原油価格週間動向

2016/
原油価格週間動向
9/20
投資情報部
シニアコモディティアナリスト
津賀田 真紀子
原油安長期化の可能性が濃厚に
原油相場は上値の重い展開が続いており、足元では 43 ドル台まで値を落としている。先週、IEA が公表し
た 9 月の月報において、少なくとも 2017 年前半までは世界的に供給過剰の状態が続き、原油安が長期化する
可能性があると予想されたことが市場参加者に嫌気され、相場の重しとなっているためだ。また、来週 26~28
日にかけて、アルジェリアで主要産油国の非公式会合が予定されているものの、イランやサウジアラビアが減
産に対していまだ後ろ向きな姿勢を示しており、今回も物別れに終わる可能性が高いとみられていることも失
望売りを誘っている。今後の行方は非公式会合の結果に左右されることになるだろう。
国際指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物相場は上値
世界原油需給は少
な く と も 2017 年 前
半まで供給過剰と
なる見込み
の重い値動きが続いており、足元では再び 1 バレル=43 ドル台まで値を落としてい
る。9/13 に国際エネルギー機関(IEA)が公表した 9 月の月報において、少なくとも
2017 年前半までは世界的に供給過剰の状態が続き、原油安が長期化する可能性が
あると予想されたことが市場参加者に嫌気され、相場の重しとなっているためだ。8 月
の月報では 2016 年内に需給は均衡に向かうと予想されていた。世界経済の先行き
不透明感が増して需要が弱まる一方、石油輸出国機構(OPEC)を中心に、産油国が
供給を押し上げていることが背景にある。なお、7 月には経済協力開発機構(OECD)
加盟国の原油在庫が過去最高を更新。2016 年の石油精製施設の処理量の伸び率
は過去 10 年で最低水準となる見込みであり、世界需給がバランスを取り戻すには時
間がかかるとみられている。
非商業筋のネットロングは 8 月下旬以降、縮小傾向にあり、強材料が不足していること
から、新規に買い拾う動きは依然として弱いままだ。
原油価格動向
W T I原油先物価格とドルインデックス
2016/8/29
期間
北海
ブレント
(週次:2014/1/3~2016/9/16)
120
前週比
2016/9/9
WTI
(1バレル=ドル)
~
~
2016/9/5
76
110
2016/9/2
WTI原油先物(左目盛)
78
ドルインデックス(右逆目盛)
80
始値
43.55
47.22
▲ 3.67
100
高値
47.75
47.49
0.26
90
84
86
82
安値
43.16
43.00
0.16
80
終値
45.88
44.44
1.44
70
始値
46.70
49.54
▲ 2.84
60
92
94
高値
50.14
49.76
0.38
50
安値
46.29
45.32
0.97
40
終値
48.01
46.83
1.18
30
88
90
96
98
100
20
(注)価格は 1 バレル=ドル
14/1
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
14/7
15/1
15/7
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
1
1
16/1
102
16/7 (年/月)
2016/9/20
原油価格週間動向
非公式会合の行方
が今後の焦点に
今後の注目材料は、何といっても主要産油国による非公式会合だろう。来週 26~28
日にかけてアルジェリアで開催される国際エネルギーフォーラム(IEF)に合わせ、ロシ
アを含む主要産油国が非公式会合を行うことが予定されている。会合では原油価格
の上昇に向け、増産の凍結や生産目標の設定等の対応策を協議するものとみら
れている。
ただし、依然としてイランやサウジアラビアが増産凍結に対して後ろ向きな姿勢を示し
ていることから、4 月のドーハ会合や 6 月の石油輸出国機構(OPEC)総会に引き続
き、今回も物別れに終わる可能性が高いとみられている。
なお、今回の非公式会合では、増産凍結ではなく、参加国の産油量が一定の上限を
超えないようにすることで合意する道筋も検討されるようだ。これはあくまでも選択肢の
1 つだが、イランなど増産凍結に反対している国々が増産計画を実行しながら合意に
参加するのを容認することで、これらの国々の抵抗をかわす方策の 1 つとなり、増産
凍結協議失敗の繰り返しを回避することが可能になると期待されている。
増産凍結の合意は産油国にとって焦眉の課題といえそうだ。
世界原油需給
(四半期:2015/3~2017/12)
(百万バレル/日)
99
米エ ネルギー省(DOE)
1 年先予想原油価格とWTI原油先物
(百万バレル/日)
3.5
98
3.0
97
2.5
96
(1バレル=ドル)
120
2.0
95
1.5
過不足(右目盛)
需要(左目盛)
94
1.0
0.5
92
15/9
16/3
16/9
17/3
17/9
40
110
30
100
20
90
10
80
0
70
▲ 10
60
▲ 20
▲ 30
②-① 差(右目盛)
40
93
(1バレル=ドル)
50
供給(左目盛)
15/3
(月次:2011/1~2017/9)
30
20
11/1
0.0
(年/月)
▲ 40
① DOE 1年先予想価格(左目盛)
▲ 50
② WTI原油先物(左目盛)
12/1
13/1
14/1
15/1
16/1
17/1
▲ 60
(年/月)
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
出所:IEA 月報、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
C FT C非商業筋建玉とWTI原油先物価格
OPEC 原油生産量
(百万バレル/日)
(週次:2014/7/1~2016/9/16)
(万枚)
33.5
(1バレル=ドル)
50
110
33.0
買残-売残(左目盛)
45
100
WTI原油先物(右目盛)
32.5
90
40
2016年
32.0
過去3年最多
31.5
80
35
70
30
60
過去3年平均
31.0
過去3年最少
30.5
50
25
30.0
40
20
29.5
30
15
29.0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12
(月)
14/7
14/10
15/1
15/4
15/7
15/10
16/1
16/4
16/7
20
(年/月)
(注)CFTC 非商業部門建玉は 9/13 現在
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2016/9/20
原油価格週間動向
■ エネルギー関連統計
日付
国・地域
9 月 21 日
9 月 21 日
9 月 21 日
9 月 21 日
9 月 21 日
9 月 21 日
9 月 21 日
9 月 21 日
9 月 23 日
9 月 23 日
9 月 23 日
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
イベント
米国原油在庫(前週比・千バレル)
オクラホマ州クッシング原油在庫(前週比・千バレル)
米国ガソリン在庫(前週比・千バレル)
米国中間留分在庫(前週比・千バレル)
米国製油所稼働率(前週比)
