2.3.2 土壌水分の概念と表示 (1)土壌の基礎的物理性 (2)土壌三相と間隙率 (3)土壌水分の表示 密度 物質の単位体積あたりの質量をいう。 比重 比重とは、ある物質の密度と、基準となる標準 物質の密度との比である。 通常、固体及び液体については水(温度を指 定しない場合は 4 ℃)を基準とする。 土粒子の密度 水 空気 土壌 Vs 密度(g/cm3) 真比重 Ws γs= Vs γs G= γ m 土壌の真比重 土壌の母材 最小値 花こう岩、安山岩等 2.53 輝緑岩、蛇紋岩等 2.72 緑泥片岩等 2.69 砂岩、頁岩、泥岩等 2.49 洪積土壌 2.60 沖積土壌 2.55 火山灰土壌 2.35 2.6~2.7 最大値 2.72 3.06 2.93 2.68 2.71 2.62 2.65 代表値 2.60 2.80 2.80 2.60 2.60 2.60 2.50 土壌の密度 水 空気 土壌 105℃ 24時間乾燥 空気 土壌 V 乾燥密度(g/cm3) 仮比重 Ws γd= V γs Ga= γ m 土壌の仮比重、乾燥密度 土壌の種類 鉱質土壌 火山灰土壌 仮比重 1.0~1.4 0.6~0.8 乾燥密度 1.0~1.4g/cm3 0.6~0.8g/cm3 (2)土壌三相と間隙率 体積 Va 質量 空気 Wa Vv 間隙 V Vm 水 Wm Vs 土粒子 Ws W (2)土壌三相と間隙率 体積 Va 質量 空気 𝑉𝑎 𝑉 液相率 = 𝑉𝑚 𝑉 固相率 = 𝑉s 𝑉 間隙率 = 𝑉v 𝑉 Wa Vv V 気相率 = Vm 水 Wm Vs 土粒子 Ws W = 𝑉𝑎 +𝑉𝑚 𝑉 (3)土壌水分の表示 体積 質量 含水比ω ω=Wm/Ws Va 空気 Wa Vv V 体積含水率 Vm 水 Wm W θ=Vm/V 水深 Vs 土粒子 Ws d= D (θ/100) 演習問題 97.46gの100ccサンプラーで採土し,実験室で 秤量した結果,質量(容器+湿土)は255.37gで あった.炉乾燥後(105℃で24時間)に秤量した 結果,質量(容器+乾土)は228.68gであった.こ の土粒子の密度は2.65g/cm3であった.水の密 度が1.00g/cm3であるとして,以下の値を求めな さい. 演習問題 サンプラー 97.46g 水 空気 土壌 サンプラー 255.37g サンプラー容積:100cm3 空気 土壌 サンプラー 228.68g 土壌密度: 2.65g/cm3 演習問題 97.46gの100ccサンプラーで採土し,実験室で秤量した結果,質量(容器+ 湿土)は255.37gであった.炉乾燥後(105℃で24時間)に秤量した結果,質量 (容器+乾土)は228.68gであった.この土粒子の密度は2.65g/cm3であった. 水の密度が1.00g/cm3であるとして,以下の値を求めなさい. 湿潤土壌質量 255.37 97.46 157.91g 乾燥土壌質量 228.68 97.46 131.22g 水分質量 255.37 228.68 26.69g 演習問題 97.46gの100ccサンプラーで採土し,実験室で秤量した結果,質量(容器+ 湿土)は255.37gであった.炉乾燥後(105℃で24時間)に秤量した結果,質量 (容器+乾土)は228.68gであった.この土粒子の密度は2.65g/cm3であった. 水の密度が1.00g/cm3であるとして,以下の値を求めなさい. 乾燥密度 乾燥土壌質量 131.22 1.31g/cm 3 サンプラー容量 100 仮比重 乾燥密度 1.31 1.31 水の密度 1.00 (2)土壌三相と間隙率 97.46gの100ccサンプラーで採土し,実験室で秤量した結果,質量(容器+ 湿土)は255.37gであった.炉乾燥後(105℃で24時間)に秤量した結果,質量 (容器+乾土)は228.68gであった.この土壌の密度は2.65g/cm3であった.水 の密度が1.00g/cm3であるとして,以下の値を求めなさい. 含水比 水分質量 26.69 0.203 乾燥土壌質量 131.22 水分質量/水の密度 26.69 / 1.00 0.267 m3/m3 体積含水率 サンプラー容量 100 水深 26.7% 100 0.267 26.7 mm 14 (2)土壌三相と間隙率 97.46gの100ccサンプラーで採土し,実験室で秤量した結果,質量(容器+ 湿土)は255.37gであった.炉乾燥後(105℃で24時間)に秤量した結果,質量 (容器+乾土)は228.68gであった.この土壌の密度は2.65g/cm3であった.水 の密度が1.00g/cm3であるとして,以下の値を求めなさい. 