1 - 国民生活センター

9
ウェブ版
NO.50(2016)
高齢者見守りネットワーク構築の取り組み
特集
特集1 見守りネットワーク構築の現状と課題
特集2 消費者センターと地域包括支援センターとの連携
特集 高齢者が主体となった、老人クラブの高齢消費者被害防止活動
特集 地域における消費者被害の防止に向けた地域包括支援センターの役割と機能
特集 ,&7 を活用した孤立防止と生活支援型コミュニティづくり
-岩手県における産学官連携によるアクションリサーチ-
目次
消費者問題アラカルト 改正特定商取引法の概要とポイント
分譲マンションに住まう マンションにおける管理とトラブル-標準管理規約等について-
環境志向の消費生活考 海洋プラスチック汚染への対策や取り組み
事例で学ぶ消費生活相談の関連法規 布団の訪問販売
New
海外ニュース <イギリス>EU離脱、消費者の心配
<アメリカ>手指消毒剤の安全性データを企業に追加要請
<ドイツ>国旗ペイントグッズから有害物質検出
<オーストリア>養殖魚もひとまず安心
消費者運動 昔・今・これから 消費者運動の歴史(戦後~ 年代)
消費者教育実践事例集 学生と県民が一緒に学ぶ
-大学と県の連携による消費生活講座-
金融商品の基礎講座 株式()
苦情相談 「定期購入が条件」である旨が分かりにくい健康食品の通信販売業者 暮らしの法律 4$ 戸籍上の氏名は変えられる?
暮らしの判例 行政書士の業務と弁護士法違反
誌上法学講座 著作権法を知ろう―著作権法入門・基礎力養成講座 著作者と著作権者()
特集
高齢者見守りネットワーク
構築の
1
特集
り
見守りネットワーク構築の
現状と課題
日本弁護士連合会消費者問題対策委員会 事、内 府消費者委員会委員、 済産業 産業構
議会割 販売小委員会委員、適格消費者団体埼玉消費者被害をなくす会理事 、国民生活センター
員講師、明治大学法 大学院 常 講師など。 書に 条解 消費者三法(
)ほか。
2006 年度が 23.1%であったのに対し、2015 年
高齢者の消費者被害増大
度は34.3%と約1.5倍に増大しています
(図2)
。
高齢者の消費者被害をいかに防止するかは、今
消費生活相談件数は、最近 10 年間の推移をみ
日の消費者政策にとって極めて重要な課題です。
ると、ほぼ横ばいか若干減少しているようにみ
えます。しかし、過去 30 年間の推移をみると
10 倍以上に上昇し高止まりしています。消費者
地方消費者行政のこれまでの展開
庁が 2009 年に創設され、国と地方自治体による
悪質業者の行政処分や消費者への啓発活動が強
消費者庁創設以来、地方自治体の消費者行政
化されたにもかかわらず、消費者被害は減少す
を活性化する取り組みとして、第一に、都道府
るようすがありません
(図1)。
県・市区町村に消費生活センターを整備すること
とりわけ、60 歳以上の高齢者の相談の割合が、
を推進してきました。消費者庁の
「地方消費者行
件数
(万件)
192.0
200
架空請求
180
160
140
48.3
120
100
80
60
40
23.4 27.4
16.6 16.5 17.1 19.1 21.8
20 8.9 13.3 15.2 15.2
0
架空請求以外
151.0 67.6
65.6
54.7 1.7
41.5 46.7 1.5
35.1 40.1
87.4
7.6
130.4
26.7 111.3105.1
94.0 96.0
17.8 12.5 95.1 90.2 89.7 88.4
86.1 3.9 6.8 92.6
9.9 6.1 2.3 2.1
8.1
4.2
(年度)
1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
図1 消費生活相談の年度別件数の推移
PIO―NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)
より
PIO―NET とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積している
データベースのこと。データは 2016 年5月末日までの登録分。2015 年度は消費生活センター等からの経由相談は含まれない。
2016.9
1
特集
高齢者見守りネットワーク構築の
見守り
特集
政強化作戦」
(2015 年3月 )
ー
の
と課題
(年度)
は、「政策目標2-1」とし
2006
て、人口5万人以上の全市
1
2007
1
町に消費生活センターを設
2008
置することを掲げていると
2009
1 1
ころ、2015年の現状は対象
2010
1
自治体 558市区町のうち469
2011
市区町に設置
(16%未達成)
2012
という状況です*1。
2013
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1 1
1
ターに寄せられた苦情相談
2015
1
1 1
1
1
の情報・交渉力の格差を踏
まえて、適切に解決を図る
20
20
20
40
30
1
1
1
11
1
1
1
50
11
1
60
40
1
1
2014
0
1
1
1
1
1
1
1
1
1 1
1
11
1
1
1 1
1
1
1
1
11
1
1
1
1
1
1
第 二 に、 消 費 生 活 セ ン
を、消費者と事業者との間
り
80
60
100( )
70 以
図2 年度別にみた契約当事者年代別割合
(データは図 1 と同じ)
ため、あっせん処理能力を
向上させることが課題になっています。相談件
改正消費者安全法と
「消費者安全確保地域協議会」
数に対するあっせん率を向上させること、消費
生活相談員の研修参加率を向上させること、消
費生活相談員の雇止めを抑止することなど、引
改正消費者安全法
(2014 年6月公布、2016 年
き続き取り組むべき多くの課題があります。
4月1日施行、
以下、
改正法または法とする)は、
第三に、消費生活センターに寄せられた苦情
地方消費者行政の充実強化に向けた法制度の基
相談情報を活用して、悪質業者の取り締まりや
盤整備を行いました。
消費者への啓発により消費者被害を未然防止す
改正法は、消費生活センターの組織・運営等
ることが、消費者行政本来の役割です。消費者
について条例に規定すること
(法 10 条の2)
に伴
向けの啓発活動は、自治体の広報誌の配布や住
い、消費生活相談員の雇止めの見直しその他人
民が集まる場所への出前講座の開催など、各自
材・処遇の確保を図ること、消費生活相談員の
治体でそれなりに取り組んできたところです。
国家資格化を導入すること
(法 10 条の3)
によっ
しかし、消費生活センターや消費者行政部門
て、地方における消費生活相談員をめざす人材
から地域住民に直接情報を発信するといっても
を確保すること、都道府県が市町村の消費生活
限りがあります。よりきめ細かく地域住民に情
相談業務の質の向上のため必要な助言、協力、援
報を届け、被害を早期発見するには、自治体内
助を行うこと
(法8条1項1号)
など、地方消費
の関連部署や地域の民間関係団体の協力を得て
者行政の充実強化に関する重要な規定をいくつ
「地域連携」による被害防止対策を展開すること
も設けました。
が次のステップです。
その中でも注目すべき改正事項として、
「消費
者安全確保地域協議会」
の設置
(法11条の3~ 11
条の6)
が挙げられます。
「消費者行政」
の強化か
* 1 消費者庁
「地方消費者行政強化作戦」
の進捗状況
(2015 年 12 月)
h tt p : / / www. ca a . g o . j p / p o l i c i e s / p o l i c y / l o ca l _
cooperation/local_consumer_administration/pdf/
tihou_kyoka_kekka.pdf
ら、
地域の官民連携による消費者被害防止へと、
消費者政策の展開が新たな段階に進むことをめ
2016.9
2
特集
高齢者見守りネットワーク構築の
特集
見守り
ー
ざすものです。
の
り
と課題
関係事業者、防犯協会、生協、宅配事業者、自治
もっとも、消費者庁に問い合わせたところ、
会連合会などが想定されます。狭義の高齢者福
改正法が施行された 2016 年4月1日時点で、消
祉の関係機関にとどまらず、高齢者と日頃接す
費者安全確保地域協議会
(以下、地域協議会)
を
る民間関係事業者を含めた地域ネットワークを
設置済みと回答した自治体がわずか 10 団体、設
構築している自治体においては、消費生活セン
置を計画中と回答した自治体がわずか 35 団体と
ターがこれに参画することにより、見守り関係
のことです。改正法公布から約2年間の準備期
者に消費者問題の最新情報を提供し、高齢者に
間があったにもかかわらず、自治体の動きがあ
対する啓発や被害の発見に協力してもらう官民
まりにも少ないというほかありません。
連携の基盤を作ることができます。
そこで以下では、地域協議会を設置すること
改正法 11 条の7は、これらの民間関係団体・
の意義を再確認するとともに、地域協議会を設
個人を、消費生活協力団体・協力員として委嘱
置済みと回答した自治体のいくつかを紹介しつ
することができる旨規定しています。これによ
つ、高齢者の消費者被害防止に向けた見守り
り、高齢者見守りネットワークの構成員に消費
ネットワークの構築について課題を検討します。
者被害防止を活動目的として自覚してもらう意
義があります。
そして改正法11条の4は、消費生活協力団体・
消費者安全確保地域協議会
設置の意義
協力員を地域協議会の構成員に加えることによ
り、協議会と構成員が相互に
「消費生活上特に配
慮を要する消費者」に関する情報の提供その他
改正法 11 条の3第1項は、消費者の利益の擁
護および増進に関連する分野の事務に従事する
の協力を求めることができると規定しています。
地方自治体の関係機関が、その地域における消
民間団体・事業者等との情報交換は、個人情報
費者安全の確保のための取り組みを効果的かつ
保護法 23 条に基づく個人情報の第三者提供の制
円滑に行うため、地域協議会を組織することが
限があるため、個別消費者の被害情報の交換が
できる、と規定しています。地域協議会の中核
制約されるという懸念がありました。
改正法は、
となる構成員としては、消費者行政部署、消費
消費生活協力団体・協力員に守秘義務を規定す
生活センター、高齢者福祉部署、地域包括支援
る
(法 11 条の8)
とともに、個人情報保護法の第
センター、社会福祉協議会、警察署、消防署な
三者提供制限の例外規定を設けて、被害防止の
ど、消費者被害防止に関連する関係機関が想定
実効性を確保しようとしたのです。地域協議会
されています。地域協議会の設置は、消費者被
を組織し運営することの具体的な実益がここに
害防止を自治体内の組織横断的な取り組みとし
あります。
て位置づける意義があります。
改正法 11 条の3第2項は、地域協議会の組織
消費者安全確保地域協議会の
設置事例
に当たり、病院、教育機関、消費生活協力団体
または消費生活協力員その他の関係者を構成員
として加えることができる、
と規定しています。
2016 年4月時点で地域協議会を設置済みと
例えば、高齢者見守り活動に関連し得る民間関
回答した 10 自治体*2について、実情を簡単に
係団体としては、医師会、郵便局、金融機関、弁
紹介しましょう。
護士会、司法書士会、電気・ガス・水道等の検針
*2 本稿における自治体人口数はすべて、2015 年国勢調査に基づく
2016.9
3
特集
高齢者見守りネットワーク構築の
特集
見守り
ー
の
り
と課題
関係機関、金融機関、警察署、自主講座受講者
⑴ 高齢者福祉部署等との連携
などを構成員として
「消費生活地域協議会」を設
東京都多摩市 ( 人口 146,627 人 )、埼玉県吉川
市 ( 人口 69,759 人 )、埼玉県日高市 ( 人口 56,521
置し、
これを地域協議会として位置づけました。
人 )、埼玉県行田市 ( 人口 82,142 人 )、埼玉県小
北海道 ( 人口 5,383,579 人 ) は、以前から消費
鹿野町 ( 人口 12,105 人 ) は、以前から高齢者福
生活センターが事務局となって
「地域消費者被
祉部署が事務局となって、高齢者・要援護者見
害防止ネットワーク」
を設置し、かつ道内の市町
守りネットワークを組織していたところに、消
村に地域ネットワークを設置することをめざし
費生活センターも参画して、見守り関係者に消
て
「設置促進員」
を配置して働きかけてきました。
費者被害情報を提供し、被害の未然防止の啓発
その結果、道内の市町村では、2016 年 7 月初め
活動に協力してもらう取り組みがあったので、
までに、22 市、35 町、1村、1振興局、1警察
これを地域協議会として位置づけました。
署で地域ネットワークを設置しています。北海
高齢者福祉部署の見守りネットワークと消費
道が 2016 年 4 月に地域ネットワークを地域協議
生活センターとの連携を図る取り組みは、既に
会として位置づけたほか、5 月以降に地域ネッ
各地で広がりつつあるところであり、これを地
トワークを設置した江別市と豊浦町は地域協議
域協議会として位置づけることにより活動の充
会の位置づけも同時に行いました。
実を図ることは、今後各自治体でも実現可能な
選択肢であると思われます。構成員はさまざま
ですが、狭義の見守り関係機関にとどまらず、
広範な民間関係団体・事業者を加えている例が
高齢者見守り関係者と
消費生活センターとの連携の課題
各自治体の高齢者福祉部署では、認知症高齢
多くあります。
はいかい
大阪府八尾市(人口 268,562 人)は、危機管理
者の徘徊問題や一人暮らし世帯の孤独死問題を
課が事務局となって、以前から「地域安全推進
背景に、日常的に高齢者に接する関係機関・関
会議」を設置し、これに消費生活センターも参
係者による見守りネットワークを組織する取り
画していたところ、これを地域協議会として位
組みが広がっています。高齢者の生活や健康に
置づけました。
ついて異常を察知したときは、地域包括支援セ
⑵ 消費者行政部署による組織
ンターや自治体の福祉部門等に情報提供すると
いうしくみです。
仙台市(人口1,082,185人)は、
2006年から
「消
費者の安全を守る連絡協議会」を設置し、消費
消費生活センターがこうした高齢者見守りネッ
生活センターが事務局となって消費者被害防止
トワークと連携するに当たり、いくつか留意点
の活動を継続してきたところ、これを地域協議
を指摘しておきます。
会として位置づけました。
⑴ 消費者被害の重要性を伝える
千葉県富里市 ( 人口 49,656 人 ) は、地域の関
福祉部門の高齢者見守り関係者の意識として
係団体との連携を進めてきた基盤を活用して、
は、生命や健康にかかわる異常事態の発見と通
消費生活センターが事務局となって
「消費者行
報が最優先課題であり、多忙を極めるなかで財
政推進連絡協議会」を設置し、地域協議会とし
産被害は自己責任の分野でもあるし相対的に重
て位置づけました。
要性が低く見られがちです。しかも、生命や健康
徳島県板野町(人口13,369人)は、
2015年10月、
消費生活相談所が事務局となって、高齢者福祉
に関する異常事態は、ある程度は外形的な変化
を発見することが可能であるのに対し、消費者
2016.9
4
特集
高齢者見守りネットワーク構築の
特集
見守り
ー
被害は購入商品が見えないと外形的な変化を発
の
り
と課題
を作りやすいものです。
見することは困難であり、高齢者自身にとって
例えば、最近の悪質商法の手口を紹介するチ
も知られたくないこととして隠す傾向もあるた
ラシや消費生活センターの電話番号を記載した
め、
第三者が発見することは容易ではありません。
「訪問販売お断りステッカー」
を見守り関係者に
そこで、消費者被害の具体的事例を見守り関
一定部数配布することにより、高齢者に接する
係者に紹介するに当たり、単なる財産被害の件
機会に一言話題を添えてこれらを手渡してもら
数や金額にとどまらず、老後の生活資金を喪失
うことができますし、被害防止の有効な手立て
することによるダメージが大きいことや、詐欺
になると考えられます。
行為は人格否定による精神的なダメージも大き
知らない訪問販売業者が訪ねてきたときは、
いなど、高齢者にとって深刻な被害をもたらす
入り口で断ることが賢明であるし、断ってもさ
虐待行為であることを理解してもらうことが大
らに勧誘を続ける行為は現行法でも違法とされ
切です。
ていることは
