ゴルフ市場に関する調査を実施(2016 年)

2016 年 9 月 5 日
プレスリリース
ゴルフ市場に関する調査を実施(2016 年)
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内のゴルフ市場の調査を実施した。
1.調査期間:2016 年 5 月~8 月
2.調査対象:日本国内のゴルフ用品取扱関連企業
3.調査方法:ゴルフ用品の出荷量に関する郵送留置調査、ゴルフ用品の市場動向に対する面接取材及び電話調査
<ゴルフ用品とは>
本調査におけるゴルフ用品とは、ゴルフ用品取扱関連企業が生産・販売を行う、個人消費者向けのものをさす。
また、自社ブランド商品の国内出荷分を対象とし、「OEM 請負分」は対象外とする。
【調査結果サマリー】
◆ 2015 年の国内ゴルフ用品出荷市場は、前年比 103.2%とプラス成長
2015 年の国内ゴルフ用品市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比 103.2%の 2,591 億円とな
った。小売市場における余剰在庫の整理、仕入抑制の影響を受け大幅なマイナスとなった 2014 年からは
回復基調にあるが、市場規模自体は 2013 年の水準(2,629 億 6,000 万円)を下回っている。
◆ 2015 年はハイブリッドクラブ市場、ゴルフシューズ市場が大きく伸張
商品カテゴリー別に 2015 年の国内ゴルフ用品市場(メーカー出荷ベース)を見ると、ハイブリッドクラブ
は金額ベースで前年比 117.4%の 87 億 7,000 万円と大きく伸張、またゴルフシューズも数量ベースでは
前年比 101.8%の 168 万足だったものの、金額ベースでは前年比 112.5%の 123 億 3,000 万円と大きく
伸張している。ハイブリッドクラブではフェアウェイウッド及びアイアンからの代替需要が盛り上がったこと、
ゴルフシューズでは、特価処分販売品の構成比が減少したことやダイヤルシューズの構成比が上昇した
ことによる商品単価の上昇が成長要因と考える。
◆ 2016 年の国内ゴルフ用品出荷市場は、前年比 101.8%のプラス予測
2016 年の国内ゴルフ用品市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比 101.8%の 2,637 億 8,000
万円と予測する。多くの商品カテゴリーで「数量減、金額増」の予測となっており、商品単価が上昇すると
予測する。国内のゴルフ用品取扱関連企業は、これまでの右肩上がりを前提とした「量のビジネス」から、
ゴルファー人口減少を見据えた「質のビジネス」への転換を図っており、2016 年はビジネスモデルの転換
期にあると考える。
◆ 資料体裁
資料名:「2016 年版ゴルフ産業白書」
発刊日:2016 年 8 月 10 日
体 裁:A4 判 647 頁
定 価:145,000 円(税別)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected]
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。
Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.
2016 年 9 月 5 日
プレスリリース
【 調査結果の概要 】
1. 市場概況
2015 年の国内ゴルフ用品市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比 103.2%の 2,591 億円とな
った。小売市場における余剰在庫の整理、仕入抑制の影響を受け大幅なマイナスとなった 2014 年からは
回復基調にあるが、市場規模自体は 2013 年の水準(2,629 億 6,000 万円)を下回っている。
以下、主な商品カテゴリー別の市場概況を記述する。(表 1 参照)
①ゴルフクラブ(ウッド)
ドライバー及びフェアウェイウッドで構成されるウッドの 2015 年国内出荷市場は、数量ベースで前年比
100.0%の 191 万本、金額ベースで前年比 97.4%の 419 億円となった。ここ数年間は海外ブランドの構成
比が高まっていたが、2015 年は国内ブランドの構成比が上昇した。
2016 年は数量ベースで前年比 96.3%の 184 万本、金額ベースで前年比 105.7%の 443 億円と数量減、
金額増を予測する。
②ゴルフクラブ(ハイブリッド)
ハイブリッドの 2015 年国内出荷市場は、数量ベースで前年比 119.7%の 79 万本、金額ベースで前年
比 117.4%の 87 億 7,000 万円と、数量・金額ともに 20%近い大幅なプラス成長となった。フェアウェイウッ
ド及びアイアンからの代替需要が盛り上がったことが成長要因の一つである。
2016 年は数量ベースで前年比 89.9%の 71 万本、金額ベースで前年比 100.5%の 88 億 1,000 万円と
数量大幅減、金額ほぼ横ばいを予測する。
③ゴルフクラブ(アイアン)
アイアンの 2015 年国内出荷市場は、数量ベースで前年比 107.5%の 458 万本、金額ベースで前年比
108.4%の 427 億円と数量、金額ともプラス成長となった。比較対象となる前年(2014 年)が大幅なマイナス
となったことにより前年比の水準が高くなっているが、ゴルファーのスイングに合わせて組み立てるカスタ
