閉塞感の強い相場で輝く「AR」と「VR」関連株

藤戸レポート
閉塞感の強い相場で輝く「AR」と「VR」関連株
2016 年 9 月 12 日
ル・コルビュジエは、フランク・ロイド・ライト(帝国ホテルの新館設計にもか
上野の不忍池を周回する「ポ
かわった。今は解体されて正面玄関部分のみが愛知県の明治村に移築さ
ケモン教徒」
れている)、ミース・ファン・デル・ローエと並んで、「近代建築の三大巨匠」と
尊称されている。日本での代表作は、上野の国立西洋美術館本館だが、こ
のたび世界文化遺産に登録された。先日、改めてコルビュジエの傑作を見
ようと上野を訪れたが、凄い人出である。「やはり世界文化遺産の影響は大
きいのか」と思ったが、人の流れを見ると、どうも国立西洋美術館を素通りし
て、不忍池方向に向かっている。「何か縁日でもあるのか」と思いながらつ
いて行くと、不忍池の周りに大群衆が蝟集していた。スマートフォンを手にし
ながら、一心不乱に画面を見つめている。そう、この群衆は、「Pokémon
GO」の愛好家、つまりポケモン・トレーナーだったのだ。日本での初リリース
日は 7/6 だったが、約 2 ヵ月を経過しても、この盛況ぶりだ。イスラム教徒
は、サウジアラビアのメッカのカーバ神殿を、祈りを唱え、アッラーを讃えな
がら周回するが(ここから「回教」と漢字表記されるようになった)、日本の「ポ
ケモン教徒」は、スマホを片手に不忍池を周回するのだ。この雑踏を揉まれ
ながら歩いていると、突然数人が走り出した。そうすると、群衆全体が一気
にランニングを開始し、何やらレースの様相を呈している。意味不明の民族
大移動だ。この謎の行動の背景には、超レア・ポケモンの「ミニリュウ」の出
現がある。「ミニリュウ」は、→「ハクリュウ」→「カイリュウ」へと進化し、ポケモ
ン・ジムを占拠できる強力なモンスターと化す。体力、技ともに優れ、この「カ
イリュウ」に出世するためには、膨大な「ミニリュウ」を集めることが必要なの
だ。ところが、普通の場所には、まず「ミニリュウ」は生息していない。「目黒
川沿いに巣がある」との情報もあったが、確実なのは不忍池ということなの
だ。そこで、「ポケモン教徒」は延々と周回を続けているのである。どうも、
「Pokémon GO」の人気は、短期的な爆発力も大きかったが、同時にロング
セラーになりつつあるようだ。
裾野は広い
「ポケモン教徒」を見つめていると、年齢、性別が多種多様なことに気が
付く。もちろん、若者が多いが、下は幼稚園・小学校低学年から、上はリタイ
アした老夫婦に至るまで非常に幅が広い。デートがてらのカップルもいれ
ば、親・子・孫の三代が一緒に興じている微笑ましい光景もある。お父さん
が子供にスマホを渡して、「ミニリュウをゲットしてくれ。頼むよ」といったシー
ンにも出くわす。中には、孤独の影を背負ったロングヘアーの麗人もいる。
休日出勤帰りのネクタイ姿のサラリーマンもいれば、昼休みの建築作業員
の姿もある。あと非常に多いのがチャイニーズである。本国では、軍事的観
点から(GPS で位置を把握されてしまう)ポケモンは禁止ということもあって、
訪日の大きな楽しみにもなっているようだ。裾野は広い。
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2016 年 9 月 12 日
ストラテジー
マーケット分析
世界で愛される任天堂キャラ
クター
(グラフ1)
パズドラのガンホー
短期急騰から衰退へ
今までのゲームのヒット作は、「ゲーマー」と呼ばれる愛好家に支えられる
ものが多かった。ゲームのジャンルも多種多様化しており、縦割り化が進行
して、特定層には受けるが他の人々は無関心といった状況が一般的だ。ま
た、人気が急上昇しても短期的で、衰退も同時に速い。「パズドラ」で一世
風靡したガンホーの株価(修正株価)は、2012 年 5 月安値 14.3 円から
2013 年 5 月高値 1,633 円まで 100 倍以上の大化けとなったが、今年 7/29
には 226 円まで売り込まれている(グラフ 1)。今度は 7 分の 1 以上の暴落
だ。当たり外れは世の常だが、ゲーム業界では極端な展開になることが少
なくない。ゲームソフト会社も、膨大な開発費を投入した新ゲームが「大コ
ケ」に終わるものが続いたため、今は長い歴史を持つビッグ・タイトルに開発
を絞り始めている。つまり、安定的な売り上げが期待できるビッグ・タイトル以
外は、リスクが大き過ぎるとの認識だ。こうした閉塞感の強い業界に、
「Pokémon GO」が開いた新たな世界は大きい。第一には AR(拡張現実)ゲ
ームの大きな可能性である。今回は、Niantic(ナイアンティック)に収益の
「美味しい所取り」をされたが、自社開発作品のヒットとなれば、リターンは大
きくなるだろう。第二には、任天堂が抱えるキャラクター、ソフト資産の評価
が急膨張した点である。リオ五輪の閉会式で安倍総理がマリオに扮したの
は、多くの弁舌を用いるよりも最もインパクトが大きかった。任天堂のキャラ
は国家、人種、性別、年齢を超えて、世界で愛されている。そのポテンシャ
ルは大きい。世界に多く敷衍しているスマートフォンをプラットフォームとし、
裾野の広い支持層を確保できれば、ヒットは濃厚である。
(円)
ガンホー(3765)株価推移
5,120
1633
(2013/5)
2,560
1,280
640
320
160
226
(2016/7)
7分の1
114倍
80
40
20
10
14.3
(2012/5)
5
2012/1
主役となった「スーパマリオ
ラン」
2012/7
(出所)AsatraManagerのデータよりMUMSS作成
2013/2
2013/9
2014/4 2014/11 2015/6
2016/1
2016/8