(特定商取引法3条の2)
、必ずし
⑵ 消費生活センターの役割を伝える
も知られていません。被害の未然防止につなが
る啓発グッズを工夫することが求められます。
同時に、見守り関係者に消費生活センターが
果たしている役割を正しく認識してもらうこと
⑷ 地域サポーターの養成と連携
が重要です。消費生活センターは、消費者問題の
高齢者見守りネットワークの活動を充実させ
専門家として資格を有する消費生活相談員が配
るためには、福祉関係者や民間事業者など本業
置され、消費者トラブルの相談を受け付けたと
で多忙な関係者だけに頼るのではなく、消費者
きは、トラブルの解決方法
(例えばクーリング・
問題を積極的に学び主体的に伝える活動を担う
オフの仕方など)を相談者に助言するだけでな
消費者市民として、消費生活サポーター・消費
く、相談者だけでは適切な対処が難しいと思わ
者被害防止サポーターを育成し連携することが
れるときは、消費生活センターから相手方事業
重要です。
者に直接電話をかけて解決に向けたあっせん交
2015年4月現在、28の都道府県、103の市区町
渉を行い、トラブルの解決まで見届ける対応も
村が地域サポーター制度を有しています
(消費者
しています。行政の相談窓口でありながら、積
庁
「平成 27 年度 地方消費者行政の現況調査」)。
極的に消費者を支援するあっせん交渉まで行っ
これらの地域サポーターを単に養成して終わる
てくれることは、地域住民には必ずしも知られ
のではなく、市区町村の消費生活センターとつ
ていません。
ながって一緒に活動する力を継続的にフォロー
さらに、消費生活センターに寄せられた相談
アップするとともに、市区町村の消費者行政職
情報を集約して悪質業者の取り締まりに活用し
員が地域の関係団体に呼び掛けてサポーターが
たり、被害防止の啓発活動に活用している事例
活動する場を開拓することが不可欠です。
を紹介することにより、被害を受けた高齢者が
いうまでもなく、地域協議会を設置すること
あきらめることなく積極的に消費生活センター
自体が目的ではなく、ネットワークを活用して
を利用するよう呼び掛けることにつながります。
被害防止・被害救済の具体的な活動が行われる
⑶ 消費者被害防止の声掛けグッズの活用
ことが真の目標です。こうした地域連携を推進
消費者被害は外形的な異常として発見するこ
するには、消費者行政職員が地域のコーディネー
とは難しいことから、見守り関係者が高齢者に
ト役として活動を開始することが期待されてい
話題を提供するグッズがあると、話すきっかけ
ます。
2016.9
5
特集
高齢者見守りネットワーク構築の
特集
り
ーと
ーとの
1
消費者センター
ど工夫をしながら実施しました。
り
と
消費者センターと地域
連携
東京市では、高齢者の消費者被害の増加に
伴い、2013 年度の年間相談件数のうち高齢者か
らの相談件数が約4割を
めていました。
また、
その中で消費者問題以外の課題を
えていると
との
地域包括への個別訪問により、地域包括の職
員、また消費者センター相談員からは以下のよう
うかがえる高齢者も多く、地域包括支援センター
な が寄せられました。
(以下、地域包括)
とのさらなる連携強化の必要
性を
地域
ました。
そのため、2014 年度から、高齢者の消費者被
害の防止を図り、
消費生活相談の守備範
東京市消費者センター
(以
地域
りにつながる事例が出てきた。
について情報交換す
みました。
消費者センター相談
消費生活相談においても、相談者の同意
を得て地域包括につな
ちょっとしたことも地域包括へ連絡しや
いました。この点を解消するため、お互いが
すくなった。
の見える関係となることで連携を図りたいと取
地域包括に
り組み始めましたが、こちらの意向が各地域包
頼し、1人では来訪が難し
い相談者の消費者センターへの同伴や相
括に伝わるかどうか不安がありました。
談者宅を訪問し
合わせの当日訪問する相談員は1
約書や商品の確認をし
てもらう等、問題解決をより
人でしたが、相談員全員の自己紹介シートを
ってもらえるよう
対応をより
に行うようになった。
地域包括との連携は個別的な対応にとどまって
しみを
を知る機
会となった。
2013 年度まで、高齢者からの相談において、
参して、
の声
福祉制度や地域包括の業務範
との連携
こと
そこで、
や役割への理解
消費生活相談がきっかけで地域での見守
下、相談員)が市内8カ所の地域包括を訪問し、
ることで、 が見える関係の構築を
の声
につながった。
下、消費者センター)
職員・消費生活相談員
(以
相互の職務上の役割や範
センター
るようになった。
めるな
2016.9
6
に行え
高齢者見守りネットワーク構築の
特集
消費者センターと地域
特集
センターとの連携
また、全体の成果としては、地域包括を介し
ての出前講座
(
他にもこの働きかけをきっかけに、
頼の増加や地域包括と連携を取
りながら対応する事
り
ジ
の増加が挙げられます
ーや
ア
ネ
利擁護センター等とのより広い連携
につながる効果がありました。高齢者の地域社
1)。
会全体での見守りのためには、地域包括にとど
まらず、
連携の範
ス事業者等の民間事業者ともよりいっそうの
の 関係者との連携
つながりが必要と
地域包括への個別訪問をきっかけに、地域包
括主催の
ア
ネジ
を広げ、
民生委員や介護サー
ています。
現在、消費者行政部門を中
とした地域の見
ー交
会に講師として呼
守りのネットワークは構築しておらず、関係機
んでいただきました。同交
会では消費者セン
関との連携が個別のものにとどまっています。
ターの役割や市民からの相談事例について紹介
しかし、既に福祉部門では、高齢者が地域で孤立
し、消費者センターの活用法を知ってもらうと
することなく安 して暮らせるよう、地域住民や
ともに、実
関係機関が連携して高齢者を見守るネットワー
に高齢者の消費者被害に対する対
処法についても情報提供しました。
地域包括と連携することで
ア
クが構築されています。新たに消費者行政部門
ネジ
ーと
つながりができるようになり、結果として
ネジ
におけるネットワークの立ち上げへの
ア
段階では困難なため、既
ーから消費者センターに寄せられる高
手は現
のネットワークを通
していかに消費者被害の防止を図っていくかが
齢者の相談が増加しました
( 2)
。
課題となっています。ネットワーク参加者・参加
団体への高齢者見守りにおける消費者被害への
まと
地域包括への個別訪問により実
をさらに強めていけるよう、より積極
的な
みを工夫していきたいと考えています。
をつな
2014 年度から始めた地域包括との連携強化
んだ関係の構築を行
の取り組みも今年で 3 年目となりますが、地域
えました。それにより消費者問題に限らず、高
包括の職員、また消費者センターの相談員も入
齢者の
れ
ことができ、より踏み
に
注意
えるその他の問題についても
本的な
わりがあるため、常時
のつながった関係
解決につなげることができるようになりまし
を保つため、今後も継続して個別の訪問・情報
た。お互いが以前よりも連絡を取りやすくなり、
交換を行っていきます。
高齢者の見守りにおいて効果的に働いています。
2013 年度
2014 年度
2015 年度
3
7
7
件数
件数
件数
件数
1 消費者センターと地域
合
数の推移
5
14
23
4
12
9
件数
センターの連 を
2
2016.9
7
2013 年度
2014 年度
2015 年度
2
10
8
1
2
3
ーと消費者センターとの連 件数の推移
特集
高齢者見守りネットワーク構築の
特集
ク
り
と
の
連合
地域の高齢者に被害防止情報を
「伝える」
こと。
「高齢消費者被害
ン ーン」の展開
家の
サ
の不
ンを見
なようすや困っている高齢者の
さないように
「気にかける」こと。
そして、消費生活センターや地域包括支援セン
*1は、
全国老人クラブ連合会
(以下、全老連)
2014 年度から高齢者が主体となった「老人クラ
ターなど関係機関と高齢者の
「つな
ブ 高齢消費者被害防止
て、
不
ン
ン
ーン(以下、
役」
となっ
な事例や高齢者からの情報を提供して、
被害防止に役立てることです。
ーン)」
を展開しています。
老人クラブはこれまでもクラブ活動や市区町
の見守り
村の老人クラブ連合会
(以下、老連)における会
ン
議や研修会等、会員が多く集まる機会を利用し
ーター
ーンの推進に向けて、全老連では見
て、消費生活センターや警察など関係者の方
守りサポーター養成を中
を いて学 や啓発活動に取り組んできました。
実施しています。講座の内容は、
「見守りサポー
きな社会問題となるなか、取り組み方法を見直
活センターや警察な
して、見守られる
か
どによる
「消費者ト
、互いに見守り合い、関係機関と連携し
ラブルの現状」が中
て情報を発信するなど、
「主体的」
な立場で取り
で、消費者庁作成
ら
組みを呼びかけています
(
見守り
「高めよう
1)。
見
教材に っています。
終
単位にある老人ク
後、参加者には
3つの役割を記載し
ラブに「見守りサポーター」を設置することと、
関係者との連携を深めることです。
「見守りサ
(
」
の高齢者の被害
ン ーン
連)
2
サポーター
防止
(
)
2、
を渡します。この
る」
「つなげる」の3点を掲げています。具体的
デル事業を通
て、クラブの
1
た
「見守りサポーター
ポーター」の役割としては、
「伝える」
「気にかけ
には活動や日常生活を通
の消費生
守り力 」*2 も学
ーターの
ン ーンの は、集
デル事業を
ターの役割と今後の取り組み」
、地
しかし、近年、高齢者をねらう詐欺事件が大
としての
「受け身」
の
にした
間や
て養
*2 消費者庁「
よ
り 」
h tt p : / / www. c a a . g o . j p / i n f o r m a t i o n / m i m a m o r i /
mo ie_001.html
*1 (
)
全国 人クラ
ーム ー http://www. enrouren.com/a out/inde .html
2016.9
8
高齢者見守りネットワーク構築の
特集
高齢者
特集
と
の高齢消費者被害
成した見守りサポーターは、3年間で約 13,000
人
(176
年度
連の
になり、高齢者一人
組み
年7月に地
住民など大
警察と消費生活センター
いて講座を開催、270
が参加しまし
田地区老連が開いた
「再認
識講座」には、見守りサポーター 80
員や地域の人も加わり 100
た。講師を務めた地
とは、日頃から気
場所で養成が行われ、住民や金融機関、スー ー
の従業員、学生などさまざまな人が参加していま
りさん
す。そして認知症サポーターが身に
ています。こうした多くの人の参加に向けたし
くみづくりと
組みの効果があったと報 がありました。
見守りサポーターは 33
けるオ
ンジリングは、人 の関 を高めるきっかけになっ
年、市内の詐
地
が関わるしくみづくりが必要では
知症サポーターは地域や職場、学 等いろいろな
に会
欺被害の件数が減少し、老人クラブの取り
高
はもとより、地域
「認知症サポーター」
のような取り組みです。認
に話しができるように
なりました。警察からは、
き
ないかと思います。例えば約 770 万人といわれる
が参加しまし
出所のお
とりの注意では防
れないと考えています。家
連合
後、
り
高齢者をねらう詐欺被害の手口はますます
デ
た。終
活
の
デル市区町村老連)になります(2016
定を含む)
。
を
り
覚化を通
て、地域で詐欺被害
を防いでいくことが大切だと考えています。
連合
。2~3
の
グループに分かれて月1~2回、地域の
回と一人暮らし高齢者を対象にした訪問活
動を行っています。さらにオリジ
ン
ーやタス
を
ルジ
用して啓発活動に取り
組んでいます。これらの活動が地域に
き、不
づ
との
な電話や訪問などの情報がサポー
行
る
サポーター養成
(
連)
ターに寄せられるようになりました。
また、
付金詐欺の電話を受けた人が、見守りサ
ポーターのことを思い出して金融機関に確
認し、被害にあわずに済んだという報
● 活動の目的
間づくりを通して、生きがいと健康づくり、
も
生活を豊かにする
ありました。
識や
1つのクラブはおおむね 60 歳以上の会員により
30
市老
サポーター養成に取り組んでいます。
から 100
的に行われ、財
連向けに開催してもらい、引き続き見守り
の規
で構成される。運営は自主
は基本的に会費により
が、国や自治体から支援を受けている。
デ
● 連合
日常的に
ル期間を含めてこれまでに養成した見守り
サポーターは 245
同し、地域
● 組織
した 2015 年度より、
市が主催する
「消費者講座」
を
団体と
を豊かにする社会活動に取り組むことなど。
連合
デル事業を終
しい活動を行うとともに、知
を生かして地域の
を掛け、
で集まれる範
われる
の単位
クラブを核に、市区町村、都道府県・指定都市、
になります。
全国老人クラブ連合会へと展開。単位クラブ数
105,532、会員数 6,061,681 人(2015 年3月
2016.9
9
)
高齢者見守りネットワーク構築の
特集
り
特集
の
ーの
と
医師。
市で介護老人保健施設や訪問介護事業所を有する医 法人の理事 として
地域医 ・介護に関わる。2013 年から 2015 年まで消費者教育推進会議・地域連携推
進小委員会(消費者庁)の委員を務める。
地域
⑷
センターの地域
の
と
高齢者が地域で安
2
としての指定介護
活
域
ア
2
防重
ための
目の
板の指定介護
防支援事業は、要
板である包括
消費者被害に対し地域包括としては
おける消費者被害に関する情報の
⑴
員や介護支援専門員等への情報提供
事
相談内容は介護相談のほか、医
まいなど生活全
齢者や家 からの情報 集
、福祉、住
付の
の
的支援事業には、
以下の4つの業務があります。
合相談
防
アプランの策定です。
消費者 題と地域
とに設置されています
(4,685カ所
現在)
。1
目の
支援Ⅰ・Ⅱの高齢者に対する、介護
防支援事業」の
ネジメント機関として、日常生
2015 年4月
宅
る活動です。
板の役割を担う、地域包括 アシステ の
中の地域
ある生活を
介護支援事業所の介護支援専門員をサポートす
2005年の介護保 制度改正により創設され、
「地
システ
して、
事
するために必要な支援が得られるよう、
地域包括支援センター(以下、地域包括)は
域支援事業の包括的支援事業」と
「介護
ン
地域に
民生委
地域の高
消費生活センター
や消費者相談窓口
(以下、消費生活センター等)
へ
に関わり、地域社会で生活す
るための多
にわたる内容が含まれています。
の情報提供
地域の安 ・安全ネットワークと
⑵
事
の連携、
などの役割と機能が期待されています。
問題や虐待問題、成年後見制度
全国地域包括・在宅介護支援センター協議会
の運用、さらに消費者被害の防止や対応等に取
が会員センターを対象に行った実態調査
(2013
り組むこととなっています。
年4~
高齢者の人
⑶
防に
る
ン
月実
)では、地域包括の 63%が消費
者被害の相談を受けていました。現状では、地
事
域包括は消費者被害に対する解決機能は有して
2014 年の介護保 制度改正において、 防
付から通所介護、訪問介護が分 され、市区町村
おらず、その大きな役割は、高齢者やその家
が行う介護
に消費者問題についての情報提供・情報
防・日常生活支援
されました。今後、
多
合事業に移行
な主体による介護
集を
行い、地域の民生委員や介護支援専門員、医 ・
防・
生活支援サー
スの充実が図られ、そのサー
介護・福祉関係者等の連携やネットワーク化を
スの対象者の
ネジメントを行います。
図ることです。
2016.9
10
高齢者見守りネットワーク構築の
特集
地域
特集
地域
地域
の
会議
消費者被害の
地域
多職
と
医 ・介護連携の推進
認知症施策の推進
地
生活支援サー スの体制整
ア会議は、多職
ことを目的とし、改正介護保
開発
することになります。消
ど重
政策形成等が
トラブルの大きな発生要 は
との会議
ル、市区町村
の場の
ルな
かい り
や
から対人サー
題についても、個別事例への対応、日常生活
への移行
ルでの対応、市区町村全体あるいはもっ
れ、おのおのの要
・介護・
だけでなく、司法・教育・警察
独
化を
が
約行為に不
は、生産者と消費者
の見える関係にないことだと思われます。
高齢者にとって身近で重要な医
における生産者 ( サー
ー の
用者)の
