全私保連幹部セミナー情勢報告資料

幹部セミナー情勢報告資料(2016.9.12)
情勢報告
(公益社団法人)全国私立保育園連盟
常務理事
塚本 秀一
子ども・子育て会議
2
平成28年度子ども・子育て会議
日程
7月28日(木)
議事内容
(1)子ども・子育て支援法改正及び基本指針の
改正案について
(2)その他
発言要旨
①平成29年度より、更なる処遇改善として2%の給与改善ならびに保育士
としての技能・経験を積んだ職員に対して現在4万円程度ある賃金差をなく
す追加の処遇改善の実現に向けて取り組んでいただいていることに感謝したい。
その上で、ニッポン一億総活躍プランで「更なる処遇改善を行う」と示していた
だいていることに期待したい。
②保育士の処遇について、マスコミを通じて、給与が低いことや仕事がハードだ
ということが大きく報じられているが、そのことが保育士確保にマイナスに働き、
新規確保が難しいだけではなく、在職している職員の離職加が報告されてい
る。保育現場からは、保育の仕事のやりがいなどプラス面を発信していくので、
行政の後押しをお願いしたい。
3
子ども・子育て支援法の一部を改正する法律の概要
(資料1-1)
○ 一億総活躍社会「夢をつむぐ子育て支援(第二の矢)」の実現に向けて、事業主拠出金制度を拡充



待機児童解消加速化プランに基づく平成29年度末までの保育の受け皿整備の目標を上積みし、40万人分から50万人整備することとし
た。
これを受け、事業所内保育業務を目的とする施設等の設置に対する助成及び援助を行う事業を創設するとともに、一般事業主から徴収す
る拠出金の率の上限を引き上げる等の措置を講ずる。
これにより、事業主拠出金制度を拡充し、最大5万人の保育の受け皿の整備など子ども・子育て支援の提供体制の充実を図る。
【概要】
1.仕事・子育て両立支援事業の創設
○ 政府が事業所内保育業務を目的とする施設等の設置者に対する助成及び援助を行う事業(仕事・子育て両立支援事業)を創設する。
※ 仕事・子育て両立支援事業については、全国的な事業主の団体の意見を聴きながら実施。
2.事業主拠出金の率の引き上げ等
○ 一般事業主から徴収する拠出金(事業主拠出金)の対象事業に仕事・子育て両立支援事業を追加する。
※ 現行では、児童手当事業及び地域子ども・子育て支援事業のうち放課後児童クラブ、病児保育、延長保育の財源として厚生年金保険料等
と併せて徴収。
○ 事業主拠出金の率の上限を1,000分の1.5以内から1,000分の2.5以内に引き上げる。
※ その他、特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)の一部改正(年金特別会計の子ども・子育て支援勘定の歳出項目に仕事・子
育て両立支援事業費を追加する等)等を行う。
施行期日 平成28年4月1日
子ども・子育て両立支援事業の創設に伴う基本指針の改正案について(資料1-2)
改正の背景
子ども・子育て支援法の一部を改正する法律(平成28年法律第22号)の制定に伴い、仕事・子育て両立支援事業の円滑な実施を確保するため
、内閣総理大臣が策定する基本指針の記載事項に「仕事・子育て両立支援事業」が追加。
今年3月に教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドラインを作成し、4月には国において事故報告の傾向分析
や再発防止の提言等を行うため有識者会議を設置。
改正の概要
(1)名称の改正
仕事・子育て両立支援事業が記載事項に加わったことを受け、基本指針の名称を「教育・保育及び地域子ども・子育て支援事業の提供体制の整
備並びに子ども・子育て支援給付並びに地域子ども・子育て支援事業及び仕事・子育て両立支援事業の円滑な実施を確保するための基本的な指針
」に改正。※下線は改正部分
(2)制度全体に関する基本的事項の追加(第二の一及び二関係)
① 国は、仕事・子育て両立支援事業について、基本指針に定める子どもの育ち及び子育てに関する理念と子ども・子育て支援の意義を踏まえ
、保育の質を確保する。多様な働き方に対応した仕事と子育てとの両立など事業の特色を踏まえ、事業を実施する。事業の実施に当たっては、保
護者及び子どもの利便性に配慮する。
② 保育の質を確保するため、小規模保育事業や事業所内保育事業の職員配置及び設備等の認可基準を踏まえ、仕事・子育て両立支援事業に係