ここまで書き進めて来た時に、アップルの iPhone7 発表の席上で、任天
堂の新作アクションゲーム「スーパーマリオラン」が、iPhone 向けに配信され
るとの発表があった。しかも、マリオの生みの親である宮本茂氏がプレゼンす
るに及んで、会場は興奮の坩堝と化した。報道によれば、「スーパーマリオラ
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2
2016 年 9 月 12 日
ストラテジー
マーケット分析
ン」は、今年 12 月に「アップストア」から配信されるとのことだ。おそらく、メガ
ヒットの可能性が高い。主役であるはずの iPhone7 は、搭載カメラの性能ア
ップ、防水・防塵、高速プロセッサーの採用といった改良点はあるが、歴代
iPhone の中では最も地味なマイナーチェンジの印象が強い。「フェリカ」(電
子マネーの通信規格)採用と言われても、日本人は 12 年前から使用して
おり、何を今さらの感が強い。本格的なモデルチェンジは、来年登場の
iPhone からとされており、有機 EL 搭載の画期的な製品となる見込みだ。つ
まり、iPhone7 が脇役に転落し、「スーパーマリオラン」が主役に浮上したの
が今回の発表会だった。iPhone7 の販売不振を予想して、9/8 のアップル
の株価は 105.5 ドル・▲2.8 ドル安で引けた。これに対して、任天堂株が買
い物を集めて大幅高となったのは、対照的だった(グラフ 2)。
(グラフ2)
対照的な株価反応となった
任天堂とアップル
(ドル)
任天堂とアップル(米国)の株価推移
(円)
60,000
120
(出所)BloombergのデータをもとにMUMSS作成
110.23
(8/16)
55,000
110
50,000
アップル(右)
45,000
100
40,000
32700
(7/19)
35,000
90
29200
(9/8)
30,000
80
25,000
20,000
任天堂(左)
70
15,000
10,000
60
4/1
4/28
5/25
6/21
7/18
8/12
9/8
任天堂の株価評価は、相変わらずアナリストの中でも極端に見解が分か
れている。アナリスト21人の判断では「買い11人・ホールド7人・売り2人」だ
が、最強気は40,300円、最弱気は15,000円と倍以上の乖離がある(9/8時
点・ブルームバーグ)。平均目標株価は26,764円だが、9/8の大引け値
27,955円は既にその水準を凌駕している。要は、円高の悪影響を被る直近
の冴えない業績動向を重視するか、ソフト資産のポテンシャルを評価した長
期的成長力に重きを置くかの差と思われる。しかし、不忍池を周回する「ポ
ケモン教徒」の大集団を目の当たりにし、「スーパーマリオラン」に象徴され
る新ゲームの登場が今後も活発化する可能性を考慮すれば、バイアスが上
方にあるとの解釈の方が自然と思われる。7/19高値32,700円をマークした
時の売買代金は7,036億円、翌20日も7,323億円という史上最高の大商いを
演じた後だけに、9/8の株価が「ヤレヤレの戻り売り」に上値を抑えられて陰
線を引いたのも当然であろう。ただし、信用残高の動向を見ると、8/5時点
では売り55.5万株・買い425.7万株で信用倍率7.6倍とシコリ感が強まってい
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3
2016 年 9 月 12 日
ストラテジー
マーケット分析
*三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会
社の役員(会社法に規定する取締役、執行
役、監査役又はこれに準ずるものをいう。)が
以下の会社の役員を兼任しています。:三菱
UFJフィナンシャル・グループ
(グラフ3)
信用倍率の改善進む任天堂
たが、9/2時点では売り93.5万株・買い368.5万株・信用倍率3.9倍と改善傾
向にあった(グラフ3)。今回の戻りで、一段と信用需給が改善している可能性
が濃厚だ。任天堂株が単なる個別銘柄であれば、わざわざここで取り上げ
る必要もない。しかし、9/8の売買代金は3,784億円に達し、第2位が提携先
のDeNA553億円でワンツー・フィニッシュとなった。第3位三菱UFJFG406億
円、第4位トヨタ386億円と比較しても、突出して投資マネーを吸収している
ことが分かる。同日の東証一部売買代金は2兆1,925億円であり、任天堂一
銘柄のシェアは17.2%に達している(グラフ4)。「単なる個別株」の範疇を超え
た大きな存在感である。任天堂の株価をどう評価し、対処するかは、投資家
全般に係る年後半の重要課題となっている。
(倍)
任天堂の株価と信用倍率
(円)
28.00
40,000
(出所) AstraManagerのデータをもとにMUMSS作成
32700
(7/19)
35,000
24.00
26050
(8/11)
30,000
20.00
25,000
20,000
16.00
任天堂株価(右)
15,000
12.00
10,000
5,000
8.00
0
信用倍率(左)
4.00
(5,000)
0.00
2014/1
(グラフ4)
任天堂の東証シェア
17.2%まで上昇
(10,000)
2014/5
(億円)
2014/9
2015/2
2015/6
2015/11
2016/3
2016/7
任天堂の売買金額と東証売買金額シェア
20,000
(%)
40.0
(出所)AstraManagerのデータをもとにMUMSS作成
18,000
35.0
29.9%
(7/22)
16,000
30.0
14,000
25.0
12,000
任天堂売買金額(左)
東証1部売買金額シェア(右)
10,000
17.2%
(9/8)