高齢者や高齢者のみ世帯、認知症の高齢
は
の見える
、介護、福祉、
スの提供は、地域
ス提供者 ) と消費者(利
済活動という
を有し
ています。高齢者の消費者被害を
想されています。高齢者
れであったり、
が考えら
が消費者被害に結び付いて
、生活分野におけるサー
者のさらなる増加が
生産者主導の
消費、など多くの要
その中で最も大きな要
図ることが求められます。
消費者 題
地域の
国 化とグ
います。
事業者・団体・行政などが会議に
広い関係分野の連携やシステ
化
ロー ル化に伴う地域性の欠
議の範
参加し、
品など目に見える
金融 済の
大 生産と大
が異なります。さらに、医
生産の場と消費
スや情報など目に見えない
と広域に関わるものなど、その内容によって会
関係者・各
関係
地域で生活している高齢者にとって、消費者
域
福祉関係の職
であると言えます。
地域 会の の見
消費者被害
の
地域課題の
的な運営が求められています。消費者問
域
ネジメント機能や
ン機能の確立が重要です。さらに
育と資質の向上が必
個別課
ア会議は、個別事例
から、日常生活
な関係者によるネットワーク形成が必
大切なことは、消費者問題に取り組む人材の教
されています。
また、地域
して住み続けら
費者問題への対応は、行政だけでなく、地域の
ーシ
法において、す
ネットワークの構築
地域づくり・資
れる地域づくりに
等を行う
た。地域 ア会議の 5 つの機能として
発見
ち、安
要となるとともに、地域の
べての地域包括にその開催が義務づけられまし
題の解決
さらに重要な役割を
中で多
協働により個別事例
ネジメント支援、地域課題の
住民や
ランティア等による消費者問題への取り組みは、
在宅
の検討等を行い、地域のネットワーク構築や
ア
集や情報提供、地域でのネットワーク
また専門職のみでなく、地域の近
介護 防事業の推進、が求められています。
地域
と
形成等重要な役割がますます期待されます。
機能強化が図られ、従来の業務のほかに
備
センターの
による見守り・支援、消費者問題に対す
る情報
地域包括は2014 年の介護保 制度改正の中で
域 ア会議*の充実
り
には、住み
断能力が
れた地域社会において
防するため
の見える
関係の中での消費活動をすることであり、それ
えていても後見人や
立人が不在であることも
を支える関係者の教育やネットワーク、見守り
多いなど、高齢者の
利擁護のための
体制の確立が重要です。
分な見
守り・支援体制があるとは限りません。地域包
括、
宅介護支援事業者、サー
* 生
ーム ー 「地
の
」
h tt p : / / www. m h l w. g o . j p / s e i s a ku n i t s u i t e / u ny a /
hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki houkatsu/dl/
link 1.pdf
ス提供事業者
等の専門職は、地域で生活する高齢者に対する
2016.9
11
特集
高齢者見守りネットワーク構築の
り
特集
と
-
ー -
ク
専門は福祉情報 地域福祉。日本福祉介護情報学会理事。シンクタンクの研
県立大学へ。2003 年より地域での高齢者の孤立を防 取り組みを始める。
員を
手県では、独
り
て、1998 年に
や高齢夫
手
のみの世帯を中
と
して、約 1,000 世帯が利用してきました。
手県は、過
化・高齢化の進展が
高齢者の社会的孤立の問題が
化・重
手県等と連携して
を活用した高齢者安否確認見守りシステ
研
に取り組み、
有効性を検
により、
手県立
(情報通信
)
してきました。
に発信し、
ガ
と孤立死防止の効果が
の生活相談を受ける体制ができ、生活支援
サー
に従い
「
げんき」
スの提供につながります。
生活
振興機構社会
域の
コ
定電話
研
開発センターの
「コ
ティで創る新しい高齢社会のデ
県の社会福祉協議会
(以下、
するしくみなので、
り
2010 年度から3年間、国立研 開発法人 学
社協)で事業化されています*1。
電話番号を
れているところを発
あります。見守りセンターや見守り者との日常
1回安否を能動的に発信するものです。2010 年
手県と
中で
見したり、発信率の低下が認知症の早期発見に
各
「 少しげんき」
「 わるい」
の タンで 24 時間に
度から
が強
的な関係が強くなることにより、詐欺的商法や
通 「おげんき発信」は高齢者が電話機から
サー
や
つながるなど、異変
の実
安 確 で
」
「
い始めると、見守られる安
くなります。また、未発信の人を訪問すること
化し
ている地域です。これを背景として、
大学は
これを
しく、
択を受け、
「
ン」
を活用した生活支援
ティづくり」*2に取り組みました。
機でも携帯電話でも利用でき、1日約 10 円の自
これは、おげんき発信の
「
己 担ですみます。見守りセンター
(通常は市町
24 時間 365 日
村社協)
は1日に1回、 ンターネットの画 で
助機能の組織化を図ることにより、高齢者の身体
発信状況を確認し、高齢者が未発信の場合には
的・ 理的異変や
電話をかけ、それに応答がない場合はあらか
に対応できる情報の
め
ける支援体制を開発し、その検
されている見守り者
(民生委員や近
の
話したい」 タンを
える体制を整備し、地域の互
い ・外出などの生活支援
人)が訪問し、安否を確認するしくみです。
り組み成果を地域に
*1 消費者
民
による
りシン
ム 「I T
を活 し
と生活
テ づくり」
1
ー http://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2016/00 /
doc/20160 1 _shiryou _1.pdf
*2 国
れと、コ
ティにお
と
続的な取
すことをめざしたもので
人
センター
クト
https://www.riste .jp/korei/02project/prj_h22_0 .html
2016.9
12
高齢者見守りネットワーク構築の
特集
活
特集
と生活
す。見守りセンターは、市町村社協に
加えて、社会福祉施設や民生
などコ
センターを設置し、
を行うところが特
です* 。
する学
者とともに職
)
図
的な検
の
討体制を構築し、地域性が異なる県内の4つの
フィール
で実
フィール
身体
実
ル・認知
で継続しています。
通
東日本大
タンを一体化することに
から
害者や認知症高齢者でも
「わるい」
か「げんき」の二択をワンプッシ
で発信できる
タンで
い
頼みたい」 タンを
ーで品
い
受け付け、地
のスー
宅配業者が1
500 円で高齢者宅に届け、
協にフ
を
リで報
する
「ま
を
ラ
度から図に
実
い分けるとともに、
市の平田地区では、特別養
的見守り体制の実
を行っています。
れ 課題
こうした10 年以上にわたる取り組みはすべて、
ランティアセンターと自治
会役員・民生
身の状
化する取り組み体制を
すような重
便」
市の川前地区では、 手県立大学のプロ
と学生
化し、高齢者の
護老人 ー が見守りセンターとなり、2015 年
のしくみです。
ジ クト
を活用した見守りと人
方を重
つくりました。
めし、
ころ宅
ティ再構築の課題が特に大き
見守り情報を地域で一
で安否確認を行い、その結果を社
クシ
立防止とコ
設住宅
に伴う移動等により、孤
況によって見守り方法を
ができるようにし
ました。見守りセンターである社協が
地は、人口減や
興住宅への移
的見守りの
また、おげんき発信に
「
の被
い地域です。そこで、
ようにしました。
ーが対
見守りの
ルに応 た安否確認
(異変
報におげんき発信の
付加し、この
活 と
市においては、
)
システ の い分けが必要と考え、
より、知的
地 に ける重
を行いました。
の1つである
ポータ サ
)
と
体制と、行政等の多
な地域の関
)
(
(
手県立大学を中
的な研
(
ッチング
安否自己発信
ーズの
)
24
365
有
ティ
における生活支援
る
センター
(
通報システ
も図り、確実な見守りとコ
このために、
み
たサブ
やセンサーなどの安否確認情報の
り
る
委員
ティの特性に応
り
産学官連携によるアクシ ンリサーチ*5で、地
委員、および地域の民間事業
域の多
な関
者と対話をしながら実施してき
者が連携し、高齢者支援連絡会を立ち上げまし
ました。実
た。
るものにしているので、今後はこれが地域包括
かきや
い
支援、介護タクシーなどの
生活支援と見守りが一体化した取り組みです* 。
こうした取り組みは、実
実
終
*1
民
による
りシン
ム
15
ー
*
*1
民
による
りシン
ム
21
ー
を通してその成果を目に見え
ア体制づくりなどのなかで実
されていくこ
とが課題です。
後も地域
*
実
*5 生活で生
で り
とを
す
2016.9
13
る
、
の
に
を
いて、
に
者と
して
者の人 と
状を
するこ
改正特定商取引法の
概要とポイント
専門は 約法、消費者法。国民生活センター消費者 例情報
委員会委員、東京都消費者被害救済委員会会 。
書に 誌上法学講座-特定商取引法を学 -(国民生活センター 2010)ほか多数。
改正の経緯
指定権利制度の見直し
2016 年5月 25 日に改正特定商取引法
(改正特
高齢者の電話勧誘販売などでは、お
商法。以下、改正法。なお、現行特商法は、以
、有
下、現行法)
が成立し、6月3日に公布されまし
どの各
た。改正法は、公布の日から1年6カ月以内で
医
政
ど多
で定める日から施行され、施行日以降に締
結された
約に適用されます。
今回の改正は、2008 年改正の
老人
の
「
ー
機関
の利用
、
利」
、未公開
などの
、
の利用
の
や社員
想通
な
、社
や外国通
、
な
な被害が増えています。その多くが金融
商品取引法などの規制対象外です。
現行法では、
に「施行後5
これらの取引が訪問販売や電話勧誘販売で行わ
年をめどに見直す」こととなっていたことを踏
れても
「役務・商品には
まえたものです。2008 年には、訪問販売・通信
利でもないから規制対象にならない」という運
販売・電話勧誘販売の適用対象を
「政
用のため、対応できない状態でした。
品・政
かか
指定商
指定役務制度」に係る取引に限定して
いたものを
止して
高齢者の訪問販売の次
指定 利は
では
「政
利」
とし
「
指定
指定
利制」を
間」
をなくすべき
だと指摘されました。2008 年改正ではそのまま
)
、
された政
販売等による深刻な被
害の多発への対策として再勧誘の
販売解
止して
「すべての
すべての商品・役務に
係る取引に 大したこと
(政
売の過
専門調査会の議
当せず、政
指定
利制度の問題点がクロー
ズアップされたわけです。その結果、改正法で
止、訪問販
は
「政
制度等を導入したことなど大
指定
利制」
を改めて
「特定
利制」にす
ると改められました。特定 利とは、
「施設を利
きな改正がされました。
用し
2015 年の消費者委員会特定商取引法専門調査
は役務の提供を受ける
利のうち国民の
会(以下、専門調査会)
における検討において明
日常生活に係る取引において販売されるもので
らかになったことは高齢者の被害が増加し続け
あつて政
制度の見直し、電話勧誘販売への過
の導入、
2条4項1号)のほか「社
利
販売規制
「
会社の
人の社員
その他の金
分若しくはその他の社団法
は外国法人の社員
でこれらの
利の性質を有するもの」
( 同3号 ) の 3
に紹介します。
」
、合同会社、合 会社若しくは
合資会社の社員の
行体制の強化などがなされました。
以下、消費生活相談業務にかかわりの深い
点を中
指定
利」
と同 定義 ( 現行法第2条4項、改正法第
ており、2008 年改正だけでは不 分ということ
でした。その結果、今回の改正では、指定
で定めるもの」
(現行法の
「政
です。
金融商品取引法の規制対象取引は適用 外
(現
2016.9
14
行法 26 条1項8号
)ですから、同法の規制を
受けない、例えば、
業者の未公開
販売や自社発行
この期間はあまりにも
の
約法も特商法も
の規制対象になります。
る
に
ます。まだ、政
で定めるもの」
で整備され
などが指定される可
の改正は今後進められるので、まだ確定
⑴役
の
特定
と政
利のうち政
指定は新たに指定される
には、現行法の役務の
解 (特商法では役務の定義規定はありません。
消費者庁の解
高齢者の被害では、電話勧誘販売でも同
の
狭す
で売りつける被害が多発し
ていました。例えば、健康
による運用になっています)が
ることから、解
利も全
品の販売などが
を変
して、政
的な見直しがされる見
例えば、現行法では、
そこで、2008 年に訪問販売に導入された過
役務として規制対象とされる見
は規制対象で
はないと解
法
条の2)と同
に、リ
の制度を電話勧誘販売にも
導入しました。一度に大
けでなく、次
制度
(現行
に
わせるタ
利用
プだ
販売についても販売業者が
「消
費者の保有している分
通信販売業者が、高齢者などに対して果
をフ
クシ
メール広
リで
な
される見
、
みです。
の
の誘引方法として政
の外から呼び掛ける、住
り付け
ます ( 現行法政
の
り付けの
止と同
で指定
通信販売と訪問購入を
で住
訪問に限定されてい
1条2項 )。
同政 制定当時は、電 メールやシ ートメー
ルなどが通信方法として利用されるようになっ
た時
でした。その後、ス
により若い人の連絡手段は
取消権の期間延長
知を理
の利用
トメール)
、 ラ・ ンフ ット、
の規制を導入しました ( 改正法 12 条の5)。
知や不
やお
施設の
フ クシ リ、電 的方法
(電 メール・シ ー
ースが多発し苦情が寄せられていました。
実
ー
、スポー
されているものは、電話、郵便、信書便、電報、
ファクシミリ広告の送り付けの禁止
そこで、電
の
現行の特定
す ( 改正法 24 条の2)。
る
老人
すると変
⑵
」を知っていた場合には適用対象としていま
どの通信販売の広
、有
みです。同
などの取引はその実態を踏まえて役務
と解
」
や
「これまでの取引
されていますが、改正法施行後は
ートクラブの会員
の
指定
みです。
想通
的なものです。
販売の規制(現行法7条3号)と解
では以下の
みです。
ことになります。その
電話勧誘販売への
過量販売規制の導入
常識な分
政
点が見直される見
能性があるようです。
商品を
条3第4項 )。
していませんが、専門調査会の結
指定の内容が決まっているわ
けではありませんが、保
認できる時から1年間」
政令などの見直し
利のうち国民の日常生活に係る取引におい
については、今後施行日までに政
に
「
されました ( 改正法
は役務の提供を受け
て販売されるものであつて政
いに
くいという問題があります。そこで、消費者
を販売する場合などが特商法
なお、「施設を利用し
く消費者には
変化し、アポ
いて、特商法にも不
し手段も
とする取消制度がありま
定
ートフォンの
などの
に
ントメントセールス等の呼び出
にシフトしています。そこで、特
取引の呼び出し手段に
を 加する見
す。この取消期間は、現行法では、現行の消費
みです。
者 約法と同 に
「 認できる時から6カ月、最
さらに、近年では目的を隠した
ッチセー
ルスや、目的を隠して呼び出すアポ
ントメン
でも
約締結から5年間」
です。
2016.9
15
トセールスでは、その日のうちに
約させるの
ではなく、「販売目的」
を隠したままで
回も来
訪の約
ースが
をさせ数回目に
約をさせる
目立つようになりました。そこで、このタ
も特定
取引に
に対応するために、特商法に公
を導入しました。
相談業務と執行関係
プ
当することを明確化する見
違法業者には、立入検査等を行い適切な処分
みです。
をすることが重要です。特商法が
⑶
役
とによって被害の防止と健全な
の
特定継続的役務提供として、政
で6
容医
」が指定される見
などが問題となっていま
実関係を
す。既に
ステの
は規制対象ですが、医
に違 しているのかを整理し、
は規制対象ではないためクーリング・オフ
ワ
ト
分担をして、
ング
*に入力
の
緒になります。
行部門は、このように役割
として機能しています。
残された課題
は規制対象になる可能性がありますが、
正は対象にならないものと推
き取り、どの行為がどの規制
消費生活相談と
こっているためです。た
関係については
に
することが重要で、
行政処分の
解約に関する規制がないなど消費者
だし、
の
