藤野 英明 議員

藤野英明 議員
発 言 通 告 書
発言者氏名
藤野英明
発言の会議
平成28年 9月21日
発言の種類
質
疑、一般質問、緊急質問、討 論、その他
質疑等の方式
一
括、一問一答
答弁を求める者
市
長、上下水道局長、教育委員会委員長、
本会議
教育長
【件名及び発言の要旨】
1 改正自殺対策基本法における「市町村自殺対策計画」の策定義務
化を受けた本市の取り組みの必要性について
改正自殺対策基本法が本年4月1日に施行され、法第 13 条第2
項により市町村は「市町村自殺対策計画」の策定が義務化された。
6月8日に厚生労働省自殺対策推進室が開催した全国自殺対策主
管課長会議でも改めて法定計画であると言及され、第 14 条に定め
られた通り、策定した計画に基づいた事業や取り組みに交付金を交
付するとしている。これまでも国の脆弱な財政措置によって自治体
の自殺対策は左右されてきた。交付金確保の努力は、今後も本市の
事業実施の上で不可欠だ。したがって、本市も計画策定を始めるべ
きだ。そこで市長に伺う。
(1)
本市は、どのようなスケジュール、どのような体制で計画策
定に臨むのか。
本市の対策は、司令塔である自殺対策連絡会の構成メンバー
に示されるとおり、専門家や支援する側がメーンであり、広く
市民全体の声を聞いたり、その声を事業に反映する機会はほぼ
なかった。
街頭キャンペーンを初め、自殺に対する正しい知識(例えば、
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藤野英明 議員
法の基本理念に明記されている、自殺は追い込まれた末の死で
あり身勝手な死ではないことや自殺は個人の問題ではなく広く
社会的な要因があり社会的な取り組みが必要であることなど)
を普及啓発した結果、実際にその知識がどれだけ市民に広く浸
透しているか、その効果を測定したこともない。
「よこすか心のホットライン」の配布やゲートキーパー養成
研修によって、本市にはいざという時に頼れるたくさんの相談
窓口があることを周知しているが、そうした社会資源の存在が
どれだけ市民全体に浸透しているのか、アンケート調査をした
こともない。
そして、支援者側の視点ではなく市民の視点で、困った時に
相談しやすく頼りやすい相談のあり方や求める取り組みなども
本市は調査をしていない。そこで市長に伺う。
(2)
策定にあたっては、基礎資料の収集というより実効性の高い
計画とするために、自殺に関する知識の理解度を初め、本市の
取り組みや相談窓口の市民への浸透度や、市民の求める相談支
援のあり方などについて、市民への意識調査を実施すべきでは
ないか。
2 東日本大震災後5年が経過した今も、児童・生徒が毎日学び生活
する市立学校の敷地内に放射能汚染された側溝汚泥等の除染土が
埋設されたままの問題について
5年前の8月 25 日、教育委員会の通知に基づいて市立学校は放
射性物質が集まってたまりやすい側溝や雨どいなどの清掃を行っ
た。しかし処理方法の周知が十分でなかった上に、放射性物質に関
する研修の機会もなかった学校用務員の方々は、高い放射線量の側
溝汚泥等の除染土を校庭の隅やビオトープの中など児童・生徒が日
常的に接しうる場所に2カ月にわたって野ざらしにしてしまった。
2011 年 10 月 25 日、ねぎしかずこ議員の測定調査によって鶴久
保小学校の校庭で毎時 0.75 マイクロシーベルトが検出された。2
カ月間にわたり児童・生徒が被爆した可能性がある大問題が発覚し
た。すぐに市内全校で調査を行い、他校でも同様の事態が起こって
いたことが分かった。
教育委員会は初めての事態に対応すべく児童・生徒の安全対策を
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藤野英明 議員
議論し、当面は学校敷地内に埋設・覆土し、埋設地がはっきり分か
るよう注意喚起の目印をし、空間線量の測定を継続することで児
童・生徒の安全を守ることとし、10 月末から埋設をした。
しかし、児童・生徒が日常生活を送る学校敷地内に除染土が埋設
されている事実を前に、この安全対策では保護者や市民の方々に安
心は提供できなかった。保護者から複数回の請願が市議会に出され、
