Article of Newsweek US

Article of Newsweek U.S.
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「オリンピックに関連して
多くのホテルなど(商業施設・
物流施設、インフラ整備)
が建設される予定なので、
そのような事業に携わって
いきたい。」
大本 万平
大本組代表取締役社長
現在の日本経済の低成長と低金
この日本の都市再構築へのアプロー
利、そして膨れ上がった資産価格が
チは「スクラップ・アンド・ビルド」として
巨大な幻想を産み出した 20 年間の
知られており、そのパラダイム(在り
デフレから脱却しようとしている国だ
方)において 「 (より優れた建築へ建
ということを考えれば、なおさらその
て替えすることの)潜在的な好機を得
数字は良い兆候といえる。
られる」と主張するのは、
バブルは 1991 年の後半に弾けた
2015 年に創業以来の最高益を創出
が、1988 年に大阪の土地価格が急
し、創業 108 年を超える建設企業、
上昇し、東京では 122%も値上がりし
大 本 組 の 代 表 取 締 役 大本 万 平 氏
ていた。二年後に日本の6大都市の
だ。
全体でその価格は大幅に落ち込み、
「 他の国々と比較して日本には大き
その後、回復が非常に難しい「失わ
く、そして美しい建造物や緑地等は
れた 10 年」と呼ばれる時代に入っ
大変多いとは言えません。現在の美
た。
しいパリの街は主にナポレオン三世
経営が厳しくなった幾つかの銀行
の構想のもと改良された結果と聞い
などの引き締めを一因として、GDP
ています。
は徐々に減少した。 東京の眺望が
美しい(災害に強い)街づくりは、街
変化している間も、日本銀行は公的
を活性化し、魅力を向上させることが
資金を金融システムに流し込み、そ
でき、その結果として経済に貢献でき
してその流動性資金の内のいくらか
ると思っています。」
が不動産資産の取得に充てられたと
「ヨーロッパの多くの企業は目先の利
いえるだろう。
益を追い求めるのではなく、長期的
高度経済成長期からその間に建
なビジョンを持っています。そして我
てられたオフィス街やショッピングセ
が社もそのような企業でありたいと思
ンターなどが、使われなくなったか、
います。また堅実・謙虚さを忘れるこ
新 しい 建築物に 取って代わ られる
となく、同時に新しいことにも果敢に
か、もしくは取り壊されている。
挑戦していく企業でありたいとも思い
なぜこのようなことが今起こってい
ます。」と大本氏は言う。
るのだろうか。不景気が続く何十年も
商業用建築は、しばらくの間、
の間、日本人は、資金を貯蓄に回し
需要が高まる方向だ。東京におけ
続け、使うことをためらった。複数の
る主要な建築物の空室率は 2016 年
企業は資本的支出を避けていたの
ではたった 2%、賃貸物件からの収
である。1970 年代から 1990 年代に建
入は、1990 年初頭以来最大の利益
てられたいくつかの某大手企業の本
を記録して、前年とほぼ同じ数字
社は、より優れた建築への建替が決
だが、さらに超えた。
定しているようである。
※ Newsweek U.S. より抜粋