談窓口で、相談者である消費者から具体的な事
みです。
では、
保護に欠ける事態が
済
行政処分を適切に行うためには、消費生活相
容医
制度・中
守されるこ
が整備されます。
の
役務が指定されています。7番目の役務として
「
達の手続き
されます。
2016 年改正に り まれず、 された課題と
なった点としては以下のようなものがあります。
執行体制の強化
事業者がますます悪質化していることから、
行体制を強化するための改正が行われました。
⑴ 高齢者等 の
高齢者などの
の
の 要性
者は
「断れない」
ために被害に
あっています。勧誘者と直接対応しなければな
主な要点のみ紹介します。
らないと被害にあうことになる、そこで、あら
⑴
か
業務
止
の
止命
の
⑵
止
特商法違
の
で
きる制度の必要性の検討です。
の期間を1年間から2年間に
しました。
⑵
め
「勧誘しないでください」
と勧誘を
特商法では
「
の
と契約の
の広
そこで、通信販売などで
をした 社を処分できるしくみで
」を
止しています。
の広
によって
す
(現行法8条1項)が、改正法8条1項では、
約した場合を考慮して取消制度を導入する必要
業務
があるのではないでしょうか。
止を命
られた法人の取締役やこれと同
いずれも被害実態が不明であるとの指摘や事
等の支配力を有すると認められるもの等に対し
て、新たに法人を設立して
を継続すること等を
止の範
業者
内の業務
を
り
す
被害が
こっているか、それはな
なのか、ど
のような対応が求められるか、などを
ースなどが目立つこ
に
しデータ化することによって、次の検討課題
とから導入したものです。
として継続的に取り組むことが重要です。
⑶
度の
対する処分の
に、事業者の所在地が分からな
ネット通販などで不当な広
いために弁明の機会の付
対があり、実質的な検討はでき
ませんでした。相談業務において、どのような
止しました。
社の役員らが新たに別会社に移行して同
の特商法違
の強い
をする事業者に
* PIO―NET
(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステ
ム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラ
インネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積して
いるデータベースのこと。
などができない事態
2016.9
16
マンションにおける
管理とトラブル
標準管理規約 に
法務
や国
交通
の各
委員会委員等を
委員等を 務。主な 書として、
区分所有法 第3
(
。日本
任。現在、東京都消費者被害救済委員会委員、東京都公益認定等委員会委員、行政書士
ンシ ン法 内(
書
社)など多数。
とその
で所有し、
用部分と
したがって、
ンシ
用部分とが構
ついて、
「単
数の所有者が
地に
」
は1
のほか
合用
して
」
の3つがありま
のみからなる住
や事務所が
(以下では、
「単
シ
同で行うことになり
専用、
「団
区分所有法と
決議を通
要です。
て行われます。
用の各
」
を中
に
」
は住
デル規約です
べます)
。
ン
ンの管理やトラブルを検討する場合には、
ますが、それは、通常、規約の設定および集会
ンシ
「
」
地 」
は数 からなる団地、
「 合用
ンの管理は、専有部分と
と
「団地
」
す。
「単
有しています。
上一体となった
は、標準管理規約に準
約の デルとして国 交通 が策定したもので、
の専有部分を単独
地を
ンシ ン
標準管理規約は、管理組合が参考にすべき規
地を所有し、利用して
います。区分所有者は、
)
、 コンメンタール
います。
ンにおいては、 数の区分所有者が、
住宅として
知識(日
合の規約の8割
マンションの管理と
マンション標準管理規約
ンシ
)
、 不動産の法
に標準管理規約をみることが必
ンの管理に関しては、区分所有法が
定めていますが、各
ンシ
ンの管理の具体的
共用部分の管理に関する
集会の議決
な事項については、規約で定められます。例え
ば、区分所有法では、集会の決議や規約の定め
を実行する管理者は、
「規約に別段の定めがない
専有部分については、各区分所有者が自己の
限り」
、集会の決議によって選任されると定めら
費用と責任でもって管理し、
れています。しかし、実
は、管理組合がその費用と責任でもって管理し
上多くの管理組合の
用部分について
規約では、集会の決議によって区分所有者の中
ます。管理組合による
から
は、集会の決議によって行われます。な
数の理事が選任され、その理事が理事会
を構成し、理事会での理事の互選によって理事
が選出されると定められ、そして、理事
が
下のような事
については区分所有者間で意見
の対立があり得ます。
す。このような規約の定めは、
「 ンシ ン標準
・
管理規約」
(以下、標準管理規約)に従ったもの
ンシ
ンの大規
修
につき今年実施
するのか、数年後に実施するのか。
です。国 交通 の報 書*1によると、管理組
25 年度
地
集会
の決議が必要なのかといいますと、例えば、以
区分所有法で定める管理者であるとされていま
*1 用部分の具体的な管理
・高齢者の増加に伴い
に設置するかどうか。
ンシ ン
調査結 報
(国
ンシ ン政
、201 年 月)
2016.9
17
ーターを新た
したがって、これらの点については、区分所
で話し合う」
ときなどの参考のために、各トラブ
有法および標準管理規約では、集会における多
ルの法的対応について べることにしましょう。
数決議によるものと定めています。そして、前者
⑵
( ンシ ンの修 )
については、
「 用部分の
(通
常の)管理」に
当するとして、過
通決議)とされ、後者
(
ついては、
「
」
に
数決議
(
生活
各区分所有者の専有部分の
ーを
の問題は、その発生
有者や
当するとして、
特別多数決議(区分所有者および議決
の行
る
の
生活
ーターの新設)に
用部分の変
者
通常は
が階上の区分所
家の区分所有者による場合には、
接
する区分所有者間の問題であり、基本的には当
事者間で解決するほかありません。ただ、この
積の割合によ
問題の難しいところは、その背景には
る の4分の3以上の多数の決議)
によります。
のこれまでの関係による
人同士
情的な問題に
す
ることが多く、また、法的にも、このような場合
の
マンションにおける
トラブルの法的対応
⑴
や
の性格等についての
必ずしも
在するわけではなく、
場合でも、結局、それが
「受
のか否かという
の
「集合して住む」 ンシ
官の
場合と同
の報
区分所有者の相当数に
のトラブルは、
ンシ
ン
「
」
ット
育」
「水
の
「
れ」
を
」については次回取り上げます)
。
前記の報
法
によって
して分
(28.0
数
、
約や
ンの
は、調査
を
:
25 年度
地
)
される
ンシ
2
ンシ
ついては、
止を定めることは、
にこのような
ット
育を容認
ンがありますが、その
ット
育の可否につ
ンにおいて規約でその可否
用部分の変
の場合と同
に
に、4
分の3以上の特別多数決議によります。標準管
)
理規約は、
)
場合の
ット
方の
規約により
と の
2
ン管理
を定めることができます。規約の設定や変
)
(27.2
(
ンシ
止されています。しかし、わが
いては、各
(18.8
ン
行為」の問題)として法的対
ような場合は別として、
の
)
」が
ン管理の問題(後
規定はありません。最近では
によった」
はわずかです
(6.8%)
。
「管理組合内
)
える
「
国では、区分所有法その他の法
間で話し合った」
(25.4%)
の になっており、
「
(31.0
ンシ
規約において ット 育の
ン
ン管理業者に相談した」
(48.0%)、
「当事者
(34.3 )
(22.7
育の
ような場合には、管
フランスでは、
書によると、トラブルの処理方法
(55.9
を
ット
ッ
は、
「管理組合内で話し合った」
(69.2%)
、
「
シ
う
応が求められることになります。
るトラブルについてみていきます
(
「管理費
等の
同利益背
えるも
断に委ねられるとい
の範
理組合が対応すべき
のとおりです。以下では、こ
れらのうち、「生活
め
に発生する
に、生活
になった
限度」
を
う点にあります。ただ、次に
ンにおいては、区分
所有者間のトラブルが少なくありません。前記
書によると、実
的な基準が
)の
の
ンシ ン
調査結 報
(国
ンシ ン政
、201 年 月)
2016.9
育を認める場合と
デル規定を提
ット
育が
しております。
ットを
管理組合は、
育者に対し、
止されているにも
かかわらず、
18
止する
育している場合には、
育の
止を
求
することができます
(先に
当数の区分所有者に
発生の
べた
被害が相
下の専有部分内の
んでいる場合にも、その
す。
止を求めることができます)
。そ
して、これらの「
同利益背
例*2 は、このような場合には、その
水管を
行為」
の程度が
に所在することもありま
用部分の
階下の住
への水
として、そこからの
しく、他に手段がないような場合には、管理組
認めました。
合は、その者に対し、集会での4分の3以上の
第2に、実
れにつき管理組合の責任を
には水
れの
が明らかでな
特別多数決議に基づき、相当な期間の専有部分
い場合があり、この場合には、区分所有法は、
の
その
用の
止、または専有部分の
売を
求す
ることができます。
⑶
の
が
用部分にあるものと推定すると定
めています。水
合に
る
れの
が専有部分にあるこ
とが明らかにされない限り、管理組合が責任を
の
います。
例えば、以下のようなトラブルがあります。
住
内の
から
内の
トラブルの解決と
マンション管理の課題
を伝わって水
れが発生したので、理事会に問い合わせ
たところ、
「おそらく階上の区分所有者の専
有部分内に
ンシ
があるから、そちらに問い
なトラブルを防止するために、
合わせてほしい」と回答されたので、階上
的に点検して中
の区分所有者に問い合わせたところ、
「
の専有部分内には
ら
期の修
業務を適正に実行するとともに、管理業務を管
理業者
(管理会社)
に委
れの
としての
が、専有部分に
の責任を
います。他方、
する必要があり
ます。そして、トラブルが発生したら早めに
水設備に係るものであると
したら、その専有部分の区分所有者が修
している場合には、管
理業者の業務をしっかりと
する
かか
計画を作成したり、
そのためには、管理組合の理事会が、自らの
しょうか。
第1に、水
用部分を定期
規約を整備したりしておくことが必要です。
がない」と言わ
れました。どのように対処したらよいで
害
ンの管理に当たっては、前記のよう
ンシ
や
ン管理士や弁護士等の専門家に相談する
ことが必要です。
用部分に
水設備に係るものであ
当然、それらの前提としては、管理組合に理
るとしたら、管理組合が区分所有者全員の費用
事会が設置され、適切に機能する必要がありま
担(管理費等による支出)
の下にそれらの責任
す。しかし、近年、区分所有者の高齢化等により
する
を
としての
います。標準管理規約では、一
水管設備の構
理事のなり手不
的な
を想定して、専ら自己の
を通すものとして自己の専有部分内の
では、この点も含め、 ンシ ン管理のあり方や
水
管理業者との管理委
下に配
管された
水管
(
「横管」
または
「
管」
)
は専有
部分の
であり、それらを合
させて
水管
(
「
管」
)
は 用部分の
であると定めています。
ただ、
によっては、自己の
水を通す
ンの構
約について
べます。
用
部分内に配管された
ンシ
が問題となっています。次号
管」
または
「主
水管
(
「横管」
または
「
*2 管」
)
が階
2016.9
19
ー
、
12 年 月 21 日 (
タイム
報 1 15 20 ー )
10
1
海
ラ
の
海のプラスチック汚染の実態、
生態系への影響、そして私た
ちができる対策について考え
ていきます。
高
重
理学
士。国連海
ンググループのメン
プラスチック
み
(以下、プラ
専門家会議 (
)の
ー。信条は「現場
み)
による海
ん、
の専門家だけでな
となって外
管理など海
以外の分野の専門
に
や
す。こ の よう
取り組みが始まっています。2015 年の
で
に海
ット、今年5月に日本で行われた
クロプラス
摩サ
ットや富
チックの生成
会合でも
「海
み」が議題となっています。今年6月には、
国連本部で第 17 回「海
連
会
公
び海
ク」というテー
、12 の国
30
法に関する国
び
、研
が参加し、海のプラスチック
策について議
しました。海
を気 変動、海
最も重要な地
者約
とその対
ので、
プラスチック
ついて、
と
ラ
年以上海を
に
れ
みは、
く
かべて、
し
ンクリーンアップとい
的大きなプラスチックの回
には有効で、
に
クロプラスチックの発生
くという点で意
がありますが、
ません。
て取り
が
の
理に
クロ
こうとすれば、動
プランクトンや
の悪
なども取ってしまうことになり、生態
が懸念されます。
*1 http://www.theoceancleanup.com/
2016.9
20
くことはでき
クロプラスチックをすくっ
い海 に降り注
外 と の力でぼろぼろになり、
きを
いているプラスチックを回
クロプラスチック自体は取り
い続けま
くことから、海
れ
った方法は、
を取り
ランティアや行政機関により行われています。
それらの大きなプラ
の大きな
と同
の力
入したプラスチックのうち大きなプ
みは海
と
きを
海
で細かくはなりますが、プラスチックであるこ
す。海に
の力で
くことはでき
いつきません。
も紹介されました。この
や
が
う団体が行っている取り組みで、国連の会議で
ボランティア等による海岸清掃
とに変わりはなく、数
が
は、オランダのオーシ
の対策に
外
)
ようという みも行われつつあります*1。これ
べたいと思います。
プラスチックは海に入ると、
ッ
ク
去という点で意
を行っても次
そこで、
海に
が行われた画期的な会議です。この会議での議
プラスチック
は
クロプラスチックを取り
ませんし、海
問題と位置づけて議
も踏まえて、海
の1つになっているため、海
た
性化、生 多 性と んで
規
に
しかし、細かくなって の中に ざってしまっ
60 カ国の
機関、8つの国
の
あります。
クロプラスチッ
で開催され、世
の
ッ
(
ロプラスチックの発生
協議プロセス」
という会議が、
「海
み、プラスチック
」。
が
のサ
大
、
れてきま
家からも注目され、対策を含め、国 的な議
での 7
クロプラスチックに関するワー
プラスチック
は、ここ数年海
く、
防
へ
つまり、
クロプラスチックはいったん海
に入ると取り
くことが困難なため、
来の通常のプラスチックと生分解性プ
入その
ラスチックを
ものを減らす 防的な対策が重要となるのです。
減、再
用、リサ
として議
た
なら、生分解性プラスチックの
来プラスチックだけが、
スチックとして
的な対策
されました。具体的には、
クの
クルを促進するための
するでしょう。
どの
オ
ス
ースの
ン、
な
材の利用促進、生分
解性プラスチック*2の開発と
動の活性化、
や
合は
、海
済を展
(
の解決には行政、 業、
が必
であることが強調されました。
や
などの
オ
ス
は、実質的な
化ガス
う
うものですし、海
リ協定にも
につながります。
や
出を
の
せん。
海
オ
ス
が
材の利用
は海
することもありま
ースの
材の利用の促進は、
る
生
生
で、海
中では
中に多く
生
ージが多過
る」
と発言したため、
の人は一
言葉を失っており
い
てプラスチック
の
を変え
ることも大事だと思います。
外国では
防
の方向で
い
て
プラスチック規制の動きが始まっています。ア
メリカでは、2014 年3月にサンフランシスコ市
で
一の解決策とはな
は
の容
も
「不必要なプラス
否することにより業
用を
み
のストローは不
の
ット
トルでの
水の販売を
止する法
が成立しました。その年の8月にはカリフォ
らない」
という報 書を出しています。その理
は、分解に資する
が
「
たち消費者が
一方、
計画が「生分解性プラスチック
の
の国の
ました。
の対策として重要です。
プラスチック
ッ
プラスチック業
に
生分解性プラスチックについては、2015 年
11 月に国連
用を
的なやりとりが
生的ならプラスチック
チック
低減
材であれば、