米国原油推定需要(千バレル/日)
米国ガソリン推定需要(千バレル/日)
米国留出燃料推定需要(千バレル/日)
ベーカー・ヒューズ掘削リグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国ガス・ロータリーリグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国石油ロータリーリグ稼働数
期間
前回
9 月 16 日
9 月 16 日
9 月 16 日
9 月 16 日
9 月 16 日
9 月 16 日
9 月 16 日
9 月 16 日
9 月 23 日
9 月 23 日
9 月 23 日
▲559
▲1,245
567
4,619
▲0.8%
16,635
9,959
4,413.1
506
89
416
■ 今週の経済指標
日付
国・地域
9 月 20 日
9 月 20 日
9 月 20 日
9 月 20 日
9 月 21 日
9 月 21 日
9 月 21 日
9 月 22 日
9 月 22 日
9 月 22 日
9 月 22 日
9 月 22 日
9 月 22 日
9 月 22 日
9 月 22 日
9 月 22 日
9 月 23 日
9 月 23 日
9 月 23 日
9 月 23 日
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
欧州
米国
米国
米国
米国
欧州
欧州
欧州
米国
イベント
住宅着工件数
住宅着工件数(前月比)
建設許可件数
住宅建設許可(前月比)
MBA 住宅ローン申請指数
FOMC 政策金利(上限)
FOMC 政策金利(下限)
シカゴ連銀全米活動指数
新規失業保険申請件数(千件)
失業保険継続受給者数(千件)
FHFA 住宅価格指数(前月比)
消費者信頼感
中古住宅販売件数
中古住宅販売件数(前月比)
先行指数
カンザスシティ連銀製造業活動
マークイット ユーロ圏製造業 PMI
マークイット ユーロ圏サービス業 PMI
マークイット ユーロ圏コンポジット PMI
マークイット米国製造業 PMI
期間
8月
8月
8月
8月
9 月 16 日
9 月 21 日
9 月 21 日
8月
9 月 17 日
9 月 10 日
7月
9 月 1 次速報
8月
8月
8月
9月
9 月 速報
9 月 速報
9 月 速報
9 月 速報
前回
1,211,000
2.1%
1,152,000
▲0.1%
4.2%
0.50%
0.25%
0.27
260
2,143
0.2%
▲8.5
5,390,000
▲3.2%
0.4%
▲4
51.7
52.8
52.9
52
(注)記載事項はすべて「予定」ないし「見込み」であり、予告なく変更されることがあります。海外イベントおよび経済指標は現地日程で掲載しています
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
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2016/9/20
金融商品取引法に係る重要事項
原油価格週間動向
■国内株式のリスク
リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投
資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。
■国内株式の手数料等諸費用について
○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負担いただ
きます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手
数料としてご負担いただきます。
○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
○保護預かり口座管理料は無料です。
■外国株式のリスク
○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含む)、国や地域
の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込むことがあり、損失を被るこ
とがあります。
○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与えることがあ
ります。
○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が当該証券の
高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。
○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売却してお客さ
まの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市場があっても当該証券の
流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生しても本邦投資家が取り扱いできないこ
とがあります。
○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商品取引法に基
づいた発行者開示は行われていません。
■外国株式の手数料等諸費用について
○外国委託取引
国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および諸費用の額
は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。詳細は当社の担当者まで
お問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金に対して最大 1.08%+2,700 円(税込
み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対
して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。
○国内店頭(仕切り)取引
お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別途手数料お
よび諸費用はかかりません。
○国内委託取引
当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負
担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を
委託手数料としてご負担いただきます。
○外国証券取引口座
外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券取引口座管理
料は無料です。
外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替
レートによるものとします。
商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書またはお客さま向け
資料等をよくお読みください。
商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 : MG5690-160920-23
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