2016 年 9 月 16 日 日本銀行釧路支店 管内主要企業の「夏季賞与および賃金に関するアンケート」集計結果 調査期間 2016 年 6 月 27 日から 2016 年 7 月 27 日 調査対象企業数 125 社(製造業 34 社、非製造業 91 社) 有効回答企業数 69 社(製造業 24 社、非製造業 45 社)* ―― 有効回答企業数の企業規模等内訳は 4 ページを参照 有効回答率 55.2% (1) 2016 年度の夏季賞与支給動向 ○ 2016 年度の 1 人当たり夏季賞与平均支給金額(従業員数による加重平均額)は、 製造業(542 千円)が前年度比+1.1%、非製造業(350 千円)が同+2.0%と、 いずれも前年度を上回る増額支給となったことから、全産業(419 千円)では同 +1.7%の増加となった。 ―― 製造業では、機械関連など幅広い業種で増額の動きがみられた一方、食 料品関連では前年から横ばいとなった。社数をみると、引き上げ企業(15 社)が引き下げ企業(7 社)を上回った。 ―― 非製造業では、卸・小売を中心に増額支給となった一方、建設業では小 幅な減額となった。社数をみると、引き上げ企業(24 社)が引き下げ企業 (14 社)を上回った。 ―― 引き上げ理由(複数回答あり)をみると、 「雇用の維持・確保」が多くを占 めており(59.0%)、人手不足感の強まりが窺われる。他方、引き下げ理由 については、「従業員の年齢構成の変化」が半数以上を占めた(71.4%) 。 * 調査回毎に、有効回答企業の内訳が異なるため、当店が過去に公表した計数と比較する上で は留意が必要。また、設問ごとにみると有効回答企業数は異なる(後述)。 1 ▽ 1 人当たりの夏季賞与平均支給金額の推移(従業員数による加重平均額) (単位:円、%) 2015年度 2016年度 前年度比 412,343 419,307 1.7 536,858 542,644 1.1 310,689 310,570 ▲ 0.0 612,822 632,259 3.2 671,463 681,496 1.5 344,043 350,758 2.0 318,236 316,025 ▲ 0.7 354,727 367,595 3.6 337,005 338,530 0.5 全産業 製造業 食料品 機械 その他業種計 非製造業 建設 卸・小売 その他業種計 注:夏季賞与平均支給金額の有効回答(前年との比較が可能)企業数は 63 社。 ▽ 2015 年度対比でみた 2016 年度夏季賞与の支給スタンス 全産業 製造業 食料品 機械 その他業種計 非製造業 建設 卸・小売 その他業種計 引き上げ (a) 57 63 60 67 63 55 44 63 53 (単位:%、%ポイント) 横ばい 引き下げ D.I. (b) (a-b) 12 31 26 8 29 33 10 30 30 17 17 50 0 38 25 14 32 23 22 33 11 6 31 31 16 32 21 (社数) 引き上げ 横ばい 39 15 6 4 5 24 4 10 10 引き下げ 8 2 1 1 0 6 2 1 3 21 7 3 1 3 14 3 5 6 注: 本設問への有効回答企業数は 68 社。構成比は小数第一位を四捨五入しているため、合計値が 100 にならないことがある。 ▽ 金額引き上げの理由 0% 20% 40% ▽ 金額引き下げの理由 60% 0% 80% 28.2% 31.8% 業績好調 業績不調 20% 40% 60% 80% 4.8% 33.3% 71.4% 30.8% 29.5% 従業員の年齢 構成の変化 従業員の年齢 構成の変化 59.0% 雇用の 維持・確保 45.5% 合理化による 人件費圧縮 57.1% 0.0% 0.0% 今回調査 物価が上昇 傾向にある 7.7% 6.8% 世間相場に 合わせる 10.3% 6.8% その他 12.8% 15.9% その他 14.3% 4.8% 前回調査 今回調査 前回調査 注: 複数回答あり。本設問への有効回答企業数は 68 社。前回調査(15/12 月~16/1 月実施)では 15 年度冬季賞与、今回調査(16/6 月~7 月実施)では 16 年度夏季賞与について尋ねた。 