多くの議員がこの問題で質疑を行った。こうして教育委員会は学校
敷地内への埋設はあくまでも仮置きであり、状況が変われば学校の
敷地外へ移設することを約束した。
それから約5年にわたって私は市長、教育長、上下水道局長らに
移設を求めて質疑を重ねてきたが、移設はいまだ実現していない。
本年5月、横浜市で 8,000 ベクレルを超える指定廃棄物3トンが
小・中学校に放置されたままになっていることが明らかになり、連
日報道された。横浜市は8月 29 日、市立学校と市内の保育園に保
管されている指定廃棄物等を今年度中に鶴見区の北部汚泥資源化
センターに鉄筋コンクリート造の保管庫を建てて移転させること
を表明した。
この問題によって放射能汚染された汚泥が学校から移転するこ
とに関心が高まる中、去る9月2日、小室卓重議員の一般質問によ
って、現在本市では少なくとも 23 校で埋設場所を具体的に分かる
ように表示していない実態が明らかになった。当然この問題は大き
く報道され、さらに多くの保護者がこの問題に関心を持っている。
当時、児童・生徒を通わせていた保護者の方々に加え、今、小・中
学校に児童・生徒を通わせている保護者の方々もこの問題を知り、
本市に横浜市同様の解決を求めている。
私は、これは仮置きであり必ず移設をするという約束を約5年も
破ったままの本市の姿勢に憤りを覚える。安全に関する正確な努力
と情報を丁寧に発信し続けるとともに、安心を提供する最善の努力
を本市が行ってきたとはいえない。改めて安全と安心の2つの観点
から、本市のさらなる対応を求める。そこで、市長、上下水道局長、
教育委員会委員長、教育長に伺う。
(1)
安全を担保するために、成すべき取り組みを徹底するととも
に、正確な情報を市民の皆様に提供する必要性について
ア
横浜市で「指定廃棄物」の問題が大きく報じられているが、
本市の除染土も保護者や市民の方々には、同じ受け止められ方
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藤野英明 議員
をされてしまっている。そこで正確に答弁していただきたい。
放射性物質汚染対処特措法で定められた安全確保のための
基準によって 8,000 ベクレルを超える放射能濃度の廃棄物は
「指定廃棄物」と呼び、国の管理型処分場で特別な方法によっ
て処分されねばならない。
本市学校敷地内に埋設されている合計7トンの除染土は「指
定廃棄物」に該当するのか。それとも 8,000 ベクレル以下の「通
常の廃棄物」に該当するのか。
イ
小室議員の質問に対してベクレル測定はしていない旨の答
弁があった。人体への影響把握を最優先してシーベルト測定は
実施してきたが、確かにベクレル測定はしていない。
それにもかかわらず、今後の対応を問うた小室議員に対して、
学校敷地外に搬出すべく処理業者を探している旨の答弁が教
育長らから繰り返しなされた。その処分方法は 8,000 ベクレル
以下の「通常の廃棄物」としての処分にあたる。
しかし、ベクレル数を測定しておらず正確な値も分からない
のに、誰が、何の根拠をもって「通常の廃棄物」としての処分
方法を選んで決定したのか。
ウ
小室議員が学校敷地内への埋設場所が明示されていない 23
校についてただした際、教育長は「お知らせをすることによっ
て仮に不安をかき立てるとすればお知らせをしない方がいい
なという判断もあると思います」と学校側の対応を容認した。
しかし、それは 2011 年8月 26 日に原子力災害対策本部が発
表した「市町村による除染実施ガイドライン」に反している。
ガイドラインでは仮置き終了後の管理法として、覆土を掘り返
さないよう注意喚起を行う、適切な表示やロープでの囲いの設
置を行うよう求めている。また埋め立てた場所が不明にならな
いよう市町村に対して、土地の所有者に対する注意喚起をする
よう求めている。
このガイドラインが廃止されたと私は聞いていない。したが
って、教育長の答弁は無責任であり、さきの答弁は撤回すべき
ではないか。
エ
2016 年9月6日、除染土埋設校の学校長宛てに学校管理課長
名義で新たに出した通知「除染土埋設場所の表示について」で
は、埋設場所の表示をしていない学校に対して「表示方法等を
