兵 庫 県 政 に 対 す る 要 望 書 西 宮 市

平 成 29 年 度
兵
対
庫
す
県
る
政
要
望
平成 28 年9月
西
宮
市
に
書
《目
次》
は新規分
1.地方自治体による街頭防犯カメラ設置に係る財政支援について······························· 1
2.災害援護資金貸付金の償還履行期限の延長、償還免除要件の拡大及び償還事務
にかかる国庫補助金の制度化について····························································· 1
3.名神湾岸連絡線の計画段階評価の推進について ················································ 2
4.一般国道 176 号「名塩道路」の整備について······················································ 2
5.一般県道生瀬門戸荘線「宝生ヶ丘地区」の整備について ······································· 3
6.社会資本整備総合交付金の確保及び拡充について············································· 3
7.砂防事業等土砂災害対策事業の促進について··················································· 4
8.二級河川武庫川治水事業の促進及び西宮南部地域の総合的な治水対策の促進
並びに南海トラフ巨大地震に備えた海岸保全施設の安全性向上について·················· 4
9.栄養教諭の定数配置の拡充について ······························································· 5
10. 特別な配慮を要する児童・生徒の支援に係る教職員などの配置について ················· 6
1.地方自治体による街頭防犯カメラ設置に係る財政支援について
(課題)
防犯カメラは、設置を明示することによって犯罪に対する抑止効果があるほか、犯人の
早期検挙や連続犯罪の防止にも非常に有効です。しかし、防犯カメラの設置に伴う初期費
用や管理・運用のための費用など多くの負担が必要であり、設置の阻害要因となっており
ます。
(要望)
地方自治体が、犯罪多発地域や公園周辺などの公共空間に向けて防犯カメラを設置(機
器の入れ替え含む)する際の補助制度を創設していただくよう要望いたします。
2.災害援護資金貸付金の償還履行期限の延長、償還免除要件の拡大及び償還事務にかか
る国庫補助金の制度化について
(課題)
阪神・淡路大震災に伴う災害援護資金の県への償還履行期限は、当初、平成 18 年度とな
っていましたが、「災害弔慰金の支給等に関する法律施行令」の改正等により平成 29 年度
まで延長が認められました。
しかしながら、借受人の経済的問題や高齢化、死亡・破産・行方不明などで回収が不可
能又は困難な未償還金が残されており、被災市町が立て替えて返済することは、厳しい財
政状況から、この負担は極めて大きいものとなります。
免除対象者には、平成 27 年4月 22 日付内閣府通知により、破産免責者や低所得者が新
たに加えられましたが、当方の責任の及ばない接触不可能な行方不明者や、月に僅かな償
還しかできず完済まで長大な期間を要する少額償還者に対する配慮がなされておりません。
また、災害援護資金の償還に関する事務が内閣府に移管されたことで、今まで国庫補助
対象であった償還指導事務が市町単費となり、
県からの補助があるものの少額であるため、
被災市町の財政を圧迫する要因となっております。
(要望)
(1)償還期限の延長
経済的に困窮する少額償還者や行方不明者等、回収不可能あるいは回収困難な未償還
金が残ることが見込まれるため、償還期限の延長を要望いたします。
(2)償還免除要件の拡大
接触不可能な行方不明者や、月に僅かな償還しかできず完済まで長大な期間を要する
少額償還者についても償還免除の対象に加えることを要望いたします。
(3)市の償還指導事業に対する国庫補助金の交付
被災市町が被災住民の生活再建のために貸し付けた災害援護資金貸付金の償還指導事
務にかかる経費について国庫補助対象事業として取り扱うよう要望いたします。
-1-
3.名神湾岸連絡線の計画段階評価の推進について
(課題)
名神湾岸連絡線は、神戸・阪神地域の慢性的な交通渋滞の解消や国道 43 号沿道の環境改
善を図るとともに、物流ネットワークの強化や災害時のリダンダンシーの確保に資する重
要な道路であり、本市としても、臨海地域の交通課題の解決や生活環境の改善のための必