る事業所内保育施設の助成等の対象を定めるなどの対応を行う。また、保育の質が維持されるよう、助成等を行った事業所内保育施設等に対する
助成要件の確認に係る指導・監査、助成決定の取消等の仕組みを設ける。
③ 国は、仕事・子育て両立支援事業の円滑な実施を図るため、地方公共団体に事業の内容や実施状況等の情報提供等を行う体制を整備する。
また、例えば、地域枠の設定状況などの情報が地方公共団体に共有され、保育所等への入所を希望する保護者への案内につながるようにするなど
、各地方公共団体における待機児童の解消等を図る観点から、地域の実情に応じ、仕事・子育て両立支援事業に係る事業所内保育施設が活用され
るよう必要な対応を行う。
④ 教育・保育施設や認可外保育施設等における子どもの死亡事故などの重大事故は本来あってはならないにもかかわらず、毎年発生している
。このため、教育・保育施設等及び地方公共団体は、事故防止、事故発生時の対応、再発防止に係る取組を進めるとともに、国においても重大事
故の発生や再発防止に係る取組を進めていく。
社会福祉法人制度改革
平成27年7月31日 衆議院本会議採決(可決)
平成28年3月23日 参議院本会議採決(可決)
※衆議院可決と参議院可決の会期が異なることから、衆議院で再度可決が必要となった。
平成28年3月31日 衆議院採決(可決)成立、公布
6
社会福祉法人を取り巻く課題
福祉サービスの変容
1.福祉ニーズの多様化・
複雑化
2.措置から契約への移行
3.多様な事業主体の参入
社会福祉法人の運営に
対する指摘
公益法人の在り方の
見直し
1.他の事業主体とのイコー
ルフッティングと社会貢
献(規制改革実施計画)
2.内部留保の明確化
3.一部の法人の不適切な運
営に対する指摘
1.平成18年の公益法人
制度改革
2.公益法人税制の見直し
の論議(政府税調等)
改革の視点
①公益性・非営利性の徹底
②国民に対する説明責任の履行
③地域社会への貢献
7
社会福祉法人制度の改革(主な内容)
1.経営組織のガバナンスの強化
□ 理事・理事長に対する牽制機能の発揮
□ 財務会計に係るチェック体制の整備
2.事業運営の透明性の向上
□ 財務諸表の公表等について法律上明記
3.財務規律の強化
□ 適正かつ公正な支出管理の確保
□ いわゆる内部留保の明確化
□ 社会福祉事業等への計画的な再投資
4.地域における公益的な取組を
実施する責務
□ 社会福祉法人の本旨に従い他の主体では困難な福祉ニーズ
への対応を求める
5.行政の関与の在り方
□ 所轄庁による指導監督の機能強化
□ 国・都道府県・市の連携を推進
○ 議決機関としての評議員会を必置
※理事等の選任・解任や役員報酬の決定など重要事項を決議
(注)事業活動計算書におけるサービス活動収益の額が4億円を超えない法人について評議員定数に係る経過措置あり。
○ 役員・理事会・評議員会の権限・責任に係る規定の整備
○ 親族等特殊関係者の理事等への選任の制限に係る規定の整備
○ 一定規模以上の法人への会計監査人の導入
等
○ 閲覧対象書類の拡大と閲覧請求者の国民一般への拡大
○ 財務諸表、現況報告書(役員報酬総額、役員等関係者との取引内容を含む。)、
役員報酬基準の公表に係る規定の整備
等
○ 役員報酬基準の作成と公表、役員等関係者への特別の利益供与を禁止 等
○ 純資産から事業継続に必要な財産(※)の額を控除し、福祉サービスに再投下可能な財産額(「社
会福祉充実残額」)を明確化
※①事業に活用する土地、建物等 ②建物の建替、修繕に必要な資金 ③必要な運転資金 ④基本金、国庫補助等特別積立金
○ 再投下可能な財産額がある社会福祉法人に対して、社会福祉事業又は公益事業の新規実施・拡
充に係る計画の作成を義務づけ(①社会福祉事業、②地域公益事業、③その他公益事業の順に検討) 等
○ 社会福祉事業又は公益事業を行うに当たり、日常生活又は社会生活上支援を要する者に対する
無料又は低額の料金で福祉サービスを提供することを責務として規定
※利用者負担の軽減、無料又は低額による高齢者の生活支援等
○ 都道府県の役割として、市による指導監督の支援を位置づけ
○ 経営改善や法令遵守について、柔軟に指導監督する仕組み(勧告等)に関する規定を整備
○ 都道府県による財務諸表等の収集・分析・活用、国による全国的なデータベースの整備
等