てプラスチックの
要」
と発言し、別の国の
ロにするとい
質を
プラスチック
い
ありました。中
みとなって海に出ても、いずれは分解されま
すし、有害な化学
減
ついては、国連の会議でも象
の取り組み
ースの
に実行可
えること ) でしょう。 い てプラスチックに
プラスチッ
ク
ルです
能で、効果的な対策としては、3 の実行、特に
して組み合わせてい
の協力が必要です。海
クロプラスチックの生成を助
たち消費者が、個人
くことになります。いずれも行政機関や生産・
通の業
来のプラスチッ
消費者の立場から
活
啓発活動の推進などを、
社会や
クロプラ
ってしまうことになります。
生分解性プラスチックと
み分別
の推進とそのための意識啓発、再利用とリサ
品デ
の立場か
部分だけ海で分解していって、ぼろぼろになっ
管理の推進と 3 (
クル)
の促進が中
品は、海
来プラスチック100%の 材よりも
問題です。な
循環型社会・循環型経済の推進
国連の会議でも、
らは、
た
ル
在す
ア
で
ジ
止の法
その後、2016 年5月に
度が低
有
く、分解に時間がかかるということが大きな理
化の法
が成立しました。
ー ーク市でも ジ
が成立しました。
です。もう1つの理 は、3 の意識の低下を
年 11 月に加
くというもので、今回の国連の会議でもこの
け、 ジ
の消費 を 2025 年までに1人当たり
年間 40
まで
点は強調されていました。
国に
ジ
減
では、2014
策定を義務づ
減することを目標としていま
す。日本でも今後こうした規制が必要となるで
*2 すると には
し
、
は自
れ、
には と
の
の
化
しょう。
ラス ック
の 状と
を
生 な の
によ て生分
に
れる ラス ック
2016.9
21
1
の
して
の
、
の
に
生
つ
の
日弁連消費者問題対策委員会委員。第二東京弁護士会消費者問題対策委員会
ます。
第 24 次東京都消費生活対策 議会委員。
事。
初回は
「訪問販売」
の事例を取り上げます。
、
いて
の
て
い
、
る
に
。
のク
の
が
た。その
の
た
ッ
え
い。
、
のた
ている。
のまま
た
が
てきた。
て
い
ていた
に
ので
に
、
が
、
、
てしま
た。
し
たい。
誘
(
7条2号)
、適合性違 の勧誘
(
7条
3号)
等が問題になります。ルール違 は、行政
処分等の対象にはなりますが、 約をやめる直
接の
本事例は、事業者が消費者の自宅を訪れその
りで事業者に来訪要
にはなりません。しかし、ルール違
を指摘することもあっせんするうえで重要です。
約をしているので、営業所等以外の場所
での取引といえます。消費者が
用
が
に
用の
場で
が
した。
特定商取引法の適用について
⑴
の
で、
する
て
ので
する
約をするつも
⑶事
したといった事情*1(適
の当
は
本事例では、2. の過
外)
がない限りは、
「訪問販売」
として特定商
します。過
性の
販売解
を中
に検討
断基準は、商品等の
や
取引法(以下、特商法または法)
が適用できます。
特性、購入者の
⑵
す*2。ここでは ~ について れておきます。
事
ー
相談者は
約をやめたいと
しています。
同
の
え
性・実情によっても異なりま
商品等の
や用
の違い
訪問販売の場合、 約をやめる手段として クー
は事業者の基準により
リング・オフ(法
く、一 消費者の 約行動に らして別の商品と
条)
、 過
販売解
(法
して同時
条の2)
、 取消 (法 条の3)
があります
( )
。
(取締規定)
も規定されています。本事例でも、
*1 義務(法3条)
、 断力不
26
5
に
用することが通常かど
うかを基準に 断すべきです* 。
(公社)日本訪
なお、特商法では、事業者が守るべきルール
等明
行的に購入
に区別するのではな
問販売協会の
「通常、過
た勧
*2 (
「
)
日本
*
1
2016.9
、
には
らないと
られる分 の
(
」
)
http://jdsa.or.jp/ uantity guideline/
、 本
、
ク(日本
)
ー
22
に当たらないと考え
5
ン
ッ
ー
要
件
ング
消
以 (
)
外*
数
(
)
(
)
703
704
請求
)
請求
行
(
)
年 (
)
年
(
による
られる分
)
に ける ー ング
消 の 要
( 行
の目安」*2は考え方の1つの目安と
して参考になりますが、
ース
していれば、
ースで考
性 「過
」
の
念に金額の多
一組購入したとしても、それだけで過
することはできません。しかし、
想定できる通常の
は
と購入することは一
具を
性を主
消費者 約法
(以下、消 法)
なら、
「集金のた
数購入を
びに3~4時間ほど勧誘された」
の点は、断って
いるのに
的に考えにくい
性の
断に
去
(消
「中
え得るといえます。
と
知をしたものとして取り
その他の関連法規
格帯の商品と異なり、高
ことを踏まえると、金額も過
を
)
消せます。
含まれません。したがって、100 万円の
品を次
に
約締結を必要とする事情に関
する事項につき不実
えるべきでしょう。
と
(
性
ってくれなかったのであれば、不
法4条3項1号)
で取り消せます。他方、
に
い点があり
」と言われた点ですが、
特商法と異なり、不実
布団の
い換えの必要が
知による取り消しはで
きないと考えられます。動機は重要事項に含ま
なく下取りが必 ではないような場合などは、下
れないと考えられているためです。なお、消
取りされた布団も過去に
法は 2016 年5月 25 日に一部改正され、6月3
含めて
約を締結した分
に
断すべきとする見解もあります* 。
本事例は、いずれも
日に公布されました
(2017 年6月3日施行
定)
。改正法では、
約締結から1年以内の
な
具を次
機
(
「
購入させて
いますが、事業者は1社のみですから、過
また、
受
の主
を回
条)を、
の
が動
するために通常必要と
されます。
違 (90
約締結の動機との関係で動機の
(95 条)
を検討します。
、書 不備を検討します。 の取消 は、
「中
に い点があり
*
は危
民法では、過 性との関係で公
を検討すべきでしょう。
のクーリング・オフは、法定書
害
約の取り消し
重要事項の範
断される事情」
)
にまで
性
を認識することは可能です。したがって、過
販売解
販売
が認められるとともに、
約です。年金生活者に対してわずか3カ月間
で 100 万円近くの高
過
クー ン
オ
」との点が
的な事実に
こに
こ
する相談
は、
の
状況に基づ 、1
の
として
する のです。
よ な
ー スに関
するトラ
で
て 、
の
等の状況
生の
な
なれ 、
て ます。
度の
2016.9
23
EU 離脱、消費者の心配
イギリス
● Which? ホームページ http://try.which.co.uk/brexit
http://www.which.co.uk/news/2016/07/brexit-value-of-the-pound-tops-post-vote-fears-448605/
2016 年6月 23 日の国民
(ブ
の結果
グジット
宅ローンへの
リスの
に2年はかかりそうだが、国内外の政治・ 済情 の
に
は
利擁護
力するとコメントした。しかし、
者会員を対象に懸念事項について
(1,834 人回答)では、ポン
の目減りが各 71 ・68 、
健康保
カー
日用品の高
(
安が 75 、年金・
金
通で利用できる
) の失効が 63 、
が 63 と、やはり
品や
済状況の悪化に集
34 、年金は 85 対 36 、
て 45 歳以下の
93 に
ではポン
資が 26 (同 31 対 12 )、
安、住
である。
消費者保護法
金は保護されるか
ト通販にかかる関
海外のネッ
新 や 入 の購入
の下 で年金が減額するのか
のロー ングへの
決定後に不安を
資産の目減り回
相場
海外 行や携帯電話
雇用への
の懸念や質問を受け付け
メールが
金は 82
37 に対し
が 25 (同 34 対5 )
の
は変わるのか
で大きく
い違う点であり、ポン 安については 留
対 34 など。
つき合いや外
金・
留
では専用サ トを開設し
ート
中している。興 深いのは、 留 と
対し
5 )
、
が
ねたアン
域内
約をしようと思う
分野としては高額消費財が 28 (
決定 日に消費者
な行動を呼び掛け、今後も消費者の
に
、家計費、雇用状況の変化などに対
する懸念が強かった。さらに、
)が決定した。正
不安定は れない。
ほか
など、消費者
に回答している。また、
した
策を伝
の発信者を標的に、
するなどとうたう詐欺
増しているとして、添付フ
ルなどを
開いて個人情報を まれないように呼び掛けている。
手指消毒剤の安全性データを企業に追加要請
アメリカ
● FDA ホームページ http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm509097.htm
● CDC ホームページ http://www.cdc.gov/handwashing/
http://www.cdc.gov/Features/GlobalHandwashing/index.html
近くに
けんや水が
え、
に
るタ
いときに、水で
チルアルコール
(
が約
プロ
割、その他
ルコ
(
時から同
などが
品医
品の
タ
ール)
に
中や
中から検出されたとする外部の専門家などからの
指摘があり、前
効性に関する
の3主成分について、安全性と有
加データの提出を
業者
に求め
ブリックコメントを
(
病
水による手
段の1つであり、下
などの呼
を
っており、既に市販の
加データ提出とその後
て最終
が発
を伴う
の 30 減少、
の 20 を減少させることができる
ている。水と
けんが
行を呼びかけ
用できない場合に限り手指
(アルコール60 以上)
の利用を推 している。
ォッシ
24
年 10 月 15 日は、
「世
デー」であり、世
が参加している。
2016.9
けんと
防の最も重要な手
の後や調理前などに
消
される。
いは病気
として、ト
および小 が同 品を 入する場
合の安全性に強い関
消費者用
防管理センター ) は、
なお、2008 年より
ることとした。
は特に
されている。今回の
な
度で
中の主成分が
手している。2013 年 12 月には一
一方
場した当
により、従来想定され
なルール作
として、2015 年4月には医 ・保健用として規準
の
を始めたが、近年では低
を上回る手指消
りに
が発
化
われている。
も検出できる最新の高度
ていた数
は便利
ルアルコールや
品局 ) では 1970 年
品の有効性と安全性に関する大規
さず
プの市販の手指消
だ。主な有効成分は
ン
い
100 カ国、2
ン
人以上
国旗ペイントグッズから有害物質検出
ドイツ
●商品テスト財団 ホームページ https://www.test.de/Fanschminke-Schminke-und-Klebe-Tattoos-mit-Schadstoffen-belastet-5024667-0/
https://www.test.de/Fan-Schminke-Douglas-und-andere-grosse-Anbieter-rufen-WM-Schminkstifte-zurueck-4731744-0/
●バーデン・ビュルテンベルク州農村地域・消費者保護省 ホームページ http://mlr.baden-wuerttemberg.de/de/unser-service/presse-und-oeffentlichkeitsarbeit/
pressemitteilung/pid/behoerden-ziehen-fanschminke-aus-dem-verkehr-1/
サッカーは、
国別対
で最も人気のスポー
戦では、
国
援するフ
ンの
と
けるように、3
を
りで
が目立つ。
に
である。
・
ントして応
・金の国
を
カップ開催中、
グッズが回
ルテン
される
ルク
がん性の
数の
国
となった。
止されている。また、4商品から検出された
タル
の
止
に、
プ等の
その結果、
から別の有害
止
は
を消していたが、全商品
か そ
化水 )
とフタル
(可
用が
品への
用
シル)
、
(フ
への悪
を理
止されている。さら
止成分ではないが、高
度の
(
)が検出された商品もあった。
品に
に
われる成分だが、発が
ん性との関連性が指摘されている。
このように、問題の多いテスト結果となったが、
日常的に継続
質が検出された。
特に目立ったのが、
(多
品への
ースの化
化 品7商品、タト ーシール5商品の計 12 商品を
対象に、商品テスト財団がテストを行った。
チル
ブチル)等も、生
化水
が検出されたた
めである。そこで、今回は、スティックタ
ジ
ジ 2
として、化
の行政機関が実施したテストで、発
いがある
の化
が
(フタル
われ、化
ン
(
の一
ント
ーデン・
)は発がん性が
フタ
合
同時にセットされたス
ティックも販売されている。ところが、2014 年の
ワール
ある。8商品から検出された
用する商品ではないので、健康への
直接的な
はないとするのが同財団の見解である。
しかし、
を
りへの
用は
)
で
する
を含むため、目・口の
えるべきと助言している。
養殖魚もひとまず安心
オーストリア
●オーストリア連邦環境庁 ホームページ http://www.umweltbundesamt.at/aktuell/presse/lastnews/news2016/news_160629/
●ニーダーエスターライヒ労働者会議所 ホームページ https://noe.arbeiterkammer.at/beratung/konsumentenschutz/essenundtrinken/AK-Test__Geringe_
Belastung_von_Fischen_mit_Ethoxyquin_und.html
海のないオーストリアでは、海 国に べると の
取
が少ない。簡単に入手できる海の
は
ト
等からの
入品だった。
テストの結果、問題成分が検出された商品はあっ
入品
のサ 等に限定されるが、その一方で、 スをは め
たものの、全商品が
とする川 ( 水 )
は、 くから
に、養
シ ー ルトの
( )でもお
ある。最近、
添加
ーで購入した
のテストを、連
18 商品
(
や養
を問題
そこで、 ーダー
スー
な
みで
による健康効果が同国でも認識さ
れつつあるが、重金
質、
に上ってきた。
に
われる
生
する消費者団体もある。
スターラ
庁に委
いう高
品質
ト
シ
ンと水
ア1)
、 然
21 商品である。そのうち、国産品は
だけで、ほかは
ル
ワ
の2商品
ト
シ
のために添加される
化
ど一定の大
の
だが、
で
テストを委
者に自信を
はない。また、水
に変換されると、
に
」と
ンは
に広く分布する成分だが、水中で神
つメチル水
としての基準
は
性を
グロ、カジ
な
した
積されると言われる。
働者会議所は、過去の調査と
べて明らかに改
)
の計
ー、 タリア、アラスカ、
になった。なお、
常に
自然
した。対象品は養
3商品
(全てサ
然の3商品は
「
添加
ス7、サ 6、 ワ 2、 ンガシ
ス2、ティラ
された。特
は
働者会議所は、
に含まれる
の7商品と
に適すると
って推
されたと
できる
する一方で、消費
は、
「
常に
された商品に限られるとする。さらに、
産
」と
は
グロやカジ を べないほうがよいと助言している。
2016.9
25
消費者運動の歴史
戦後 ~1960年代
内 府国民生活局 、
国民生活センター理事等を 任。
グロー
ル時
の消費者と政策(民事法研
市消費生活 議会会 。
(公財)
横 市消費者協会 議員。
会)。
消費者運動 略史
はじめに
(
わが国の消費者運動は、戦前の消費組合
(現在の生活協同組合)
の運
動にその
ほう が
不
がみられましたが、より本格的には、戦後の深刻な
のなか、生活必
資を確保する運動からスタートしたと言って
よいでしょう。その後、高度
者問題が
済成
の時
に入り、さまざまな消費
在化するなかで、消費者自らその
利・利益を守り実現す
化してきています。本
大きな
を3回にわたって
れと特
では、戦後の消費者運動の
してみましょう。
消費者運動の立ち上がり期
⑴1
年代
生活の
要の
1945 年の終戦直後、深刻な
不
の欠配に苦しむ大阪
らにより
「
こうの いけ
)
」が行われ、後に関
主
の主
と
連合会
(関
しい
主