要な道路として期待しており、引き続き地元との調整等において協力・支援を行っていく
考えです。
(要望)
国により手続きが進められております計画段階評価については、
平成 26 年7月に第1回、
平成 27 年 10 月に第2回の地域の意見聴取が実施されておりますが、平成 25 年8月の手続
き着手から約3年が経過し、手続きの長期化が課題であると認識しております。
手続きの進捗状況や具体の道路計画に関する問合せも多くあることから、住民や事業所
など地域関係者に対して進捗状況を明らかにした上で、早期に計画段階評価を完了してい
ただくよう国への働きかけをお願いいたします。
また、計画段階評価完了後、円滑に都市計画手続きを進めるため、ルート・構造の検討
の際には、地域関係者へのきめ細かな情報提供や丁寧な説明により、地域の意向が道路計
画に反映されるようご協力いただくとともに、環境や景観に対する影響を詳細に把握し、
十分な対策が実施されるようお願いいたします。
4.一般国道 176 号「名塩道路」の整備について
(課題)
一般国道 176 号「名塩道路(計画延長 10.6 ㎞)
」は、国土交通省の直轄事業として、交
通渋滞の解消や安全確保等を目的に整備が進められており、平成 27 年7月には『名塩地区
1.4 ㎞』が開通し、約 65%にあたる 6.9 ㎞が供用されています。
今後は、異常気象時通行規制区間を含む『生瀬地区』をはじめとし、
『東久保地区』等、
全線の早期完成が望まれております。
(要望)
『異常気象時通行規制区間』である生瀬工区の早期完成及び東久保工区の事業促進並び
に未整備区間に於ける事業の見通しの公表を要望いたします。
-2-
5.一般県道生瀬門戸荘線「宝生ヶ丘地区」の整備について
(課題)
現在、本路線「宝生ヶ丘地区」は、国道 176 号⇔宝塚南口方面間の迂回ルートとして多
く利用されておりますが、道路幅員の狭小区間があり、車両の離合が困難な上、充分な歩
道幅が確保されておりません。
こうしたことから、当該区間の早期の整備が強く望まれております。
(要望)
本路線は、兵庫県阪神南県民センターに於いて策定された「阪神南地域社会基盤整備プ
ログラム(平成 26~35 年度)」により、前期着手(H26~H30)箇所と位置付けられており
ます。
沿道地域の安全や円滑な交通確保を図るため、当該区間の道路拡幅・歩道整備について
早期に実施いただきますよう引続き要望いたします。
6.社会資本整備総合交付金の確保及び拡充について
(課題)
市が所管する道路・公園施設等は年々老朽化が進み、特に 1970 年代に集中して建設・整
備された施設が、一斉に対策が必要な状況となっております。
しかしながら、近年の社会資本整備総合交付金の交付額は、要望額に対し、十分な国費
が配分されておらず、
円滑な事業実施のためには、事業費の確保が課題となっております。
(要望)
西宮市では、社会資本整備総合交付金により、防災事業や交通安全対策事業、橋梁修繕
事業などを実施しております。
これらの事業は、市民が安心して暮らせる安全なまちづくりに必要不可欠であり、継続
的に安定した事業費の確保を必要としておりますので、国費の十分な配分を要望いたしま
す。
また、公共施設の老朽化対策について、国庫補助適用対象の拡大並びに起債に対する財
政措置の拡充など、財政支援を要望いたします。
-3-
7.砂防事業等土砂災害対策事業の促進について
(課題)
近年、全国各地で甚大な土砂災害が発生しており、本県でも平成 26 年8月の台風 11 号
豪雨では、本市を含む六甲山地全域において約 270 箇所で斜面の崩壊が発生し、昨年7月
の台風 11 号豪雨でも、道路法面の崩壊など多くの被害が発生しました。
本市は、六甲山系と瀬戸内海に挟まれた狭い区域に、人口の密集した市街地が連担して
おり、主要交通網や重要施設も多く、ひとたび土砂災害が発生すればきわめて重大な被害
となるため、さらなる事業の促進が不可欠です。しかしながら、受益や現場状況によって
は、採択されないケースも見られ、柔軟な採択が望まれます。
(要望)
平成 26 年の豪雨災害を踏まえ、
「第2次山地防災・土砂災害対策5箇年計画」が拡充さ
れたことから、
事業実施判断基準の柔軟な採択と本市域での事業の促進を要望いたします。
8.二級河川武庫川治水事業の促進及び西宮南部地域の総合的な治水対策の促進並びに南
海トラフ巨大地震に備えた海岸保全施設の安全性向上について
(課題)
阪神間の市街地を貫流する武庫川は、沿川住民にとって利水面及び環境面において重要
な役割を果たしていますが、治水に関しては大きな不安要因があります。
昭和 58 年9月の台風と秋雨前線による被害を契機に、県においては昭和 62 年度より河