8
8
1.経営組織のガバナンスの強化について
○ 社会福祉法人について、一般財団法人・公益財団法人と同等以上の公益性を担保できる経営組織とする。
<現行>
理事
理事長
理事会
●理事会による理事・理事長に対する牽制機能が
制度化されていない。
●理事、理事長の役割、権限の範囲が明確でない。
<見直し後>
●理事会を業務執行に関する意思決定機関として位置付け、
理事・理事長に対する牽制機能を働かせる。
●理事等の義務と責任を法律上規定。
(注)理事会、理事長は通知に規定が置かれている。
●評議員会は、任意設置の諮問機関であり、
理事・理事長に対する牽制機能が不十分。
評議員
評議員会
監事
会計
監査人
(審議事項)
・定款の変更
・理事・監事の選任 等
●監事の理事・使用人に対する事業報告の要求や
財産の調査権限、理事会に対する報告義務等が
定められていない。
●資産額100億円以上若しくは負債額50億円以上
又は収支決算額10億円以上の法人は2年に1回、
その他の法人は5年に1回の外部監査が望まし
いとしている(通知)。
●評議員会を法人運営の基本ルール・体制の決定
と事後的な監督を行う機関として位置付け、
必置の議決機関とする。
※小規模法人について評議員定数の経過措置
(決議事項)
・定款の変更
・理事・監事・会計監査人の選任、解任
・理事・監事の報酬の決定 等
●監事の権限、義務(理事会への出席義務、報告義
等)、
責任を法律上規定。
●一定規模以上の法人への会計監査人による監査の
義務付け(法律)。
9
牽制機能イメージ図
理事会
任期2年
法人全体の事業活動計算書に
おけるサービス活動収益の額
が4億円を超えない法人
定数6名以上を法定化
理事及び評議員は就任不可。
外部委員1名は必置
理事の数を超える数
評議員
選任・解任
委員会
※経過措置(小規模法人はH29から
3年間は、定数を4名以上)
監事・事務局員・外部委員等
定数3名以上
評議員会
任期4年
10
評議員としての識見を有する人材について
〇法律上、評議員は、社会福祉法人の適正な運営に必要な識見を有する者のうちから選任
することとされている。
(第39条)
【評議員としての識見を有する人材の例】
・社会福祉事業や学校などその他の公益的な事業の経営者
・社会福祉に関する学識経験者(大学教員等)
・社会福祉法人に関与した経験がある弁護士、公認会計士、税理士等
・地域の福祉関係者(民生委員・児童委員)
・社会福祉法人職員OB(退職後、少なくとも1年程度経過した者)
・地域の経済団体が適切な者として推薦する者
等
※複数の法人の評議員を兼ねることは可能。
A社会福祉法人の評議員に、B社会福祉法人の役員又は職員が就任することも可能だが、牽制関係を働かせる観点から、A社会福祉法人の評議員
の過半数をB社会福祉法人の役員が占める場合においては、A社会福祉法人の役員又は職員がB社会福祉法人の評議員となることはできない。
A社会福祉法人の評議員に社会福祉法人ではないC法人の役員又は職員が就任することは可能だが、A社会福祉法人の評議員とC法人の役員又
は職員を兼務している者が、A社会福祉法人の評議員総数の3分の1を超えて含まれてはならない。
11
2.事業運営の透明性の向上について
○ 社会福祉法人の高い公益性に照らし、公益財団法人以上の運営の透明性を確保することとし、以下の事項を法令上明記。
・ 定款、事業計画書、役員報酬基準を新たに閲覧対象とすること
・ 閲覧請求者を利害関係人から国民一般にすること
・ 定款、貸借対照表、収支計算書、役員報酬基準を公表対象とすること
○ 既に通知により公表を義務付けている現況報告書(役員名簿、補助金、社会貢献活動に係る支出額、役員の親族等との取引内容を含
む。)について、規制改革実施計画を踏まえ、役員区分ごとの報酬総額を追加した上で、閲覧・公表対象とすることを法令上明記。
○ 国民が情報入手しやすいホームページを活用して公表。
見直し案
現行
公益財団法人
規制改革
実施計画
備置き・
閲覧
公表
備置き・
閲覧
公表
備置き・
閲覧
公告・
公表
公表
事業報告書
○
-
○
-
○
-
-
財産目録
○
-
○
-
○
-
-
貸借対照表
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
-
○
-
○
-
-
○
○
○
○
-