つながりました。東京では、1948 年、 悪で
チの出回りに
として主
⑵1
議する
「不
連合会
(以下、主
年代
1950 年
ッチ
1
(
年 ◦
1)
1
(
年 ◦
)
◦
◦
組織
の
1
(
1
(
年 ◦
)
よこせ運動
(
◦
デ
◦
連)の結成
(1949 年)に
のつかない配
も
デ
品
ッ
)
」
を
機
の
に入ると、消費者運動を担う全国的な消費者団体が相次
いで設立されます。
1
(
年 ◦
)
1
(
年 ◦
)
消費生活協同組合法の制定(1948 年)を受けて各地で消費生活協同
組合(生協)が活発な活動を始めましたが、1951 年には、その全国組
織として日本生活協同組合連合会(以下、生協連)が設立されました。
また、各地域の
人会が
人の利益向上を掲げて次第に都道府県単位
でまとまり、さらにその全国組織として、1952 年全国地域
2016.9
26
人団体
◦
1
(
1年 ◦㈶
)
1
(
年 ◦
)◦
)
(
)
)
(
)
(
)
件
年 ◦
1) (
◦
(
1
(
(
(
1年 ◦
(
)
る
が進むなか、
)
年 ◦
)
年 ◦
)
連)
が結成されました。
による
1
(
1
(
ンフ
運動
(おし
事
1950
を
年代)
年
る運動として展開されてきました。今日では、消費者運動の対象や取
り組み手法も多
1
)
)
1
(
(1995 年
( )
)
件
件
)
連絡協議会(以下、地
連)
が結成されました。
消費者運動 略史
1955 年頃からは、日本 済は高度 済成 の時 に入っていきます。
1956 年の「
済
書」では、「もはや戦後ではない」と
言されました。
大
生産・大
消費のしくみが広まり、生活が次第に豊かになってい
く
で、欠
商品などによる深刻な消費者被害が相次いで発生しま
した。
の
入した
を出した
ルクを
んだ
に多数の死者、中
ルク中 事件
(1955 年)
はその象
るでしょう。こうして本格的な消費者問題が
(
場してきました。
1956 年には、生協連が中 になり、主 連やその他の消費者団体も
加わって、全国消費者団体連絡会
(全国消団連)
が結成されました。
1957 年には第1回全国消費者大会が開催され、
「消費者
事
年 ◦
)
◦
1
(
◦
1
(
年 ◦
)
1
(
年 ◦
1)
◦
言*1」が
択されました。かくして消費者運動の基盤が整ってきたと言えるで
しょう。
済成
が進み、新商品が次
そうしたなか、商品知識が不
しがちな消費者と専門分化が進む事業
者との間で情報力や交渉力の格差が
は、この格差を実質的に
と発売されます。
い消費者」をめざす活動に重点が置かれるようになります。
⑴
消費者
主
の
連は、1950 年に日用品
査部を設けて以来、商品テストに取り
組んできましたが、1960 年 には 品や
提
などの安全性に関し問題
をしていきます。
1961 年には、日本生産性本部の消費者教育 から発展するかたちで
日本消費者協会*2 が設立されました。同協会は、消費者リーダーの
養成などをめざした消費者教育事業を実施するとともに、商品テスト
の結果を情報誌
(
い 上手 、1963 年以降は 月 消費者 )
に掲載す
る活動* などに取り組みます。
1964 年には、消費 学連合会
(消 連)
が設立され、消費生活を 学
的に考えることをめざし消費者講座などの実施に取り組みます* 。
⑵ 生活の合
戦後の
生活
のなかで、従来の
生活
を
し生活を合理化しようとす
る「新生活運動」が生まれましたが、その推進に当たる 新生活運動協
会*5の支援により、1960 年
1,000
して、
ば頃から
「生活学
以上開設されました。生活学
品の安全、資
・リサ
*
」
が全国各地に
は、地域の消費者グループと
クルなど生活に係わるさまざまな問
2016.9
27
)
年 ◦
)◦
1
(
◦
大していきました。消費者運動
小させるために、合理的な選択ができる
「賢
件
年 ◦
件
)
◦3(
1
(
は、高度
(
)
◦
1960 年代:
「賢い消費者」
をめざす運動
1960 年
年代)
年
者
的なものといえ
1
100
件
(
)
年 ◦
)
◦
1
(
( )
消
費者庁 消費者
者作 。
を
に
*1
「 のの
としての消費者、 に
の
は
に
い。
と
を
くして消費者の
を
しま
し
。 して
の らしよい
を く
」と 調 く
れ 。
*2
は
人。
*
の消費者
( onsumers
nion、2012 年 に 体 を on
sumer eports に
)による
テスト
onsumer eports 行
と れ 。
*
2012 年消費
*5
る
の
*
50 人
活
。
センターと
人
度の
を
ー 。
し
。
の日本を
とし
題をめ
⑶
って運動を展開していきます。
当
セ
1960 年、
「
大
んど
(当時
」
と
な)
や
だということが
を
の
⑷
ったものは 1 割ほどしかありません
庁
スの不
の制定を求める運動を行いました。こ
*
「
」の
で
かけは、
との
情の
こと
の
し
に
いこと
に
て、
し
の
てい
の
。調べて
に
ると、
ではな
。このことから、
「
を作
れる。
法の制定につながりました。
ると分か
」とい
と生活防
1960 年
は
が
わ
わと上昇し続ける時
1952 年の結成以来、社会や生活に関する
たが、この頃から
問題、生活防
強めました。その1つが化
当時、市販の化
品をめ
品は、再販売
でした。地
広い活動を行っていまし
る運動でした。
格
格が
等なのに
格に大きな開きがあることが
制度* の下でメーカーに
定されていました。そうしたなか、品質や
た。 そ こ で、 地
1968 年、100 円化
スコ
っていた会社と
が同
で問題とされまし
連 は、「 賢 い 消 費 者 」を め ざ す 自
品を
連は、
など消費者問題への取り組みを
より販売
化
協会や関係
を求めるとともに、商品やサー
を機動的に規制する法
れが 1962 年、景品
の中身がほと
明しました* 。東京都
連は、これを重大な問題ととらえ、
に対し、うそつき
当
の
して販売されていた
の調査によれば、すべて
でした。主
事件と
同して安
運 動 と し て、
な
「ち
品」を開発し販売を始めました。この活動は、1970 年
れ*
には地
連など消費者8団体による再販制度の 止運動につながっていきます。
*
ー ーな
に し
て
の
を
すること
(
行 )は、
により「
な
方 」として
れている 、
は、化
、
な の日
として
れてい 。
*
「
く
れ」とい
体 に由
の
(民
2
ーワー
)(民
1 、
日本
2
。
口
と消費者(
2010 年) 2
2016.9
28
は、
まで
な
消費者
、2015 年)
消費者
消費者
(
、2015 年)
、
学生と県民が一緒に学ぶ
-大学と県の連携による消費生活講座-
専門は
済法。大学では独
法人え
止法、知的財産法を担当。
め消費者ネットの理事として適格認定に向け活動中。
このコーナーでは、消費者教育の実践事例を紹介します。
集の
地域に開かれた大学として
大学と
ています。
なお、2015 年度の受講者数は、学生が 56 人、
県
(以下、県)
は、学生と一
県民が 50 人でした。
県民
(以下、県民)
を対象に、2007 年度より消費
者教育のための「消費生活講座
(以下、講座)
」
を
最新の消費者問題を講義テーマに
連携して実施しています。
本講座を大学が県と連携して実施する理
すが、
学生が消費者トラブルに
き
で
消費者問題は多
まれる
学生に対する消費者教育の実施を通
て消費者
としての自覚と自立を促すとともに、
にわたりますので、消費生
活に必要なさまざまな知識を専門的・体
ことが増加している実態を踏まえ、
大学として、
開かれた大学として大学の
知を行い、また各市町でチラシも配布し
得できるよう、講義は大学の教員だけではな
く、それ
地域に
的に
れのテー
に関する分野を専門とす
る外部の講師が行う場合もあります。全 15 回の
業を県民にも開
講義のうち、2015 年度を例に挙げると、大学の
することにより、県民に対する消費者教育推進
教員が7回分、外部講師が8回分を担当しまし
の一
た
( )
。なお外部講師の
を担い、社会
活動に積極的に取り組
むこと、の2点が挙げられます。
本講座は、法
学部の開講
頼については、県の
担当職員が行っています。
目
「法学特講」
を
ー
「消費生活講座」
として、学生と県民が一緒に学
というかたちで、 年10月~2月の後学期に、
2
1回、90 分の講義を全 15 回で行って
います。学生は、
出
した講座においてアン
トに回答し、最後に
ー
度
ポートを提出すれば2単
年
位が取得できます。県民については、 講座の
出
回数が 10 回以上であること、 出 した講
座においてアン ートにすべて回答することを
要件として、講座修
を認定する
「修
交付されます。この県民に対する修
付が本講座の特
県民の受講
程度です。
1
11
書」
が
1
書の交
13
14
の1つであるといえます。
1
集は県が行い、 集定員は 50 人
年8月に県の
ー
1 年度消費生活
ージ上で
2016.9
29
の
ー
年開講している講座のため、特に気を
ていることは講義テー
している県民にも興
の選定です。
を
で本講座では、
「消費者取引の法
年受講
いたテー
ってもらえるよう
に、最新の話題からテー
げるテー
っ
を選
を
年必ず取り上げています。具体
的には、
大学の民法や民事
など、取り上
法の担当教員が、
法改正の動向を踏まえつつ、消費者 約法、特定
や講師を変える工夫を行っていま
商取引法、消費者団体
す。
制度の基
いて講義しています
(講義テー
例えば、2015 年度と 2014 年度の講義テー
の変
点は、 ンターネットやス
」
に重点を置
知識につ
~ )
。受講後
のアン ートによれば、多くの受講生が
「消費者
に関する
約法や消費者団体
制度等についてさらに
消費者被害が増加している実情を踏まえ講義
理解を深めていきたい」
などと回答しており、受
テー
講生の学
2および同 を、成人年齢引き下げとの
関連で同 を、
融商品や保
交渉との関連で同
を、金
意
を高める一定の効果を果たして
います。
商品についての正しい理解を促す
また、同
に
年取り上げている
「消費生活
ために同 1 および同 1 を新たに加えたことで
相談の実態」
については、
県の消費生活センター
す
( )
。そして、最終回
(同 1 )
で板東
の消費生活相談員が、県内の消費者トラブルの
費者庁
消
官(当時)
による消費者行政の動向につ
いての講義も
り
みました
(
事例を
)
。消費者庁
れられない
重な
き
まれた場合の
対処方法等について講義しています
(講義テー
官による講義を受けたことは、受講生にとっ
て生
明し、トラブルに
)
。受講後のアン
となりました。
解
書
ートでは、
「実
に
約
を書いてみてもっと活用すべきだと
思った」
「トラブルにあったら消費生活センター
に相談しようと思う」
などの回答があり、受講生
が実 に消費者トラブルに
き
まれた場合の
対処方法や相談先を知ることに一定の効果を果
たしています。
今後も消費者教育の充実のために
年本講座を続けてきましたが、2016 年度
はちょうど 10 年目に当たります。県民について
消費者
(当 )
による
は
のよ
よって変動はありますが、平
して 110 人程度
が受講しており、
これまでの受講者数の合計は、
定番の講義テーマも
県民と学生合わせて 1,394 人になります。
につ
今後も一人でも多くの受講生が消費者問題を
らしていますが、開講以来継
理解し、消費者として生活するうえで必要なさ
このように本講座では取り上げるテー
いて
年 50 人程度が、学生についてはその年に
年工夫を
続して取り上げている2つのテー があります。
まざまな知識を得て、今後の生活に生かしてい
それは「消費者取引の法
くことができる、自立した消費者となるよう、
」と
「消費生活相談の
大学と県が協力し、消費者教育を充実させてい
実態」です。
きたいと考えています。
消費者としての自覚と自立を促すためには消
費者を保護する法
の理解が不可欠です。そこ
2016.9
30
株 式 (1)
フ
法人日本
協会専務理事、
ンス、 ーシ ルフ
認定者、金融 済教育推進会議委員。専 は、
ンス、金融教育、シ アリング・ コ
ー。
ます。
ー
年1月、ス
ル
スのダ
スで開かれる世
済フォーラ (
資とは、
金を
す
業に出資することです。お
付(融資)は、利
してもらえる
とともに
るリスクを取って、
資した
や議決
ク調査では、気
本が増減す
があります。
主
のように配当が
会での発
そのものの
がりのほかに、配当を受け取る
が、利
金を
業を支援することです。
リスクを取る以上、その会社の
言
2016 年に実施した今後 10 年のグロー
約をするので、リスクはあまり
ありませんが、出資は、
)が
変動を最も深刻なグロー
ル
リスクの1つであると位置づけ、事態の注
と
対応の必要性を世
え
各国の
資家に対して
ています。社会問題や
社会から
上
ルリス
に配慮する
ばれ信頼され、売り上げも
も上
がるようになります。
利もあります
たちが
年必ず出るわけでは
資するのは
期的な資産形成のた
めですから、一時人気があっても、す
ありません。
が
ちていくような
りません。また
業が成
業への
期売
を
資は
に
り
業は、社会に対して人 が む 品・商品や
スを提供します。今、国
業に求められていることを
「
す。つまり気
(
的にみて、
す
機では、
するための安定的な資本とはなりま
を生むためには、
などの
し中
)問題に配慮しそれに対応する
社会(
)の
・
いん い
業活動が
明・公正で、不
理や事実の隠 などをせず、社外取締役を
設 け、
性や
(
の信用は失
し、売り上げは
ち
続的に成
が向上していくことが
や為
期的に成
の日
の変動は
していく
業は、
とになるでしょう。そのために
業と積極的に
対話をし、
営を行い、新
業
くなら、
も下がり
体によい
2016.9
業も
でも支えるこ
業が
ーシ
するような
理をして、それが発覚すれば
資がリターン
たちの生活を資産形成という
たな
がい者の能力も生かすこと
)です。
に不正
業
ありますが、中
える問題を解決できるように
すること、そして
期的に
期的な
資する
ましいといえます。
育て・格差など
の度に
もかかります。
資産形成のための中
」と呼んでいま
変動リスクや
こと、雇用問題や地域
正
手数
益
ましくあ
せんし、リスクも極めて高くなり、売
サー
業は、
31
明で公正な
ンを推進し、社会問題を解決
品・商品とサー
たち一人
を
スを提供してい
とりだけでなく、社会全
えるようになるでしょう。
融機関に対して、
の
ところで、日本
責任
(信任義務、フィデ
済は今どういう状態にある
でしょうか。
働・資本そして
産要
働した時の
成
をフル
ティ)
に基づいて、
といった生
済成
率を
「
率」と呼んでいますが、わが国の
率は、
在
在成
決をめざし、
性や高齢者にも働
いてもらうという 働の問題、 ( ンターネッ
たちが
1つは
提
ンを
下
連責任 資
ートガ
ンス・コー
明
その
業に対して
し、それを守ってもらうというものです。
2つ目は、運用会社などの
「機関
て、
資している
らうスチ
ワー
資家」
に対し
業との対話などを行っても
シップ・コー
を金融庁が提
し、多くの機関がこれを実行し始めたことで
す*1。さらに個人へ
資する個人にリター
)
も2015
資の
である国
(後で 細 明)
に署 しました。
は
「
社会・ガ
という規範を
営を
( 主資本利益
年金積立金管理運用独立行政法人
(
が行われています
(図)。
業が不
業
たちの公的年金を運用している
年 月に国連が進める
資家や社会からみて、
ー
していく、ということをめざすことに
なりました。
していません。
で不公正な運営をしないために、
コーポ
問題に配慮して、
資する資本の効率性を高める
ための一連の改
資さ
ンや新しい市場開拓を行い、社会問題の解
率* )8%以上を目標に
を開発すると同時に、資本の生産性
そこで
業は個人などから
新し、 在成 率を高め、
(人工知能)
といった
された資本が効率的に力を発
したこと
れた資本を効率的・効果的に活用して
ためには、人口減少の中で
業に
リー・デ ー
第一の営業や販売を推進
これらによって、
シ
を高める必要があります。日本では
者
