アフタヌーンセミナー1・2

Japan Transcatheter Valve Therapies 2016
アフタヌーンセミナー1
AS1-1)Hybrid 治療のその先に
~デバイスの進化、Hybrid OR の進化、Hybrid surgeon~
近藤 俊一
いわき市立総合磐城共立病院 心臓血管外科
2001年からhand madeのステントグラフトを開始し、現在までの私が経験したステントグラフト治
療は1000例を超えた。ステントグラフトが日本の医療現場に登場した時には、賛否両論であったが、大
動脈疾患治療にパラダイムシフトを起こしたことは言うまでもない。
TAVIについては、施設認定開始と同時に申請を行ない、2014年5月に施設認定を取得した。ステント
グラフト同様、心臓血管外科医の多くに懐疑的な目で迎えられたTAVIであったが、日本での初期成績が
明らかになり、大動脈弁狭窄症治療に大きなパラダイムシフトを起こしつつある。今後、カテーテル心臓
弁膜症治療の広がりとともに、弁膜症治療全域に同様な現象が起きることは容易に想像できる。
我々は、心臓外科手術治療の先端治療である、右小開胸アプローチによる心臓手術を2009年から開始
し、2010年に「小切開心臓手術-大動脈ステントグラフトセンター」を立ち上げ、ステントグラフト内挿術、
右小開胸心臓手術、冠動脈バ イ パ ス手術、経皮的大動脈弁留置手術、弁膜症手術、大動脈手術、末梢血管
手術、静脈疾患など広範な疾患を扱っている。2013年にHybrid手術室が完成し、ほぼすべての心臓・大
血管手術をその手術室で行ってきた。既存の心臓血管外科手術とカテーテルインターベンションを組み
合わせることはもちろんの事、それらを有機的に組み合わせた新たな手術方法を実践しつつある。
低侵襲手術を高齢者に適応するに当たり、その卓越した低侵襲性と一歩まちがえば大惨事という危う
さは黎明期である現在においてうらはらな関係にあることは誰しもが実感している。ステントグラフト、
MICS, TAVIの経験に基づき、経大腿動脈アプローチでのアクセストラブルを未然に防ぐ工夫や、経心尖
部アプローチにおける視野展開や経大動脈アプローチでの視野展開の工夫、創痛コントロールの方法を
提示する。また、カテーテル弁膜症治療には、手術室環境を整備する必要があると考える。モニターの位置、
テーブル位置の動作スイッチの場所、アノテーションシステムの準備など、Hybrid手術を快適に行える
環境作り、近未来の循環器系医師像(血管内治療のできる外科医なのか、外科的アクセスができるインター
ベンション医なのか)提案する。
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Japan Transcatheter Valve Therapies 2016
アフタヌーンセミナー2
AS2-1)SHD に対するカテーテルインターベンション
- 超音波ナビゲーションの有用性 -
山本 一博
鳥取大学医学部病態情報内科学分野
これまでのカテーテルインターベンションの主たるターゲットは血管であり、その際には透視画像が治
療ナビゲーションの役割を担ってきました。
しかし、僧帽弁閉鎖不全に対するMitraClip、左心耳閉鎖目的に用いるWatchmanなど、新たな治療対象
であるSHDに対するカテーテルインターベンションでは、超音波画像がナビゲーションとして重要な情
報を提供します。
しかし透視画像が不要なわけではなく、治療実施中には透視画像の情報を得られる方が望ましい場合も少
なくありません。
したがって、これからのナビゲーションシステムには。透視画像と超音波画像の両方の情報を術者が理解
しやすい形で提供する機能を有することが求められます。当セッションでは、超音波ナビゲーションシ
ステムの現状についてお話しをさせて頂きます。
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