○
○
-
○
(通知)
収支計算書(事業活動計算書・資金収支計算書)
○
○
(通知)
監事の意見を記載した書類
○
現況報告書(役員名簿、補助金、社会貢献活動に係
る支出額、役員の親族等との取引状況を含む。)
-
役員区分ごとの報酬総額
-
(通知)
-
○
○
(※)
(※)
○
(通知で措置済)
○
(通知で措置済)
定款
-
-
○
○
○
-
-
役員報酬基準
-
-
○
○
○
○
-
事業計画書
-
-
○
-
○
-
-
(※)現況報告書に記載。これに職員給与も含めるが、該当理事が1名で個人の給与が特定される場合は、その額を含めずに役員報酬等の総額を公表することとして差し支えな
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「控除対象財産」の算定イメージ
○社会福祉法人のⒶすべての財産(基本金及び国庫補助等特別積立金を除く)を対象に、Ⓑ事業継続に必要な財産
(控除対象財産)と余裕財産を区分し、余裕財産を©再投下対象財産として位置付ける。
資産-負債-基本金-国庫補助等特別積立金= Ⓐ
Ⓑ 控除対象財産:事業継続に必要な最低限の財産
Ⓐ
①社会福祉法に
基づく事業に活用
している不動産等
(考え方)
・土地
・建物
・設備
②再生産に必要な財産
※社会福祉法に基づく
事業に活用している財
産の特定は、財産目録
等により行う
※再生産に必要な財産については、補
助金、融資の活用を考慮した算出基準
を適用
【建替え費用算出例】
減価償却累計額×建設単価等上昇率
(1.1)×自己資金比率(15~30%)
*負債、基本金及び国庫補助
等特別積立金との重複部分は
調整
(考え方)
・建替、大規模修繕
・設備・車両等の更新
③必要な運転資金
Ⓒ
再
投
下
対
象
財
産
(考え方)
・事業未収金
・緊急の支払や
当面の出入金の
タイムラグ
(保育は、年間支出の
1か月分)
13
社会福祉施設職員等退職手当共済制度の見直しについて
① 支給乗率を長期加入者に配慮したものに見直す。
② 被共済職員が退職した日から再び被共済職員になった場合、前後の共済加入期間を合算できる期間を「2年以内」から「3年以内」に拡充。
③ 障害者総合支援法等に関する施設・事業(児童福祉法に基づく障害児を対象とする施設・事業を含む。)について、
他の事業主体とのイコールフッティングの観点から、公費助成を廃止(既加入者に対する公費助成は維持)。
③公費助成の見直し
①給付水準の見直し
40
(支給乗率)
35
前回改正
(H18.4.1施行)
改正後
30
給付水準
25
1割引下げ
今回の見直し(案)
長期勤続に配慮するなどの見直し
20
現行
15
10
共済加入
期間の合算
5
0
1
3
5
7
9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29
共済加入期間(年)
②共済加入期間の合算制度の充実
共済契約者
(社会福祉法人A)
共済契約者
(社会福祉法人B)
退職日(H26.3.31)
復帰期限(H28.3.30)
共済加入期間 a
退職日から
1日以上、2年以内
※在籍期間が1年以上
共済加入期間 b
※加入要件を満たす雇用契約
3年以内
共済加入期間 a と共済加入期間 b を合算
(
国
1
/
3
公、
費都
道
助府
県
成1
/
3
)
退職した日から起算して2年以内
介
護
廃止
公費助成の取扱いは、
将来の検討課題
障
害
保
育
・
社会福祉法人がサービスの中核的
な担い手となっている現状
・
障害者関連施策など制度自体の
枠組みを検討中
出産、育児、介護等の事由により退職した職員が、
復職しやすい環境を整えるため、3年以内に拡大
-
廃止
・ 障害者関連の新制度への移行が完了
・ 社会福祉法人以外の参入
公費助成の取扱いは、平成29年度までに
検討し、結論
・ 子ども・子育て支援新制度が 平成27年度か
ら施行
・ 平成29年度を目標年度にする待機児童解消
加速化プランが進行中
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社会福祉法等の一部を改正する法律における施行日等
○H28.4.1施行予定:地域公益活動の実施、財務諸表の公表、指導監督の見直し・権限移譲、退職手当制度の見直し