8,000
20.0
15.0
6,000
10.0
4,000
5.0
2,000
0
0.0
5/2
5/23
6/8
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
4
6/24
7/12
7/29
8/17
9/2
2016 年 9 月 12 日
ストラテジー
マーケット分析
「地方振興策」の可能性
「ポケモン教徒」が、もう一つ注目しているのが、千葉ポートタワーである。
1986年開館だから、まさに平成バブルが隆盛する過程での誕生と言える。
「ウォーター・フロント」という言葉が兜町でも持て囃され、東京湾岸の土地
持ち会社が暴騰するケースが相次いだ時代だ。その後のバブルの崩壊と
共に、千葉ポートタワー周辺も「兵どもが夢のあと」の色彩が濃厚となった。
数年前に、その近くのホテルでセミナーを講演したが、寂寥感漂う独特の雰
囲気だった。ところが、千葉ポートタワーには、「ピカチュウ」、「ラプラス」を
始め、レア・ポケモンが大量に出現することが確認された。今や「ポケモン教
徒の聖地」と認定され、早朝から深夜まで信徒が押し掛けて、荒廃の気配
は払拭された。このパワーを利用すれば、地方振興の有力な手段となる可
能性がある。地方に特有のレア・ポケモンが出れば、信徒殺到で経済活性
化に繋がろう。政策担当者の要検討課題だ。
「アベノミクスの次を考える」
さて、9/20~21の日銀金融政策決定会合に向けて、様々な報道が出て
いる。「ホンマかいな」と思う推測記事や、思惑の上に思惑を重ねたような観
測報道がある中で、最も注目されたのは日経新聞の石破茂前地方再生相
のインタビューだった。御存知のように、2012年の自民党総裁選挙では、第
一回投票で石破氏が議員票34票・地方票165票、計199票を獲得し、安倍
総理の計141票(議員票54票・地方票87票)を大幅に上回ったのは良く記
憶されている所だ。決選投票では安倍総理108票、石破氏89票となった
が、石破氏の地方の支持は大きかった。安倍総理の自民党総裁任期延長
論が台頭しているが、ポスト安倍の候補の中では、石破氏の存在感が大き
いことは否定できない。その石破氏が、「アベノミクスを否定しているわけで
はない。しかし、金融緩和も財政出動も持続可能ではない。当面の政策目
的は個人消費や設備投資を増やすこと。手段が金融緩和頼みではおかし
い。円安株高に導くための金融緩和が目的化している。最優先課題は、ア
ベノミクスの次を考えることだ」と明言している。これは卓見と思われる。マー
ケットは、その本質からいっても、「9/20~21がどうなる」といった近視眼的な
予測に傾斜してしまう。しかし、安倍総裁の任期延長論の是非は措くとして
も、次の総理・総裁候補が、どのような長期的ビジョンに立脚しているかは
極めて重要である。黒田日銀が推進している非伝統的超緩和策が、未来
永劫続くと考えている人はいないだろう。国債市場(グラフ5)だけではなく、
株式市場にも年6兆円という巨額のETF(上場投信)買入れによって、直接
関与する異常な政策が持続可能とは思えない(グラフ6)。石破氏は、「アベノ
ミクスの次」の具体策を、「これから考える」としている。しかし数年先を展望
した場合には、「安倍・黒田体制」の大枠が、パラダイムシフトと呼ぶべき大
転換に直面する可能性を念頭に置くべきであろう。
石破茂氏
個別銘柄レポートにも登場し
た「日銀のETF買い効果」
直近で最も驚いたのは、アナリストが個別銘柄レポートで、「日銀のETF
買入を考慮して株価目標を変更した」とのフレーズを目にしたことだ。ストラ
テジストやクォンツ・アナリストが、需給面に着目してそういう文言を使うのは
一般的である。しかし、セクター・アナリストが、ファンダメンタルズ以外の要
素、それも日銀のETF買いの効果で、株価目標を変えるのは極めて異例と
言って良い。多くの市場参加者は、日経平均構成の値嵩株には、日銀ETF
買いのインパクトが強烈なことを認識している。そのアナリストも、そうした現実
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5
2016 年 9 月 12 日
ストラテジー
マーケット分析
(グラフ5)
トップとなった
日銀の国債保有比率
(グラフ6)
年6兆円に増額となった
日銀のETF購入金額
(億円)
(円)
日銀ETF購入と日経平均
220,000
26,000
(出所)AstraManagerのデータをもとにMUMSS作成
200,000
20868
(6/24)
日銀
異次元緩和
(2013/4/4)
180,000
160,000
日銀
ETF増額
(2016/7/29)
24,000
22,000
11兆3600億円
(2016年末)
日経平均
(右メモリ)
20,000
18,000
140,000
16,000
120,000
14,000
日銀
追加緩和
(2014/10/31)
100,000
80,000
12,000
10,000
8,000
60,000
40,000
日銀ETF購入額
(左メモリ)
20,000
0
2012/1
3.3兆円
⇒
6.0兆円
6,000
9兆2,378億円
(2016/8末)
2,000
4,000
0
2012/9
2013/5
2014/1
2014/9
2015/5
2016/1
2016/9
2017/5
を加味しなければならない必然性を感じたのだろう。しかし、セクター・アナ
リストまでが、ストラテジスト等と同じロジックを使用するのは、「現在の日本
株市場がファンダメンタルズで形成されていない」という強烈な傍証となる。
私が危惧するのは、海外ペンション・ファンド(年金基金)等の長期資金が、
この異常な状況をどう見ているかという点だ。