です*2。
べても低い水準にあります。この状態を変える
ト・オブ・シングス)
や
ーシ
することを金融庁が行政方針として
ロに近くなっており、他の先進国と
新しい
資する個人に対する受
資先
業における
(
・
ンス)
を適切に考慮することは、被
保
者
(国民)
のために中
の
大を図るための基
や
続的成
期的な
となる
資リターン
業
の向上
に資するものと考える」と
べて
います。また
業年金連合会や運用会社なども
この国連責任
資
に署 して、
資を
実行しつつあります。
日本政府も
資信 などを販売する金
資を後
ししています。
2014 年 2 月に
による
金融庁が発
と国民の しい関
した
「日本
スチ
ワー
資本市場
シップ・コー
*
」
、2015
年 6 月に金融
庁と東京
取引所が発
行
した
「コーポ
図
*1 日本 ス
ワー シッ
ー に関する
者
http://www.fsa.go.jp/singi/stewardship/
年
(
庁)
*2 2
年度
行政方 に いて(
庁) http://www.fsa.go.jp/news/2 /20150 1 1.html
2016.9
*
本に
*
「
る
する
の
」の
日本 ス
ワー シッ
ー
と
を
て
の
を す
に
の
に いて(
庁)
http://www.fsa.go.jp/news/25/singi/201 022 2.html
32
関
ートガ
ンス・コー
続的成
*5」
は、ともに
や中
期的
資が
業の
1,556 機関、日本では、
の増大に資するとし
のほか
業年金連
合会など全部で 48 機関となっています。
ています。
さて たちが
ところで国連責任
資
とは、具体的にど
ういうものでしょうか。それは機関
益者である個人や国民のために
ち最大限の利益を最大限
として果たすうえで、
や
)
、社会
(
)
、
)
課題
(
り、
て責任ある
す
スに
は
業
資分
と意
業
の所有
しんちょく
国連責任
資
は
スタートしましたが、同
外し、3 年平
*
の
す
に
und)
のこと。
と
4
という
する日本
スの
資運用およびア
が
国ダ
・ジ
ス会
ーンズ
指数である
) も、
の
ン デ ックス で す。2015 年 の
「
」では、全 世
317 社
(日本
を受け入れる旨を
で
業を選んだものがありま
(
力のない規範として
業を選択
出する指数に
同で 1999 年に開発した
します。
積営業
取引所が100%
が
社である
の大
業 約 2,500 社 から
業 20 社 )が、 ま た
「
」
では、アジア 平 地域の大 業約 600
で
業 62 社)が構成
とし
て選定されています。
(なお、2016 年7月、同
ンデックスは、不正会計問題を
を
のこと。
している
や
当
し、2 人以上の社外取締
業
す。またス
ート
を
の
に
ンデックス・シリーズがあり、そ
に
ンス
ー
の
な
と
な
の
の
に (
)
http://www.jp .co.jp/e uities/listing/cg/
t di 000000 jdy att/code.pdf
*
業のガ
選択をしています。
社から 145 社
(日本
*5 ー
ンデッ
取引所の整理
額を加
の中に
の効果を
明した機関は、2016 年8月現在、全世
を
4
の実行に関する活動状
開
や、
出資する
において本
状況に関して報
のうち
ンデックスです。これは
国 的にみると、ロン ン
高めるために、協働します。
況や進
400
しており、 年
働きかけを行います。
たちは、本
ックス)
がありますが、これら
役選任などの定性的要 を加 して
に
を求めます。
を実行する
日
利益・時
所有者になり、
が受け入れられ、実行に移されるように
たちは、本
225)や東
ン デ ッ ク ス で、
の
した
資対象の主体に対して
たちは、資産運用業
平 (日
ンスに関して、過去 3 期すべての時期で営
問題を組み入れます。
課題について適切な開
資することです。
2014 年1月にスタートしたもので、
言するもの
みます。
の所有方針と
に
)について選択している
クスが
治に関し
決定のプロセ
たちは、活動的な
ン
*
業を選んでいるわけではありませ
(
です。
課題を組み
たちは、
で
ん。 日 本 の
点を
です。つま
資行動をとることを
たちは、
ンデックスフ
ンデックスには日
治
(
、社会、
です。次がその6つの
や
指数
(ト
課題)
に関する
資家として
者
(
業
させるための考え方を
注目し、その中の 業やそれに対応する
決定プロセス
の保有方針の決定に
を
基準として 業を選んでいる ンデックス* に
点に立
求する義務を受
資の意
したらいいのでしょうか。そのためには
資家が受
期的
資を進めるためにはどう
(E changeTraded
外しました)
。さらに
もあります。
2016.9
33
こした東
生活センター 相談
「定
が
か に
」
を
し
し
を し
の
の
こ 、実
こ
「初回お
で
ー
で
で
、事 者
事例を紹介す 。
そうしん
身と
容に効果あり」
格 500 円」という健康
ー
ージや
等で
「健康に
ット効果あり」等とうたう広
を見
を見てス ートフォンから注 した。ところが、
て、
「お
し」
「1回だけ」
のつもりで健康
品を
商品と同
通常
の
品の広
消費者が
い」
「ダ
は1
し
は
者
結果概要
相談内容
ンターネット上で
「
が
部
求書に
「定期購入で2回目以降
4,000 円。5回以上継続しないと解約で
は定期購入
きない」と書かれていた。
購入時には分からず、
むと体調が悪くなる
否された。サ
の下のほうに小さな
な
定期購入が条件であることや、定期購入期間
トを確認すると、
で他の
に
れ
なので
格 5,000 円での購入になる」と
ー
ージ
上に記載されているものの、
が小さいな
にす
ること。
解約や問い合わせなどは電話でのみ受け付け
そうと思っただけ
ているが、電話が
得できない。
常につながりにくい状況
にあり、その間に新たな商品が届いている ー
交渉している間に2回目の商品が届いた。
(40 歳
内の解約は受け付けないことは
ど分かりにくいので、分かりやすい
また、事業者から
「単品 いとする方法もある。
言われたが、500 円だから
品の通
信販売業者に対して、
次のような対応を求めた。
て「定期購入」と書かれていた。
その場合、通常
約だったというトラブルが増加傾
国民生活センターでは、本件の健康
し出たが
「定期購入と記載しているので解約には応
画
格で購入したところ、実
向にある。
ため、2回目以降は不要と事業者に
い」と解約を
格より安い
性
スもあるため、
生活者)
ージでの解約フォー
の導入や、メールでの受け付けなどの対応
をとること。
2016.9
ー
34
本件相談者のように、健康
とによる体調不
を理
品を
取したこ
として解約を
が条件なので今す
す
否される
解約はできない」などと
ースが多い。広
上では定期購入期
る消費者に対しても
「定期購入が条件」
として
間内の解約は受け付けないことが記載されてい
いるが、
るものの、小さい
な対応をとること。
その後、事業者より、
・当
その旨が注
事業者および関連事業者の全商品につい
て、
「定期購入である旨の
とは別の
で
業者に解約を
し出る
500 円など)のみを支
広
いても、通常
画
の変
を行う。
・電話は引き続きつながりにくい状況にあるこ
・本件相談者を含め体調不
を理 とした解約
つながらない
メールで事業者に連絡しても、
「電話でのみ解
約の
あっても受け取った商品分のみの
は対応されない
品に応
求
る)
こととした。
し出を受け付けている」としてメールで
ースもある。
約先が海外の事業者である ースもみられ、
このような場合、
「外国
との連絡があり、本件相談については終
度かけても通話中で
ースが多くみられる。消費者が
することとし、この場合、定期購入期間内で
の商品については
上にないことがほとんどで
また、事業者に電話を
については、事実関係にかかわらず対応
する(未開
ースが目立つが、
ある。
を設けた。
金を
格
(100 円、
ってやめたいと思って
求される
その旨の記載が広
し消費者に連絡することとしたほか、 ー
、初回
格 ( 商品によって 3,000 円から
10,000円ほど)を
とから、メールやフ クスで連絡があれば り
ージ上に問い合わせフォー
ージに記載されて
消費者が
「定期購入にした覚えはない」
等と事
きるよう、チ ック ックスを導入する」
など
・注
されている場合や
いる場合がある。
をより明確にす
る」
「その旨を消費者が確認したうえで注
画
で
する
対応なので意思
ができない」
「メールで解約を
こととした。
ない」といった
通
し出たが
信が
ース等があり、解約の
し出
が困難になる場合がある。
の
問題点
の
いての広
約は
者は
本件事業者のほか、トラブルが多い各事業者
円」
「
の有
ージをみると
「お
し
(
のみ」といった
は強調されてい
重に
ン
約内容や解約条件につ
、
がある場合はその
内容を確認したうえで
に
ー
ポ
約に当たっては、
る
の
ッ
約するかどうかを消費
断する必要がある。
具体的には、
格)
「初回
」
・定期購入が条件になっていないか
る一方、定期購入が条件であることは他の情報
・定期購入期間内に解約が可能か
より小さい
・解約の
とは別の
で
ージに
されていたり、注
画
などについて、商品を注
されていたりする場合が
最近では
「ス
月
さい
入であると気づく
ースが多い。
例もみられるので、ス
し出たとしても
「定期購入
の
2016.9
35
の
ートフォンで注
以降(2回目以降)
に商品が届いて初めて定期購
事業者に解約を
する前に確認してお
く必要がある。
ある。そのため、消費者は定期購入とは認識し
ておらず1回限りの購入だと思っており、
し出先や方法
(電話やメール等)
したため小
はよく見えなかった」という事
ートフォンからの注
は特に注意が必要である。
行
暮らしの法律
一
。
民事・
協力
。
事事件、知的財産、法
(
法
事務所)
相談などを手がける。
戸籍上の氏名は
変えられる?
相談者の気持ち
「 (
)
」
は、 とともに、
個人の同一性を特定するため
の変
の呼
す。もっとも、少なくとも単なる個人の主
として、重要な機能を
については、夫
と未成年の
の構成する生活
体に
する者の
通の呼
しく変
が
家
所が「やむを得ない事
した場合に限って、
の変
は大きく、
なりますが、一
当するのは、
・難書で実生活に支
と
念上
た
として変
では、「
は、家
」の変
の変
認められた
ースとしては、近
に
住しているため、郵便
、社会生活上支
の変
に同
が
同
や運
の
品等の
を来していたという
例があります。
上昇の
能人と同
前を変えたいという
の変
同
の
ースですが、前
が認められるのは、その
の継続を強制することが社会
念上
だしく
不当と認められるような場合に限られます。こ
のことからすれば、人気のある
だしく不当と認められる場
という程度では、
月一日」( わ
の変
能人と同
同
は難しいと言える
でしょう。他方、
については、同
が認容されています。
ることにより、前
のような社会生活上の
はどうでしょうか。
い支
き ) や「八月一日」
(ほずみ)という
を
の者がいることを理
のとおり、
または難
の継続を強制する
合などとされています。例えば、
「
同
ため、
のあるもの、外国人の
らわしいもの、その
ことが社会
しく
ている場合で、
本件では、人気
所が認定することに
的には、
が生
りず、社会生
必要です。
配を生
を認めています。
ースにおいて家
しい支
者が
」
があると認定
どのような場合でしょう。
これについては、
個
の
、社会活動の一
があるというのみでは
同
法 107 条は、
この、「やむを得ない場合」に
上の
的
をする必要性が社会的に高い場合であることが
されるべきではないと考えら
れています。このことから、
やかな要件となっていま
断、信
活上
同
ですので、それが変
された場合の社会一 に ぼす
すると
部に支
同体およ
の構成する保育的な生活
と
情や
果たすものです。また、特に
び
した場合に認めらてれおり
(同法 107 条の2)
、
所が
「正当な事
は、難
の変
が生
ているのであれば、変
同
2016.9
36
し
が認めら
れる可能性があると言えるでしょう。
」
があると認定
であ
暮らしの
判例
消費者
例を
します
す
生活センター 相談
行政
の
部
と
件
請
求
請求
件
72
*1
請求
(
26 年
2252
61
12
被
者
)
作成に関し、被害者
事案の概要
同
を
)提
後死
取る
および付
ら支
書
われる保
5.25%の報
*1 を、
2 に
を り
求、異議 立手続による
。
上 15,000 円以下、
1 2 らが
等の提
金
(
により保
に支
を受け
約の内容は、
らの
が
会社等か
する行
こと。
。報
、異議
を
る
事件が
等に移行した場合、
により が司法書士・弁護士を紹介し、
等の委任をした場合には
済的利益の 5.25%を
の報
と
に支
う、というものであった。
済的利益の 10.5%ないし
害
い、
らが司法書士に
談金額)
が増額された場
後
4時間を える場合は1
日につき15,000 円以上 30,000 円以下の日当を
金手続の
業務を受任し、報
合には、増加した
)
等の出 が必要な場合、 日につき 10,000 円以
に関する保
約をした。本件各
作成した
に
の被害者 (本件
継した)および 3 が受けた交通事
の被害に関し、本件事
求書
)
認定額の 10.5%の報 を、 付き添い、医師 談
行政書士の は、交通事
事件の一 (
(行政
)
1
(
事 の被害者 の
( の
事 の被害者)
(
事 の被害者
の
1らが 約に基づいた報 等の支 いをしな
立書
かったため、 は本件
を提
した。これに
対し、 1らは の行為は弁護士法違 で 効な
で
どと主
2016.9
37
して
った。
暮らしの判例
は、次のように
断し、 の
れも認めなかった。
による
害別等
認定、症状
関
を
害に係る
いており、 が保
害
会社との
支
指図書を保
本件は
の被害者
上の
害
事務
(
務
義で
り、このような本件事件の性質に
を得る目的で」
「その他一
はこれらの
かつ、 は、報
の間の
談
あっせん
る法
をする」
ものに
であ
して
そこで、 は
弁行為の
の作成や相談に応
法 72 条ただし書の適用もないため、 の行為は
行政書士が取り
理
うことが制限されている、と
した。
約は公
成費用の
した。
に
に関する書
の作成自体が法
約書の記載等から書
を計
所は以下のように
可分である本件各
べて、 が本件各
るものであり、本件各
約は公
に
求
法的
る
る
の
弁護士法 72 条は
「弁護士
当性
および 3 が、加害者との間で
いが発生することがほぼ不可
会社
ての保
金
求に関する書
法的
い者は、報
来
び
である状
ての上
し提出しているが、これらの書
有利な等
の発生を認めるのは相当でない。
解 説
は事
況を認識しながら、整形外
約の一部分についてのみ報
して
効であるとした。
に
作成に関する費用のみ
することは不可能ではないとしても、不
約に基づいてした行為は弁護士法 72 条に違 す
は、
約に基づく が行っ
た業務は全体として弁護士法72条違 と言える。
理 由
に
事務
に当たり、行政書士法1条の2の対象外という
べきであるから、本件各
行政
ての指
止についての例外を定めた弁護士
本件事
として
される状況にお
に関する法 事務にあたることが明らかであり、
効である。
決を不
に
弁護士法 72 条により 止される一 の法 事件
人となるべき者を紹介することを業として行っ
に
」
とはいえない。
政書士法1条の2第1項)
に当たらない。また、
会社等と
ていたと言える。したがって、本件各
利義
導助言は、
いずれもそもそも行政書士の業務(行
当し、
行等の事務や、弁護士等
いの発生が
いて が行った書
事件を取り
を得る目的で、保
明に関する書
来法的な
らすと、本
の法
う過程で作成された
の 止行 との
件各 約は、全体として弁護士法 72 条にいう
「報
い、
は事実
会社に提出したことなどから
点を踏まえた解決が求められる事
事件に関しての法
を定めている)にいう
「
求書
定、過失割合をめ
の法
弁行為)
を取り