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藤野英明 議員
一緒に考えさせていただきますので学校管理課までご連絡く
ださるようお願いします」と記してある。
しかしガイドラインが有効である限り、除染土埋設全校に対
してガイドラインどおり適切な表示やロープでの囲いなど注
意喚起を徹底するよう教育長は指示すべきではないか。
オ
教育長らによる答弁では、学校敷地外への搬出のために処理
業者探しに連日取り組んでいるイメージを市民や市議会に与
えたが、それは事実ではない。
この問題の担当を学校管理課施設管理係と定めてこそいる
が、そもそも学校管理課には処理業者とのつながりはない。実
際にはインターネットで調べたり、資源循環部出身の職員が個
人的なつながりで資源循環部から情報を時々もらうだけなの
が実態だ。つまり教育委員会だけで引き取り先を探すのは現在
の体制では不可能だと判断せざるをえない。
市内外の処理業者と接点のある資源循環部が、担当係や担当
者を決めて定期的に情報収集と情報提供を行い、教育委員会が
積極的に処理業者と話し合いを持てるように仲介すべきでは
ないか。
カ
教育長に伺う。教育長の就任前(2013 年第4回定例会)は任
命権者である市長に対して、就任後(2014 年第1回定例会)
は教育長ご自身に対して、私は2度にわたって、学校敷地内に
仮置きとして埋設している除染土への対応をただした。それだ
け保護者の不安を解消するために早急に移設に取り組むべき
だと考えてきたからだ。
市長は、青木氏が教育長に就任すれば、処理が可能な事業者
を探していただける旨答弁し、教育長は同じ意見だと答弁した。
しかし、さきに述べたように処理業者探しに何のノウハウも
ない学校管理課に任せきりだったことについて、教育長は本当
に適切だったと言えるのか。市長部局や上下水道局にもっと積
極的な対応を要請すべきだったのではないか。
(2)
問題発覚から5年が経過したが、これまでの安全対策では市
民の不安を解消できなかった事実を謙虚に受け止めて、安心を
提供するために早急に学校敷地内から移設する必要性について
ア
上下水道局の下町浄化センターの状況が変化した事実が市
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藤野英明 議員
民に全く知られていない。
高い放射線量が検出されている下水焼却汚泥を保管してい
る下町浄化センターに学校の除染土を移してほしいという声
が5年前から多くの保護者によって上がっている。私も 2011
年第4回定例会から現在まで、市長、上下水道局長、教育長に
繰り返しその実行を求めて質問を行ってきた。
東京電力福島第一原発事故後、高濃度の放射能に汚染された
汚泥焼却灰をフレコンバッグに詰めた上で、濃度が高い順に下
町浄化センター消毒室、更に海上コンテナに入れて追浜浄化セ
ンター、下町浄化センターの敷地内の3カ所に保管してきた。
コンテナには 24 トン入るが、かつては敷地内に何段もコンテ
ナが積み重ねられ、重さで沈まないようアスファルト舗装も行
うほどの汚泥焼却灰の量だった。現在も下町浄化センター消毒
室に 46 トン、追浜浄化センターに 272 トンは保管されたまま
だ。
しかし、31 基のコンテナ(744 トン分)は現地に置かれては
いるが、すでにコンテナ内にあった放射能汚染された焼却灰は
全て搬出されている。この説明で間違いないか、上下水道局長
に伺う。
イ
教育委員会委員長に伺う。2015 年3月 11 日の予算決算常任
委員会生活環境分科会での私の質疑において、下町浄化センタ
ーのコンテナに保管されていた焼却灰はどんどん搬出されて
いるとの答弁が既になされている。教育委員会委員長はこうし
た情報をご承知だったか。もしご承知であれば、児童・生徒や
保護者に処理業者を見つけるまで不安を強いるような答弁は
なさらなかったのではないか。
ウ
教育長に伺う。教育委員会委員長への質問と同じく、下町浄
化センター敷地内のコンテナにもはや汚泥焼却灰がないとい
う事実をご承知だったか。
エ
上下水道局長に伺う。2012 年9月5日の教育福祉常任委員
会で、教育委員会が上下水道局との意見交換において除染土の