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6
2016 年 9 月 12 日
ストラテジー
マーケット分析
東証発表の投資主体者別売買動向(8月・現物株式)を見ると、最大の買
い手は信託銀行で5,363億円の買い越しだ。御存知のように、信託銀行に
はGPIF等の公的年金の売買が反映される。二番目の買い手は、自社株買
いを実施している事業法人で、2,981億円の買い越しである(表1)。売り手
は、外国人▲4,698億円、個人(現金)▲2,560億円、投信▲485億円、生損
保▲467億円、都・地銀▲318億円、である。日銀のETF買いは、東証デー
タには反映されていないが、8月は3,810億円に達している(表2)。つまり、
客観的に見ても、東京市場は公的年金と日銀が最大の買い手である。この
ところ、メディアの記事でも、外国人の日本株に対する評価が低いことを指
摘する記事を目にするようになった。様々な観点からの指摘はある。しか
し、最大のポイントは、東京市場が広く開かれた「公平・公正なマーケットな
のか?」という疑念が芽生え始めているのではないか。公的年金と中央銀
行が最大の買い手となれば、一種の国家管理相場の色彩が濃くなったと看
做されかねない。我々は、中国の上海市場で、「国家隊」と呼ばれる当局の
強烈な株価サポート策が実施されたことを知っている。憲法の上に共産党
が存在する国家であり、いわば何でもありの統治形態だ。この株価支持策
によって、上海総合指数の大暴落(昨年6月高値5,178から今年1月安値
2,638)を押さえ込み、春以降は3,000ポイントを軸としたレンジ往来相場に
安定させることに成功した。しかし、共産党の管理相場となれば、投資マネ
ーは妙味が無くなったとして、潮が引くようにシュリンクしてしまった。上海総
合指数の売買代金を見ると、昨年6/8には1兆3,099億元のピークを示現し
たが、約1年後の今年5/30には1,163億元にまで収縮している(グラフ7)。約
11分の1だ。足下の9/8時点でも、株価だけは戻ったが1,673億元に過ぎな
い。国家管理相場は売買代金を急減速させ、相場が持つダイナミズムを喪
失させてしまったのだ。
国家管理相場の弊害
(表1)
●投資部門別株式売買状況
区
年月
分
(表2) 8月の日銀ETF購入金額
月・ 週
8月1週
8月2週
8月3週
8月4週
8月5週
8月計
日銀(億円)
1,461
755
60
1,474
60
3,810
(出所)日銀のデータをもとにMUMSS作成
(海外
投資家)
12年 28,264
13年 151,196
14年
8,527
15年 -2,510
3月 -19,588
月
8,604
4月
間
5月 -3,258
動
6月 -2,630
向
1,290
7月
8月 -4,698
3,512
7月2週
7月3週 -1,262
週 7月4週
788
間 8月1週 -4,587
動 8月2週
484
向 8月3週 -1,667
1,714
8月4週
-642
8月5週
8月5週
68.0%
売買シェア
年
間
(億円)
法人
外国人
金融機関
生損保 都・地銀 信託銀
-6,978 -1,182 -10,193
-10,751 -2,830 -39,664
-5,038 -1,290 27,848
-5,841 -3,094 20,075
-986
-134
4,982
-624
-584
1,421
8
132
1,152
-669
-194
5,747
-1,396
-292
2,635
-467
-318
5,363
-611
-161
-57
-181
-71
660
-308
16
506
23
-12
1,726
-164
-12
1,205
-193
-52
1,080
-136
-65
653
2
-176
700
個人
事法
投信
信用
現金
3,804
6,297
11,018
29,632
-91
729
3,080
5,835
729
2,981
124
88
76
705
231
865
730
450
460
4,267
-2,105
2,429
932
1,182
-382
950
-1,337
-485
-463
-147
-355
-27
-33
-276
-378
229
5,774 -24,886
29,774 -117,282
13,189 -49,512
16,748 -66,744
2,419
407
-1,031
-5,917
1,024
-950
1,568
1,246
-61
-3,839
434
-2,560
-1,692
-3,299
847
-460
-50
-938
1,206
1,033
-622
-1,492
599
168
190
-4
-940
-2,264
0.3%
0.2%
4.7%
1.3%
3.0% 13.9%
7.1%
(出所)JPX(日本取引所グループ)のデータをもとに、MUMSS作成
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
7
2016 年 9 月 12 日
ストラテジー
マーケット分析
(グラフ7)
管理相場で売買金額が
激減した上海市場
(億人民元)
上海総合指数と売買金額
(P)
35,000
6,000
(出所) AstraManagerのデータをもとにMUMSS作成
5,178
(6/12)
30,000
5,000
25,000
上海総合指数(右)
4,000
20,000
3,000
13,099
(6/8)
15,000
2,638
(1/21)
2,000
10,000
1,000
5,000
売買金額(左)
0
2015/1
「上海市場と同等」の烙印を押
されるリスク
(表3)
外国人投資家の
「鞘取り商い」が顕在化
0
2015/4
2015/7