○H29.4.1施行予定:経営組織のガバナンス強化(評議員会等)、財務規律の強化(社会福祉充実計画等)
年度
月
4
~
6
H28
~
3
法人
所轄庁
○旧評議員会・旧理事会
-決算、定款変更(所轄庁変更に関する事項)
○定款変更の認可(所轄庁変更に関
する事項)※都道府県・指定都市
○現況報告書等の届出(~H28.6.30)
○旧評議員会・旧理事会
-定款変更(H29.4.1施行に関する事項:新評議員の選任方法等)
→H29.3.31までにあらかじめ新評議員を選任(任期はH29.4.1~)
○定款変更の認可(H29.4.1施行に
関する事項)
・現評議員の任期満了(H29.3.31)
・新評議員の任期開始(H29.4.1~)
H29
○新理事会(旧役員)
-決算、社会福祉充実計画、新役員案
4
○新評議員会
~
-決算、社会福祉充実計画、役員等報酬基準
-新役員・会計監査人の選任→任期開始(現役員の任期満了)
6
○社会福祉充実計画の申請(~H29.6.30)
○現況報告書、役員等名簿・役員等報酬基準等の届出(~H29.6.30)
○社会福祉充実計画の承認
(申請後一定期間内に承認)
~
※新評議員会:改正法に基づく、必置の議決機関としての評議員会
旧評議員会:現行法に基づく、任意の諮問機関としての評議員会
新理事会:改正法に基づく理事会
旧理事会:現行法に基づく理事会
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平成28年6月20日付事務連絡
定款例(案)より
第一章 総則
(経営の原則)
第三条 この法人は、社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実、効果的かつ適正
に行うため、自主的にその経営基盤の強化を図るとともに、その提供する福祉サービスの質の向
上並びに事業経営の透明性の確保を図り、もって地域福祉の推進に努めるものとする。
2 この法人は、地域社会に貢献する取組として、(地域の独居高齢者、子育て世帯、経済的にも
困窮する者 等)を支援するため、無料または低額な料金で福祉サービスを積極的に提供するも
のとする。
※今回の法改正において、社会福祉法人の公益性・非営利性を踏まえ、法人の本旨から導かれる本来の役割を明確化するため、「地域におけ
る公益的な取組」の実施に関する責務規定が創設された。
この該当性については、個々の取り組みについて法人が地域の福祉ニーズを踏まえつつ、法の趣旨に即して判断する。
(参考)社会福祉法(昭和26年法律第45号)
第24条 (略)
2 社会福祉法人は、社会福祉事業及び第二十六条第一項に規定する公益事業を行うに当たっては、日常生活又は社会生活上の支援を必要
とする者に対して、無料又は低額な料金で、福祉サービスを積極的に提供するよう努めなければならない。
16
第二章 評議員
(評議員の選任及び解任)
第六条 この法人に評議員選任・解任委員会を置き、評議員の選任及び解任は、評議員選任・解任
委員会において行う。
2 評議員選任・解任委員会は、監事○名、事務局員○名、外部委員○名の合計○名で構成する。
3 選任候補者の推薦及び解任の提案は、理事会が行う。評議員選任・解任委員会の運営ついて
の細則は、理事会において定める。
4 選任候補者の推薦及び解任の提案を行う場合には、当該評議員として適任及び不適任と判断し
た理由を委員に説明しなければならない。
5 評議員選任・解任委員会の決議は、委員の過半数が出席し、その過半数をもって行う。ただ
し、外部委員の○名以上が出席し、かつ、外部委員の○名以上が賛成することを要する。
【備考】評議員の選任・解任は、上記評議員選任・解任委員会の以外の中立性が確保された方法によることも可能である。なお、理事又は理
事会が評議員を選任し、または解任する旨の定款の定めは効力を有しない。(法第31条第5項)
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第三章 評議員会
(開催)
第一一条 評議員会は、定時評議員会として毎年度○月に1回開催するほか、(○月及び)必要が
ある場合に開催する。
【備考】定時評議員会は、年に1回、毎会計年度の終了後一定の時期に招集しなければならない(法第45条の9第1項)ので、開催時期を定