政書士の業務範
さに に相談して
求のための支
の
は、弁護
ものであって、行政書士法1条の2第1項
(行
談交渉
いたこと、 は らの受任者として自己
責保
を 止されている一
や
定時期などに強い
に当たることを前提に、つ
自
められる。そうすると、これらの書
士法 72 条で弁護士・弁護士法人以外が行うこと
かか
らは本件事
後
求をいず
書や保
等を作成
には
査
求、再調査の
事件、
求、再
立事件その他一
件に関して
理、
定、
事務を取り
い、
事件
査
政庁に対する不
他の法
らに
を得る目的で
は弁護士法人でな
求等行
の法
若しくは
事
はこれらの
解その
を
することを業とすることができない。ただし、
認定を得させるために必要な事実や
この法
断を含む意見が記載されていたことが認
2016.9
38
は他の法
に別段の定めがある場合
暮らしの判例
は、この限りでない」と定め、
事務の取り
合には、
い等を
事
弁護士の法
止している。違
行政書士に関する消費生活相談は、2013 年度ま
した場
では年間
の対象となる
(弁護士法 77 条、
して
する
約は、公
に
オネット 全国消費生活情報ネットワーク
システ
一方で、行政書士法1条の2は、
「1 行政書
頼を受け報
提出する書 (
利義務
多くを
は事実
明に関する書 (実地調査に基づく図
の
分)
。相談の内容はアダルトサ
トからの不当
を得て、官公署に
)
その他
決が出
度は約 400 件、2016 年7月1日時点の
効とされる。
士は、他人の
件前後であったが、本
された 2014 年度に約 700 件と 増した
(2015 年
2年以下の 役または300 万円以下の 金)
。弁
護士法 72 条に違
数
求の解約交渉に関するものが
めている。そこで、国民生活センター
は 2015 年5月 14 日に行政書士が
「
を
金
求」や
「解約交渉」
等を行うことは、弁護士法に違
し
含む。
)
を作成することを業とする。2 行政書士
ている可能性が高く、行政書士に解約交渉等を
は、前項の書
行うことは認められていないことについて報道
の作成であつても、その業務を
行うことが他の法
において制限されているも
発
している。
のについては、業務を行うことができない」と
定めている。本件は、交通事
保
会社に対する
相談対応、
書
の自
責保
求等に関して、行政書士が
等の書
かが
明に関する書
の法
断を踏
利義務
(
当するかどう
決は参考
事件 とは法的な
生ずることがほぼ不可
する
」に
われた事例である。本
の「 その他一
参考
の作成・助言等を
行ったことが、行政書士法に定める
「
は事実
の
793
例
例
22 年
2093
(
件
20
161
64
72
いが
)
)
であるものを指す」と
年
したものである。消費生活相談
(
22
829 227
(
では、消費者被害にあった消費者に行政書士が
事件を解決するための
行うことを
ちかける
そのような相談の
書作成や交渉を有
で
ースがある。本件は、
の参考になる。
なお、全国の消費生活センターに寄せられた
2016.9
外
)
)
:国民生活センター 2015 年5月 1 日報
「
ト
イトとの
を行政
はで ま
」
http://www.kokusen.go.jp/news/data/
n 2015051 _1.html
39
著作権
座
誌
学
上法 講
う ― 著作権法入門・基礎力養成講座
著作者と著作権者
(2)
法 知財事務所設立所 。 作 法・商標法等の知的財産関連の ジネスコンサル・ 約・
等が専門。
前東京都知的財産 合センター法 相談員、一 社団法人日本商品化 協会正会員等。講 ・ 作等多数。
前回に引き続き
作者と
討します。今回は
「
同
作
作
者について検
」
を中
に
ついて相互に問題点を指摘・検討し相互の
明し
ます。
上、1個の
が関
する
な
作
を
を制作するのに
ます。その場合、以下の
から
過
したとし
の
の
の2
として が上
をおのおの単独で
し、
の
者間での検
の単独の
作
作
、下
る場合としては以下の3つが
は
までは が、後
までは が担当し、
デル
す
が前
ターンと
が
の第1
の第4
と同
作
は
「結合
作
数の
作
とは、外
」
といわ
上は1個
作者により作成されますが
作
、 が後
的には前
から第
から第6
の
「作
の
の単独の
と同
同
同
とは
作
れの
作
」な
作
に
の例では
者となり構
です。
の
問題とする
「
」
と
「作
者となり、前
ターンの
作
り
「二人以上の者が
の方法で
作
が今回、
」
です。
作
法に定義づけされてお
同して創作した
あつて、その各人の寄
する場合。
を分
作
で
して個別的に利
用することができないもの」
をいいます
(法2条
1項 12 号)
。つまり、 数の 作者による
「 同
と同 、 が前 を、 が後 を担当し
を
作
これに対して
各担当分野を決めて前
て下
ターンの
どです。この場合、各自がそれ
なります。
3
正したりする場合。
ついて単独の
の本を ・ 2人で
の
数の 作者間での 同創作性が い場合です。
となります。
これに対し、1
する場合。
の分かりづらい
例としては1個の
は の単独の
ち寄り、意
するが、 がその
れるものです。結合
、 が下
討や調整等はしない場合。
の場合、上
を
を指摘したり、意
所を
ターンが
考えられます。
上下
したうえで担当範
し、その後も
すべて が
ターンがあります。例えば
「消費者問
書を ・ の2人が
を重ねる方法や、
見交換をして推 する方法で
数人
ースがありますが、そのなかでも
題」
という解
の成果を踏まえ推
最初に問題点などを議
共同著作物とは何か
外
すい こう
議
するが、その内容や
創作性」と
現に
ります。
2016.9
40
作
の
「不可分利用性」が要件とな
例としては
「座談会」
などです。こ
誌上法学講座
の場合は、各自が
応
作
全体について寄
分
の
ターンは、 には
的
た
作
作
デアや
のため資
の
作
ないので
の加
●
助者の例といえ
作
作
と認定された場合、その
作
の
利行
法は
「
有に係る
作
他の
同
作
の
そ
は
者)
。
同
作
分を売
よらなければ、行
有者全員の合意に
を設定して出
同
作
ても他の
い受ける機会があったにもか
の
約につき や の管財人がそ
分
の売
である本に出
要はないことなどを理 に の
べきであると
10月29日
決、
同
の
作
有者から
分売 に同意す
平成 11 年
例時報 1707号168
作者人格
同
の
作
の
の
利行
ージ)。
につい
分割合については、
には、各
を有してい
同
作
作
の
有」
の規定が準用されます
ので
(民法 264 条)
、
有者の
有者の
分の
分についても、
明ができない場合
分は相等しいものと推定さ
れます
(民法 250 条)
。
対されると処分も利用も
分
には
「正当な
しました
(東京地
利関係は民法の
「
有者間の連帯性は確
分
がしていたこと、
約締結の事実を に知らせるべき必
分割合の合意や寄
からみると
できなくなるので
を
法上の特段の規定がない限り、
が必要となります。
保されますが、
、その 同 作 の利
ンスを
また
に利用するにも全員の合意
このような定めにより
対した」
とい
かわらずそのチ
●
することができない。
」
と定
めています。例えば、
を
ね同 となっています
(法 64 条1項・2項)
。
するなどの処分行為はで
は、その
分
ても、このような 有 作 の 利行 の定めと
作者全員の同意が
きません。また処分行為だけではなく、同2項
作
があり、 が
産管財人が の
理 」
はないとして、 は の
分を
旨により、
の
作
センスを受けたことでその利用に問題は
の協議や
有者は、
有者間の連帯性を確保する
有
同
分
の
では「
を有する
が2分の
は の
作
ないとその
分
としては、
「
はど
の目的とすることができない。
」
と規定しています
(法 65 条1項)
(ル
要するに
ルを
断したことは自然であること、また
作 (以下この条において
「
有者の同意を得なければ、その
は質
ー
ないと
作
」という。)については、各
渡し、
否するに
である
のように行われるのでしょうか。
有
われた事
に売 しようとしたところ が
らラ
同
作
を
用について営業窓口が にあったので は か
に
の他
で
う事例において、 ね
が
かか
利行
」
を必要とするという
産したので、その
共同著作者の権利行使
この点、
的
1ずつ
正
るでしょう。
それでは当
げること
設けたわけです。
集整理をしたり、
等をするにとどまる場合も、
分の処分や
は
「正当な理
ントだけを提供
材の提供にとどまる場合や、
は前項の合意の成立を
有者からの
利が認められません。 の
に対して単にア
したり、
助者」に過
み、
がない限り、第一項の同
ができない。
」
と定めています。要するに他の
ターンです。こ
全体の単独の
者となり、 は単なる「
法上の
意を
に対する創作
が認められない
の場合は、 のみが
作
有者は、正当な理
を有することになります。
現の寄
ら
度に
同
者の利益との調整が必
作
の保護期間については、
同
作
者中、最終に死 した 作者の死後 50 年までと
要となります。
なります
(法 51 条2項)
。
そこで同3項では
「前二項の場合において、各
また
2016.9
41
同
作
の
利
害に関しては、
利
誌上法学講座
害を
保
することは
有者全体の利益になる
行為であることから、各
分
に基づき単独で
害行為の差止を
求についても単独で
分割合の範
内でしか
具
求できま
体的な口
し
同
い事
作者
求できませ
が
同
作
部分は
を指
は
と認定
が書いた
した部分は
して が
を ぼしますので多くの
を働かせたかは不明で、関
そこで
で問題となった事例を紹介します。
した部分
充
正
が創作した部分であること、し
かし 部分のどの
われています。
化し
書を が点検して
されると、その 利行 や効果などに大きな
で
象的に書いて
しただけで、 が自分で
た部分や の意思を推
は
作
部分は
て認定しました。この 部分については、
ん(法 117 条1項)
。
このように、ある
所は、
の 同 作 、 部分は の単独 作 とし
求や
求は可分なので各
する作りになっています。
このような事 において
全体について、
害
付
は自らの
者は自らの
求できます。
不当利得
すが、金
作
分
単独で
が
のどちらの創作性
の態
に区分す
ることはできないとして、 全体が
方の
同
創作であり不可分利用性が認められるとして
共同著作物に関する
具体的な裁判例
全体が
同
作
⑵
の
同
であると認定しています。
性
次に、外国人 と日本人 による平家
●
⑴
者の
を
に
た
の
書が
同
まず、
移
した
を加えて
を受けた
化した
8月 27 日
同
作
所
ブサ
どおりに
部分を
したり、
を
く出来事を
き、取
を作成し、 が点検して
充
を
者
選択して
書
して変
がその指
れまでの との体
いたことで
が点検・
充
等や にも当時の
等を
充しながら
ズ
したメ
と
等を資
合して
に関
を
の
正する、
こち
に変
を決定するというも
は には難しい
同
52 年
関する部分はその意思に うように留意しつつ、
2016.9
作
こちなさの
去、リ
ということは相当でない。
というのが一番 さわしい」
性を否定しました
(京都地
月5日
ところが、
42
となるところ、
の調整という質的に高い部分を含んでいる
として
として に
す
の理解力、移し換
の精通性が重要な要
の寄 行為は
や日
したものの役割を
者の
が、
これをもって
化し、これを
後に、 が自分の記
える国
の寄
正する作りになっています。
部分は の死
記や生前の が
で に伝え、
を、そ
ね が平家
が再検討する、最終的に
るに当たっては関
できなくな
される事
の理解能力はなく、
苦しい部分は が適切な
は
「
とそれから推
し、
のでした。
正する作りに
を口
し外国人 の協力によ
の過
部分は
は が
なっている部分です。
り、 が書いてほしい事
は、
して が
ない部分や
き直し
や
部分は の病状が進行して口
は、 が
したが が 国することになっ
の作業と関
、単に重
旨不明の点を
するに
成しました。 は
し がほぼ
て書き改めるほか、 が当時の の
の興
を
)
に分
化しました。その
55 年6月26日 決、
その後 は外国人 らの協力を得て一応、
ト)。この
者 が口
とされた
たので、 に協力してもらい約 50%を
平成4年
ね病気の進行に従い3部分
(
を
り約4%ほど
で
作
ブサ ト)
。この事例の
平家
に創作的要
例があります
(大阪地
決、
所
病記の部分
護人 との
かれており、 部分は
口
者の
者 と、その口
あるとした
病記は
同
例があります
(大阪高
性
が、口
者の
の
決、
では
所
ブサ
ト)。
して、前 の事実関
誌上法学講座
係においても、 には
書全体につい
て創
的活動があったとして との
性を
定しました。
えた言 (
)
の
の
作
同
部分にあり、単に決められた
作
の仕上げは
性は移し換
決・東京地
り に平家
の
解能力がなくても に
3月 30 日
その能力があれば
同
は可能ですから、こ
終
が
⑷
に関
の関
事の
ンタ
同
性
ー記事に関し、
者の口
書化し
内容に基づいて作成された
を口
し
成さ
者が
内容を
現を加
正して
せたような場合は口
同
これに対して、本件のように、あらか
として認められた点です。
決理
は、
ね
の部分については、 の
に関する創意工夫は の創
用し の関
での
者
にも引き継がれ、あるいは強い
と推認できること、
で用意した質問に口
的精神活動に作
が
なしに行われたその後の の
を
ンタ
取
ぼした
まり
が少ないことに加え、 が からその
を手渡されて
し
の部分を他の部分と機 的に分
同
作
せず、
部分については、 は の
分を
める
に直接関
おらず、 の具体的な意見が の
決、
の
して
現に
例時報 1658 号 166
にとどまるのではないで
ては、
の
現への具体
性
関
の
断されると考えます
(
は
れた事
同
ですが、関
作
者が単なる
性が否定された
性が
同創作性が
ち合わせメ
の
まず
同
成果
性
本に関し、
ね、創作的
現の核
やストーリーを構想し、具体的に
現する
・配置・配
の決定および
合
部
分はテー
に
は直接性・具
が多いほど、
で
助者ではなく
う場合、
記
2016.9
43
などの
、作成工程
や作業メ
から上記の要
されるかがポ
同
といっ
ても事実関係がものをいいますので、会議
例を次に紹介し
ます。
⑶
に単なる
作者であることを
助者であり
合
定されやすい方向に働くとい
したがって、
定さ
現
力が強いほど、 は決定 があるほ
えるでしょう)
。
作
力
などが挙げられ、これらの
●
同
作
現への
体性が認められるほど、 は
性は認められるべ
例は
した
現への直接的関 性
ど
の2件の
ージ)
。
とし
より
数人が関
きではなかったように思われます。
前
平成 10 年 10 月 29
断要
の決定
作
作者ではない旨、
作性の認定は困難ですが、一応の
のコ
同
材を提供したに止
同創
があるとすれば、それはその後の
にそうであるなら少なくとも
って回答を
の
的関
部分では、 との
誌記事の
このように
後の
しょうか。
者
正をするような場
助者でしかないので
しているわけでもありません。 の関
ンセプトないし方法
画や方針に
現上の加
者は
め
どのような場合に
共同創作性は肯定されるのか
として認
めたわけです。
しかし、少なくとも全体の
日
作者といえます。
者が回答し、
されています
(東京地
を加えていたことから、
書全体を と の
ーの
選択し、
合は、口
の部分については、分
者が
書を
4%の部分のいずれもが、すべて と との
作
ね、
的に
たり、口
した約
ー
誌の
者が口
した約 50%の部分と、
する前に が と
ンタ
また
平成 10 年
決)
。
の
の 断が 当と考えます。
後に、 が と
の創作行
されています
(東京高
平成 11 年 11 月 17 日
で注目すべきは、
作
為とはいえないと
に認められるものであ
しかし、
ったり
助作業であって
作
の点においては
を
や
、中間
がどのように
ントになるでしょう。
編集・発行