2016 年度 入門ミクロ経済学 A 授業改善アンケート結果への担当教員からのコメント 2016 年 9 月 20 日 市野泰和 おおむね、学部全体の平均以上の評価をもらえていてうれしいです。ありがとうご ざいます。 授業に対する評価よりももっとうれしいのは、受講生のみなさんの多くがこの授業 に意欲的にとりくんでいたこと(質問 5)と、この授業のためによく勉強していたこ と(質問 3)です。それらの点数は、学部全体の平均よりも高いですし、僕がこれま でやってきた、過去のどの年度の入門ミクロよりも高いです。みなさん、本当によく 勉強しましたね。 この授業は、理論の授業なので、すぐには理解できないこと、難しいことは、どう しても出てきます。そういうとき、みなさんがしんどそうな感じになるのは、僕にも よくわかりますし、みなさんのしんどそうなようすを見るのは、僕もしんどかったで す。しんどくさせてごめんね、とは思っています。 僕が授業で長々と難しいことを説明してるのを聞きながら、「で、結局どこがポイ ントなの?」 「『これはここだけ覚えておけばだいじょうぶ』みたいなことを教えてよ」 と思っていた人もいるでしょう。でも、この授業で出てきた難しいことはすべて、ポ イントを一言で言い表すことができないようなことなのです。だからこそ僕は長々と 説明をして、みなさんに、ポイントではなくその議論の全体を理解させようと努めて いました。なぜならそれは、「覚えておけばいい」というタイプのことがらではない からです。 それなのに、もし、「これはここだけ覚えておけばだいじょうぶ」みたいなことを 言ったりしたら、それは、これまで経済学を作り上げてきた過去の人たちに対する裏 切りになってしまいます。それと同時に、それは、あなたがたのようにこれから経済 学を勉強していく未来の人たちに対する裏切りにもなってしまいます。そんな裏切り を僕はすることができません。 ・・・とは言うものの、この授業で難しいことが出てくるとき、受講生の意欲や集 中力を損ねることなく、もっとスムーズにもっとわかりやすく内容を説明するような 工夫や改善の余地は、まだまだいっぱいあると思います。ですから、来年度からも、 ずっと、入門ミクロの授業の改善を続けていきます。2016 年度前期、ねばり強くこの 授業を受けてくれて、どうもありがとうございました。
© Copyright 2024 ExpyDoc