めておくことが望ましい。なお、「毎年度○月」については、4月~6月までの範囲となる。他方、臨時評議員会は、必要がある場合には、
いつでも、招集することができる。(法第45条の9第2項)
(決議)
第一三条 評議員会の決議は、決議について特別の利害関係を有する評議員を除く評議員の過半
数が出席し、その過半数をもって行う。
2 前項の規定にかかわらず、次の決議は、決議について特別の利害関係を有する評議員を除く
評議員の<例:3分の2以上>に当たる多数をもって行わなければならない。
(1) 監事の解任
(2) 定款の変更
(3) その他法令で定められた事項
3 理事又は監事を選任する議案を決議するに際しては、各候補者ごとに第1項の決議を行わな
ければならない。理事又は監事の候補者の合計数が第15条に定める定数を上回る場合には、過半
数の賛成を得た候補者の中から得票数の多い順に定数の枠に達するまでのものを選任することと
する。
【備考】第一項については、法第45条の9第6項に基づき、過半数に代えて、これを上回る割合を定款で定めることも可能である。第二項
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については、法第45条の9第7項に基づき、3分の2に代えて、これを上回る割合を定めることも可能である。
第四章 役員及び<会計監査人並びに>職員
(役員<及び会計監査人>の定数)
第一五条 この法人には、次の役員を置く。
(1)理事 ○○名以上○○名以内
(2)監事 ○○名以内
2 理事のうち一名を理事長とする。
3 理事長以外の理事のうち、○名を業務執行理事とする。
<4 この法人に会計監査人を置く。>
【備考】(1)理事は6名以上、監事は2名以上とすること。
(2)会計監査人を置いていない場合、<>内は不要。
(3)社会福祉法の名称と異なる名称を使用する場合(例えば、理事長を「会長」と表記するような場合)には、「法律上の
名称」と定款で使用する名称がどのような関係にあるのかを、定款上、明確にする必要があること。
<例> 理事長、業務執行理事の役職名を、会長、常務理事とする場合の例
2 理事のうち一名を会長、○名を常務理事とする。
3 前項の会長をもって社会福祉法の理事長とし、常務理事をもって同法第45条の16第2項第2号の業務執行理事とする。
19
第六章 資産及び会計
(事業計画及び収支予算)
第三一条 この法人の事業計画書、収支予算書、資金調達及び設備投資の見込みを記載し
た書類については、毎会計年度開始の日の前日までに、理事長が作成し、<例1:理事
会の承認、例2:理事会の決議を経て、評議員会の承認>を受けなければならない。こ
れを変更する場合も、同様とする。
2 前項の書類については、主たる事務所(及び従たる事務所)に、当該事業年度が終了す
るまでの間備え置き、一般の閲覧に供するものとする。
第七章 解散
(残余財産の帰属)
第三七条 解散(合併又は破産による解散を除く。)した場合における残余財産は、評議員
会の決議を得て、社会福祉法人並びに社会福祉事業を行う学校法人及び公益財団法人の
うちから選出されたものに帰属する。
20
社会福祉法人制度改革に関する政省令、通知発出の予定一覧(主なもの)
※現時点の予定であり、今後変更があり得る
政省令、関係通知
主な内容
時期
社会福祉法等の一部を改正する法律の施行に伴う
関係政令の整備及び経過措置に関する政令(仮称)
会計監査人設置基準、評議員員数経過措置、内部管理体制
の整備 等
平成28年10月公布予定
社会福祉法等の一部を改正する法律の施行に伴う
厚生労働省関係省令の整備等に関する省令(仮称)
特殊関係がある者、内部管理体制の整備の内容、社会福祉
術実計画の作成、控除対象財産、関係監査人監査 等
平成28年10月公布予定
社会福祉法人の認可について(局長通知)
社会福祉法人監査基準、社会福祉法人定款準則の見直し
平成28年10月発出予定
社会福祉法人の認可について(課長通知)
社会福祉法人審査要領の見直し
平成28年10月発出予定
社会福祉法人会計基準関係通知
財産目録の様式の見直し 等
平成28年10月発出予定
社会福祉法人における入札契約等の取扱いについ
て
入札契約関係の見直し 等
平成28年10月発出予定
社会福祉法人指導監査要綱の制定について
指導監査要領の見直し 等
平成29年 3月発出予定
