墨書 土器 「秦 墨書 土器 「酒井

【学芸員お薦めの一品】
けない
はやと
特別展「化内 の辺境
えみし
~隼人 と蝦夷 ~」
2016(平成 28)年 7 月 31 日~9 月 11 日
特別展の開催期間中、週替わりでお薦めの展示品を紹介します。
ぼくしょ ど
❹
き
はた
墨書 土器 「秦 」(上ノ園第2遺跡(宮崎県 都 城 市 ):都城市教育委員会所蔵)
う え の その
ぼくしょ ど
き
みやこのじょうし
さかい
墨書 土器 「酒井 」(芝原遺跡(鹿児島県南さつま市)
しばはら
:鹿児島県立埋蔵文化財センター所蔵)
7世紀後半から8世紀にかけて成立した律令国家は、隼人に対して様々な政策を行い
ます。その一つが移民政策です。
移民政策とは、一般的な国家の生活・文化に慣れ親しんだ人達を隼人の住んでいる地
域へと移住させ、隼人達に一般的な生活・文化を教えていく政策です。
さて、都城市の上ノ園第2遺跡では「秦」と墨書された土器(8世紀後半~9世紀)
が、南さつま市の芝原遺跡では「酒井」と墨書された土器が出土しています。8世紀頃
だ ざ い ふ
ぶ ぜ ん のくに
の大宰府 ※1) 管内では、豊前 国 ※2) に「秦」姓や「酒井」姓が多かったことがわかって
いるため、これらの墨書土器は豊前国からの移民の存在を示す可能性があります。
墨書土器「秦」
墨書土器「酒井」
※1大宰府…当時の九州(西海道)におかれた役所。
※2豊前国…現在の福岡県東部と大分県北部を合わせた地域。