2015/10
2016/1
2016/5
2016/8
兜町筋は、日銀の ETF 買いによって、「日経平均が 3,000~5,000 円上
昇する」と意気軒高だ。1 日の売買の中でも、日銀が買い出動するか否か
が最大の話題である。年末までの相場展望を見ても、「日銀の ETF 買いに
よって年末高」との文言も目に付く。しかし、上海市場の変貌を見ると、ブロ
ーカーにとっては極めてシビアな状況が長期化するリスクが台頭している。
特に、良質なマネーを潤沢に持つペンション・ファンド等のポートフォリオ・
マネージャーから、「上海市場と同等」の烙印を押されかねない。外国人の
中では、相変わらずヘッジファンドだけが、日銀会合に向けたイベント・ドリ
ブン的仕掛けに精を出している。8 月第 5 週の外国人動向を見ると、現物
株式は▲642 億円の売り越しながら、株式先物は 5,075 億円の大幅買い越
しである。またも、「鞘取り商い」が顕在化している(表 3)。
●外国人投資家(現物・先物計)
先物
ミニ先物
先物
月/週 日経
合計
JPX
小計
小計
日経
TOPIX
TOPIX
【a+b】
【a】
【b】
平均
日経
平均
7月2週 2,822 2,479
-38 5,264 1,193
1 1,193 6,457
-239 2,287
7月3週 1,757
509
260 2,527 -253 13
-664 -152 32
-120
-784
7月4週
-34 -630
-0
-664 -2,820
8月1週 -840 -1,421
105 -2,156 -625 -39
-655
460
-195
8月2週 -196 -364
-95
456
4
-596 -824
-826 -1,423
8月3週 -476 -152
31
-3
-297 -4,802
8月4週 -4,625
68
52 -4,505 -281 -16
454 5,075
8月5週 3,328 1,233
59 4,621
448
6
(億円)
現物・先物合計
現物
【c】
【a+c】
【a+b+c】
3,512
-1,262
788
-4,587
484
-1,667
1,714
-642
8,776
1,265
124
-6,743
-170
-2,264
-2,791
3,979
9,969
1,025
4
-7,407
290
-3,090
-3,088
4,433
(出所)JPX(日本取引所グループ)のデータをもとに、MUMSS作成
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
8
2016 年 9 月 12 日
ストラテジー
マーケット分析
過度な楽観論を排す
(グラフ8)
日銀金融政策決定会合を挟んで
ポジションのアンワインドが進行
今回の当レポートは、前半の陽気さと後半の陰鬱さが好対照の構成にな
っている。足下の相場は、この明暗がくっきりとした要素の中で動くことにな
る。第一には、過度に楽観的な見通しを持たないことだ。下値は公的年金、
日銀が買い支えるにしても、さすがに上値を買い上がることは行わないだろ
う。海外実需筋は、日本よりも欧米、エマージング市場にシフトしている。僅
かにヘッジファンドの「鞘取り商い」のみが、日銀会合に向けて発動されるの
が目立つばかりだ。4 月、7 月会合を見ても、結果が出れば買いポジション
を全てアンワインド(巻き戻し)することになろう(グラフ 8)。つまり、余程の好
材料が出ない限り、上値も限定的と見るべきである。したがって、短期トレー
ディングの必須アイテムであるストキャスティックス等を注視したい。既に、
9/2 のファースト 96.44・スロウ 94.80、9/5 にも 92.61・94.66 をマークした後
に下降に転じている(グラフ 9)。着実な利益確定売りは好パフォーマンスの
母だ。甘い言葉に誘われて、高値圏での買い出動は避けたいところだ。
日銀金融政策決定会合と日経平均
(円)
21,000
(出所)BloombergのデータよりMUMSS作成
(6/16)
19869
(12/18)
20,000
(7/29)
(4/28)
<日付は日銀政策決定会合日>
(3/15)
(1/29)
19,000
英国国民
投票(6/23)
17905
(2/1)
18,000
17291
(3/14)
17613
(4/25)
(9/21)
16938
(7/21)
17,000
(12/18)
16,000
日経平均
15,000
イエレンFRB
議長講演
(8/26)
15395
(6/16)
14,000
「エクセレント・カンパニー」シフト
12/1
1/5
2/5
3/9
4/11
5/17
6/16
7/19
8/19
9/21
第二には、銘柄選択である。「公的なマネー」によって、株価指数の下値
は固くなっても、ナロウ・レンジの往来に終始する可能性が高い。となれば、
膠着相場の中でも業容が拡大するエクセレント・カンパニーに集中したい。
そろそろ中間決算の業績予想記事が出るシーズンだ。現行の為替相場を
前提にすれば、4~6月期決算で通期見通しを下方修正しなかった企業も、
今回は輸出関連を中心に大幅下振れとなるリスクが高まる(表4)。甘い業績
見通しには警戒しなければならない。従来から奨めている半導体製造装
置、半導体素材関連は、一段と業容拡大の可能性が高い。3D-NAND型フ
ラッシュ・メモリーや有機ELといったイノベーションに伴う設備投資需要は、
グローバルに増勢基調を辿ろう。株価のブレを利用して、押し目を拾う姿勢
を続けたい。また、日本でも屈指の売上高営業利益率をマークし続けてい
るキーエンス等も、ファンドのコアの候補だろう。AR(拡張現実)・VR(仮想
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