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保育3団体協議会の取り組み
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平成28年度 保育三団体協議会
日程
議題
4月11日(月)
(1)平成27年度総括・平成28年度取組について
(2)平成29年度予算要望活動について
(3)社会福祉法人改革について
(4)保育所保育指針改定に関する対応について
(5)その他
5月30日(月)
(1)熊本地震被災地支援募金について
(2)平成29年度予算要望活動(予算活動チーム設置)について
(3)乳幼児保育研究チーム設置について
(4)社会福祉法人改革について
(5)その他
7月27日(水)
(1)熊本地震被災地支援募金について
(2)その他
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平成29年度保育予算・制度等に向けた要望
平成28年6月15日
厚生労働大臣並びに内閣府特命担当大臣宛
保育3団体代表者連名
1.保育の質・機能向上のために
2.「保育所等整備交付金」等の拡充・推進
3.保育料の負担軽減
4.社会福祉施設職員等退職手当共済制度の維持
5.幼児教育の無償化について
6.税制改正に係る要望について
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関連情報
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保育士等の処遇改善の推移(平成24年度との比較)
(改善率) 0.12
約+9%+α(月額約27,000円+α)
技能・経験に着
目した更なる処
遇改善
0.1
0.08
+約5%
+約7%
+約7%
(月額約21,000円)
(月額約21,000円)
公定価格に組
み込む(恒久化)
消費税以外の
財源により充当
消費税以外の安定財
源により拡充
2.0%
(月額約15,000円)
処遇改善等加算
(賃金改善要件分消
費税財源以外)
26年人事院勧告準拠
0.06
+約3%
保育緊急確保事業
で事業継続
3.0%
3.0%
3.0%
27年人事院勧告準拠
(27補正)
(月額約9,000円)
0.04
安心子ども基金
において創設
2.85%
2.0%
2.0%
2.0%
2.0%
1.9%
1.9%
1.9%
26年度
(2014)
27年度
(2015)
28年度
(2016)
29年度(予定)
(2017)
0.02
2.85%
0
24年度
(2012)
25年度
(2013)
※処遇改善等加算(賃金
改善要件分)は、平成2
5・26年度において
は「保育士等処遇改善
臨時特例事業」により
実施。
※平成29年度につい
ては、予算編成過程で
検討。
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保育所保育指針の改定に関する中間とりまとめの概要
(平成28年8月2日)
社会保障審議会児童部会保育専門委員会
背景(保育をめぐる近年の状況)
現行の指針は平成20年に告示。その後の以下のような社会情勢の変化を踏まえ、改定について検討。
・「量」と「質」の両面から子どもの育ちと子育てを社会全体で支える「子ども・子育て支援新制度」の施行 (平成27年4月)
・0~2歳児を中心とした保育所利用児童数の増加 (1・2歳児保育所等利用率 27.6%(H20)→38.1%(H27))
・子育て世帯における子育ての負担や孤立感の高まり、児童虐待相談件数の増加 (42,664件(H20)→88,931件(H26)) 等
1.保育所保育指針の改定の方向性
(1) 乳児・1歳以上3歳未満児の保育に関する記載の充実
この時期の保育の重要性、0~2歳児の利用率の上昇等を踏まえ、3歳以上児とは別に項目を設けるなど記載内容を充
実。(発達の特性と合わせて保育内容を記載、養護の理念を総則で重点的に記載)
(2) 保育所保育における幼児教育の積極的な位置づけ
保育所保育も幼児教育の重要な一翼を担っていること等を踏まえ、卒園時までに育ってほしい姿を意識した保育内容や
保育の計画・評価の在り方等について記載内容を充実。主体的な遊びを中心とした教育内容に関して、幼稚園、認定こ
ども園との整合性を引き続き確保。
