー売上 金額ベース)、前年度比 94.0%となり、4 期連続のマイナス成長となった。一方の 2015 年度のパチスロ機 市場も前年度比 86.5%の 3,697 億円(同ベース)と大幅に縮小し、数年来好調だったパチスロ機市場も 2014 年度に引き続いて二ヶ年度連続のマイナス成長となった。例年、パチンコ機とパチスロ機を合わせ た遊技機の市場規模は合算で1兆円を超える大型市場であったが、2015 年度には前年度比 91.0%の 9,827 億円(同ベース)と大幅減となり、遂に1兆円の大台を割った。 新規出店等は伸び悩んだが、2015 年度の周辺設備機器市場は前年度微減の 1,506 億円 2015 年度の周辺設備機器の市場規模は 1,506 億円(メーカー売上金額ベース)となり、前年度から微減 で推移した。周辺設備機器市場の主要な販売契機は新規出店とリニューアル等での設備導入であるが、 2015 年の新規出店数は 221 店舗であった。年間の新規出店数の 8 割程度を大手パチンコホール経営企 業が占めているが、パチンコ機の稼働低迷、遊技機規則の問題など、2015 年以降からの多くの懸案事項 を抱えるなか、パチンコホール経営企業の新規出店計画も保守的にならざるを得ない。 ◆ 資料体裁 資料名:「2016 年版パチンコ関連メーカーの動向とマーケットシェア」 発刊日:2016 年 8 月 25 日 体 裁:B5 判 363 頁 定 価:115,000 円(税別) 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル HP:http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社HPからも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected] 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 9 月 23 日 プレスリリース 【 調査結果の概要 】 1.縮小やまないパチンコ機市場、市場規模は前年度比 94.0% 2015 年度のパチンコ機の市場規模は 6,130 億円(メーカー売上金額ベース)となり、前年度比 94.0% の減少推移となった。遊技機の規則(日本遊技機工業組合による内規)変更に伴ってパチンコ機の新規 リリース(発売)が停滞したことが大きく影響した。また、現在の営業の主軸となっている高射幸性のパチン コ機が 2016 年末を期限に全国のパチンコホールから撤去されるため、ホールのパチンコ機入替が様子 見状態になっていることもパチンコ機市場規模縮小の要因となっている。 パチンコ機市場規模が縮小する一方で、パチンコ機の開発コストは年々高騰しているが、現状以上の 開発投資は非効率、もしくは無意味との見解が多く、品質向上を重視しつつも、効率性を重視した開発 費の抑制が始まっている。一部ではパチンコ機価格の値上げが断行されたが、パチンコホール経営企業 の経営状況からすれば、今後は低価格帯の製品提供がパチンコ機メーカーに強く求められていくと考え る。 2017 年の年明けからは、現市場を支えている高射幸性のパチンコ機が無い状況でのホール営業とな る。確実にパチンコ部門での収益は低下するため、必然的にホール経営企業のパチンコ機購入はより慎 重に、より厳選したものになる。販売ロットが更に低下することが予測され、パチンコ機メーカーにおいて は機種単位でも赤字を出さない厳格なコスト管理が今後の必須能力となる。 2.急回復から一転、二ヶ年度連続で縮小したパチスロ機市場 2015 年度のパチスロ機の市場規模は 3,697 億円(メーカー売上金額ベース)となり、前年度比 86.5% の大幅減となった。2012 年度、2013 年度は毎年 110~115%程度の成長(回復)を見せていたが、2014 年度に引き続いてパチスロ機市場規模は前年度割れとなった。パチンコ機市場の低迷の反動からパチン コホール経営企業ではパチスロ機への投資が続いていることに変りはないが、2015 年度は過度な射幸性 を抑制すべくパチスロ機の規則も変更となったことから、各パチスロ機メーカーの新規則対応への遅れも パチスロ機市場規模の縮小に影響した。 また、現在のパチスロ機市場を牽引している高射幸性のパチスロ機の業績が衰えていないことから、射 幸性が低下している新基準のパチスロ機に対する需要が本格化しにくい環境であることもパチスロ機市 場縮小の背景としてある。2016 年度は、パチンコホール経営企業がパチンコ機の撤去を優先させるため、 パチスロ機の市場規模は 2015 年度以上に縮小する可能性がある。 3.前年度比 98.0%と微減推移の周辺設備機器市場 2015 年度の周辺設備機器市場の市場規模は 1,506 億円(メーカー売上金額ベース)となり、前年度比 98.0%となった。 パチンコホール経営企業の新規出店やリニューアル、経年劣化によるリプレイスが需要の契機となるが、 ※ 厳しい営業環境が続くなかで 2015 年の新規出店数は 221 店舗 と、新店需要やリプレイス需要は心もと ない状況であった。その一方で新規出店の総数は少ないものの一店舗あたりの規模が大型化する傾向 にあり、そのため、周辺設備機器の案件規模も大型になっている。しかしながら、全体の新規出店数が減 少傾向にあるため、案件数自体が減り、周辺設備機器メーカー間での格差が拡大している。 2016 年度は、需要の大きな契機となる新規出店数は更に減少すると予測し、周辺設備機器市場は非 常に厳しい状況にあるものと見る。 ※参考資料.全国パチンコ経営企業数及び店舗数に関する調査結果 2015(2016 年 3 月 16 日発表) http://www.yano.co.jp/press/press.php/001508 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 9 月 23 日 プレスリリース 図 1.パチンコ関連機器の市場規模推移 (単位:億円) 15,000 12,500 10,000 13,640 13,772 1,623 1,743 3,750 13,097 1,752 12,335 1,537 11,334 1,506 4,300 4,774 4,274 7,500 3,697 5,000 8,267 7,729 2,500 6,571 6,524 6,130 2013年度 2014年度 2015年度 0 2011年度 2012年度 パチンコ機 パチスロ機 周辺設備機器 矢野経済研究所推計 注 1.メーカー売上金額ベース 注 2.2013 年度、2014 年度実績値を過去に遡って再算出した。 注 3.四捨五入のため、図内の合計が一部異なる。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.
© Copyright 2024 ExpyDoc