平和の種をまく - 東京YWCA

機 関 紙 『 東 京 Y W C A 』 NO.711
( 2016 年 1 月 号 )
年頭にあたって
平和の種をまく
藤原聖帆(新聞委員長)
「平和の種をまく」というキャッチコピーを掲げる東京YWCA。昨
年はどれくらいまくことができただろうか。
2 0 1 5 年 は 第 二 次 世 界 大 戦 終 結 か ら 70 年 と い う 節 目 の 年 で あ っ た 。
いまだ各地で戦争が絶えない中、日本は憲法9条のもとで戦争をせずに
70 年 目 を 迎 え る こ と が で き た 。 し か し 、 政 府 は 戦 争 に 参 加 で き る 道 を
着々と整えている。これに反対する老若男女がデモに参加し、反対の声
を 上 げ る 姿 は 、22 年 生 き て き た 私 に は 初 め て の 光 景 で あ っ た 。だ が 、安
倍内閣は国民の意見を無視し続けている。
こ の 異 常 事 態 に 東 京 Y W C A( 以 下 Y と 表 示 )は 反 対 の 立 場 を 崩 さ ず 、
原子力発電所の再稼働、辺野古基地移設にも反対である。日本中のYが
さまざまな形でこれらの問題に対して反対の活動を行っている。個人で
は不可能でも組織として変革の嵐を起こすことは可能だ。
このYの強みを昨年強く感じたのは、世界Y総会に派遣されたことに
あ る 。4 年 に 一 度 の 世 界 Y 総 会 が タ イ の バ ン コ ク で 開 催 さ れ 、70 カ 国 以
上、500人を超えるメンバーが集結した。
最 も 注 目 さ れ た 議 題 は 「 エ ン ビ ジ ョ ニ ン グ 2 0 3 5 年 」。 Y に お い て
初 め て 世 界 共 通 の 目 標 を 20 年 後 に 向 け て 掲 げ た の で あ る 。
「2035年、
1億人の若い女性と少女が、正義とジェンダー平等を実現し、暴力・戦
争のない世界をつくるため権力構造を変革し、すべての女性にインクル
ー シ ブ で 持 続 可 能 な Y 運 動 を 先 導 し ま す 。」 と い う の が 2 0 年 先 の 大 枠 の
ゴ ー ル で あ る 。特 に 、
「 暴 力 ・ 戦 争 の な い 世 界 を つ く る 」と い う 文 言 は 日
本が提案、追加したものである。憲法9条を守ってきた日本だからこそ
の提案であり、世界のYが同じ方向を向く指針になったということがで
きる。
さ ら に 、 日 本 Y と 韓 国 Y は 核 問 題 の ワ ー ク シ ョ ッ プ を 共 催 。「 核 兵 器
/原子力エネルギーを同等に否定する」決議案を提出し可決された。こ
れにより、核兵器のみならず原子力エネルギーにも、世界中のYが反対
の立場に立ち、行動する仲間が世界規模で増えたことは大きな成果であ
った。
世 界 Y は 2 0 3 5 年 、20 年 先 に 向 か っ て 歩 み 始 め た 。そ れ は 1 日 、1
週間、1カ月、1年の積み重ねである。東京Yが110年積み重ねてき
た運動も同様である。過去の積み重ね無くして今はない。今年1年もま
た未来へつなげる積み重ねとなるように活発に運動を行い、平和の種を
未来に向けてまき続けていきたい。その運動を持続可能なものにするた
め に は 、若 い 女 性 ( 世 界 Y の 規 定 3 0 歳 以 下 ) の 活 躍 が 要 で あ る と 、世 界 Y
でも大きな課題とされている。東京Yでも重点課題になっているが、平
和を実現し、未来へつなげるためにも、東京Yのそして世界Yの会員で
あ る 私 た ち は 手 を 取 り 合 い 、共 に 歩 ん で い き た い 。
「 平 和 の 種 を ま く 」私
たちは世界に向かって種をまき、2035年に向けて運動し続けていき
たい。