9
2016 年 9 月 12 日
ストラテジー
マーケット分析
(グラフ9)
90台から下降に転じた
ストキャスティックス
日経平均とストキャスティクス
350.0
(円)
(出所) AstraManagerのデータをもとにMUMSS作成
17,905
(2/1)
17,291
(3/14)
300.0
17,613
(4/25)
17,251
(5/31)
16,938
(7/21)
17,156
(9/5)
19,000
18,000
17,000
250.0
16,000
200.0
日経平均(右)
15,000
150.0
ストキャ・ファースト(左)
(%)
14,000
ストキャ・スロウ(左)
100.0
13,000
50.0
12,000
0.0
11,000
1/4
(表4)
想定為替相場によっては
通期見通しの下方修正懸念
2/2
3/2
3/31
4/28
6/1
6/29
7/28
8/26
グローバルに展開する企業の直近の想定為替レート(円/ドル)の例
100円
トヨタ紡織(3116)
信越化(4063)
住友ゴム(5110)
ディスコ(6146)
日立建(6305)
ファナック(6954)
トヨタ(7203)
アイシン精(7259)
ヤマハ発(7272)
101円~104円
バンナムHD(7832)
(102.80円)
105円
110円
106円~109円
東レ(3402)
JT(2914)(105.80円)
クラレ(3405)
ユニチャーム(8113)
ゼオン(4205)
(105.90)
ブリヂストン(5108) デンソー(6902)(106)
豊田織(6201)
富士重(7270)(106)
荏原(6361)
オリンパス(7733)(106)
ミネベア(6479)
電通(4324)(106.10)
三菱電(6503)
花王(4452)(108)
日電産(6594)
ガイシ(5333)(108)
日産自(7201)
SMC(6273)(108)
ホンダ(7267)
クボタ(6326)(108)
スズキ(7269)
サンリオ(8136)
スクリン(7735)
(109.66)
シスメックス(6869)
日揮(1963)
村田製(6981)
キッコーマン(2801)
日東電(6988)
味の素(2802)
川重(7012)
イビデン(4062)
マツダ(7261)
武田(4502)
任天堂(7974)
アステラス薬(4503)
伊藤忠(8001)
塩野義(4507)
三井物(8031)
テルモ(4543)
富士フイルム(4901) 三菱商(8058)
ダイキン(6367)
110円超
日立(6501)
オムロン(6645)
7&I-HD(3382)
TDK(6762)
(115円)
出所:発行会社資料およびAstraManager、QUICKのデータをもとにMUMSS作成
現実)のゲーム関連では、ソニーと任天堂が軸である(11、12ページに特
集)。今は任天堂に注目が集まっているが 、「PlayStation®VR」の発売予定
が10/13に迫っており、今度はVRゲームが脚光を浴びる可能性が高い。
CMOSイメージセンサーの堅調さに加えて、ホラー映画「ドント・ブリーズ」も
好調で、総合エンターテインメント企業として面目躍如たるものがある。円高
に耐性を持っている点も強みだ。ゲームソフトでは、DeNA、バンナムHD等
も押さえておきたい。夏相場で話題となった「リターン・リバーサル」も、一巡
感が台頭している。ゆえなく叩き売られたディフェンシブ銘柄も、復権の時
だ。花王、塩野義等は要注目であろう。逆に、年初来ワースト・パフォーマー
組のリバウンドが目立ったが、世界景気の鈍化が続く状況下では戻りにも限
界がある。高値掴みには用心したい。
藤戸 則弘
投資情報部長
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
10
2016 年 9 月 12 日
特集
VR/AR は新たなエンタメ分野を切り拓く
VR(仮想現実)/AR(拡張現実)とは
需要はエンタメ分野で先行か
VR/AR技術は産業分野の用途も
期待されるが、まずはゲームなど
のエンタメ分野で先行して需要が
立ち上がりそうだ(例:ポケモン
GO)。
ユーザーの感覚を刺激することで、目の前にはないのに、実際はあるかの
ような環境を作り出す技術
VR(Virtual Reality)
仮想現実
例:リアルな仮想世界(戦場など)に没入して楽しめるアクションゲームなど
ユーザーが目にしている現実の映像に、関連するデジタル情報などを重ね
AR(Augmented Reality) 合わせて表示する技術
拡張現実
例:ポケモンGOのARモードなど
出所:MUMSS作成
VR デバイス(ヘッドセット等)の例
ソニーのVR新製品に注目
リアルで没入感の高いゲームを楽
しむためのVRデバイスが登場して
い る (Oculus Rift や HTC VIVE な
ど)。続いて10/13にはソニー(6758)
のPlayStation VRが登場予定。値
ごろ感があり、既に良く売れている
PlayStation4があればすぐに遊べ
るため、人気化するかもしれない。
ソニーは不採算事業の改善も進
展。また、熊本地震の影響を受け
た画像センサー事業の今後の回
復にも期待がかかる。
PlayStation VR(10/13 に発売予定)
発売済
Oculus Rift
599ドル
HTC VIVE
99,800円
【共に一定の性能を満たすPCが必要】
10/13に発売予定
ソニー PlayStation VR
44,980円
【PlayStation4(PS4)が必要】
(C)2015 Sony Computer Entertainment Inc. All
rights reserved.