2 (2) 2016 年度の賃金支給動向 ○ 2016 年度の賃金支給動向をみると、足もとでは年齢構成の変化などから平均 賃金がほぼ前年度並みとなっている。引き上げ方法(複数回答あり)をみると、 前回調査(78.6%)同様「定期昇給」による引き上げが最多(73.5%)となった ほか、 「ベースアップ」 (49.0%)や「一時金(賞与等)」 (22.4%)による引き上 げの割合が前回調査から上昇した。引き上げ理由(複数回答あり)では、前回調 査(78.6%)同様、「雇用の維持・確保」が最多(77.6%)となった。 ── 賃金スタンスに関する設問への有効回答企業 68 社のうち、2015 年度対比で 平均賃金を「引き上げ予定」と回答した企業は 49 社(72.1%)。 ▽ 足もとでの 1 人当たりの平均賃金の推移(従業員数による加重平均額) 全産業 製造業 食料品 機械 その他業種計 非製造業 建設 卸・小売 その他業種計 (単位:円、%) 2015年度 2016年度 前年度比 233,548 234,170 0.3 240,371 240,418 0.0 207,875 207,509 ▲ 0.2 242,425 245,291 1.2 270,500 269,762 ▲ 0.3 229,763 230,659 0.4 245,721 240,609 ▲ 2.1 227,979 229,947 0.9 228,752 229,539 0.3 注:1 人当たりの平均賃金の有効回答(前年との比較が可能)企業数は 61 社。 ▽ 2015 年度対比でみた 2016 年度の賃金支給スタンス 全産業 製造業 食料品 機械 その他業種計 非製造業 建設 卸・小売 その他業種計 引き上げ 72 71 80 80 56 73 78 81 63 (単位:%) 横ばい 引き下げ 未定 10 1 16 8 4 17 20 0 0 0 0 20 0 11 33 11 0 16 22 0 0 6 0 13 11 0 26 (社数) 引き上げ 49 17 8 4 5 32 7 13 12 横ばい 引き下げ 7 2 2 0 0 5 2 1 2 1 1 0 0 1 0 0 0 0 注:本設問への有効回答企業数は 68 社。構成比は小数第一位を四捨五入しているため、合計 値が 100 にならないことがある。 3 未定 11 4 0 1 3 7 0 2 5 ▽ 賃金引き上げの方法 0% 20% 40% ▽ 賃金引き上げの理由 60% 80% 0% 73.5% 定期昇給 20% 40% 60% 80% 18.4% 14.3% 業績好調 78.6% 49.0% ベースアップ 一時金 (賞与等) 30.6% 39.3% 従業員の年齢 構成の変化 25.0% 22.4% 77.6% 雇用の 維持・確保 7.1% 今回調査 その他 4.1% 3.6% 前回調査 20.4% 17.9% 世間相場に 合わせる その他 78.6% 8.2% 10.7% 物価が上昇 傾向にある 6.1% 10.7% 今回調査 前回調査 注: 複数回答あり。本設問への有効回答企業数は 68 社。前回調査(15/12 月~16/1 月実施)で は 16 年度賃金支給の計画、今回調査(16/6 月~7 月実施)では 16 年度賃金支給の予測額(着 地見込み)について尋ねた。 ○有効回答企業数の内訳(2016 年度の従業員規模) 従業員(人) 社数 構成比(%) 1~50 37 53.6 51~100 11 15.9 20 29.0 1 1.5 101~ 不 明 本稿の執筆は、日本銀行釧路支店の 村越 智文 が担当しました。本稿の内容について、商 用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行釧路支店までご相談ください。転載・複製 を行う場合は、出所を明記してください。 照会先:日本銀行釧路支店総務課(久保田、村越) (TEL:0154-24-8102、FAX:0154-24-8152、e-mail:[email protected]) 4
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