ムアイアンの人気が高まっていることも成長要因の一つである。
2016 年は数量ベースで前年比 91.0%の 417 万本、金額ベースで前年比 98.6%の 421 億円と数量・金
額共にマイナス成長と予測する。
④ゴルフクラブ(パター)
パターの 2015 年国内出荷市場は、数量ベースで前年比 98.5%の 65 万本、金額ベースで前年比
101.5%の 68 億 3,000 万円と数量減、金額微増となった。商品単価の上昇により金額ベースではプラス成
長が続いているが、数量ベースでは減少が続いている。
2016 年は数量ベースで前年比 87.7%の 57 万本、金額ベースで前年比 95.9%の 65 億 5,000 万円と数
量、金額共にマイナス成長と予測する。
⑤ゴルフボール(ラウンドボール)
ラウンドボールの 2015 年国内出荷市場は、数量ベースで前年比 102.9%の 943 万ダース、金額ベース
で前年比 103.0%の 205 億円でいずれも前年比プラス成長となった。
2016 年は数量ベースで前年比 102.9%の 970 万ダース、金額ベースで前年比 103.1%の 211 億 4,000
万円といずれもプラス成長と予測する。商品単価は 2014 年以降ほぼ横ばいである。
⑥ゴルフシューズ
ゴルフシューズの 2015 年国内出荷市場は、数量ベースで前年比 101.8%の 168 万足、金額ベースで
前年比 112.5%の 123 億 3,000 万円と数量、金額ともにプラス成長となったが、特に金額ベースの伸張が
大きい。特価処分販売品の構成比が減少したこと、ダイヤルでシューズの締め付けを調整するダイヤル
シューズの構成比が上昇したことにより、商品単価が上昇したことが成長要因である。
Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.
2016 年 9 月 5 日
プレスリリース
2016 年は数量ベースで前年比 103.6%の 174 万足、金額ベースで前年比 103.8%の 128 億円といずれ
もプラス成長と予測するが、数量ベースでゴルフシューズ市場の約 8 割を占めるダイヤルシューズの人気
がどこまで続くかが注目される。
⑦キャディバッグ
キャディバッグの 2015 年国内出荷市場は、数量ベースで前年比 95.2%の 80 万本、金額ベースで前年
比 96.2%の 89 億 5,000 万円と数量、金額ともマイナス成長となった。総重量 2 キログラム台と軽量ながら、
9 インチや 9.5 インチと大口径の商品群が人気となっている。
2016 年は数量ベースで前年比 98.8%の 79 万本、金額ベースで前年比 105.6%の 94 億 5,000 万円と
数量減、金額増と予測する。原材料費高騰により、メーカー各社とも需給バランスを見極めた余剰在庫を
残さないビジネス展開を模索しており、そうした姿勢が数字に反映されていると考える。
⑧ゴルフグローブ
ゴルフグローブの 2015 年国内出荷市場は、数量ベースで前年比 101.6%の 815 万枚、金額ベースで前
年比 102.3%の 59 億円と数量・金額ともプラス成長になった。小売実売価格 1,000 円台前半の商品群が
市場を牽引している。
2016 年は数量ベースで前年比 99.6%の 812 万枚、金額ベースで前年比 102.2%の 60 億 3,000 万円
と予測する。メーカー各社とも小売段階における平均実売価格 1,000 円台前半の商品群を強化しつつ、
やや高額な 1,000 円台後半から 2,000 円台の市場に、付加価値の高い商材を投入することで商品単価の
上昇を目指している。
⑨ゴルフウエア
ゴルフウエアの 2015 年国内出荷金額は、前年比 102.6%の 919 億円とプラス成長となった。販売地域
は限定されるものの、訪日外国人観光客によるインバウンド需要がゴルフウエア市場を底上げした。最近
は、スポーツテイストの強いアスリート系ウエア(機能性アンダーウエアを軸としたレイヤードスタイルのトッ
プスに、スリムなパンツを組み合わせたスタイル)よりも、カジュアルウエアに近いテイストのウエアが人気と
なっており、カジュアル系ブランドが市場を牽引してきた。現在でもその傾向自体に大きな変化はないも
のの、2016 年に入ってからシンプルなデザインと高い機能性を備えたアスリート志向の「プレミアムアスリ
ートウエア」が一部で人気となっており、当該市場も多様化の様相を呈している。
2016 年は前年比 100.4%の 923 億円と僅かながらではあるがプラス成長と予測する。
2. 将来予測
2016 年の国内ゴルフ用品市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比 101.8%の 2,637 億 8,000
万円になると予測する。多くの商品カテゴリーが「数量減、金額増」の予測となっているが、多くのゴルフ
用品取扱関連企業が「需給バランスを見極めたビジネス」、「極力、余剰在庫(特価処分販売品)を残さな
いビジネス」を実現することで商品単価の引き上げを目指している。
国内のゴルフ用品取扱関連企業は、これまでの右肩上がりを前提とした「量のビジネス」から、ゴルファ
ー人口減少を見据えた「質のビジネス」への転換を図っており、2016 年はビジネスモデルの転換期にある
と考える。
Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.