引き受けを打診したところ、上下水道局は以下のように答えた
と報告があった。「1日あたり約3トンの焼却灰が発生し、処
分できずに敷地内にふえ続けている状態である。今後も最終処
分方法も定まらず、焼却灰分の処分見通しが立たない現段階で
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藤野英明 議員
は受け入れるのは難しい」。
これは、焼却灰の処分見通しが立たなかった 2012 年当時は
受け入れられないという答弁であり、現在ではコンテナでの保
管はゼロと明らかに状況が変化した。児童・生徒と保護者の安
心のために、学校に仮置きとして埋設している除染土7トンを
下町浄化センターに移設すべきとの意見に対して、上下水道局
は教育委員会から再度協議の申し入れがあった場合、どのよう
に対応するのか。
オ
上下水道局長に伺う。下町浄化センター消毒室内の 46 トン
の汚泥焼却灰は遠くない時期にコンテナに移すと聞いている。
学校の除染土7トンを入れると合計3個のコンテナが必要と
なる。
このコンテナ3個の存在は、上下水道局のBCP(災害時の
事業継続計画)に致命的な影響を与えうるか。
カ
教育長に伺う。処理業者が全く見つからないままに5年が過
ぎ、下町浄化センターのコンテナに保管されていた汚泥焼却灰
はもう存在しないという明らかな状況の変化を受けて、上下水
道局と除染土の移設について再度交渉すべきではないか。
キ
市長に伺う。科学的見地に基づいて 30 センチ以上覆土すれ
ば 98%遮蔽できるところをさらに安全のために 50 センチの覆
土にしたことや、空間線量の定期的な測定値を保護者や市民の
皆様に提供し続けてきた5年間だったが、それでも学校敷地内
に除染土がある現状について、不安を拭うことはできなかった
とは考えないか。
ク
市長に伺う。教育委員会が処理業者を探すという手段だけで
はこの問題は解決できるとは思えない。市長は、科学的知見に
基づいた安全と市民が心で感じる安心の違いをずっと理解し
ておられた。教育委員会、上下水道局、市長部局と複数にまた
がる全てを把握し、決断できるのは市長しかいない。保護者と
市民の不安を解消していただきたい。学校現場の負担感を減ら
していただきたい。
そのためにも方針を変更し、まず「学校敷地内の除染土の下
町浄化センターへの移設」、次いで「将来的に処理業者を見つ
けて処分を依頼する」と決断すべきではないか。
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藤野英明 議員
3 「SOGI」に関する「住宅に関する意見募集」について
本市ホームページ中の「性的マイノリティ」のコーナーに本年9
月1日から新たに掲載された「住宅に関する意見募集」は、画期的
な取り組みだが、残念ながら現在の文章では抽象的すぎる。文面は
「住宅を借りる場合などにおいて、性的マイノリティであることに
よって生じていると考えられる事例等についてご意見を募集しま
す。お寄せいただいた声を施策に反映するよう努めます。募集期
間:平成 28 年9月1日~平成 28 年 12 月 31 日」というものだ。
これまでの議会での質疑やいわゆる性的マイノリティとされる
当事者の方々と本市の意見交換会でのやりとりを知っておられる
方々であれば、同性カップルや同性パートナーが大家や不動産店に
住宅を貸してもらえなかった体験や同性パートナーでは公営住宅
に入居できない現状などが浮かぶだろう。
しかし、こうした本市の動きをご存じでない方は、これを読んで
もどのような事例や意見を書けばよいのか分からないのではない
か。
(1)
本市がどのような目的で意見募集をしており、どのような事
例が挙げられることを意図しているのか、より具体的に文章を
変更すべきではないか。
(2)
残念ながら本市が「住宅に関する意見募集」をしていること
を知っている方は、極めて少ない。そこで、意見募集をしてい
る事実を今後いかにして広報していくのか。
「広報よこすか」で
の周知を初め、さらなる広報が必要ではないか。
(3)
集まった意見はどのような場でどのように活用していくのか。
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