出所:会社資料をもとにMUMSS作成
ソニー(6758) PS4 の販売台数
17/3期は会社予想
15
ソニー 一部部門営業損益(調整前)
(10億円)
200
(百万台)
20
17/3期以降は
MUMSS予想
G&NS(ゲーム等)
150
半導体(画像セン
サー等)
100
10
MC(スマホ等)
50
0
5
-50
PlayStation VRの登場で、ソフト企
業の活躍フィールドも広がる。17/3
期1Qを好印象で通過したスクエニ
HD(9684)やバンナムHD(7832)、コ
ナミHD(9766)などに注目。特にバ
ンナムHDの1Qは、人気キャラを活
用したスマホゲームや映像作品で
ヒットが出るなど、好印象だった。
14/3期
15/3期
16/3期
17/3期
出所:会社資料をもとにMUMSS作成
※は PlayStation VR 専用/対応作品の例
スクエニHD(9684)
1Q実績
通期会社予
+13%
+15%†
※ファイナルファンタジーXV
バンナムHD(7832)
+29%
+1%‡
※サマーレッスン(仮)、アイドルマスター シンデ
レラガールズビューイングレボリューション
+40%
16/3期
17/3期
18/3期
19/3期
出所:会社資料をもとにMUMSS作成
ゲームソフト大手
17/3 期営業利益(前年同期比)
コナミHD(9766)
+1%
†:会社のレンジ予想の中央値、過去最高
‡:1Q決算時に上期予想のみ上方修正
バンナム HD 主要部門営業利益
(16/3 期 1Q→17/3 期 1Q、調整前)
トイホビー
妖怪ウォッチ一巡、他
52億円→30億円
の定番キャラは堅調
ネットワーク
エンターテインメント
ドラゴンボールなど人
104億円→171億円
マホゲームが好調
映像音楽
プロデュース
32億円→46億円
気キャラを活用したス
ガンダム堅調。「ガー
ルズ&パンツァー」とい
うアニメも人気化
出所:会社資料をもとにMUMSS作成
出所:会社資料をもとにMUMSS作成
任天堂/ミツミ 営業損益
ポケモンGOも引き続き注目
ポケモンGOの大ヒットで大相場を
演じた任天堂(7974)。9月頃にポケ
モンGOプラス、来春頃に新型ゲー
ム機NXが登場予定。任天堂ハード
の生産を行うこともあるミツミ(6767)
と合わせ、引き続き注目したい。
熊本地震影響
-100
0
600
「Wii」登場(ミツミがリモコンを生産か)
任天堂(7974)(10億円)
ミツミ(6767)(億円)
17/3期は会社予想
500
新型機「NX」登場へ
400
300
「ポケモンGOプラス」登場(ミツミが生産に関与か)
200
100
0
-100
07/3期 08/3期 09/3期 10/3期 11/3期 12/3期 13/3期 14/3期 15/3期 16/3期 17/3期 18/3期
出所:会社資料をもとに MUMSS 作成
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
11
2016 年 9 月 12 日
特集
ポケモン GO の収益インパクト
「Pokémon GO」
ポケモンGOがギネス新記録
ポケモンGOは世界80以上の国・地
域で配信中のゲームアプリ。世界
中で人々がポケモンを探しに公園
や街中に繰り出し、社会現象にも
なっている。リリースから1ヵ月が経
過し、ダウンロード(以下DL)数や
売上など5項目でギネス新記録とし
て認定された。
MUMSS想定に迫るDL数・売上
App Annie調査によると、8月初旬
におけるポケモンGOの累計DL数
は1億に、1日当たり売上は10億円
に達した模様。サービス開始1ヵ月
でMUMSS想定の17/3期登録会員
数1.2億人、月平均売上360億円に
迫る勢い。今後は人気の継続性が
注目される。現状のポケモンGOの
遊び方は、トレーナーのレベルアッ
プと図鑑の完成等に限定されてい
るが、新機能の追加等により面白
さは一段と増して来ると見ている。
ポケモンGO関連が業績寄与
ポケモンGOは任天堂(7974)の持
分法適用会社であるポケモンが開
発に参画。任天堂は周辺機器の
販売収益に加え、ポケモンの出資
比率に相当する持分法投資利益
を獲得することとなる。
「Pokémon GO Plus」
☆「Pokémon GO」はAndroid/iOS端末向けア
プリとして7/6にリリース。世界80ヵ国以上で
配信、世界的なブームを巻き起こしている。
「Pokémon GO Plus」
歩きスマホ防止
の必需品?
Bluetooth Low Energy
を用いてスマホと連携
するデバイス
☆「Pokémon GO Plus」はスマホの画面を見続
けなくても「Pokémon GO」を遊べるデバイス。
©2016 Niantic, Inc.
©2016 Pokémon. ©1995-2016 Nintendo/Creatures Inc.
/GAME FREAK inc.