2016 年 9 月 5 日
プレスリリース
表 1.商品カテゴリー別ゴルフ用品国内市場規模推移
(数量単位:千本、千足、千枚、千ダース 金額単位:百万円、構成比、前年比:%)
2013年
2014年
構成比
2015年
構成比
前年比
2016年(予測)
構成比
前年比
構成比
前年比
数量
8,440
-
7,490
-
88.7
7,930
-
105.9
7,290
-
91.9
金額
103,680
39.4
96,600
38.5
93.2
100,200
38.7
103.7
101,760
38.6
101.6
数量
2,130
-
1,910
-
89.7
1,910
-
100.0
1,840
-
96.3
金額
47,300
18.0
43,000
17.1
90.9
41,900
16.2
97.4
44,300
16.8
105.7
数量
730
-
660
-
90.4
790
-
119.7
710
-
89.9
金額
7,900
3.0
7,470
3.0
94.6
8,770
3.4
117.4
8,810
3.3
100.5
数量
4,830
-
4,260
-
88.2
4,580
-
107.5
4,170
-
91.0
金額
41,900
15.9
39,400
15.7
94.0
42,700
16.5
108.4
42,100
16.0
98.6
数量
750
-
660
-
88.0
650
-
98.5
570
-
87.7
金額
6,580
2.5
6,730
2.7
102.3
6,830
2.6
101.5
6,550
2.5
95.9
金額
34,210
13.0
31,830
12.7
93.0
33,280
12.8
104.6
34,780
13.2
104.5
数量
1,880
-
1,650
-
87.8
1,680
-
101.8
1,740
-
103.6
金額
12,080
4.6
10,960
4.4
90.7
12,330
4.8
112.5
12,800
4.9
103.8
数量
920
-
840
-
91.3
800
-
95.2
790
-
98.8
金額
9,770
3.7
9,300
3.7
95.2
8,950
3.5
96.2
9,450
3.6
105.6
その他バッグ、
金額
カバー類
6,380
2.4
5,800
2.3
90.9
6,100
2.4
105.2
6,500
2.5
106.6
数量
8,340
-
8,020
-
96.2
8,150
-
101.6
8,120
-
99.6
金額
5,980
2.3
5,770
2.3
96.5
5,900
2.3
102.3
6,030
2.3
102.2
数量
12,440
-
13,020
-
104.7
12,980
-
99.7
13,470
-
103.8
金額
21,600
8.2
21,960
8.7
101.7
22,400
8.6
102.0
23,160
8.8
103.4
数量
8,790
-
9,160
-
104.2
9,430
-
102.9
9,700
-
102.9
金額
19,700
7.5
19,900
7.9
101.0
20,500
7.9
103.0
21,140
8.0
103.1
数量
3,650
-
3,860
-
105.8
3,550
-
92.0
3,770
-
106.2
金額
1,900
0.7
2,060
0.8
108.4
1,900
0.7
92.2
2,020
0.8
106.3
金額
92,600
35.2
89,600
35.7
96.8
91,900
35.5
102.6
92,300
35.0
100.4
その他ゴルフ用品 金額
10,870
4.1
11,040
4.4
101.6
11,320
4.4
102.5
11,780
4.5
104.1
262,960
100.0
251,030
100.0
95.5
259,100
100.0
103.2
263,780
100.0
101.8
ゴルフクラブ
ウッド
ハイブリッド
アイアン
パター
ゴルフ用品
シューズ
キャディバッグ
グローブ
ゴルフボール
ラウンドボール
レンジボール
ゴルフウエア
合計
金額
注 1:メーカー出荷ベース
矢野経済研究所推計
注 2:本調査におけるゴルフ用品とは、ゴルフ用品取扱関連企業が生産・販売を行う、個人消費者向けのものをさす。自社ブランド商品の
国内出荷分を対象とし、「OEM 請負分」は対象外とする。
注 3:その他ゴルフ用品は、個人消費者に向けたゴルフ用品で、ティー・マーカー類、練習機器、コンペ商品等が含まれる。
注 4:2016 年は予測値
注 5:四捨五入のため、表データ内の比率合計が一部異なる。
Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.