道整備に取り組まれていますが、平成 11 年6月の集中豪雨及び平成 16 年 10 月の台風では、
護岸崩壊等、甚大な被害が発生し、一部地域に避難指示が出されるなど、大雨や台風時の
住民の不安は増大しており、早急な治水対策が必要となっています。
また、津門川をはじめとする西宮南部を流れる他の二級河川において、治水安全度向上
への早期対策に加え、総合的な治水対策の促進が喫緊の課題となっています。
本市の臨海部では、新川・東川の両排水機場の老朽化が著しく、安全性に不安がありま
す。また、設置されている防潮門扉は総数が 47 箇所と多いために、非常時には一部の門扉
が閉鎖できない可能性も指摘されており、県による南海トラフ巨大地震の浸水想定区域図
や被害想定が公表された状況から、多くの不安を抱く地域住民より、海岸保全施設の安全
対策を一層強化するよう求められています。
(要望)
(1)武庫川水系河川整備計画に基づく治水対策事業を着実に進めていただき、更なる治
水安全度の向上を要望いたします。
(2)西宮南部地域については、特に、整備水準が低い津門川の地下貯留管整備が、社会
基盤整備プログラムに位置付けられたことから、早期の事業化を要望いたします。
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(3)今後、発生が危惧されている南海トラフ巨大地震の津波災害に対する市民の安全と
安心を確保するため、
津波防災インフラ整備計画で予定されている防潮堤の沈下対策、
新川・東川統合水門・排水機場の整備、防潮門扉の遠隔操作化のほか、関連事業とし
て検討されている馬の背(山なりのスロープ)の整備とともに、海岸保全施設の安全
をより一層強化していただきますよう要望いたします。
あわせて、市民に対して津波防災に関する事業の周知を継続して行っていただくと
ともに、県が進める津波対策に関する最新情報の提供を要望いたします。
9.栄養教諭の定数配置の拡充について
(課題)
小学校及び中学校の県費負担栄養教諭の配置基準は、児童生徒数が 550 人以上の単独調
理場に1人、549 人以下の単独調理場うち4分の1に1人となっており、現状では、一部
の栄養教諭等に、未配置校から食育や栄養指導相談、アレルギー対応に係る相談、給食試
食会への講師等依頼があり、これらの対応により十分に所属校での責務が担えない状況も
生じてきています。また、食育の推進において栄養教諭配置校と未配置校との学校間格差
が生じる結果となり、その解消が必要です。
さらに、学校におけるアレルギー対応の充実のためには、効果的な給食管理の在り方な
ど、栄養教諭と養護教諭が連携し、その専門性を活かし校内体制を構築する必要がありま
す。栄養教諭未配置校では、養護教諭や食育担当教諭がその責務を担うなど、業務過重と
なっている学校もあり、その対策も喫緊の課題です。
(要望)
食育のより一層の推進及び学校における食物アレルギー対応の充実のため、栄養教諭が
全校に配置されるよう義務標準法における栄養教諭の定数拡充を要望いたします。
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10.特別な配慮を要する児童・生徒の支援に係る教職員などの配置について
(課題)
本市の小・中学校には、肢体不自由、知的障害、自閉症・情緒障害等の障害のある児童
生徒や LD(発達障害)・ADHD(注意欠陥/多動性障害)等、発達障害の児童生徒が年々増
加している傾向にあります。
市立の特別支援学校には、たんの吸引、経管栄養や導尿等、教員では対応できない医療
的ケアを必要とする児童生徒も在籍しています。また、今年度は地域の小学校に医療的ケ
アの必要な児童が1名入学しました。来年度以降も地域の小学校に就学を希望する医療的
ケアの必要な児童がおり、その対応に苦慮しているところです。
障害の重度・重複化、多様化に対応し、適切な指導や支援を行うためには、加配教員や
専門職員の配置の増員が必要です。
(要望)
通常の学級に在籍している LD、ADHD 等の児童生徒への校内支援体制を確立するため、加
配教員による専任の特別支援教育コーディネーターの配置を強く要望いたします。また、
通級による指導や巡回による指導を行う教員(学校生活支援教員)についても、増員配置
できるよう強く要望いたします。
医療的ケアの必要な児童生徒に対しては、市立の特別支援学校や小・中学校についても、
県立特別支援学校に準じて看護師を非常勤職員として派遣するなど、措置を講じていただ
きますよう強く要望いたします。
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