出所:会社資料をもとにMUMSS作成
近くにポケモンがいることをランプと振動で知ら
せる機能があり、ボタンを押してポケモンを捕ま
えることも出来る。
出所:会社資料をもとにMUMSS作成
「Pokémon GO」の概要
Pokémon GOが5項目でギネス記録
iOS/Androide端末向けアプリ、位置情報/AR
(拡張現実)技術を活用したポケモンの捕獲・
育成・戦闘・交換ゲーム。(アイテム課金制)
米Niantic社(Google 、任 天堂 、ポ
開発元
①最初の1ヵ月で最高売上高のモバイルゲー
ム。
②最初の1ヵ月で最多ダウンロード(以下DL)数
のモバイルゲーム。
③最初の1ヵ月で最多の国・地域で売上高トップ
のモバイルゲーム。
④最初の1ヵ月で最多の国・地域でDL数トップ
のモバイルゲーム。
⑤リリースから最速(20日間)で売上高1億ドル
に到達したモバイルゲーム。
ケモン等が出資)
IP(知財)
周辺機器
ポケモン (任天堂32%出資)
任天堂(スマホ連携デバイス)
7月6日リリース、世界80 以上
の国・地域で配信中。
主要国で売上トップクラス。
配信
ランキング
出所:会社資料をもとにMUMSS作成
出所:Guinness World Recordsの資料をもとにMUMSS作成
「Pokémon GO(左)」と「Pokémon GO Plus(右)」の任天堂への業績寄与
(億円)
750
2.0
1.6
500
1.2
2.0
691
691
2.0(億人)
2.0
691
1.5
553
(億円)
500
営業利益(左)
販売個数(右)
400
300
250
1.0
207
0
0.5
17/3予 18/3予 19/3予 20/3予 21/3予
月平均売上(左)
持分法損益(左)
登録会員数(右)
(百万個)
50
50
200
30
450
20
15
180
100
40
135
20
10
90
0
5
45
10
0
17/3予18/3予19/3予20/3予21/3予
出所:会社資料をもとにMUMSS作成、予想はMUMSS
任天堂の業績・指標
MUMSSでは、8/12付で17/3期の
最終利益予想を394億円から344
億円に減額。但し、為替差損拡大
を織り込んだものであり、ポケモン
GO関連や次世代ゲーム機等によ
る成長シナリオに変更はなく、18/3
期以降は従来予想を据え置いた。
(売上高・億円) ※為替前提:1ドル100円/1ユーロ110円
14000
1円の変動でドル・ユーロとも11億円の影響
(経常利益・億円)
12000
10000
8000
6000
4000
2000
0
15/3
主要指標
ROE
EPS
配当
16/3
15/3
3.7%
354円
180円
新規事業他
モバイルゲーム
据置型ゲーム
携帯型ゲーム
経常利益
17/3予 18/3予 19/3予 20/3予 21/3予
16/3
17/3予
18/3予
19/3予
20/3予
21/3予
1.4%
2.9%
10.0%
14.6%
13.9%
14.4%
137円
286円 1,023円 1,634円 1,682円 1,882円
150円
140円
510円
820円
840円
940円
出所:会社資料をもとにMUMSS作成、予想はMUMSS(8/12付け)
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
12
3500
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
【重要な注意事項】
(本資料使用上の留意点について)
・ 本資料は当社が信頼できると考える情報ベンダーから取得したデータをもとに作成されておりますが、機械作業
上データに誤りが発生する可能性があります。当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。ここに
示したすべての内容は、当社の現時点での判断を示しているに過ぎません。本資料は、お客様への情報提供の
みを目的としたものであり、特定の有価証券の売買あるいは特定の証券取引の勧誘を目的としたものではありま
せん。本資料にて言及されている投資やサービスはお客様に適切なものであるとは限りません。また、投資等に
関するアドバイスを含んでおりません。当社は、本資料の論旨と一致しない他のレポートを発行している、或いは
今後発行する可能性があります。本資料でインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、当社自
身のアドレスが記載されている場合を除き、アドレス等の内容について当社は一切責任を負いません。本資料の
利用に際してはお客様御自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。
(利益相反情報について)
・ 当社および関係会社の役職員は、本資料に記載された証券について、ポジションを保有している場合がありま
す。当社および関係会社は、本資料に記載された証券、同証券に基づくオプション、先物その他の金融派生商品
について、買いまたは売りのポジションを有している場合があり、今後自己勘定で売買を行うことがあります。また、
当社および関係会社は、本資料に記載された会社に対して、引受等の投資銀行業務、その他サービスを提供
し、かつ同サービスの勧誘を行う場合があります。
・ 当社の役員(会社法に規定する取締役、執行役、監査役又はこれらに準ずる者をいう。)が、以下の会社の役員を
兼任しております。:三菱UFJフィナンシャル・グループ、カブドットコム証券、三菱倉庫
(外国株に関する注意事項について)
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書(Annual Report)、四半期報告書、アーニングリリース等の会社発表による公開情報をもとに作成しております。
当社によるレーティング、投資判断、業績予想等は含みません。また、データの取得・入力時期の違い等により、
本資料と外国証券情報の数値等が異なる場合があります。
・ 本資料で取り上げられている外国証券は、我が国の金融商品取引法に基づく企業内容の開示は行われておりま
せん(金融商品取引法上の情報開示銘柄を除く)。当該外国証券の開示情報は、主要取引所の所在する国の開
示基準に基づいています。
(リスク情報について)
・ 日本および外国の株式・債券への投資は、株価の変動や、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する
外部評価の変化、金利・為替の変動等により、投資元本を割り込むリスクがあります。
(手数料について)
・ 国内株式の売買取引には、約定代金に対し最大1.404%(税込み)の売買手数料をいただきます(ただし約定
代金が193,000円以下の場合は最大2,700円(税込み))。株式は、株価の変動等により、損失が生じるおそれ
があります。
・ 外国株式の売買取引には、現地委託手数料と国内取次手数料の両方がかかります。現地委託手数料等は、その
時々の市場状況、現地情勢等に応じて決定されますので、その金額等をあらかじめ記載することはできません。
詳細はお取引のある部店までお問合せください。国内取次手数料は、約定代金に対して最大1.080%(税込
み)の手数料が必要となります。外国株式は、為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
・ 非上場債券(国債、地方債、政府保証債、社債)を当社が相手方となりお買付けいただく場合は、購入対価のみ
お支払いいただきます。債券は、金利水準の変動等により価格が上下し、損失を生じるおそれがあります。外国債
券は、為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
(著作権について)
・ 本資料は当社の著作物であり、著作権法により保護されております。当社の事前の承諾なく、本資料の全部もしく
は一部引用または複製、転送等により使用することを禁じます。
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三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券株式会社 投資情報部
(商号等)
三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 2336 号
(加入協会) 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
投資情報部
東京都千代田区大手町 1-9-2
大手町フィナンシャルシティ グランキューブ