乾燥土壌質量 / 土壌の密度 157.91 / 2.65 0.495 固相率 サンプラー容量 100 液相率 水の質量/水の密度 26.69 / 1.00 0.267 サンプラー容量 100 49.5% 26.7% 気相率 1.000 (0.495 0.267) 0.238 23.8% 間隙率 1 0.495 0.505 50.5% 15 2.3.3 土壌の保水性 示量:含水率(θ) 示強: ポテンシャル( ψ) ψ=ψg+ψm+ψo+ ψp+ ・・・ 2.3.3 土壌の保水性 ψ=ψg ψg ψm ψg ψp ψg ψ=ψg+ψm ψ=ψg+ψp 土壌 自由水 水を吸った場合 土壌水とマトリックポテンシャルの関係 テンシオメータ 2.3.3 土壌の保水性 1kPa 1kN 1000N 1kg 0.001 m 3 100c m 100 1kPa cm 約10cm 2 1m 1kN 9.8N 1kg 1m 9.8 2.3.3 土壌の保水性 10cm 100cm 1000cm pF log(10) 1.0 pF log(100) 2.0 pF log(1000) 3.0 2.3.3 土壌の保水性 圧力 水頭 -1kPa -約0.1m pF -約10cm 1 -10kPa -約1m -約100cm 2 -100kPa -約10m -約1000cm 3 演習問題 テンシオメータの読取り値が-5kPaであった。この時のpF値を求め,この土 壌の水ストレス状況を診断しなさい。なお,重力加速度は9.8m/s2とする。 5kN 1000 N 1kg 0.001m 3 100cm 500cm 5kPa 2 51.0cm 1m 1kN 9.8N 1kg 1m 9.8 pF log 51.0 1.7 毛管水 吸着水 重力水 pF 7 7.0 炉乾 6.3 単分子吸着 6 5.5 風乾 マ ト リ ッ ク ポ テ ン シ ャ ル 5 158m 4.2 永久しおれ点 4 10m 3.0 生長阻害水分点 3 0.3m 2 1.5 圃場容水量 1 ー∞ 土粒子 無効 水分量 難利用水分量 容易有効 水分量 土壌水分特性曲線と水分定数の関係 重 力 水 2.3.4 土壌水分の測定法 (1)採土法 (2)テンシオメータ (3)電気抵抗法 (4) その他の方法 含水率 ポテンシャル 2.3.5 水分定数などの決定 (1)土壌水分特性調査 1) 24時間容水量 2) 生長阻害水分点 3) 容易有効水分量(RAM) 2 4 時 間 容 水 量 生 長 阻 害 水 分 点 容易有効水分 吸着水 毛管水 重力水 団粒 毛管水 土粒子 吸着水 有機物 重力水 土壌の構造と土壌水の形態 団粒化土壌 砂土 重埴土 2.3.5 水分定数などの決定 (2)畑地水分消費調査 1) 有効土層 2) 土壌水分消費型(SMEP) 3) 制限土層 4) 総容易有効水分量(TRAM) 容 易 有 効 水 分 4 3 2 1 0 日 日 日 日 日 目 目 目 目 目 有 効 土 層 有 効 土 層 容 易 有 効 水 分 4 日 目 有 効 土 層 3 日 目 2 日 目 1 日 目 総 容 易 有 効 水 分 量 制限土層 水分消費型 SMEP 1層:40% 2層:30% 3層:20% 4層:10% TRAM TRAM=0.7ΣRAM 総容易有効水分量=全容易有効水分量の70% 70% TRAMの演習問題 計画最大日消費水量:5.0mm 深さ 層 有 効 土 層 1 2 3 4 cm 0-10 10-20 20-30 30-40 24時間容水量 生長阻害水分点 土壌水分消費型 fc ML SMEP % % % 35.1 21.7 41 33.8 22.5 28 33.5 21.9 20 31.6 20.2 11 計画最大日消費水量:5.0mm 層 有 効 土 層 1 2 3 4 層 有 効 土 層 1 2 3 4 深さ cm 0-10 10-20 20-30 30-40 容易有効水分RAM mm RAM1={(fc 1-M L 1)/100}*100= RAM2={(fc 2-M L 2)/100}*100= RAM3={(fc 3-M L 3)/100}*100= RAM4={(fc 4-M L 4)/100}*100= 13.4 11.3 11.6 11.4 深さ cm 0-10 10-20 20-30 30-40 容易有効水分RAM mm {(35.1-21.7)/100}*100= {(33.8-22.5)/100}*100= {(33.5-21.9)/100}*100= {(31.6-20.2)/100}*100= 13.4 11.3 11.6 11.4 13.4mm 有 効 土 層 11.3mm 11.6mm 11.4mm 計画最大日消費水量:5.0mm 層 有 効 土 層 1 2 3 4 層 有 効 土 層 1 2 3 4 深さ cm 0-10 10-20 20-30 30-40 消費水分 mm RAM1/(SMEP/100)= 32.7 RAM2/(SMEP/100)= 40.4 RAM3/(SMEP/100)= 58.0 RAM4/(SMEP/100)= 103.6 深さ cm 0-10 10-20 20-30 30-40 消費水分 mm 13.4/(41/100)= 32.7 11.3/(28/100)= 40.4 11.6/(20/100)= 58.0 11.4/(11/100)= 103.6 制限層 ○ 制限層 ○ 計画最大日消費水量:5.0mm 切り捨て 計算式 解答 計画間断日数 TRAM÷計画最大日消費水量 32.7÷5.0=6.5 6日 1回の計画 かんがい水量 計画間断日数×期別の計画日消費水量 6×3.0=18.0 18mm
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