(3) 子どもの育ちをめぐる環境の変化を踏まえた健康及び安全の記載の見直し
子どもの育ちをめぐる環境の変化を踏まえ、食育の推進、安全な保育環境の確保等に関して、記載内容を見直し。
(4) 保護者・家庭及び地域と連携した子育て支援の必要性
保護者と連携して「子どもの育ち」を支えるという視点を持って、子どもの育ちを保護者とともに喜び合うことを重視
するとともに、保育所が行う地域における子育て支援の役割が重要になっていることから、「保護者に対する支援」の
章を「子育て支援」に改め、記載内容を充実。
(5) 職員の資質・専門性の向上
職員の資質・専門性の向上について、保育士のキャリアパスの明確化を見据えた研修機会の充実なども含め、記載内容
を充実。
3.その他の課題
(1)
(2)
(3)
2.改定の方向性を踏まえた構成の見直し
1.の「改定の方向性」を踏まえ、以下のように章構成を見直し。
具体的な章構成(案)
第1章
総則
①保育の基本及び目標 ②養護の理念 ③保育の計画及び評価
第2章
保育の内容
①乳児保育に関わるねらい及び内容 ②1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及
び内容 ③3歳以上児の保育に関わるねらい及び内容(5領域)④幼児期の終わりま
でに育ってほしい姿 ⑤保育の実施上の配慮事項
第3章
健康及び安全
①子どもの健康支援 ②環境及び衛生管理並びに安全管理
③食育の推進 ④災害への備え
第4章
子育て支援
①子育て支援の基本 ②保護者に対する子育て支援 ③地域における子育て支援
第5章 職員の資質向上
①職員の資質向上に関する基本 ②施設長の責務 ③職員の研修等 ④実施体制等
今後のスケジュール
小規模保育、家庭的保育等への対応 保育指針が準用されることを想定して、記載を工夫。
周知に向けた取組
保育指針の趣旨・内容が関係者に理解されるよう、解説書を作成。
保育の質の向上に向けて
改定が保育の質向上の契機となり、全ての子どもの健やかな育ちの実現へと
つながることが重要。
今後、更に内容の充実が必要な点や、幼保連携型認定こども園教育・保育要領、
幼稚園教育要領の検討の状況も踏まえつつ、引き続き検討を行い、本年末を目途
に、最終的な報告を取りまとめる予定。
※保育所保育指針の改定については、H28年度内に大臣告示、1年の周知期間をおい
て、平成30年度から施行予定。
幼児教育振興法案の概要
背景・目的
• 幼児教育は、生涯にわたる人間形成の基礎を築くことを促す重要なもの
• 幼児教育施設(幼稚園・保育所・認定こども園)をはじめ、家庭、地域といった幼児教育が行われる全ての場において質の高い幼児教育が行わ
れることが重要
• 少子化、家庭や地域を取り巻く状況の変化により、適切な環境の下での幼児教育が困難になっている
• 自立し、他者と協働しながら創造的に生きていくために必要な能力を身に付けることが必要
基本理念
幼児教育の振興は、社会において最も重要な課題の一つ
本法案により、幼児教育の振興についての基本理念等を定め、施策を総合的に推進する
• 幼児教育の水準の維持向上が図られること
• 全ての子どもが等しく幼児教育を受けることができるような環境の整備が図られること
• 障害のある子どもがその特性を踏まえた十分な幼児教育を受けられるよう配慮されること
• 幼児教育と小学校における教育との円滑な接続に配慮されること
• 幼児教育に携わる者の自主性が十分に尊重されること
基本的施策
• 質の向上‥‥‥‥①幼児教育の内容・方法の改善と充実 ②人材の確保 ③質の評価の推進 ④家庭・地域における幼児教育の支援
• 体制の整備‥‥‥①国による調査研究の推進 ②都道府県による幼児教育センターの設置 ③市町村による幼児教育アドバイザーの確保
• 無償化の推進‥‥国及び地方公共団体は、幼児教育施設における幼児教育に係る経済的負担を軽減し、幼児教育の機会均等を図るため、
幼児教育施設における幼児教育を無償とすることに向けた措置を、これに要する財源を確保しつつ段階的に推進する
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おわりに
ご清聴いただき、ありがとうございました。
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